鍵を紛失してしまった時や鍵を壊してしまったといった「鍵」に関連するトラブルを解決してくれる「鍵師」や「鍵職人」と呼ばれる職業ですが、実際になるにはどうしたら良いのでしょうか?
今回は、鍵師・鍵職人になるには資格は必要なのかや、仕事に必要な道具、知識や技術を習得するための学校などをご紹介していきます。
鍵師・鍵職人とは?
「鍵師」「鍵職人」とは、鍵に関する専門知識を持った鍵のプロフェッショナルです。
主に鍵を紛失した、鍵が壊れてしまったといったトラブルを、その知識や技術をもとに解決するのが仕事になります。
比較的珍しい仕事ではありますが、予期せぬ鍵のトラブルに対応できるので社会になくてはならない仕事です。
近年ではセキュリティの観点から鍵の仕組みが複雑になっているため、なるには鍵に関する知識をしっかりと身に着ける必要があります。
また、実際に鍵を開けたりすることが主な仕事であるため、仕事をするには知識に加えて技術も身につけなくてはなりません。
鍵師・鍵職人の仕事内容は?
基本的には鍵を紛失してしまった時に、鍵を解錠したり鍵を交換したりすることが主な仕事となります。
鍵の解錠の他にも、鍵の複製など鍵に関する全般的なトラブルの対処も鍵師の仕事です。
対応するのはトラブルの多い家や車の鍵だけではありません。金庫やスーツケースなど、あらゆる鍵のトラブルの対処が仕事となります。
鍵によっても形状や仕組みが様々であるため、鍵に関する幅広い知識が必要となります。
鍵師・鍵職人になるには資格は必要?
今回ご紹介している鍵師と、鍵職人ですが、実は資格の有無によって名乗れるかどうかが異なります。
仕事内容や、業務内容に大きな違いはありませんので、資格を取得するかどうかはどんな鍵師・鍵職人になりたいかで決めるのが良いかもしれませんね。
鍵師になるには資格が必須
鍵師を名乗るには「鍵師技能検定試験」に合格し資格を取得しなければなりません。
また、この資格を所持していない人が鍵師を名乗ることは禁止されています。
鍵職人の中でも特に、鍵に関する専門知識を持っていることの証明となるため、鍵職人として仕事をしていく上では持っておいた方が良いかもしれません。
鍵職人になるには資格は不要
一方で、鍵職人は資格がなくとも名乗ることが可能な職業です。
鍵職人に関する資格はいくつか存在していますが、取得しなければいけない資格というものは存在しません。
とはいえ、鍵職人として鍵に関する資格を取得することは無駄になることはありません。
鍵職人としての技術や知識は必要となりますので資格を取得しないにせよ、何らかの形で専門知識や技能を学ぶ事は必須となります。
「鍵師」を名乗れるのは鍵師技能検定試験合格者だけ
鍵師技能検定試験は鍵に関する専門知識を持っていることを認める資格です。
筆記試験だけではなく実技試験もあるため、合格のためには知識と技術の両方の習得が必須となります。
資格が無くても鍵職人としての仕事をすることはできますが、先ほども述べたように鍵師技能検定試験に合格しないと「鍵師」「カギ士」「錠前師」などの名前を名乗ることはできません。
これは、鍵師技能検定試験が「鍵師」を登録商標としているためです。
日本鍵師協会の公式サイトには、
「鍵師」は当協会の登録商標です。日本鍵師協会の技能検定試験で認定される以外では、「鍵師」を標掲して錠前関連ビジネスを行うことは一切出来ません。また「錠前師」「カギ士」等の使用についても同様の扱いとなります。
と、記されています。
一般的に認知されている鍵師として、鍵に関する仕事をすること自体には資格はいりませんが、「鍵師」として名乗ってビジネスをするためには鍵師技能検定試験に合格しなくてはならないためご注意ください。
出典:日本鍵師協会
鍵師技能検定試験の種類や内容
鍵師技能検定試験は一級鍵師資格と二級鍵師資格の二つに分かれています。
二級鍵師資格は主に鍵師になるための一般的な技術や知識を有してしることを認める資格です。それに対して、一級鍵師の資格は鍵に対する高度な専門知識や特殊な鍵の取り付け、解錠技術をもっていることを証明する資格となっています。
また、一級資格の所有者の中でも特に高度な技術を持っている方にはマスター鍵師の資格が与えられることもあるそうです。
鍵師技能検定試験の難易度は?
難易度は特別難しいというわけではありません。
専門的な技術こそ必要なものの、しっかりと勉強しておけば合格は十分狙うことができます。
特に鍵師技術検定試験を行なっている日本鍵師協会は、試験に準拠した「鍵師養成7日間講習」という講習を行なっています。
講習を利用すれば資格取得のための知識や技術を習得できるため、合格自体はそこまで難しくありません。
鍵師・鍵職人になるための方法は?
鍵師は資格を取得しなければならないため、なるためにはそもそも資格取得が必須となります。
一方で鍵職人は資格取得が不要なため、知識を得ることができればなるための方法はいくつかあります。
ここからは鍵師になるための方法と、鍵職人になるための方法をそれぞれに分けてご紹介いたします。
鍵師になるための方法
鍵師になるためには、鍵師技能検定試験に合格したうえで協会に認定登録を行い初めて名乗ることができるようになります。
鍵師技能検定試験の受験資格は以下の通りです。
- 日本国籍である
- 16才以上
- 前科がない
- 日本鍵士協会主催の講習を受講
厳しい受験資格はありませんが、日本鍵師協会主催の講習を受講しなければ試験を受けられないため、独学で資格を取得することはできません。
鍵師養成講習は日本鍵師協会が主催しており、7日間にわたって行われます。
鍵師を名乗るためには必ずこの講習を受け、協会に認定登録をしなければなりません。
鍵職人になるための方法
資格の取得自体は任意である鍵職人であれば、なるためにしなければならないというものはありませんが、技術や知識は身に着ける必要があります。
鍵職人になるために、技術や知識を得るための方法は大きく分けて2つあります。
専門店に就職し、鍵師や鍵職人に技術を教わる
一つは、鍵の専門店に就職し鍵師の方から技術を教えてもらいながら鍵師になるという方法です。
働きながら色々と学んでいくため大変ではありますが、現役の鍵師の方から直接教えてもらえるため経験を積みながら鍵師としての修行を積むことができるのが利点です。
民間のスクールに通う
現在、鍵職人になるための技術を学べる専門学校や大学などは存在しないため、民間のスクールに通う事で習得できます。
学校を利用して学ぶためお金と時間はかかりますが、基礎的な知識や技術をマスターした上で就職先を探すことができます。
鍵師・鍵職人になるために道具は必要?
鍵師や鍵職人として仕事をするには、もちろん解錠のための専門的な道具が必要になります。
解錠には一般的な工具類であるドライバーやドリルなどをはじめ、鍵開け専用のピッキングツールなど様々な道具が必要です。
しかし、業務や正当な理由がある場合を除き、ピッキングツールの所持は違法とされています。また、ドライバーなどピッキングツール以外の解錠道具を理由無しに携帯することも違法となってしまいます。
道具を揃えるのは学校で学んだり道具を揃えてからでも遅くは無いので、鍵師・鍵職人を目指しているからと言ってすぐに自分で道具を用意する必要はありません。
鍵師・鍵職人の就職先
最後に、鍵師や鍵職人としての就職先についてご紹介します。
鍵職人の中には、その技術を使用して「開かずの金庫を開錠する」テレビ番組出演を果たしている方もいます。
どんな鍵師・鍵職人になりたいか、どんな仕事を行えるかぜひ参考にしてみてください。
鍵屋さんで合鍵の制作
ホームセンターや駅、街中で見かける鍵屋さんが主な就職先となります。
主に合鍵の制作していますが、ヒールの手直しを合わせて行っている店舗が多い印象です。
また、街中のお店では鍵トラブルに対応している店舗もあります。
街の便利屋や、鍵トラブル専門業者
鍵トラブルをメインに受け持ちたいのであれば、鍵の技術や知識を活かして街の便利屋や、トラブル専門業者への就職もあげられます。
このような業者であれば、新人教育の一環として鍵職人としての知識を伝授してもらうことができるかもしれません。
セキュリティ関係の企業
鍵に関するプロとして、セキュリティ関係の企業に就職することもできるかもしれません。
鍵や鍵穴などの安全性を知識のあるプロ目線から見ることができます。
資格や技術を活かせるかは求人サイトや企業に問い合わせるなどして確認するようにしましょう。
鍵師・鍵職人として独立する
十分な知識を身に付けているのであれば独立するのも方法の一つです。
中には鍵開けのプロとして、テレビ出演をはたしている方もいらっしゃいます!
鍵開け職人として第一線で活躍している「玉置恭一」さんをご存じの方も多いのではないでしょうか?
今回の2本はそれぞれ「開かずの金庫」から出てくる中身としては
あるいは出てきてほしい中身としては
正解の品なのかもしれんなーはじまってまっせー#所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ pic.twitter.com/cpDzCQHWne
— 玉置恭一 (@Tamakyo1) October 28, 2022
大人気番組にも多数出演しており、現在でも人気の高い「開かずの金庫」のコーナーにレギュラー出演している鍵職人です。
玉置恭一さんは、その鍵に関する豊富な実績と経験から、鍵のトラブルの対応を行うだけでなく、鍵職人が厳選した安全性の高い金庫の販売や情報提供を行っています。
鍵師・鍵職人になるには?まとめ
鍵師や鍵職人は合鍵の作製や鍵のトラブルに対応する仕事です。
鍵職人であれば資格は不要ですが、鍵師を名乗るのであれば鍵師養成講習を受講したうえで鍵師技能検定試験に合格する必要があります。
鍵師や鍵職人としての就職先は合鍵を作製する鍵屋さんや、鍵のトラブルに対応する便利屋や、鍵トラブル専門業者、セキュリティ関係の企業などが挙げられる他、プロの鍵開け職人としてテレビで活躍したり鍵の知識を持って金庫販売を行うなど様々です。
多くの知識や技術が必要となる仕事ですがその分、需要もあり、責任感が必要な仕事である鍵師や鍵職人に興味のある方はぜひ、今回の記事を参考にしてみてください!
監修者情報
玉置恭一
金庫・鍵のスペシャリスト

22歳から鍵職人として始動。 ジャパンロックレスキューサービス株式会社 専務取締役 株式会社ミライアン 代表取締役を経てジャパンベストレスキューシステム株式会社入社。 同社退社後、株式会社ミライアン再始動。 現在は凄腕鍵開け職人として多数のテレビ番組にも出演中。
所有資格等
総合防犯設備士