どのような時代になっても、医療系の仕事は需要があるので就職には困りにくいと一般的には言われています。
それでは、心に大きな悩みを抱えている人々をサポートする業務に従事している”精神保健福祉士”もそうなのでしょうか?
精神保健福祉士の年収は平均的にいくらくらいか、将来性はある仕事なのか、離職率がどのくらいかなど徹底検証していきます!!
稼げる・儲かる資格おすすめランキングTOP12!取得難易度や収入アップ・副業でも活用できる資格を徹底比較【2024年最新】
医療系の職業は安定している?
一般的に医療系の職業は、どのような時代になっても需要があるので就職には困りにくいと思われている風潮があります。
確かに医師や看護師は長期間にわたって勉強し、難しい国家資格を取得するまでに相当の努力を要します。
なおかつ、一度医療の現場から離れたとしても就職先がとても多いので復職もしやすいというメリットがあります。
ですが、これは医療系の職業すべてに当てはまることなのでしょうか?
今回は、精神的な病を抱えている人たちのサポートを行なっている”精神保健福祉士”にフォーカスを当てて見てみましょう。
精神保健福祉士という職業
”精神保健福祉士”は、社会福祉士や介護福祉士と合わせて有名な国家資格です。
精神保健に関して専門的な知識や技術を持ち、精神的な障がいを抱えている方々の社会復帰の手助けや、必要な訓練をしています。
『精神科ソーシャルワーカー”(Psychiatric Social Worker)』(略してPSW)という名称でも呼ばれることがあり、日本では半世紀以上も前から全国の精神科の病院でこの仕事に従事している人々が存在しました。
精神保健福祉士には患者さんのサポートのみならず、精神の障がいに理解を持ち、患者さんを忍耐強く導いていく根気強さや冷静さ、対人コミュニケーションスキルも求められているのです。
精神保健福祉士の平均年収は?
こちらも一般的なイメージとなりますが、医療系の仕事に携わっている人は月給や年収が高い方だと思われています。
もちろん、中には平均年収よりもはるかに上回る額を得ている人もいますが、それはごく一部の限られた医療人です。
では、精神保健福祉士の年収についてご紹介します!
大卒の初任給で…
どのような職業も、4年制の大学を卒業している人は比較的月収や年収が高めに設定されていることが多いです。
大学を卒業して正社員として精神保健福祉士になった方は、初任給がおよそ20万円ほどとなっています。
勤務先によっても違いは出てきますが、キャリアを積んでいくごとに収入はアップしていきます。
いきなり高額な収入が得られるわけではありませんが、一生この金額ということでもないので、精神保健福祉士としてしっかりと経験を積み重ねていきたいですね。
勤務先によって年収は…
精神保健福祉士の勤務先は実に多種多様であり、どこで働くかによっても年収に違いが出てきます。
勤務先として最も多いのが精神科病院ですが、こちらの平均年収でおよそ430万円ほどです。
小規模の心療内科などに勤務している場合は、年収がおよそ380万円とやや下がっています。
障害福祉サービス事業所などの福祉施設で働く場合は、年収はおよそ390万円ほどです。
行政機関の職員として働く場合には地方公務員の扱いとなるため、年収はおよそ420万円ほどとなります。
さらに、年齢に応じてお給料も上がっていくので安定していると言えるでしょう。
精神保健福祉士全体の平均年収はおよそ300〜500万円だと言われており、金額の大きさはともかく安定しているというのが大きな点です。
精神保健福祉士の離職率は高い?
一概には言えませんが、精神保健福祉士の離職率は比較的高い方だと言われています。
もちろん、どのような仕事も楽しいことばかりではないですし、辞める事情も千差万別です。
とくに、離職してしまうのはどのような理由があるのでしょうか?
辞める理由は「人間関係」?
現役で精神保健福祉士の仕事に従事しているある方は、自分の身近な精神保健福祉士が離職する理由について「職場の人間関係ではないか」と指摘しています。
確かに仕事内容がキツイ、給与が低いなども辞めたいと思う原因の一つにはなりますが、最後の引き金となるのが人間関係なのかもしれません。
精神保健福祉士は人手不足に悩んでいる状況ですが、「離職していった人達が抱えていた問題に本質があるのではないか」との声もあります。
働く側である精神保健福祉士が居心地よい職場だと思えた時、離職率にも変化が訪れるかもしれませんね。
精神保健福祉士の将来性は?
仕事を行ううえで心配なことは挙げたらキリがありませんが、その職業は将来性があるのかどうかは大きな不安の一つではないかと思われます。
では精神保健福祉士は、将来性がある仕事なのでしょうか?
現在は様々な領域で求められている
これまでも精神保健福祉士は、精神的に大きな悩みを抱えている方やその家族とのやりとりが中心の職種として知られてきました。
しかし、心の悩みというもの身体的な病と違って予防策がないため、いつ誰の身に降りかかるか分からないものです。
そこで現在の精神保健福祉士は役割も大きくなり、介護や福祉の業界でも精神保健を専門的にサポートしています。
子供と関わる教育機関や、一般企業で働く人たちに向けた「メンタルケア」にも携わっていることから、将来はますます活躍の場も広がりを見せていく可能性が高いと言えます。
精神科病院と社会をつなぐ存在に
精神保健福祉士は、いわば「精神科病院と社会をつなぐ存在」とも言えます。
精神的な病を抱えている方たちも、様々な支援によって社会復帰が叶う人も大勢います。
現在は精神障害を抱えている人も仕事ができる場所を増やす政策もあることから、精神保健福祉士のアドバイスは必要とされることでしょう。
人が悩みを抱える以上、精神保健福祉士の仕事は在り続けると思われます。
しかし、その苦しみに優しく耳を傾け、指差し導くことで再び社会に戻れる手助けができるのもこの仕事の特徴です。
精神保健福祉士の年収についてのまとめ
世間一般のイメージでは、医療系の仕事は年収が高いと思われています。
安定性という点を見ると他の職種より優れているかもしれませんが、年収の額は人によっても様々で、とくにどこで働くかによって変わってきます。
行政機関の職員として勤務している精神保健福祉士は公務員として扱われるため、給与も年数に応じて高くなっていきます。
一方で就職先として最も多い精神科病院も、もの凄く高い年収というわけではありませんが、安定しています。
また将来性については、社会から広く求められている職種ということもあって、多方面で活躍することができるでしょう。
精神科病院と社会をつなぐ存在として、輝ける職業です。