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公務員の将来性はなし?給料下落・リストラ増加などの見通しと将来性の高い職種を紹介

更新日:2024-04-11

公務員の将来性はなし?給料下落・リストラ増加などの見通しと将来性の高い職種を紹介

最近「公務員の将来性はない」「公務員はAIに仕事を奪われる」などと耳にする方もいるのではないでしょうか。

AI技術の台頭や、少子高齢化など様々な要因により、公務員の将来性はないといった意見を見かけることが増えています。

ですが、公務員には、AIに仕事を奪われる可能性の低い専門性の高い業務も存在していたり、逆にAIを活用することで業務効率化ができたりするため、悲観する必要はありません。

本記事では、これから公務員を目指す方や、公務員だけど今後の将来性が気になるといった方に向けて、公務員の将来性がないと言われる理由や、将来的に磨いておくべきスキルなどを詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。

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「公務員の将来性がない」と言われる理由

公務員の将来性はなし? 理由

上記のような理由から「公務員の将来性はなし」と言われることは多いです。

実際に、現役公務員や公務員退職者からもネガティブな意見が聞かれており、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

まずは、公務員の将来性が不安視されている理由を詳しく解説していきます。

AIの普及で仕事が奪われる懸念がある

近年はAI技術の急速な発展が進んでおり、「人間の仕事がなくなってしまうのではないか」という予想がされています。

簡単な事務作業や案内業務はAIでも代用可能なので、業務の効率化を図るためにもAIの有効活用を進めている自治体も存在します。

今後ますますIT技術やAIが発展すると、「公務員の数は減ってしまうのではないか」「公務員の仕事はほとんど無くなってしまうのではないか」という懸念が生まれるのは仕方の無いことです。

少子高齢化で税収が減る可能性がある

日本は少子高齢化が進んでおり、税収が減ってしまうという予想がされています。

公務員の給料は税金が財源となっているため、税収の減少は公務員の給料減に直結すると言えるでしょう。

公務員には強力な身分保障があるため、財源不足を理由として職を失うことはありません。

しかし、自然減で人員を減少させると「一人あたりの仕事量が増えるが給料は伸びない」という事態が起こってしまう可能性があります。

専門的な知識が身につかない

公務員は2~3年おきに部署を異動することが多く、専門的な知識が身に付きづらい特徴があります。

幅広い部署の仕事を習得している「ゼネラリスト」にはなれますが、専門的な知識を有した「スペシャリスト」になれる可能性は低いです。

もし公務員の将来性に不安を感じ、「他の職種に転職を検討したい」と考えても、技術やスキルが足りずに思い通りの転職が実現できない可能性があります

また、公務員は限られた人員で公務を円滑に回す必要があるため、希望通りの異動が叶うとも限りません。

収入が上がりづらい

公務員の給料が民間企業の給与水準に合わせる制度設計になっており、収入が伸びづらい特徴があります。

人事院の資料によると、公務員の平均月収は下記のように減少傾向です。

  • 1998年:377,268円
  • 2020年:337,788円
  • 2022年:323,711円

参考:人事院

また、コロナ禍においてはボーナスカットも行われたことから、不景気になると「仕事量が増えるのに収入が下がる」という憂き目に遭ってしまいます。

このように、仕事を頑張っても給料が上がらないことで、「将来性がない」と感じてしまう人も多いです。

優秀な人材が離れる傾向にある

仕事量は増えているのに収入が下がってしまうと、待遇に不満を感じてしまうのは仕方のないことです。

優秀な公務員は早々に「将来性がない」と見切りをつけて、民間企業へと転職してしまいます。

その結果、優秀な公務員が減って職場の質が下がり、仕事量がますます増えてしまう事態になりかねません。

職員一人あたりの仕事量が増えると雰囲気が悪くなってしまい、ますます優秀な人材が辞めるという悪循環に陥る可能性もあります。

公務員が安定していると言われる理由

公務員が安定していると言われている理由は、主に以下の5点です。

公務員が安定していると言われる理由
  • 倒産やリストラのおそれはない
  • 不況時には人気の高い職種である
  • 民間企業よりも安定した高い収入
  • ワークライフバランスを実現しやすい
  • 人生設計をしやすい

「公務員は将来性なし」と言われる理由は多くありますが、それでも公務員には将来性があります。

公務員には「安定」という最大の強みがあるため、安心して長期的に働きたいと考えている方にとっては、公務員がベストな選択肢になり得ます。

以下で、公務員に将来性がある理由について解説するので、参考にしてみてください。

倒産やリストラのおそれはない

公務員の勤務先は「国や自治体」であり、倒産の概念がありません

また、犯罪行為などの問題行為をしない限りは強力な身分保障を得られるため、リストラのリスクも非常に低いです。

リーマンショックやコロナショックなどの大きな経済ショックが起きたとき、民間企業に勤務していると倒産やリストラのリスクが顕在化します。

しかし、公務員は大規模な経済ショックが起きたとしても「仕事量が増える」「一時的に減給される」程度のダメージで済みます。

このように、職を失うリスクが非常に低いことから、公務員の将来性は高いと言えるでしょう。

不況時には人気の高い職種である

公務員は不況のときでも雇用が保障されている強みがあるため、不況時には人気が高まります。

人気が高まっているときに公務員を目指そうとしても、倍率が高く合格するのは難しいです。

しかし、不況ではない時期に公務員試験を受ければ、そこまで倍率は高くないため比較的合格しやすいでしょう。

不景気や不況はいつ起こるかわかりませんが、公務員になれれば景気動向に関係なく安心して勤務することができます

民間企業よりも安定した高い収入

公務員の給料は伸びていないとはいえ、民間企業よりも高い収入が期待できます。

公務員の給料は民間企業の水準を鑑みて決定されますが、参考にしている民間企業は給与水準の高い「大企業」が多いです。

その結果、民間企業に勤めている人全体と比較すると、公務員は高い収入を得ることができます。

「一般的な会社員よりも高い収入を安定して得られる」という点からも、公務員の将来性は高いと言えるでしょう。

ワークライフバランスを実現しやすい

近年は国が主導して「働き方改革」を進めている背景もあり、公務員の働く現場も改善が進められています。

休暇を取得しやすい職場作りを推進するなど、ワークライフバランスを実現しやすい環境が整っているため、将来性は高いと言えます。

職場環境が整って公務員の働き方の魅力が高まれば、優秀な人材も確保しやすくなるでしょう。

ワークライフバランスの実現に伴って、自身がリフレッシュできるだけでなく職場環境がさらに良くなる好循環が期待できます。

人生設計をしやすい

公務員は年功序列なので、年々給料が上がっていきます。失職のリスクも低く収入の見通しがつきやすいため、人生設計をしやすい強みがあります。

一方で、民間企業に勤務していると倒産やリストラのリスクが常にあるため、盤石な将来設計は難しいです。

また、公務員は社会的信用が高いため、住宅ローンをはじめとした各種ローンの審査に通過しやすい点も大きな強みです。

数十年先の将来もプランニングできることから、公務員は広い目でみても将来性が高いと言えるでしょう。

将来性が高いおすすめの公務員の職種ランキング

公務員と一口に言っても、様々な職種があります。

以下で、特に将来性があると予測できる公務員の職種ランキングを紹介していきますので、職種選びに悩んでいる方は参考にしてみてください。

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1位 国家公務員

最も将来性が高いと予想できるのは国家公務員です。

国税は財源が不足しにくく、国が破綻してしまうリスクは非常に低いため最も安泰と言えるでしょう。

また、国家公務員の中でも「国税専門官」や「労働基準監督官」などの専門的な職種に就ければ、専門性を磨くことができます。

専門性を磨けば、民間企業への転職がしやすくなるメリットがあるため、人的資本を高めるという意味でも将来性は非常に高いです。

国家公務員の給与・年収は平均どれくらい?職種別・年齢別で徹底比較【一覧で紹介】 

2位 政令指定都市職員

政令指定都市は人口や企業が多く税収が安定しているため、長期的に安心して勤務できるでしょう。

税収が安定していれば給料が減ってしまうリスクも低く、また他の自治体よりも生涯収入も高くなります。

また、政令指定都市では財源が豊富にあるため、業務を効率化するための機器を導入する余裕があるところも多いです。

余計な雑務が少なくワークライフバランスを実現しやすい点も、政令指定都市で働くメリットと言えるでしょう。

3位 特別区職員

特別区は人口が多く税収が安定しているため、市区町村の中では待遇が良く将来性も高い魅力があります。

東京は毎年のように「転入超過」が起きていることから、自治体にとって貴重な財源である住民税が安定している強みがあります。

国には劣るものの、財源や税収の基盤は安定しているため、比較的良い待遇で長期的に勤務できるでしょう。

4位 人口が多い自治体の職員

政令指定都市や特別区以外でも、人口が多い自治体は税収が安定しているため将来性が高いと言えます。

しかし、今は人口が多くても、今後転出超過が進めば税収が右肩下がりになってしまいます。

税収が下がれば職員数の減少や給料の削減が行われる可能性があるため、自治体の将来についてはしっかりイメージしておくことが重要です。

特に、ここ数年の自治体の人口数の推移には注目してみてください。

5位 人口が少ない自治体の職員

公務員の中でも最も将来性が低いのは、人口が少ない自治体です。

人口が少ないと自治体の税収が乏しく、行政サービスの質が落ちてますます転出が進むなど、悪循環が生じてしまいます。

また、過疎化が進み高齢化率が高まると、財源はますます逼迫してしまうでしょう。

その結果、給料が低く労働環境も悪くなってしまうため、将来性はかなり低いと言わざるを得ません。

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公務員が将来のために磨くべきスキル・能力

公務員の将来性はなし? 市場価値を高めるポイント

公務員として求められる能力やスキルは時代によって変わっていきます。

そこでここでは、公務員として今後必要となる能力や自身の市場価値を高める方法についていくつかご紹介します。

マーケティング・広報スキルを身に付ける

公務員といってもさまざまな職種・ポジションがあるものの、市役所や県庁などで働く一般行政職の場合、今後は地域活性化に向けたマーケティングや広報スキルが求められる可能性が高いです。

具体的には、チラシや動画の作成、SNSの運用といったスキルなどが挙げられます。

地域やニーズに合わせた効果的な発信力があって実績をつくれれば、今後の転職などにも役立つでしょう。

まずは自身の業務に関するところから始め、動画や書籍などで学習をしてみることをおすすめします。

IT・データサイエンス能力を身に付ける

今後、ますます地方公務員の業務では最新のデジタル技術が導入されるといわれています。

したがって社会の複雑化に対応するため、IT技術や数量データを活用するスキルが必須となるでしょう。

具体的には統計学を基に数値やデータを分析し、情報を整理して課題に対処することが求められます。

しかし現状、これらのスキルを持つ人材はまだ少なく、早めに身に着けておくことで自身の公務員としての市場価値を高められます。

IT技術に関しては、IPAが実施する「ITパスポート試験」の取得がおすすめです。

上記の試験を受験することで、業務に必要なITの基礎知識や情報セキュリティー、情報モラルに対する深い理解があることをアピールできます。

地方公務員は今後、デジタル技術と統計学に裏打ちされたスキルがますます必要とされるのでぜひチャレンジしてみてください。

グローバルな視野を身に付ける

地域住民の多国籍化が進み、多文化共生が求められる中、地方公務員にはグローバルな視野と他文化への理解が必要です。

なぜなら、今後将来的に多言語対応の自治体窓口が増える可能性があるからです。

全ての職員が外国語を習得する必要はなくても、異文化コミュニケーションのトレーニングが重要視されると考えられています。

いきなり留学にとまではいかなくても、英会話スクールや海外の人との交流の場に積極的に参加するでも変わってくるはずです。

研修や資格取得によって専門性を高める

公務員のキャリアにおいて、研修や資格取得は専門性向上とキャリアアップに不可欠です。

様々なプログラムや資格が提供され、職員はこれを通じて専門知識や技能を向上させ、職務を効果的に遂行し、新たな責任を果たす能力を養います。

例えば、公共政策や経済学の研修が行政職に現在従事しているのであれば、最新の技術資格が技術職があれば効率的に昇進できる可能性が高いです。

国家公務員としての将来のキャリアパス

総務省の公式サイトには、入省からのキャリアパスとして以下のように掲載されています。

入省後は、係員・係長・課長補佐等とキャリアを積み重ねながら、
主に特定分野の業務(例えば行政管理・評価、統計、地方自治、情報通信など)を中心に担当します。
概ね2~3年に一度人事異動があり、また、本省と地方支分部局との人事交流、
地方自治体への派遣、他府省庁や在外機関への出向、
国内外の大学等への留学など、多様な経験を積む機会があります。

入省から6~7年程度の間はまず本省・地方支分部局等で係員として担当業務をこなしながら、上司や先輩から業務に関する知識や仕事の進め方などについて学びます。

そして20代後半からは係長級として本省や地方支分部局の中堅として、施策に対する具体的な業務執行の中枢を担います。

さらに30代後半は課長補佐級として施策の企画や立案、地方支分部局なら業務執行のリーダーとしてはたらきます。

40代以降は管理職や省の幹部職員としてキャリアアップするのが一般的です。

参照:総務省

転勤の頻度や手当など国家公務員になる際に知っておくべきこととは?

地方公務員としての将来のキャリアパス

地方公務員の典型的なキャリアパスは、基本的に自治体内での昇進でとなるのが一般的です。

役職は主査、室長、課長、部長、参事官の順番で出世するのが通常で、昇格には上司の推薦や試験が必要となります。

たとえば主査は係長相当であり、昇進条件は自治体によって異なります。

また女性の場合だと、近年は性別が壁はほとんどなく管理職も望める環境が広がっていますが、やはり育休や産休などによって空白期間があると男性と比較した際にキャリアステップには差異が見られるのが現状です。

地方公務員の年収・給与はいくら?ボーナス・手当を含む給与額と年齢別平均額を紹介 

公務員は将来性のある職種だがスキルアップや情報収集は必要!

今回は公務員の将来性やおすすめの職種についてご紹介してきました。

公務員の将来性は高いため、巷で聞くことがある「公務員は将来性なし」という評判は気にする必要はほぼありません。

なぜなら公務員は倒産やリストラがなく、民間企業よりも高い収入が期待できることから、人生設計をしやすい強みがあるからです。

しかし、職種や自治体によって将来性の高低は異なるため、安心して働くためにも細かな情報収集が欠かせません。

また昇進や昇給などを目指すのであれば、資格取得や研修への参加など積極的なスキルアップは必要となるでしょう。

ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。