公務員は年間休日がしっかりしており、土日祝日は休みとなるケースがほとんどです。
公務員の年間休日は、約125日〜130日程度が一般的です。
また、警察官や自衛官などの勤務形態が一般的な公務員と違う場合でも、各種法律などにより年間休日が保証されています。
本記事では、公務員の年間休日について詳しく解説するとともに、民間企業との比較や有給休暇や特別休暇などについてもご紹介します。
年間休日が多い傾向にある公務員を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 公務員の年間休日日数
- 公務員と民間企業の年間休日の違い
- 公務員の有給休暇や特別休暇などの扱い
- 国家公務員や地方公務員など職種別の休日について
公務員の年収・給与は平均いくらぐらい?職種・年齢別の給与から年収推移・手当やボーナスまで紹介
【2024年最新】公務員の人気が増加中?人気の公務員の種類・職種を一覧で紹介
公務員試験におすすめの通信講座
公務員の年間休日日数
公務員の年間休日は、土日祝日に加えて年末年始休暇とお盆休みがあります。
毎年の平均休日日数は約125日~130日程度となっています。
その年の土日と祝日の被りや公務員の種類によって変動するため、休日が多い年と少ない年があります。
2023年10月に発表した厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、一企業の平均年間休日日数は110.7日と示されています。
平均より10日以上も休日の多い公務員はワークライフバランスが実現しやすいと言えるでしょう。
参照:厚生労働省
地方上級公務員の仕事は楽?肉体的・精神的に負担が少ない理由や国家公務員との負担の違いを解説
そもそも年間休日の定義とは?
年間休日とは「労働基準法で定められた法定休日と、企業が独自に定める法定外休日を含んだ日数」と定義されていますが、一言で言えば「1年間の合計休日日数」です。
基本的には「土日・祝日・年末年始休暇・お盆休み」を合計した日数になります。
年間休日は最低105日以上確保しなければいけないと労働基準法で定められていますが、それ以上は企業が独自に定める休日もあるため、会社ごとに日数が変わってきます。
就職先の就業規則を見て労働や休日について確認しておきましょう。
2024年の公務員の年間休日は123日~124日
2024年の土日祝日・年末年始休暇・お盆休みを合わせると、117日+4日+3日=124日あります。
お盆休みの期間が公務員によって違ってきますが、少なくとも123日以上は休みがあります。
毎年の平均年間休日は125日~130日のため、例年に比べて2024年は少なめです。
以下で2024年の年間休日(117日+4日+3日=124日)の内訳を詳しく解説しております。
土日祝日の日数は117日
2024年の土日の日数は104日あります。
2024年の祝日は以下の通りです。
・1月1日(月)元日
・1月8日(月)成人の日
・2月11日(日)建国記念の日
・2月23日(金)天皇誕生日
・3月20日(水)春分の日
・4月29日(月)昭和の日
・5月3日(金)憲法記念日
・5月4日(土)みどりの日
・5月5日(日)こどもの日
・5月6日(月)振替休日
・7月15日(月)海の日
・8月11日(日)山の日
・8月12日(月)振替休日
・9月16日(月)敬老の日
・9月22日(日)秋分の日
・9月23日(月)振替休日
・10月14日(月)スポーツの日
・11月3日(日)文化の日
・11月4日(月)振替休日
・11月23日(土)勤労感謝の日
祝日は全部で20日ありますが、土日と被っている赤字の日数を除くと13日になります。
104日の土日と被りのない13日の祝日で、2024年の土日祝日は117日です。
年末年始は6日連休
公務員は毎年12月29日~1月3日までの6日間は休みになっています。
2024年は、
・1月1日(月)~1月3日(水)
・12月29日(金)~12月31日(日)
の6日間です。
しかし、2024年は土日が1日間と祝日に含まれる元日が1日あるため、土日祝日以外の休日は実質3日間です。
夏季休暇は3日間
一般なお盆休みは8月13日(火)~8月16日(金)の3日間とされていますが、公務員にお盆休みはありません。
その代わりに、夏季休暇として3日間休むことができます。
国家公務員の場合は3日間ですが、地方公務員や民間公務員の場合は3~5日間と多く休みが貰えます。
国家公務員・地方公務員・民間企業の休日日数を比較
国家公務員と地方公務員、民間企業ではそれぞれ定められた休日日数が異なります。
休日日数が全てではありませんが、休日日数も仕事を決める一つの判断材料になるはずです。
まずは国家公務員と地方公務員、民間企業の休日日数を紹介し、最後に比較します。
国家公務員と地方公務員の休日日数
国家公務員は土日祝日と年末年始休暇、3日間の夏季休暇があるため平均が約128日となっています。
地方公務員も国家公務員とほとんど同じですが、夏季休暇が5日間あるところが多く、平均が約130日になります。
地方公務員は働く地域や所属する部署によって変わってくるため、自分の希望する地域について調べておきましょう。
地方公務員の年収・給与はいくら?ボーナス・手当を含む給与額と年齢別平均額を紹介
地方公務員の年収・給与はいくら?ボーナス・手当を含む給与額と年齢別平均額を紹介 | 資格広場 (tsuushinsei.net)
民間企業の休日日数
民間企業の平均年間休日日数は厚生労働省の令和5年就労条件総合調査 結果の概況で詳しく調査されています。
企業規模 | 平均年間休日日数 |
---|---|
30~99人 | 109.8 日 |
100~299人 | 111.6 日 |
300~999人 | 115.7 日 |
1,000人以上 | 116.3 日 |
全体 | 110.7 日 |
調査結果によると、民間企業の平均年間休日日数は110.7 日だとわかります。
また、企業規模が大きいほど平均年間休日日数が多くなっているようです。
上記で紹介した休日日数をまとめると、国家公務員は約128日、地方公務員は約130日、民間企業は約110.7 日です。
民間企業の平均年間休日日数が110.7 日である民間企業と比較して、国家公務員と地方公務員は10日以上も多く休みが取れます。
また、1,000人以上の規模の企業と比較しても、公務員は休日日数が多いため魅力的です。
参照:厚生労働省
公務員の有給休暇
公務員は毎年20日間の年次有給休暇が貰えます。
上手く消化すれば連休の獲得もできますが、仕事の進み具合と検討することも大切です。
年次有給休暇は労働基準法によって規定されており、公務員は毎年1月に20日間の年次有給休暇が付与されますが、使いきれない分は最大20日間の繰り越しが認められているため40日分まで貯めておけます。
毎年付与される20日間を消化すれば、年間休日の約125日と合わせて145日程度の休日を作り出すことも可能です。
有給を最大の40日まで貯めて全て消化すれば、165日も休日ができ、1年の4割以上が休日になる、なんてことも珍しくありません。
公務員には年間5日以上の有給消化義務がある
有給を消化したいと思っても有給を取るのに抵抗がある人も居ることでしょう。
しかし、2019年4月から労働基準法の改正により、年間5日以上の有給を消化が義務になりました。
これにより有給消化に対する考えも変わり、以前より取りやすくなっていることでしょう。
実際に、公務員の有給平均消化日数は11日と、付与される日数のおよそ半分程度です。
しかし、毎年20日間も付与されるため、有意義に消化しましょう。
公務員の特別休暇
公務員には一般的な年次休暇のほかに、各種特別休暇があります。
特別休暇の具体的な例には結婚休暇や忌引きといったもののほかにも、夏季休暇なども含まれます。
ここでは、人事院が公表する国家公務員の特別休暇の例についてご紹介します。
結婚休暇 | 5日以内 |
---|---|
忌引休暇 | 父母が死亡の場合は7日 |
産前産後 | 産前6週間〜産後8週間 |
男性の育児参加休暇 | 主に産前産後のうち5日以内 |
子の看護休暇 | 5日以内 ※子どもが2人以上の場合は10日以内 |
官公署出頭休暇(裁判員などで出頭するための休暇) | 必要と認められる期間 |
骨髄等ドナー休暇 | 必要と認められる期間 |
ボランティア休暇 | 1年に5日以内 |
ちなみに地方公務員の場合は休暇の有無や日数が自治体によって異なるため、事前の確認が必要となります。
参照:人事院
公務員の病気休暇
病気休暇とはけがや病気で療養するために、勤務しないことがやむを得ない場合に取得できる有給の休暇で、国家公務員の場合は一般職の職員の勤務時間、休暇等が決められています。
公務員の病気休暇の日数は、原則90日以内となります。
ただし休暇を時間単位で取得した場合も「1日」とカウントされるので数え方には注意が必要です。
また、元々勤務日ではない土日も療養状態が続いているとみなされ日数に含まれます。
ちなみに地方公務員もこの法律を基準に病気休暇や療養休暇が定められていますが、「90日を超える場合、給与が半額になるが継続できる」「特定の疾患に関しては180日まで認められる」など、各自治体によって異なります。
参考:人事院
公務員の育児休暇
参考:人事院
公務員の休日はそれぞれの法令や条例によって保証されている
公務員の休日は法律や条令によって保証されています。
国家公務員や地方公務員、民間公務員ではそれぞれ違う保証になっているので確認しておきましょう。
国家公務員の休日
国家公務員の一般職の休日は人事院の「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律」によって保証されています。
休暇の保証に加えて、公務員の一週間の労働時間は基本38時間45分と決められています。
参考:人事院
地方公務員の休日
地方公務員の休日については、各団体や自治体の規則や条例によって保証されます。
自分の希望する自治体によって変わってくるため、希望する地域がどのように定められているかあらかじめ調べておきましょう。
自衛官・警察官・消防官の休日
自衛官・警察官・消防官には様々な勤務形態があるため、休日の取得が特殊になっています。
自衛官は「自衛隊法施行規則」によって、労働と休日が保証されています。
警察官と消防官の休日は、勤務形態によって違うため、「交替制勤務」か「毎日勤務」の2パターンで変わります。
仕事内容によって勤務形態が違うので、勤務形態で休日がどう変化するのか知っておくとよいです。
交替制勤務
交代制勤務は、24時間365日いつでも出動できる体制をとる必要がある警察官や消防官に見られる勤務形態です。
朝8時半から24時間勤務する当番、事件や事故があれば出動する非番、休日の3交代で成り立っています。
急な出動により仕事が忙しくなることがありますが、公務員に変わりはないため、勤務時間は原則として1週間につき38時間45分までと定められています。
当番・非番・休日の3日間サイクルなので、週に2日以上休日があります。
毎日勤務
毎日勤務は主にデスクワーク中心の警察官や消防官に見られる勤務形態です。
一般の公務員と同じように基本的に8時半から17時半まで働きます。
休日に関しても一般の公務員と同じく完全週休2日制が適応されています。
下記記事では警察官の休日についてもっと詳しくご紹介しています。
公務員は最大年間4割程度の休日がとれる
今回は公務員の年間休日日数についてご紹介してきました。
年間平均125日~130日に加えて有給も毎年20日付与されるため、1年の4割近く休みを取ることも夢じゃありません。
公務員は民間企業と比較しても年間休日が多くなっているといえるでしょう。
また、有休を消化しなければならない義務もあり、近年は有給消化がしやすい時代になっているのもポイントです。
ワークライフバランスが問われる現代で、公務員はワークライフバランスを実現できる職業の1つだと言えます。
休日が安定した職業で私生活も充実させたいと考えている人はぜひ公務員をめざしてみてください。