”ひよこ鑑定士”と呼ばれる特殊技術者の方たちは、ひよこのオスとメスを分ける仕事をしています。
正しくは、「初生雛鑑別師」という名前の職業です。
ひよこはある程度大きく育てば、誰でもオスとメスの区別がつくようになります。
しかし、一日も早く判別して、より良い飼育ができるようにする必要があります。
ひよこ鑑定士になるには、どんな学校(養成所)に通うのでしょうか?気になる年収もチェックしていきましょう!
ひよこ鑑定士ってどんな人?
皆さんは、”ひよこ鑑定士”という職業をご存知でしょうか?
『初生雛鑑別師』というのが正しい職業名であり、卵から孵ったばかりのひよこのオスとメスを判別するという特殊技術者です。
ひよこがある程度成長すれば、見た目や鳴き声などで性別が分かるようになります。
なぜ、わざわざひよこを判別する仕事ができたのでしょうか?
なぜひよこ鑑定士が必要なの?
しかし生まれたばかりのひよこはオスとメスの区別が難しいので、誰にでも見分けができるわけではありません。
そこで鑑別のプロとして誕生した職業がひよこ鑑定士というわけです。
ひよこ鑑定士がなぜ必要な仕事とされているかというと、メスは食用の卵を産み、オスは鶏肉になるのでそれぞれを分けるためです。
早いうちからオスとメスを分けなければならない理由は、目的に合ったエサを与える必要があるためで、養鶏産業にとってとても大切な職業となっています。
ひよこの見分け方とは?
ひよこのオスとメスは、見分ける方法がいくつか存在します。その中でも主に有名なやり方のひとつが『羽毛鑑別』で、もうひとつが『肛門鑑別』という方法です。
ひよこを『羽毛鑑別』の方法で区別する時は、商用として大量に生産される場合です。
これは独自の交配法によって、羽の伸びる速度が、オスとメスで違うということを利用したものです。
そして『肛門鑑別法』は、日本で開発された方法です。
ひよこの排泄口を見ることで、オスとメスを区別するという高度な技術となっています。
主なひよこ鑑定士は、この技術を持っている人のことを指しています。
ひよこ鑑定士になるには?
ひよこ鑑定士になるには、学校(養成所)に通うことが一般的です。
その学校はどのようなところなのでしょうか?
『初生雛鑑別師養成所』に入所する
ひよこ鑑定士になるには、学校(養成所)の試験に合格して入所しなければなりません。
養成所を受験するためには、①満25歳以下であること、②高校卒業程度の学力があること、③視力が1.0以上あること、という3つの条件を満たす必要があります。
養成所を卒業したあとも、すぐさまひよこ鑑定士になれるわけではありません。
卒業後は3年間ほど実務経験を積んで、公益社団法人畜産技術協会が開催する予備試験と高等考査に合格します。それから初めて、『初生雛鑑別師』になれます。
入所したあとが大変
ちなみに学校の入所試験は、それほど難しくはないとされています。
しかし、入所した後にかかる諸々の費用が100万円以上という大金であるうえ、訓練が非常に厳しいと言われています。
そのため、せっかくひよこ鑑定士を志しても、資格を取得できずに中退してしまう人も多くいます。
しっかりと訓練を終了してひよこ鑑定士となるのは、入所者のおよそ半分ほどとなっています。
ひよこ鑑定士になるには、簡単な道では決してないようですね。
ひよこ鑑定士の年収はどのくらい?
ひよこ鑑定士は、”高収入である”というイメージを強く持たれている職業です。
もちろん、金銭面で職業を選ぶことが悪いわけではありませんが、果たして事実なのでしょうか?
ひよこ鑑定士となるには、必見の情報です!
高収入は、昔の話?
ひよこ鑑定士は、平均で500万円から600万円くらいが年収だと言われていました。
しかし、現在ひよこ鑑定士として勤務している人の話によると、それは「昔の話」となっています。
それは、日本国内での仕事が「歩合制」であるうえ、仕事が減りつつあることが原因だとされています。
仮に、お金に関係なくひよこ鑑定士の仕事がしたいと思っていても、仕事がなければ生活することはできません。
日本国内でも、盛んに養鶏が行われている場所ではひよこ鑑定士としての仕事もたくさんあることでしょう。
しかし、ひよこの数によっても仕事が左右されてしまうため、今は月収として20万円ほどが平均的な額となっています。ちなみにひよこ一羽につき、鑑別するお金は4円から5円ほどとなっています。
そこで、需要が大きく見込まれているのが海外となっています。
外国でひよこ鑑定士になれば、儲かる?
なんと海外の中でも、とりわけヨーロッパではひよこ鑑定士を常に欲している状態なのです。
これはひよこ鑑定士として働く人々がだんだんと高齢になっていることもあり、若手の鑑定士を育成したいという希望もあるからです。
繁忙期だと、一日のうち12時間もひよこの性別をずっと鑑別することもあります。
ですが、労働に見合った高い年収を得ることができるということもあり、ひよこ鑑定士となって海外に進出したいと考えている人も少なからず存在しています。
ひよこ鑑定士になるには、日本での活躍よりも海外に目を向けた方が様々な面でプラスとなる可能性が高いですね。
ひよこ鑑定士に向いているのはこんな人
ひよこ鑑定士となるには、「手が小さい人」が向いていると言われています。
手が小さいとひよこを上手く包み込むことができ、オスとメスを見分けやすいためです。
そのため、ひよこ鑑定士になるには「手が大きい人」は向いていないとも言われています。
大きな手でもしっかりとひよこを見分けられる場合は別だと思われますが、手が小さい人が多いアジア人が、鑑定士として求められている理由も頷けますね。
ひよこ鑑定士には長期休暇がある?
ひよこ鑑定士のお仕事には、忙しい繁忙期とあまり仕事がない閑散期があります。
平均だと一日の労働時間はおよそ7時間ほどだそうですが、これが繁忙期に突入すると12時間という長い時間をかけて働くことになります。
工場に勤めておらず、フリーランスのひよこ鑑定士であれば休日や勤務時間を自分で選ぶこともできます。
また、閑散期であれば長期休暇を得られることもあるので、バカンスを楽しむ人もいます。
ひよこ鑑定士についてのまとめ
ひよこ鑑定士になるには、日本よりも海外で就職することを考えた方が、需要が高い傾向にあります。
ひよこ鑑定士は学校に入学する難易度はそれほど高くないものの、資格の取得が容易ではないことから、夢半ばで諦めてしまう人が多いのが現状です。
ひよこ鑑定士となるには、同じ作業を続けて行く忍耐力とひよこへの愛がある人が向いていると言えます。
かわいいひよこに囲まれてお仕事がしたいと考えている方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。