ネイリストは技術と接客力さえあれば無資格でも働けますが、資格を取った方が就職でも有利に働きます。
またネイルの資格はレベルによっては独学でも取得できるものがあります。
そこで今回はネイルの資格を独学で取得したい方向けにネイルの資格が独学で取得できるのか解説するとともに、独学で合格するまでに必要な時間や費用も紹介します。
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独学で取得できるネイルの資格はある?
結論から言うと、独学で取得できるネイルの資格はあります。
ネイリスト検定3級は独学で取得できる可能性が高い資格といわれています」。
3級はネイリストとしての基本的な知識・技術を確かめる試験となっており、合格率は91.4%ですので難易度は決して高くありません。
3級であれば筆記試験はテキスト・問題集で容易に対策できますし、実技試験も動画学習で事足りるでしょう。
しかしネイリスト検定1級、2級を独学で取得することはかなり難しいでしょう。
なぜなら1級、2級は3級と異なり、実技試験で作業工程や仕上がりについて非常に細部までチェックされるためです。
また、独学では実際の施術を見て学べないうえに自分のネイル技術を客観的に評価してもらう機会が少ないため、試験の肝である実技試験の対策に手こずることでしょう。
1級、2級の合格を目指すには、プロが指導して実技試験の対策をしてくれる通信講座・専門学校・スクールに通うことをおすすめします。
ネイルの資格を独学で取得するのが難しいと言われる理由
一般的に独学でネイリストになるのは難しく、なかなかプロとして活躍できるまでの技術を身にけられないといわれています。
そこでここでは、ネイルの資格を独学で取得するのが難しいと言われる理由について紹介します。
学習の進め方が分からない
ネイルの資格を取得するためには施術を安全に行うための技術だけでなく、ネイルそのものに関する基本的な知識や爪のケアやリペアの方法についても理解している必要があります。
そのため、全くの初心者はどこから勉強を始めればよいのか迷ってしまうことがあるでしょう。
さらに、学ぶべき内容が明確になったとしても効率的な勉強方法が分からず、知識や技術の習得が思うように進まない可能性も考えられます。
知識が偏ってしまいがち
通信講座やスクールでは講師から直接指導を受けることができるため、正確な知識を習得しやすくなります。
もし誤った知識や技術を身につけてしまった場合でもすぐに講師が適切に指摘してくれるため、早期に修正することができます。
また、疑問点があればその場で講師に質問することができます。
一方、独学では知識や技術が偏る可能性があり、誤って覚えてしまった場合でも指摘してくれる人がいないため、気づくのが難しくなります。
さらに、独学では疑問が生じても講師に尋ねることができないため、解決に時間がかかることが多いので間違ったまま試験に臨む恐れもあるので初学者は質問できる環境の方が良いでしょう。
実技試験の対策が難しい
独学の最大のデメリットは実技試験の対策が難しいことです。
独学でも筆記試験はマークシート方式であり、出題範囲が決まっているので対策しやすいです。
しかし、実技試験は実際の施術を見ないと技術を学べないうえ、自分の技術力を客観的に評価してもらう機会がないので対策しづらいでしょう。
とはいえ、独学での実技試験対策は全く不可能というわけではないので、次の章で具体的な方法をご紹介します。
分からないことがあっても、すぐに質問できない
ネイルの資格に限りませんが、「分からないことがあっても、すぐに質問できない」というのは独学の大きなデメリットです。
ネイルの専門学校やスクールに通う場合は授業時間に講師に直接質問できますし、通信講座の場合でも添削を担当する講師に質問できます。
ですが独学だとすぐに質問できる相手がいないため、分からないことを分からないまま放置したり、間違えたことを間違えたまま覚えてしまったりしがちです。
モチベーション維持が難しい
独学だと頼りになる講師や一緒に頑張る仲間がいないため心細く、また自分で学習スケジュールを組まないといけないためモチベーション維持が難しいです。
独学では講師や仲間といった周りの目がないため、勉強を怠けようと思えばいくらでも怠けられますし、資格取得を諦めることも容易です。
セルフマネジメント能力や根気がない場合、独学はかなりハードルが高い勉強法となります。
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ネイルの資格取得を独学で目指すメリット
ネイルの資格取得のためには専門学校やスクールに通う、通信講座を受講するなど様々な方法が考えられますが、独学におけるメリットは以下の3つです。
費用を抑えられる
独学する最大のメリットは費用が安く済むことです。
ネイルの専門学校やスクールに通うとなると数十万円から数百万円、通信講座を受講する場合でも平均して10万円程の費用がかかります。
ですが、独学で勉強する場合には受験料+教材費+道具代だけ揃えればいいので、ネイリスト検定3級程度であれば3万円ほどで済ませられるでしょう。
自分のペースで学習できる
独学なら自分で勉強する場所や時間、1日の勉強量を決められるので、自分のペースで伸び伸びと学習できます。
働きながら専門学校やスクールに通うのは大変ですし、通信講座も添削保証サポート期間が設けられているなど時間の制約があります。
独学であれば、仕事や家事との両立が可能で、時間や場所を選ばずに自由に勉強できるでしょう。
自宅でも学習できる
独学ならわざわざ専門学校やスクールに行かなくても自宅でコツコツ学習できます。
たとえば子育てをしている方なら自宅で子供の様子を見ながら勉強できるので、育休中にネイリストの資格を取って社会復帰を目指せるでしょう。
会社員であれば帰宅後や土日に一気に勉強がはかどるため、「専門学校やスクールに通う時間がない」という方でも学べる点が魅力です。
自宅学習なら勉強時間の確保がしやすい他、学校へ通うまでの移動時間や労力、交通費を節約できる点もメリットになります。
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JNECネイリスト技能検定の試験内容と合格率
それではネイルの資格を独学で取得できるかについて解説します。
この項ではネイルの資格の中でも代表的な「JNECネイリスト技能検定」に絞ってご紹介します。
ネイルの資格が独学で取得できるか判断するために、まずは試験内容と合格率を把握しましょう。
3級 | 2級 | 1級 | |
---|---|---|---|
受験資格 | 義務教育を修了した者 | 3級取得者 | 2級取得者 |
筆記試験の時間 | 30分 | 35分 | 40分 |
筆記試験の内容 | ・衛生と消毒
・爪の構造(皮膚科学) ・爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学) ・ネイルケアの手順 |
・3級の内容
・ネイルの歴史 ・リペアの種類 ・チップ & ラップの手順 ・その他実践的施術全般 ・プロフェッショナリズム |
・2級の内容
・化粧品学(材料、内容成分、効果等) ・イクステンションの手順 ・その他実践的施術全般 |
実技試験の時間 | 70分 | 90分 | 150分 |
実技試験の内容 | ・手指消毒 ・ポリッシュオフ ・ファイリング ・クリーンナップ ・カラーリング ・アート・トップコート |
3級の内容 +チップ&ラップ |
・ネイルイクステンション:スカルプチュアネイル、チップ&オーバーレイ ・ネイルアート:ミックスメディアアート |
実施時期 | 例年1,4,7,10月(年4回) | 例年1,4,7,10月(年4回) | 例年4,10月(年2回) |
合格率 | 91.4% | 62.4% | 54.4% |
階級が上がるごとに筆記・実技の試験時間が長くなり、合格率が下がる傾向にあります。
また、JNECネイリスト技能検定では以下の点がすべて階級で共通です。
- 筆記試験と実技試験で構成されている
- 筆記試験は択一のマークシート形式で、100点満点中80点以上取れば合格
- 実技試験は50点満点中38点以上取れば合格
3級は合格率が9割程度ありますが、公式テキストや問題集をしっかり読み込んでいないと合格は難しいです。
前述のように例年1,4,7,10月に試験が実施されるので、3ヶ月でみっちり学習しておきましょう。
2級を受験予定でネイルの実務が全くない方は、とにかく半年間で実技の練習に多く時間を費やすのがよいでしょう。
1級となるとネイリストとしての実務経験は豊富にあると思われますので、「仕上がりを重視する」「ケアレスミス」をしないという点に注意しましょう。
例年4月と10月の2回しか受験のチャンスがないため、1年間はひたすらミスなく美しい出来映えとなるように注力してください。
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JNAジェルネイル技能検定の試験内容と合格率
JNAジェルネイル技能検定は、日本ネイリスト協会が主催するJNECネイリスト技能検定に並ぶ有名な資格です。
サロンで提供されるメニューの約60%がジェルネイルであることから、ほとんどのネイルサロンでは就職条件としてこのJNAジェルネイル技能検定中級の資格を求められる傾向にあります。
ちなみにJNAジェルネイル技能検定は先に紹介したネイリスト検定を取得している場合、第一課題が免除になるためネイリスト検定の次に取得するのがベターでしょう。
項目 | 初級 | 中級 | 上級 |
---|---|---|---|
試験内容 | ネイルケアのベーシックマスターとジェルネイルを施術するために必要な基礎的知識・技術 | ネイルケアとジェルネイルを施術するためにプロとしてサロンワークに必要な専門知識・技術 | ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的知識・技術 |
受験資格 | 義務教育を修了していれば誰でも | 初級合格者のみ | 中級合格者のみ |
受験費用 | 9,900円 | 13,200円 | 16,500円 |
合格率 | 約70% | 約60% | 約45% |
試験時期 | 6月・12月 |
ジェルネイル検定初級では、ネイルケアやジェルネイル施術に必要な基本的な知識と技術の習得ができているかを評価する内容となっています。
初級は基本的な技術やスキルに焦点を当てているため、独学でも比較的取得しやすく、学習期間の目安は約3ヶ月とされています。
中級検定ではプロフェッショナルとしてネイルケアやジェルネイルを施すために必要な専門的な知識と技術の習得が求められます。
独学での取得もできるものの初級に比べて求められる知識や技術はより専門的であるため、合格を目指す場合はネイルスクールに通うことがおすすめです。
ちなみに独学で受験する場合、約半年の学習時間が必要とされています。
さらに上級検定では、ジェルネイルの専門家として必要な総合的な知識とスキルの習得が求められ、初級や中級とは異なり、筆記試験は存在しませんが、実技試験では高いレベルが要求されます。
独学ではかなり難易度が高く、スクールや通信講座を利用しても約1年の学習時間が必要とされています。
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ネイル資格を独学で学習するポイント
独学のメリット・デメリットは分かったものの、それでも独学をしたいという方も多いでしょう。
ここでは独学の勉強方法についていくつかご紹介します。
JNAに入会して情報収集をおこなう
独学でネイリストの資格を取得する方法の一つとして、JNAへの入会を通じて情報収集することが挙げられます。
JNA(NPO法人日本ネイリスト協会)に加入することで、ネイル業界に関する最新の情報を個人でも手軽に入手できるメリットがあります。
またJNAではネイルの基本技術や理論をまとめたテキストや、技術向上のための映像教材が提供されています。
たとえばテキストだと「JNAテクニカルシステム」というシリーズが出版されており、映像教材には実技テクニックを解説したDVDやネイリスト技能検定対策用のDVDが揃っています。
体系的に詳細に解説されているため、大いに試験勉強に役立てられるでしょう。
ネイルのサイトや動画を見る
最近ではネイル施術や資格試験対策に関する情報が掲載されているサイトや動画プラットフォームが日々増えてきています。
独学で実践的な技術を身につけたいといった方は上記のような動画やサイトを利用するのもひとつです。
しかし一方でサイトや動画では個人でやっているものもあり、なかには誤った情報が含まれている場合もあるため注意が必要です。
したがってインターネット上の情報を信じすぎるのではなく、信ぴょう性などが保証されているかやどんな人が発信しているかを見ておくことをおすすめします。
例えば、JNECやJNAといった団体やJNA認定校からの情報であれば信用度は高めです。
ネイル関連のセミナーに参加する
JNAでは基本的な技術から応用技術、さらには検定試験の準備に至るまでネイルに関する知識や技術を学ぶためのセミナーが定期的に行われています。
独学の方はこれらのセミナーに参加することで、最新のトレンドを把握することができます。
またネイル専門のスクールでも技術習得を目的としたセミナーや模擬試験が実施されています。
セミナーは一般の方も参加できるものもあり、中には無料で受講できるものもあるため少しでも費用を抑えたい人におすすめです。
模擬試験はとくに試験対策に非常に役立つので、まずは近くのネイルスクールからの情報をこまめにチェックしてみてください。
ネイルの資格は独学だと難しい?勉強に必要な時間や費用・勉強法を紹介
確実にネイルの資格取得を目指すならスクール・通信講座の利用がおすすめ
ネイリストの資格取得は独学でも学習できますが、より難易度の高い資格や不安な方であればネイルスクールや通信講座の利用がおすすめです。
ネイルにも美容同様にネイリストの育成に特化したネイルスクールというものがあります。
授業の内容はスクールによって異なり、独立開業を目指し全ての技術を習得するコースから検定試験対策に特化したコース、趣味程度でネイルの基礎を学ぶコースなどさまざまです。
ネイルスクールの費用は全日制のコースで年間100万円程度、週に数回通学のコースで年間50万円程度が多く、やや高額であるのが特徴です。
試験対策講座や初級講座などの短期講座には、10万円以下のものもあります。
もし専門学校やスクールへの通学が経済的に難しい方には、通信講座で学ぶのもおすすめです。
費用は数万~数十万程度とネイルスクールよりも比較的低く、必要な道具がセットになっている場合もあります。
ただし、スクールとは違い基本的に独学なので、モチベーション維持が難しい面があります。
どちらもメリット・デメリットがあるので自分の状況や目的に合わせてラブことが大事です。
【2025年】ネイル資格のおすすめ通信講座ランキング10選!人気のネイリスト講座の特徴・費用を徹底比較
ネイルの通信講座を選ぶポイント
ここでは、ネイルの通信講座を選ぶポイントについて紹介します。
料金
ネイルの通信講座にかかる費用は、ネイル用品が含まれているかどうかによって異なるため事前に確認するようにしましょう。
ネイルの通信講座の費用は100,000円程度であることが多く、洋品が含まれない場合は約60,000円程度とされています。
一般的に10万円以上であれば高額であり、50,000円未満であれば比較的安価な受講費用といえるでしょう。
ただし料金の安さのみで判断すると自分に合わないものを選ぶリスクにもなりますので、予算とカリキュラム、サポートの有無などを含めて総合的に判断することが大事です。
講座内容・テキストの質
ネイル資格講座を提供する通信講座を選ぶ際には、講座の質が非常に重要です。
講義内容については公式団体に認定された専門のネイル講師によるテキストや問題、カリキュラムの監修などをチェックしておくといいでしょう。
たとえば日本ネイリスト協会(JNA)に認定されたネイル講師がテキストや映像講義を監修していれば、資格取得に向けてスムーズに学習を進められる可能性が高いです。
また、講座内容と同様に教材の質も重要な要素です。
教材を選ぶ際には、用語や技術の説明が明確であることや写真やイラストが理解しやすいこと、実際の施術やテクニックの映像が含まれていることなどが挙げられます。
ほかにも、試験対策用の専用テキストやDVD、公式問題集などが揃っているとより良いでしょう。
サポート内容
ネイルの通信講座を選ぶ際はどんなサポートがあるのかやサポートの内容などについてみておくといいでしょう。
ネイル資格取得のための通信講座といってもさまざまあり、それぞれ異なるサポート体制を用意しています。
たとえば通信講座でもネイル講師からの添削指導を受けられるものもあります。
通信講座では通学型のネイルスクールなどと違って自己満足で受講を終えてしまうことがあるため、添削指導があることで自分の課題を把握し、改善に向けたアドバイスを得ることができるでしょう。
まあ、将来的に就職や開業を目指す際には、修了後に就職や開業に関する支援があると便利です。
ネイリストの資格を取ったからと言ってすぐに就職できるわけではないので、上記のようなサポートがあればスムーズに進められるはずです。
ネイルの資格は独学で取得可能?まとめ
今回はネイリストの資格を独学で取得したい方に向けて、資格の種類や受験費用、必要な勉強時間などを解説しました。
ネイルの資格で最も歴史と実績のある「JNECネイリスト技能検定」には1~3級があり、3級は独学で十分取得可能であるものの、2級と1級は独学での取得は難しいです。
そのためJNECネイリスト技能検定の2級と1級を取得したい場合は、通信講座の受講やネイルスクールに通うとよいでしょう。
ネイルサロンへの就職・転職を目指したり、開業を考えていたりする方は、この記事を参考に合格を目指してください。