国家資格とは法律に基づいて設定され、職業のプロフェッショナルであることを証明するものです。
通常、実務経験や特定の資格を取得するための受験資格が必要とされるものが多いですが、中には受験資格が不要なものもあります。
国家資格と聞くと、実務経験や学歴がないと受験できないと考える方も多くいるでしょう。
そこで今回は、受験資格なしでも受けられる国家資格についてご紹介します。
初めて国家資格を受ける方や国家資格を取得して就職・転職に繋げたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。
- この記事で分かること
- 受験資格なしで簡単に取れる国家資格12選
- 受験資格のない国家資格の特徴
- 国家資格は3種類に分けられる
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受験資格なしで簡単に取れる国家資格12選
ここでは、受験資格なしの国家資格12選を紹介します。
注目すべき国家資格12選
- ファイナンシャルプランニング技能士
- 登録販売者
- 電気工事士
- 電気主任技術士
- 中小企業診断士
- 行政書士
- 宅地建物取引士
- 通関士
- 気象予報士
- ITパスポート
- マンション管理士
- 全国通訳案内士
それぞれの資格の内容や難易度などについてもご紹介します。
ファイナンシャルプランニング技能士
参照:日本FP協会
ファイナンシャル・プランニング技能士は、FP(ファイナンシャルプランナー)とも呼ばれ、厚生労働省が認定する国家資格です。
資格には3級、2級、1級があり、試験は日本FP協会や金融財政事情研究会で受験できます。
おもに銀行や証券会社などでの相談業務や資産設計提案に関わる際に活躍する資格で、様々な業界から需要があります。
なかでも、FP3級は受験資格が不要で、誰でも挑戦できるためおすすめです。
なおFP2級には「実務経験」「資格取得」「認定研修修了」の3つの受験資格、FP1級はきんざいが実施する学科試験の受験資格が必要ですが、日本FP協会では学科試験免除の方法が用意されています。
ファイナンシャル・プランニング技能士は自身のライフプラン策定や保険・投資に関する知識の活用にも役立ち、3級に関しては身近な勉強内容なので比較的挑戦しやすいとされていますのでぜひチャレンジしてみてください。
登録販売者
登録販売者は、ドラッグストアやスーパーで医薬品を販売するための資格で、近年の薬剤師不足解消として、医薬品販売のプロとして新たに設けられた資格です。
薬剤師になるためには、薬学部6年の修学と国家試験合格が必要ですが、登録販売者にはそのような厳しい要件はありません。
また2014年までは2年の実務経験が受験資格として必要でしたが、2015年からは撤廃された背景があります。
最近では受験資格のハードルが下がったことによって受験者数が増加しています。
しかし合格率は約45%前後と資格のなかでは比較的高く、資格取得がしやすいといった面があります。
医薬品販売に携わりたいけれど、薬剤師の資格を取得する難易度が高い人にとって、登録販売者資格は狙い目の資格だといえるでしょう。
電気工事士
電気工事士は、自家用電気工作物の保安に関する知識と技能を有する者の資格です。
第一種電気工事士の試験は学齢や職歴、年齢などの制限がなく、誰でも受験できます。
試験は筆記試験と技能試験の2つがあり、一定の条件を満たすと筆記試験が免除される場合もあります。
また技能試験は筆記試験に合格した者か免除者が受験できます。
電気工事士は自家用電気工作物に関わる電気工事の安全な実施に必要なスキルを持つことを認定するため、将来くいっぱぐれる心配もありません。
電気主任技術者
電気主任技術者は、発電所や変電所、需要家の受変電設備の維持管理や運用を担当するための資格であり、電気事業法に基づき電気工作物の保安監督をおこなっています。
一般的に「電験」と呼ばれ、電気設備業界での重要な資格のひとつとされています。
電気主任技術者は工業高校や専門学校の電気学科で学ぶ学生にとって登竜門的存在であり、国家資格として誰でも受験ができるといった特徴があります。
実務経験や学歴に制限がなく、電気技術者試験センターの試験案内に基づいて受験申し込みを行い、筆記試験を受験して所定科目を全て合格すれば電気主任技術者の免状を取得できます。
また第一種電気主任技術者免状は第三種・第二種に先立って直接挑戦することもでき、難易度は高いもののチャレンジする価値はあるといえるでしょう。
電気主任技術者は免状を取得することで電気工作物の保安監督業務に従事することができるので、業界でのキャリアアップが期待されます。
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中小企業診断士
中小企業診断士は、国家が認定する企業経営のコンサルタントとして活躍するための国家資格です。
資格を取得すれば経営状態の分析や経営上の課題に対する解決策の提案ができるようになり、中小企業だけでなく、大企業でも転職において有利な資格として重宝されています。
中小企業診断士試験には学歴や実務経験の制約がなく、中卒や高卒の方でも受験ができるといった特徴があります。
他の資格試験では大学卒業以上の資格が必要なことがある中、この資格は学歴に関係なく挑戦できる柔軟性があります。
また、実務経験の年数も必要ないので、しっかり学習時間を確保できる人であればおすすめ。
中小企業診断士県は1次試験・2次試験があり、1次試験は先に述べた用意制限がなく、2次試験も「1次試験に合格していること」「2次試験の筆記試験に合格していること」となっています。
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行政書士
行政書士は国家資格で、行政機関に提出される書類を代理人として作成する権限を持つ専門家です。
許可や認可を得るために必要な書類を作成し、行政機関との対話を補助するといった仕事を請け負います。
行政書士試験の受験資格には年齢、学歴、国籍などの特別な要件はなく、誰でも受験ができます。
しかし「未成年者」「成年被後見人もしくは被保佐人」「破産者で復権を得ない」「禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しないもの」だと、合格しても行政書士になれないため注意しなければいけません。
また、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士といった行政書士よりも比較的難易度が高い国家資格を持っていれば、試験免除で資格取得できます。
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宅地建物取引士
宅地建物取引士は通称「宅建」と呼ばれ、不動産取引におけるエキスパートとして活躍する国家資格です。
不動産に関する深い知識や鑑定能力を身につけ、不動産業界や金融機関で重宝されます。
また不動産の取引や融資業務に携わる人々にとって有益であり、自身が住宅を購入する際でも知識が活かせるメリットがあります。
宅地建物取引士の試験は実務経験や学歴、年齢に左右されず、誰でも受験ができます。
昔は学歴による受験資格の制限がありましたが、平成8年以降は中卒の方でも自由に受験でき、かつ実務経験も不要になりました。
ただし、合格率は15~17%と低く、かなり難易度が高い資格なので十分な対策が必要です。
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通関士
参照:税関
通関士は貿易関連の唯一の国家資格であり、未経験者でも就職や転職に有利となるメリットがあります。
おもに輸出入における税関手続きを代行する専門家として働き、通関業者をはじめとして運送会社、航空会社、船舶会社、倉庫会社、貿易会社、商社、メーカーなどさまざまな職場があります。
通関士の役割は、税関での書類作成や検査審査を行い、必要に応じて関税を徴収します。
通関士試験には受験資格がなく、実務経験や講座修了などは問われません。
試験は例年10月上旬に13の都道府県で実施され、1日で完結するマークシート方式が採用されています。
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気象予報士
参照:気象業務支援センター
気象予報士は気象庁の高度な予測データを活用し、天気の専門家として活動する資格です。
主な職場は防災コンサルティング会社や自治体の防災関連部署で、フリーランスとしても活躍できます。
気象予報士資格試験は受験資格の制限がなく、試験は学科試験と実技試験から構成されています。
また、学科試験において合格した科目は1年間有効となるため、1年以内に再度試験を受ければ、前回合格した科目の受験を免除することができます。
気象予報士試験は合格率が低く難関とされつつも、最年少合格者が11歳、最高齢合格者が77歳と幅広い年齢層が受験しています。
スクールや通信講座などであれば効率的に学習を進められるでしょう。
ITパスポート
ITパスポート試験は、幅広い分野にわたる基礎的なIT知識を証明する国家試験です。
おもに最新の技術や手法、経営全般、IT、プロジェクトマネジメントなどに関する知識が求められます。
試験の目的はITを業務に効果的に活用する「IT力」の向上であり、2009年から開始されて以降多くの社会人や学生に支持されています。
事務職・テクニカルサポートのオペレーター・IT企業の営業職・などで重宝され、特に倍率が高い事務職ではITパスポートを持っていると有利になりやすいといわれています。
ITパスポート試験に受験資格はなく、試験合格率も50%台前半と一般的な難易度なので比較的目指しやすい資格のひとつだといえるでしょう。
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マンション管理士
マンション管理士は、マンションの専門知識を有する専門家です。
管理組合や区分所有者からの相談に応じ、アドバイスや指導を行う仕事です。
具体的には、会計処理や組織運営、修繕工事計画などの相談に対応するほか、管理規約や使用細則の策定や見直しに加え、自治体主催のセミナーや相談会でアドバイザー業務など多岐にわたります。
マンション管理士の取得には受験資格が必要なく、資格取得にはマンション管理士試験の合格が必要です。
ただし、試験の合格率は9%前後で非常に高難易度となるので対策が必要となります。
全国通訳案内士
全国通訳案内士は通訳と旅行案内を組み合わせる難関資格です。
英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など10カ国語から受験言語を選び、受験資格がないのが特徴です。
なお実際に仕事として活用すのであれば、試験への合格に加えて自治体の登録が必要となります。
おもな仕事内容としては、観光地案内・文化体験のサポート・観光情報の提供・イベントの通訳などが挙げられます。
合格率は10%前後で、高い外国語能力と共にコミュニケーションやプレゼンテーションスキルも要求されます。
通訳案内業務を想定した実用的な試験形式が採用され、語学スキルとホスピタリティの組み合わせが評価されるものとなっています。
受験資格のない国家資格の特徴
受験資格のない国家資格についてご紹介してきましたが、さまざまな職種の国家資格があることが分かります。
特徴としては年齢制限がなく、純粋に試験への合格のみが重視されるといった傾向にあるようです。
さらに登録販売者など、最近になって受験資格のハードルが下がったものもあります。
人手不足といった背景もあるとみられ、これからますます目指しやすい国家資格が増えてくると考えられます。
受験資格なしで高収入の見込める国家資格
ここでは、受験資格なしでも資格取得すれば高収入を見込めるおすすめの国家資格4選を紹介します。
高収入が見込める国家資格4選
- 行政書士
- 司法書士
- 土地家屋調査士
- 中小企業診断士
難易度が高く合格率も低めですが、取得できれば高収入が見込める職種に活かせる資格でしょう。
行政書士
先にも述べたように行政書士試験の受験資格には年齢、学歴、国籍などの特別な要件はなく、誰でも受験ができる資格です。
行政書士の平均年収はおおよそ600万円程度で、中には2,000万円以上稼ぐといった人もいるといわれています。
また資格がないとできない独占業務のひとつでもあるため、独立する人も多いといった点も高収入を狙える理由となっています。
合格率は約10%とかなり難関にあたりますが、安定した収入を得られる仕事です。
司法書士
参照:法務省
司法書士は試験は筆記試験と口述試験に分かれており、筆記試験には受験資格がなく、年齢・学歴・性別関係なく受験できます。
口述試験は筆記試験合格者のみが受験できる仕組みとなっています。
なお受験回数にも制限がないことから、合格するまでチャレンジできるといった面もあります。
司法書士は、住宅や土地の売買に関連する不動産登記や法人の登記、裁判所提出書類の作成などをおもな担当業務としています。
試験の合格率は3~4%とかなり低いですが、司法書士資格がないと行えない業務であり、行政書士同様に独立を考える方にもおすすめです。
独立司法書士の平均年収は約630万円で、一部では1000万円以上も稼いでいるケースも見られます。
土地家屋調査士
参照:法務省
土地家屋調査士の資格を持っていれば、不動産の表記に関する登記をおこなう際、土地や家屋に関する調査・測量をすることができます。
受験資格の制限はなく、測量士、測量士補、一級・二級建築士のいずれかの資格を所有していれば、前半の「午前の部」の試験が免除されます。
土地家屋調査士の平均年収は約800万円以上といわれていますが、土地の売買が盛んなところかどうかなど地域によって左右されるため注意が必要です。
試験の合格率は約6~9%と難関ですが、独立開業も目指せます。
中小企業診断士
中小企業診断士試験には先ほども述べたように学歴や実務経験の制約がなく、中卒や高卒の方でも受験ができるといった特徴があります。
資格取得後は、企業内で経営企画などの担当者として働くケースと、コンサルタントとして独立するケースに分けられます。
中小企業診断士の平均年収は約800万円程度で、合格率が4%と国家資格の中でもかなり難関であることから、会社員の中でも差別化が図れるメリットもあるのでぜひチャレンジしてみてください。
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簡単にとれる国家資格
比較的簡単に受験できる国家資格は、以下の通りです。
簡単にとれる国家資格
- ファイナンシャルプランニング技能士
- ウェブデザイン技能士
- 危険物取扱者
資格取得のための勉強は必須ですが、受験資格がないため、必要になればいつでも受験できる資格です。
ファイナンシャルプランニング技能士
参照:日本FP協会
FP技能士は1級・2級・3級と難易度は3つに分類されており、先にも述べたようにFP3級は受験資格が不要です。
また3級は、はじめて学ぶ人でもおおよそ80時間程度(1ヶ月)の学習時間で合格を目指せるといわれています。
知名度も高く、「おもに保険や不動産、金融業界で活かせるスキルを身につけたい」「社内でアピールできる資格を取りたい」といった方にはおすすめです。
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ウェブデザイン技能士
参照:ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定とは、日本の一般財団法人である情報処理振興事業協会(IPA)が実施している、ウェブデザインのスキルを測定する検定試験です。
1級から3級まであり、3級・2級(大卒・短大卒・高専卒)までは実務経験がなくても受験できます。
合格率は3級で30%程度、2級は15%程度、1級は5%程度と、国家資格の中でも比較的目指しやすいといえるでしょう。
ウェブデザインに興味があるなら、国家資格のウェブデザイン技能検定がおすすめです。
3級は30時間程度、1日1時間で1ヶ月以内で合格を目指せるといわれています。
たとえば学生時代や仕事の合間でも充分時間を確保できるので、ウェブデザインの基礎知識を身につければ、就職や転職の際でもアピールポイントとなります。
デザイナーとしてのスキルを証明するうえでも、強力な武器となるでしょう。
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危険物取扱者
危険物取扱者は、消防法によって定められているおもに危険物を取り扱う国家資格です。
甲・乙・丙と3種類に分かれており、乙・丙は誰でも受験できます。
ちなみに甲は大学などで「化学」に関する学科を修了した人になっています。
合格率は甲種で40%程度、乙種で45%程度、丙種で50%程度と比較的高い方だといえます。
丙種は30時間程度の勉強時間、甲・乙種でも70時間程度なのでおおよそ1ヶ月程度で目指せます。
難易度が低い国家試験を探しているといった方いおすすめです。
簡単に取れる国家資格の特徴
比較的簡単に取れる国家資格の特徴は、以下の3点です。
注目すべき特徴
- 受験のハードルが低く挑戦しやすい
- 合格率が高い
- 就職の際に活用できる
他の国家資格よりも簡単にとれる資格には特徴があります。
挑戦しやすい一方で、活用できる幅は限られているため、必要な資格であるか検討した上で取得を目指しましょう。
受験のハードルが低く挑戦しやすい
簡単にとれる国家資格の特徴として、受験資格がなく、受験のハードルが低いことが挙げられます。
一般的に国家資格には受験資格が設けられているものが多くあり、誰でも受験できるものではありません。
学歴や実務経験が必要な資格の場合、大半の人は受験できないでしょう。
しかし、簡単に取れる国家資格は学歴や実務経験が不要なものがほとんどです。
中には年齢制限も設けられていない資格もあるため、中学生や高校生でも受験できます。
自身の頑張りだけで、資格が取得できる点もメリットといえるでしょう。
合格率が高い
簡単に取れる資格の多くは、合格率が高いことが特徴です。
10%未満の合格率である国家資格は難易度が高く、容易には合格できません。
一方で、FP3級(ファイナンシャルプランナー)の資格であれば半数以上合格できます。
難易度が高い資格ほど合格率は下がるため、資格の取得を悩んでいる場合は合格率で検討するのもよいでしょう。
就職の際に活用できる
簡単にとれる資格であっても、国家資格は就職の際に有利になります。
宅建やFP1級の資格を取得できれば、独立することも可能になるため、大幅な収入アップも見込めます。
資格取得の際に学習したことは必ず活かせることを覚えておきましょう。
簡単に取れる国家資格取得のメリット
国家資格は、国が認めている資格のため、資格保有者の信頼度は高まります。
そのため、就職・転職の際は有利に働き、他の人との差別化にも有効です。
ここでは、国家資格取得のメリットを紹介します。
仕事の幅が広がる
国家資格を取得していると、仕事を探す際にさまざまな職種に挑戦できるようになります。
資格がない人の場合、これまでの仕事内容と類似する職種や自身の得意とする分野でしか仕事を見つけられません。
一方で、資格を取得していると、学習で身につけた知識を活かせる職種や新たな分野にも挑戦しやすくなります。
また、資格保有者しか就職できない企業にも挑戦できるため、仕事の幅は大きく広がるでしょう。
社会的信頼度が高まる
国家資格の取得は、社会的信頼度が高まるのもメリットでしょう。
資格取得のために、計画を立てて学習を行っていることは勤勉な印象をあたえます。
国家資格は、履歴書でのアピールにも活用できるため、専門職などに就職する際は強みとなります。
国家資格は3種類に分けられる
国家資格は法律で決まった規制に則り、以下の3種類に分けられます。
国家資格3種類
- 業務独占資格
- 名称独占資格
- 設置義務資格
それぞれの国家資格は、難易度や受験資格が異なります。
受験する前にどの国家資格に当てはまるか確認した上で、対策を立てましょう。
①業務独占資格
例えば行政書士法では、行政書士の業務を有資格者以外が行うことは違法で、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」など罰則が科せられます。
業務独占資格は、独立開業や転職においても強力な武器となるため、持っておいて損はありません。
主な独占業務資格には以下のものが挙げられます。
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
- 弁理士
- 社会保険労務士
- 通関士
- 宅地建物取引士
- 管理業務主任者
- 土地家屋調査士
- 測量士
- 陸上特殊無線技士
- 公認会計士
- 危険物取扱者
資格取得の難易度は高く、多くの知識が必要な国家資格です。
②名称独占資格
名称独占資格は、無資格者でも同じ業務を行える点が業務独占資格との大きな違いということですね。
名称独占資格は、資格者にとっては自己の専門性を保護し、他者との差別化を図るために有効だと考えられています。
主な名称独占資格には以下のものが挙げられます。
- マンション管理士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 技術士
- 中小企業診断士
資格がない場合でも、資格に携わる業務をこなすことは可能です。
③設置義務資格
企業や事業場においては必置資格を持つ有資格者がいないと、関連業務ができなくなります。
設置義務資格は通常、「業務独占資格」または「名称独占資格」のいずれかとセットとなっています。
設置義務資格は、企業からの需要が高いため、有資格者を抱えることは就職や転職時において大きな強みとなります。
主な設置義務資格には以下のものが挙げられます。
- 宅地建物取引士
- 衛生管理者
- 管理業務主任者
- 測量士
- 通関士
- 採石業務管理者
設置義務資格は企業からの需要が高いため、有資格者を抱えることは就職や転職時において大きな強みとなります。
国家資格で設けられる一般的な受験資格
今回は受験資格なしの国家資格についてご紹介してきましたが、一般的な国家資格には以下の受験資格が設けられています。
一般的な受験資格
- 学歴
- 身体要件
- 講座の受講
- 実務経験
国家資格受験には、受験資格のない資格もありますが、細かく受験資格が設けられているものもあります。
ここでは、受験資格の内容について詳しく解説していきます。
学歴
主に公務員試験には、「高卒程度」「短大・専門卒程度「大卒程度」など3種によって受験内容やレベルが異なることがほとんどです。
また司法試験や社会保険労務士などだと、「原則、短大や大卒以上」を受験資格としています。
ちなみに司法試験は合格しただけでは弁護士や裁判官になれるわけではなく、さらに司法修習や司法修習生考試を突破することで資格取得できるので、さまざまな関門を突破しなければいけません。
身体要件
とくに消防士や警察官、航空管制官といった公安関係の試験では、一定の身長や体重、視力、体力といった身体要件が必要となるケースがあります。
いずれにしても体力がないと勤まらない仕事なので、受験資格のひとつとして満たさない場合は努力しなければいけません。
講座の受講
たとえば美容師といった専門的な技術を要する職種の場合、指定の講座の受講によって受験資格を得られるケースがあります。
ほかにも決まった養成施設や専門学校などで、一定の期間かけて学ぶといったものも。
食品衛生責任者や倉庫管理主任者は1日の講習のみ、他にも数日の講習と試験を受けることで資格取得できる国家資格もあります。
実務経験
調理師や介護福祉士、技術士など、専門的な技術や知識が必要になる資格を取る場合、決まった年間の業務に従事していないと受験資格を得られないこともあります。
ほかにも税理士は職歴や実務経験、建築士は学歴と実務経験が細かく決まっているケースも。
また受験資格はなしといっても、試験合格後に実際仁資格を使って働く場合、登録するのに実務経験が必要となるものもあります。
より上の資格を取得してキャリアアップしたい方、難易度の高い国家資格にチャレンジする方こそ実務経験が必要かどうか事前に確認するようにしましょう。
国家資格取得の勉強方法
国家資格取得には、さまざまな勉強方法があります。
どの勉強法でも自分に合っていることが重要です。
ここでは、国家資格取得の勉強方法について紹介します。
独学で学ぶ
国家資格の取得は、独学でも可能です。
特に難易度が低い国家資格の場合、自分でしっかり学習計画が立てられれば合格できる可能性も高いでしょう。
独学で学習する場合は、テキスト選びが重要です。
解説のわかりやすさなどで数冊を比較し、自分の勉強法に合う教材を選択しましょう。
通信講座を利用する
国家資格取得の際は、通信講座を利用する人も多いでしょう。
通信講座は、さまざまな国家資格の取り扱いがあります。
テキストの教材だけでなく、スマホやタブレットから学習が進められるものも多くあるため、学生や社会人など時間がない人でもスキマ時間での勉強が可能です。
一方で、講座費用が高額であったり、気軽に講師に質問できないなどのデメリットもあります。
メリット・デメリットを把握した上で、自身に必要な勉強方法であるか見極めて利用しましょう。
受験資格なしで受けられる国家資格はある
今回は、受験資格なしでも受けられる国家資格についてご紹介してきました。
国家資格は450種類程度あるといわれていますが、年齢や学歴関係なく受験資格なしでも受けられるものはたくさんあります。
国家資格を取得しておけば、就職や転職の際にアピールできるメリットがあります。
もちろん難易度が高いものもありますが、合格率が比較的高めでチャレンジしやすい資格も。
もし資格取得を目指すのであれば、通信講座や予備校などを利用するものもひとつです。