「法科大学院に入りたいけど、統一適性試験って今どうなっているの?」と思っている社会人の方は多いのではないでしょうか。
かつては弁護士・裁判官・検察官の法曹三者になりたい受験生の関門だった法科大学院統一適性試験ですが、時代の流れとともに今は入試制度も多様化しつつあります。
この記事では、法科大学院適性試験が現在に行われているのかどうか?というところから現在の試験の詳細についてご紹介していきます。
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法科大学院とは?
法科大学院はロースクールとも呼ばれ、弁護士・裁判官・検察官など法律に携わる仕事に必要な知識を学ぶ大学院です。
法科大学院を卒業することで、司法試験の受験資格を得ることができます。
いくつかのコースが用意されており、主に法学未修者を対象にしたコースと、法学既修者を対象にしたコースの2つに分かれています。
どのような人が通う?
先述の通り、法科大学院は法学を学ぶ大学院となっています。
法科大学院に通う方は、弁護士・裁判官・検察官など法曹三者の仕事に就きたい方や、法学を学びたいという方がほとんどのようです。
法科大学院統一適性試験は廃止されている!
結論から述べると、法科大学院の適性試験は2019年に廃止されています。
法科大学院統一適性試験は、法科大学院に入学するために受けなければならない適性試験で、法律の知識ではなく法曹に必要な思考力を問うことを目的とした試験でした。
法科大学院適性試験:法律の知識ではなく、法曹に必要な思考力といった技能を問うことを目的としている適性試験
法科大学院統一適性試験が廃止された理由
法科大学院統一適性試験が廃止された理由に「受験者数の慢性的な減少」が挙げられます。
法科大学院院統一適性試験の競争率はピーク時には4.4倍だったものの、2014年には2倍、2015年には1.9倍と徐々に受験者が減ってきています。
相次ぐ法科大学院の閉校も相まって、法科大学院統一適性試験はもはや本来の役割を果たせないという判断になったのだと考えられるでしょう。
現在の適性試験は?
繰り返しになりますが、法科大学院統一適性試験は2019年に廃止されています。
現在、法科大学院に入学するためには法学未修者の方は小論文、法学既修者の方は法律論文の適性試験を受けなくてはいけません。
社会人が法科大学院に入学するには、法学未修者コースで小論文の試験を受けることが必要になります。
- 法学未修者:小論文形式の適性試験
- 法学既修者:法律論文の適性試験
現在の法科大学の適性試験の詳細
ここからは現在の法科大学院の適性試験についてご紹介していきます。
また、法科大学院統一適正試験の内容もあわせてご紹介するので、昔の適性試験と比較してどのようなところが変わったのかを確認してみてください。
現在の適性試験の詳細
現在の法科大学院の適性試験の詳細を表にまとめました。
運営団体 | 公益財団法人日弁連法務研究財団 |
---|---|
料金 | 30,000円 |
形式 | 小論文(法学未修者) 法律論文(法学既修者) |
期間 | 10月~1月頃(国立) 7~9月頃(私立) |
先述の通り現在の法科大学院の適性試験の形式は小論文と法律論文の2つです。
法科大学院の小論文の出題傾向は大学院ごとに異なるようですが、大きく社会科学・人文科学の2つに分けられるそうです。
法律論文では、文字の通り法律に係わることがテーマとして出題される傾向があります。
過去の適性試験(法科大学院統一適性試験)の内容
過去の適性試験の概要を表にまとめました。
運営団体 | 公益財団法人日弁連法務研究財団 |
---|---|
料金 | 16,200円(~2015) 21,600円(2016~) |
形式 | 多肢択一(第1部~3部) マークシート方式(第1部~3部) 論述式試験(第4部) |
期間 | 1月~2月 |
法科大学院統一適性試験は、第1部から第4部までの4部構成で出題されるのが通例です。
第1部は論理的判断力を測る問題、第2部は分析的判断力を測る問題、第3部は長文読解力を測る問題、第4部は表現力を測る問題が出題されます。
第1部~第3部までは多肢選択式・マークシート問題で、第4部は論述式問題です。
原則としては、法律の知識は問われず、基礎的な思考能力のみが試される適性試験となっています。
法科大学院の適性試験対策
2019年に法科大学院統一適正試験から試験形式が変わったことにより、適性試験の対策も変わってきます。
先述の通り、現在の法科大学院の適性試験は法学未修者と既修者で分けられているので、それぞれの適性試験の対策をここからご紹介していきます。
未修者の方の適性試験対策
未修者の方が対象の適性試験は、法科大学院に多彩な人材を受け入れることが目的の試験となっています。
法律関係を勉強することも大切ですが、論理的な思考力や読解力、分析力などが問われる試験となるのでそれらの能力を磨くことをおすすめします。
また、社会問題に関する洞察力や問題意識も問われるので、日頃からニュースや新聞で知識を蓄えておくことが必要です。
既修者の方の適性試験対策
法学既修者の方には、大学法学部卒業程度の学力が求められます。
また、法学で学んだ知識や理論を実務でどのように活用するのかというところも問われていきます。
そのために基礎知識や理論、法律の条文や過去に起きた法的紛争の判例を確認しておくことが大切です。
法科大学院に通わないで司法試験を受けるには
法科大学院に入学しないで法曹三者を目指す方法もあります。
予備試験という試験に合格することで、法科大学院を卒業しなくても司法試験の受験資格を得ることができるのです。
ただし、予備試験は合格率が約5%前後と非常に難易度の高い試験なので、予備校や通信講座を利用することをおすすめします。
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予備試験合格を目指すなら大手通信講座のアガルートがおすすめです。
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また、2023年度は公表されていませんでしたが、参考としてアガルート受講生のうち2022年予備試験の合格率は全国平均の4.9倍と高い実績数を誇り、信頼できる通信講座であることが伺えます。
まとめ|法科大学院統一適正試験
法科大学院は法律を専門的に学べる大学院で、弁護士・裁判官・検察官を目指している方が入学します。
2019年までは法科大学院統一性試験に合格しなければ入学できませんでしたが、2019年以降は別の試験方式に変更されました。
現在は、法学未修者の方は小論文、法学既修者の方は法律論文の適性試験を受ける形式です。
また、法科大学院に入学しなくとも予備試験を受験し合格すれば司法試験の受験資格を得られます。
ただし、予備試験は非常に難易度の高い試験なので、アガルートなどの通信講座を利用することがおすすめです。