おしゃれで笑顔を絶やさず、人を綺麗にする仕事である美容師という仕事に憧れを持つ方は多くいらっしゃいます。
流行に敏感で、男女問わず個性的な方が多いのも特徴で、理美容専門学校へ入学する生徒数は全専門学校入学者の中でも2位につけるほど美容師は人気の仕事です。
そんな美容師になるには専門学校で資格を取るべきなのか、国家試験とはどんなものなのかを詳しく説明していきます。
美容師という仕事
美容師になるには仕事の内容を把握しておく必要があります。
人を綺麗にする仕事ですが、お客様と接していない時にする仕事や練習等、一日を通して何かと忙しくしているのが美容師。
美容師にもランクがあり、見習い(アシスタント)からオーナーまで、大まかに4つにランク分けされています。
美容師の仕事①見習い(アシスタント)
新人で入店し、美容師歴が浅い人たちの事です。営業時間内は店舗の清掃、先輩スタイリストのヘルプ、お客様のシャンプーや薬液付けをします。
その他にも買い出しや洗濯、電話応対が主な仕事で、それ以外は先輩たちの仕事を目で見て勉強したり、スタッフルームで勉強したりしています。
シャンプーやカットの練習をして店内テストに合格しないとお客様に直接触れる仕事が出来ません。
一つ一つの施術のテストに合格出来るよう、閉店後に先輩スタイリストに練習を付き合って貰ったり、モデルになってくれる人を探したりと新人のアシスタントの期間は大変なことが多いのも事実です。
お客様に料金を頂ける技術を付け、お客様に触れる資格を店内テストで取得できるようになる為の下準備なので地道な努力が必要なのです。
美容師の仕事②スタイリスト
シャンプーからヘアカラー、パーマ、カット、ブローまで全て一人でこなせるようになるとスタイリストと呼ばれます。
その他、アシスタントへの教育や在庫管理をすることもあります。
主な仕事はお客様への施術ですが、電話応対や新人アシスタントのフォローや仕事の仕方を教える事も大切な仕事です。
スタイリストになるには一通りの施術の店内テストに合格し、お客様に接する技術を磨かないといけません。
そしてトップスタイリストになるには店内でもトップクラスの顧客獲得率でお客様に満足していただける技術を持ち、店長やオーナーに進言できるような立ち位置になるよう努力が必要です。
美容師の仕事③店長
数店舗経営しているような美容室であれば店長やエリアマネージャーと呼ばれるランクで、個人店であればオーナーの次のトップスタイリストと言われるランクです。
主な仕事はお客様の施術ですが、その他店舗管理、経営にまつわる仕事も出てきます。売上管理、新メニューの考案、イベントの提案等もします。
もうひとつ大切な仕事がスタッフの管理です。スタッフ一人ひとりを大切にしないと人材不足になり、お店の営業が回らなくなります。
店長になるにはそれだけの期間お店に貢献し、スタッフの管理や店舗管理など、オーナーから認められる働きをしないといけません。
美容師の仕事④オーナー
個人店のオーナーであれば、一人、もしくは2人程度のスタッフの管理と経営していく様々な事柄、お客様への施術が主な仕事になります。
何店舗も経営しているような美容室のオーナーであれば人材確保、店舗経営、資金の調達、集客に関する業務もオーナーの仕事です。
その他、美容業界も縦横の繋がりがあったり美容用品の卸業者との付き合い、異業種交流も大切な仕事であったりもするので、自身の顧客を他のスタッフが対応出来るよう育成する事も大切な仕事です。
オーナーになるにはトップスタイリストになり、顧客をどれだけ掴んでいるかも大きな問題です。それは顧客がいないまま独立しオーナーになっても新規顧客獲得しなければお店が成り立たないからです。
美容師の資格は専門学校でしか取得できないのか?
美容師になるには、厚生労働省が指定している美容専門学校に進学し、その課程を修了(卒業)した後に国家試験を受験する資格を与えられ、試験に合格して資格を取得する必要があります。
年に2回、春と秋に実施される国家試験に合格して初めて、美容師の資格を取得できると言えるのです。
1995年に改正された政令により原則高校卒業以上しか入学できず、1年制から2年制になり、実習制度が廃止されました。
ではその専門学校にはどんな課程があるのか、ご紹介していきます。
全日制課程
一般の美容専門学校では普通の学校と同じように朝学校へ行き、夕方に帰る全日制のコースが主です。
学費は少々高くなりますが、教材費やウイッグ、鋏(シザーズ)の料金も含まれています。
美容師になるには一般的な入学スタイルで、1年次にはしっかりと美容師に必要な基礎を学び、国家試験の対策や美容理論を学びます。
2年次になると美容師の他、ヘアメイク・ブライダル・エステやメイク等といった専門コースに進むことも出来ます。
美容師資格の取得に向けてみっちりと時間をかけ、一発合格出来るよう2年かけて覚えこませるのです。
夜間課程
社会人や日中に時間が取れない方の為に夜間コースを設けている美容専門学校もあります。
夜間コースでは全日制が2年間で学ぶことを3年間(※各学校により2年間のところもあり)かけて学ぶことになります。
全日制に比べ学費が安くなる学校もあり、働きながら美容師の資格を取得したい方にはおすすめでもあります。
通信課程
すでに美容室で働いている、もしくは他の専門学校や大学等に在学中、中学卒業、又は高校在学中でも学べるのが通信課程です。
基本の美容師の科目のほかに3科目を学ぶ必要がありますが、全日制や夜間課程では入学出来ない中学卒業・高校在学中の方の為でもあります。
学費も全日制よりはかなり低額となっていますが、年に2度スクーリングと言われる実際に専門学校に登校して学ぶ授業もあります。
美容室で働いていれば前期6日間・後期12日間、美容室で働いていない場合は前期11日間・後期23日間のスクーリングが必須です。
美容師の国家試験とは?
美容師になるには突破しないといけない国家試験。その内容とはいったいどんなものがあるんでしょうか?
基本的には大きく筆記試験と実技試験の2つがあり、実技試験はカット技術にプラスしてオールウェーブ、もしくはワインディング試験のどちらかが課題として出されます。
筆記試験
筆記試験は年に2回3月と9月に行われます。専門学校在学中に教わったことが試験問題になる為、ほぼ確実に合格する試験だと言えます。
筆記試験には専門学校で学んだ知識と過去問をよく理解する事で対策を取る事が出来ます。試験の科目は以下の通りです。
- 1.関係法規・制度(5問)
- 2.衛生管理【公衆衛生・環境衛生】(5問)
- 3.感染症(5問)
- 4.衛生管理技術(5問)
- 5.美容保健(5問)
- 6.皮膚科学(5問)
- 7.美容物理・科学(10問)
- 8.美容理論(10問)
実技試験
実技試験も年に2回、1月と8月に行われます。専門学校在学中に教わるものですが、かなり技術が必要となる為、精度を高める練習が必要です。
制限時間内に決められた課題を終え、衛生面にも気遣える余裕を持てるようにならなければ合格出来ないので、美容師になるには実技試験が大切だと言えます。
第一課題と第二課題があり、第二課題は試験施行時により変わります。試験の内容は以下の通りです。
- 【第一課題】カッティング
- 20分以内に規定の長さのレイヤーカットを作り上げること。終えたらウイッグの顔面の拭き上げ、所定の位置に用具を収納する。
- 【第二課題セッティング】①オールウェーブ
- 25分以内にローションを使い、フィンガーウェーブとピンカールにより全頭を7段構成し完成させる。終えたらウイッグの顔面の拭き上げ、所定の位置に用具を収納する。
- 【第二課題セッティング】②ワインディング
- 20分以内に全頭をパート分けし、ロッドを50~55本使用してワインディングを完成させる。終えたらウイッグの顔面の拭き上げ、所定の位置に用具を収納する。
美容師になるには専門学校?資格の取り方と国家試験の内容まとめ
いかがでしたでしょうか?
美容師になるには専門学校に入学し、全ての課程を修了させてから国家試験を受け、資格を取得する必要がある事がわかりました。
国家試験の内容も筆記と実技があり、筆記で不合格になる可能性は低く、実技で不合格になる可能性は高いんです。
1995年の改正以前は、筆記試験こそ変わらないものの、実技の試験にカッティングは無く、オールウェーブかワインディングのどちらかでした。
今の実技試験は大変になっているようですが、美容師の資格取得を目指す皆さんが一発合格出来るよう、努力を重ね、知識を増やしていけるよう、資格広場は応援しています。