「公務員試験の難易度を知りたい」というときに役立つデータが偏差値です。
あくまで目安にはなりますが、公務員試験には偏差値75を超える高難易度試験から偏差値40程度の試験まであります。
国家公務員の中でも、キャリア官僚を目指す試験から高卒で地方自治体に勤務するための試験など公務員には幅広い職種の試験があるためです。
自身が受験を検討している試験のレベルを把握するにあたり偏差値を知っておくことは重要なので、各公務員試験のレベルを押さえておきましょう。
こちらの記事では、公務員試験を偏差値で例えたときの数値や高卒公務員試験と大卒公務員試験の違い、また偏差値40程度の試験がある理由などを解説していきます。
公務員試験の難易度や偏差値を知りたい方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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公務員試験大卒程度を偏差値で例えると?
公務員試験を偏差値で表す公式のデータはないため、本記事でお伝えする偏差値は【偏差値=(点数−平均点)÷標準偏差×10+50】で算出したあくまで「目安」のものになります。
偏差値を表すときは通常平均点を50として平均よりも難しいかどうかを判断しますが、公務員試験はそもそも平均点が不明のため正確な偏差値を算出することができません。
なお下記の表に記載した偏差値は公表されている合格最低点や平均点をベースにして「概ねのレンジ」で表しています。
それではまず、公務員試験の偏差値を一覧でご覧ください。
<大卒試験>
公務員種別 | 偏差値 |
---|---|
国家公務員総合職 | 75~ |
国家公務員一般職(大卒程度) | 60~64 |
地方上級公務員 | 60~64(大都市)55~59(中規模以下の都市) |
教員 | 50~54 |
警察官・消防士・自衛隊(大卒程度) | 35~39 |
<専門卒・高卒程度>
公務員種別 | 偏差値 |
---|---|
地方中級公務員 | 50~54 |
国家公務員一般職(高卒程度) | 40~49 |
海上保安大学校 | 40~49 |
地方初級公務員 | 30~39 |
警察官・消防士・自衛隊(高卒程度) | ~30 |
国家公務員には総合職・専門職・一般職がある
公務員の事務系職種には総合職・専門職・一般職があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
職種 | 特徴 |
---|---|
総合職 | 中央官庁に勤務して政策立案や企画など国家中枢を担う業務を主に行う |
専門職 | 「税金」「労働法」など、特定分野の行政事務や調査を行う |
一般職 | 国家公務の現場において事務処理にあたる |
国家公務員総合職は「エリート公務員」「キャリア公務員」と呼ばれることもあります。
国家の政策の企画や運営を行うことから、試験の難易度が非常に高いです。
専門職は「国税専門官」「労働基準監督員」など特定の分野を扱う職種で、採用される官庁に関する専門的な知識が求められる特徴があります。
一般職は国家公務の現場において事務処理にあたることが多く、総合職のサポートのような立ち位置です。
国家の政策の企画や運営を「実行する」職種で、試験の難易度も総合職・専門職より易しい傾向にあります。
国家公務員総合職は難易度は非常に高い
偏差値で比較した表を見ると、地方公務員試験よりも国家公務員試験の方が難しいことが分かります。
特に国家公務員総合職は公務員試験の中でもトップクラスの難しさを誇っており、難関大学入試レベルの偏差値となっています。
国家公務員は「国家規模」の業務を担当することになるため、必然的に「求められる教養のレベル・専門性」も高くなることが大きな理由です。
国家公務員一般職と地方公務員上級は差がほとんどない
大卒程度の国家公務員一般職試験と地方上級の公務員試験の偏差値はほとんど同じです。
理由としては、行う業務内容に「国家規模」か「自治体規模」という違いがあるものの「国民・市民と接する機会が多く、行政事務手続きを行う」点において共通しているためです。
これらのことから、国家公務員総合職の受験を検討している方以外は地方公務員と国家公務員の難易度・偏差値の差は気にしなくても良いと言えるでしょう。
高卒公務員試験と大卒公務員試験の違い
職種や自治体によっては、公務員試験が高卒試験と大卒試験に分けられている所もあります。
試験種別に「高卒程度」「大卒程度」と設定されていまうすが、受験者を絞り込むための学歴要件ではありません。
つまりこの場合の高卒・大卒とは単に試験の難易度を表しているだけで、高卒の方でも大卒程度の試験を受けることは可能です。
また「大卒程度」は「高卒程度」の試験よりも学習範囲が広く試験の難易度も高くなっています。
例えば、国家公務員試験一般職試験の高卒試験・大卒試験では下記のような違いがあります。
- 高卒試験:一般教養試験・作文
- 大卒試験:一般教養試験・論文・専門試験
勉強する範囲が広くなるため、大卒試験の方が偏差値は高くなります。
地方公務員の中での違い
地方公務員は一般職・技術職・公安職に大別されます。
それぞれの特徴を下記にまとめました。
職種 | 特徴 |
---|---|
一般職 | 都道府県庁や市区町村役場で行政事務を行う |
技術職 | 資格などを活かして専門的な業務を行う |
公安職 | 警察官や消防官 |
一般職の公務員は都道府県庁や市区町村役場で行政事務の手続きなどを行います。
また一般職の地方公務員試験は「教養試験と専門試験」で行われることが一般的です。
技術職は特定の分野で保有資格を活かして業務を行う地方公務員で、土木や栄養士などが該当します。
また技術職の地方公務員試験では、教養試験に加えて専門的な知識を問う試験が行われます。
そして公安系の地方公務員は警察官や消防士が該当します。
公安系の地方公務員試験は一次試験が「教養試験のみ」の自治体が多く、試験の難易度も低い特徴があります。
実際に冒頭で紹介した表でも公安系公務員試験の偏差値は40程度なので、かなり易しいと言えるでしょう。
しかし公安系公務員は体力が求められる特性上、二次試験で身体検査や適性検査が行われる点が特徴です。
公務員試験の出題内容
公務員試験は出題範囲が広いことが特徴で、教養試験と専門試験で多くの科目を勉強しなければなりません。
必然的に多くの勉強量をこなすことになり、対策に苦労している受験生は多いです。
ここからは、公務員試験の出題内容・出題範囲について解説していきます。
教養試験
まずは、教養試験の出題範囲から解説していきます。
なの試験の種別や自治体によっては出題されない科目もあります。
- 現代文
- 英文
- 古文
- 判断推理
- 数的推理
- 資料解釈
- 政治
- 経済
- 法律
- 時事(社会)
- 数学
- 物理
- 化学
- 生物
- 地学
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 文学・芸術
- 思想
イメージとしては、中学や高校で習う主要5科目が問われるような形ですね。
また出題範囲は「教科書に載っているすべて」とされているため、勉強しなければならない範囲が非常に広いことが分かります。
そして教養試験が行われない公務員試験はほとんどありません。
そのため対策が必須で、出題範囲を全てカバーするためには多くの勉強時間が必要になります。
専門試験
専門試験では、下記の科目が出題されます。
なお教養試験と同じく試験の種別や自治体によっては出題されない科目もあります。
- 政治学
- 行政学
- 社会政策
- 国際関係
- 憲法
- 行政法
- 民法
- 労働法
- 刑法
- ミクロ経済学
- マクロ経済学
- 財政学
専門試験は職種によって全く違う科目が出題されるため、上記で列挙した科目はあくまでも一例です。
人によっては「始めて学ぶ」という科目も多いため、ゼロから勉強をスタートしなければならない点が難しいポイントと言えるでしょう。
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公務員試験の偏差値は40?
繰り返し述べているように公務員試験を偏差値で表すのは難しいですが、試験によっては偏差値が40程度のものもあります。
「偏差値が40の試験」と聞くとかなり難易度が低い印象を受けますが、実際には職種ごとに求められる能力や倍率などを考える必要があります。
そこで最後に公務員試験の実態をまとめましたので、参考にしてみてください。
公務員試験の難易度を偏差値で表すことはできない
繰り返しになりますが、そもそも公務員試験の難易度を高校受験や大学受験のように偏差値で表すことはできません。
冒頭で紹介した公務員試験の偏差値の表もあくまでも目安程度にとどめておきましょう。
試験の偏差値は試験を受けた人数や「どのくらいのレベルの人が受けたのか」によって決まります。
また偏差値は「平均点=50」をベースにして決まるため、平均点が不明な公務員試験は偏差値で表すことができないのです。
さらに公務員試験は受験する人の年齢がまちまちで各受験者の状況を逐次把握できないことから、公務員試験の偏差値を正確に測ることは難しいと言えます。
偏差値40以下の公務員試験の例
目安にはなりますが、偏差値が40以下の公務員試験としては下記の3つが挙げられます。
- 地方初級公務員
- 警察官・消防士・自衛隊(大卒程度)
- 警察官・消防士・自衛隊(高卒程度)
実際に、地方初級公務員試験や公安系の公務員試験の問題はかなり易しいです。
特に公安系の職種は学力よりも体力・精神力の方が実務では求められます。
「最低限の教養があれば良い」公安系の試験は、偏差値が40以下となっています。
また公安系公務員試験は教養試験のみが行われるところも多く、出題内容が易しいことも偏差値が低い要因です。
高卒試験・大卒試験で受験資格に差はない
公務員試験は「高卒程度」「大卒程度」に分かれていますが、前述したように受験資格に差はありません。
「高卒程度」「大卒程度」は学歴でフィルターをかけているのではなく、下記のように試験の出題レベルを差別化するための表現として使われています。
- 高卒程度:高校を卒業している人向けのレベル
- 大卒程度:大学を卒業している人向けのレベル
大卒の上級公務員は専門的な知識を有する職種であるため、大卒程度の専門的な知識が求められます。
「教養試験だけ勉強する人」と「教養試験と専門試験を勉強する人」では合格するために必要な勉強時間も差があるため、大卒程度試験の難易度は高いと言えるでしょう。
教員や技術職地方公務員など特別な資格を保有していることが条件となっている職種を除き、受験する試験を選べる点が公務員試験の特徴です。
「偏差値が高い=年収が高い」ではない
「偏差値が40の試験に合格した公務員」よりも「偏差値が60の試験に合格した公務員」の方が、高年収なイメージがありますよね。
しかし、実際は公務員の給料と偏差値との間には何の関係もありません。
公務員の給与は、国家公務員が「国家公務員法」で決められ地方公務員が自治体の条例で決まります。
その上で年齢・職種・業務態度に応じて給与が決定されるため、試験の偏差値が低いからといって年収が低くなるわけではありません。
例えば偏差値が40以下と言われている公安系の公務員は基本給に加えて「特殊勤務手当」などが加算されるため、一般事務を行う公務員よりも年収が高いです。
「偏差値が低い公務員試験しか合格できなかった…」という人でも、低年収になってしまうことはないため安心して自身の受けたい公務員試験を受験してみてください。
公務員試験の偏差値まとめ
公務員試験の種類は多くありますが、「国家公務員か地方公務員か」「高卒か大卒か」などで難易度や偏差値に違いはありません。
なお公務員試験は偏差値で表すことが難しいことから、本記事で紹介した内容はあくまでも「目安」として参考にしてみてください。
試験の偏差値を知ることは難易度のイメージを持つことに繋がり、「自分でも合格を目指せるか」知るための指標になります。
こちらの記事を参考にしながら自身が受験を検討している公務員試験のレベル感を把握し、本試験に向けて適切な対策を行えば合格に近づけるでしょう。