通信制高校の費用はいくら?費用を徹底解説 更新時間 2023.11.02
通信制高校への入学や転入を考えるとき、もっとも気になるのは費用ではないでしょうか?
授業料や入学金以外にも、さまざまな費用がかかる通信制高校。
スムーズに卒業するためにも、その内訳をしっかり把握することが大切です。
本記事では、通信制高校にかかる費用や内訳について詳しく解説します。
通学スタイルや教材費、施設費など、重要なポイントを見逃さずに、進学先を選ぶ際の参考にしてください。
通信制高校にかかる費用
通信制高校にかかる費用について詳しく解説します。
通信制高校は柔軟な学習スタイルを提供する反面、費用については特有の仕組みがあります。
通信制高校の授業料は単位数で決まる
通信制高校の授業料は、履修する単位数によって決まります。
通常、1単位あたりの料金が設定されており、履修する科目や単位数に応じて費用が加算されます。
公立校では1単位およそ300円〜800円、私立高では6,500円〜12,000円が目安費用です。
自身の進度や学習計画に合わせて費用を調整することができるのが、通信制高校の特徴といえるでしょう。
高校卒業に必要な単位は74単位以上で、一般的には年間25単位を目標に単位数を設定します。
しかし年間の授業料を抑えたい場合は、年間15単位に抑えるなどして、3年以上かけて74単位を習得することが可能です。
学習プランやコースごとの費用変動
通信制高校では進学コースや在宅コースなど、学校ごとに学習プランやコースが用意されています。
そのため、全日制高校のように学費が一律ではなく、コースに応じて費用が異なる仕組みです。
将来の進路や目標に合わせて最適なプランを選ぶことで、費用対効果を高めることができます。
難関大学進学コースなどは個別サポートが徹底されている分、費用も割増になりことが多いです。
また通学頻度によって、交通費や施設利用費も変動するため、費用と学習バランスを考えた上でコースを選択しましょう。
教材費や受験料の諸費用について
授業料以外にも、教材費や受験料などの諸費用がかかることがあります。
教科ごとに必要なテキストや学習教材、通信費なども必要です。
また通信制高校にはスクーリングがあり、宿泊が伴う合宿スクーリングや集中スクーリングが実施されます。
多くは本校がある都道府県で実施されるため、交通費や宿泊費、食事代なども別途支払わなくてはいけません。
これらの費用もしっかり把握し、予算内で進学を計画することが大切です。
通信制高校の平均的な費用の内訳とは?
通信制高校の費用は、学習方法や教材、学校施設の利用などによって変動します。
内訳をしっかり理解し、予算を考慮した上で進学先を選ぶことが大切です。
学習コンテンツの形式と費用の関係
オンライン授業や通学授業、教材の提供形式によって費用が異なります。
もっとも高くなるのが、対面による個別授業や、生徒の自宅に訪問する家庭教師に近い学習スタイルです。
一方で、費用がかからないのが、自宅で学習を進める自主学習。
施設費が抑えられる上に、好きなときに集中して学習を進められるのがメリットです。
高校の費用を抑えたい方、仕事や趣味と両立させたい方におすすめできます。
オンライン学習では教材がデジタルで提供されることが多く、通学授業よりも教材費を抑えることができる傾向があります。
教材費やテキスト代の内容と価格
科目ごとに必要な教材やテキスト代が発生します。
年間で1〜3万円ほどかかるのが一般的で、教科書や参考書、実習材料などが含まれます。
これらの費用は科目や学年によって異なるため、費用の内訳を正確に把握することが重要です。
学校行事や制服代などにかかる費用
学校のイベントに参加する際の費用、制服代、部活動の活動費やユニフォーム代なども必要です。
また修学旅行や寄付金などがかかるケースもあり、学校ごとに必要な費用をしっかりチェックしなくてはいけなせん。
しかし学校行事への参加は強制でないため、費用を抑えたい方は不参加を選択することができます。
制服が用意されている学校であっても、購入するかは生徒自身が決められますので、必要な費用の幅も大きく変動するでしょう。
通信制高校に転入した場合にかかる費用
全日制高校から通信制高校へ転入する場合の、学年ごとの費用を解説します。
高3の途中から転入した場合
高校3年で転入する場合、すでに60単位近くを習得していることが考えられます。
全日制高校では3年間で90単位近くを習得するため、3年生の途中で転入しても同級生と同じタイミングで卒業することが可能です。
もちろん、すべての生徒が卒業できるとは限りませんが、多くの生徒は残り10単位近くを習得すれば卒業できるといえるでしょう。
そのため1年間に必要な授業料は、1単位1万円としても10万円ほどです。
ここに施設費や教材費、スクーリング代を含めると、およそ20万円で卒業できる見込みです。
高2の途中から転入した場合
高校2年で転入した場合は、習得している単位数は30単位ほどでしょう。
そのため、残り44単位くらいを2年間で習得することになります。
年間22単位の場合、1単位1万円とすると22万円が授業料として必要です。
施設費や教材費を考えると、30万円ほどを目安に考えておくといいでしょう。
高1の途中から転入した場合
高校1年生からの転入には、注意が必要です。
全日制高校では、学年の終わりに単位が習得されることがほとんどなので、1年の途中では単位が取得できていない状態です。
そのため、また1から学習をやり直さなくてはいけません。
可能であれば、1年生が修了するタイミングを待って転入するのがベストなタイミングです。
転入を考えているがすぐにでも学校を辞めたいという方は、担任の先生に相談して決めることをおすすめします。
通信制高校の費用を抑える3つのポイント
経済的な理由で、高校への進学を悩んでいる方もいるでしょう。
ここでは、通信制高校の費用を抑えて不安なく進学できるポイントを解説します。
通信制高校にも就学支援金が利用できる
2014年4月から「高等学校等就学支援金」制度が変更され、通信制高校も支援金の対象になりました。
私立通信制高校の生徒には、就学支援金が1単位あたり4,812円支給されます。
25単位を履修すると120,300円が支給されることになり、卒業までに74単位分の授業を受けると、合計で356,088円が支給されることになります。
この制度は世帯の収入に応じて支援金額が変わりますが、年収910万円以上の世帯は支給対象外です。
高卒資格が目的なら公立校が最適
学費を抑えるもっとも確実な方法は、公立の通信制高校へ進学することです。
公立の授業料は1単位300~800円ほどで、3年間で必要な費用はおおよそ10万円程度とされています。
しかしながら、通信制高校での卒業は高校卒業資格を得る大切なステップです。
そしてそれは、将来の人生に影響を及ぼすものでもあります。
公立校では中学校卒業程度の学力が前提とされており、登校日数は月に2〜3回と少ないため、自分で勉強のつまずきを乗り越える力が求められます。
またスクーリングや期末試験の日程が学校によって決められており、その日程に合わせて学校に通わなければならない場合が多いようです。
「サポートがなくても自分の力で卒業できる」という方には最善の選択肢ですが、自学に自信がない方には向いていない選択肢でしょう。
奨学金や特待生を利用する
学費の支払いを楽にするために、奨学金を利用するのも1つの方法です。
公的な奨学金は、日本学生支援機構(旧・日本育英会)から都道府県に移管された制度があります。
民間の奨学金もあり、寄付や企業出資に基づいたものや、あしなが育英会、財団法人交通遺児育英会などが提供しています。
さらに学校独自の奨学金制度も存在し、条件が合えば利用可能です。
例えば、「兄弟が在籍する場合は入学金が免除」といった特典があったり、「自己推薦入試で合格した生徒には入学金が免除」というような支援策があったりするケースもあります。
これらの取り組みによって、さまざまな方法で学費の負担を軽減することができるのです。
無償化政策がもたらす通信制高校の変化
通信制高校の費用に関する大きな転換点となった無償化政策について、その影響を徹底解説します。
無償化がもたらした変化を見ていきましょう。
無償化による学費負担の軽減効果
無償化政策のもと、通信制高校における学費負担は軽減されました。
これまで高額だった学費が、多くの生徒や保護者にとって負担の少ないものへと変わったのです。
無償化によって学ぶ機会が向上し、経済的な制約にとらわれずに進学できる環境が整ったといえるでしょう。
生徒数や進学実績に与える影響
無償化政策の影響は、通信制高校の生徒数や進学実績にも大きな変化をもたらしています。
学費の軽減により、通信制高校への進学が増加し、多様な層の生徒が学びの機会を得ることができるようになりました。
また、進学実績も向上し、大学進学や就職への道が広がっています。
以前の通信制高校は、「学力が低い生徒」や「問題行動のある生徒」などが集まっているイメージが多かったかもしれません。
しかし近年では、通信制高校から難関大学や国公立大学へ進学するケースも増え、多様な生徒が通う学びの場となりました。
学習環境や教材の向上に伴う変化
無償化政策に伴い、通信制高校の学習環境や教材も向上しています。
より質の高い教育を提供するために、学校側も充実した設備や教材の整備に力を入れているようです。
とくにICT活用への取り組みは著しく、さまざまなツールを用いて学習を提供する学校が増えています。
オンラインを活用して朝会を行ったり、アバターを使用して部活動や学校行事へ参加したりと、生徒同士の交流の仕方も変わってきました。
今後は、AIを駆使した学習指導などにも力を入れ始めるでしょう。
通信制について詳しく知りたい方は 「通信制高校とは?わかりやすく徹底解説!」も必見です!
サポート校を利用した場合の費用
通信制高校と切り離せないのが、サポート校の存在です。
進学にあたり、サポート校の利用を考えている方も多いでしょう。
ここでは、サポート校の学費について詳しく解説していきます。
そもそもサポート校とは?
通信制高校とは、全日制や定時制とは異なるスタイルで、必要な単位を取得して3年以上在籍すれば高校卒業資格が得られます。
最近では通信制サポート校も増えていますが、これだけで高校卒業資格は得られないので注意が必要です。
「通信制高校の授業についていけない」「大学受験を考えている」といった方にとって、サポート校は塾や予備校に近い存在です。
多くのサポート校が通信制高校と提携しており、同時に入学することができる場合が多くなっています。
こうしたサポート校は、途中でモチベーションが下がったり挫折してしまったりする生徒にとって、3年間で卒業できるようにあらゆる面から生徒を支えてくれる存在です。
サポート校にかかる費用の内訳
サポート校は、私立の通信制高校よりも学費が高いケースが多いです。
年間で40万〜100万円近い学費がかかるのに加え、通信制高校の学費も支払う必要があります。
つまり2校の学費を納める必要があり、その総額は60万〜120万円ほどになるでしょう。
学費を抑えたいならサポート校は利用しない
サポート校の学費は就学支援金が適用されず、完全に実費負担です。
メンタルや学習能力に合わせたサポートが受けられる反面、負担は少なくありません。
もし通学する際には、厳選したコースを選んだり、通学回数を調整するなどして学費を抑えることをおすすめします。
可能であれば、サポート校を利用しないのが学費を抑えるもっとも有効な方法です。
学習のモチベーションや必ず卒業するという意思があれば、サポート校を利用する必要はないでしょう。
高校の学費に困っている方は必見! 「高校の学費が払えない時の対処法!学費を安く高校を卒業するには?」を参考にしてみてください!
通信制高校の費用は工夫次第で抑えられる!
通信制高校にかかる費用や内訳、全日制高校から転入した場合にかかる費用について解説しました。
2020年4月から導入された就学支援金の充実により、学費の無償化や免除によって高校進学のハードルは低くなったと思います。
費用を気にせず、自分の行きたい高校を選べる生徒は大幅に増えたでしょう。
しかし学費は重要なポイントですが、通信制高校を選ぶ際には学費のみを基準にせず、自身の目標や卒業の見込み、進路などをよく考えて選ぶことが大切です。
学校選びは、将来の自分を築くための重要な選択です。
自分の夢や目標を実現するための学びの場として、通信制高校を選ぶことは大きな意味を持ちます。
学費に関する支援制度が充実している今、経済的な負担を抑えつつ、自分の可能性を最大限に引き出す道を選びましょう。
他にはどんな通信制高校があるのか気になる方は必見! 「偏差値60以上の難関大学を目指せる通信制高校一覧!通信制高校の大学進学は不利?有利?」を参考にしてみてください!