刑務官とは、刑務所や拘置所など刑事施設での職務に従事している人のことです。
国家公務員であり、収入や仕事の面においては一般の企業に勤めるよりも安定していると言えます。刑務官は、大勢の罪を犯した受刑者を指導する立場です。
受刑者の懲罰だけに留まらず、更生や社会復帰の手助けとして相談に乗ったり、法律系の学校などで講義をしたりすることもあります。
罪を犯してしまった受刑者が、更生して社会復帰をしていくためにサポートをしながら、指導や監督する重要な職業です。
では、刑務官になる上で、必要な適性はあるのでしょうか。また、どのような人が刑務官に向いているのでしょうか。
今回は、刑務官に適性がある人はどのような人なのか、刑務官の職務で求められる資質について解説します。
また、刑務官のやりがいや大変なこと、苦労する面についても紹介していますので、将来刑務官になりたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事でわかること
- 刑務官に適性がある・向いている人の特徴
- 刑務官の仕事で感じられるやりがい
- 刑務官の大変なこと・苦労する面
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刑務官に適性がある・向いている人の特徴
どのような仕事であっても向き・不向きがありますが、刑務官はとりわけ適性でなければならない仕事です。
警察官や自衛隊のように、刑務官も公的な職業となっています。日本国民の安全を守るため、警備や保安、社会が健全に整っている状態保つため、秩序の維持も担っています。
基本的に自分の思い通りいく仕事はありませんが、特に刑務官は次のようなタフさが要求されます。
精神的に安定しタフであること
くどいようですが、とにかく刑務官が相手にしているのは犯罪者です。
わざと警察官や刑務官を怒らせるように挑発的な態度を取る者や、粗暴で手がつけられない者もいます。感情的にならずに相手にするには、自分の人間的な器が問われることもあるでしょう。
「自分は適性ではないのでは…」と幾度も悩むかもしれません。
しかし、どのような態度を取る相手にも指導や教育が行なえる精神的な強さが必要となってきます。
体力に自信があること
刑務官は、どうしても一般の人よりも体力を使う仕事です。
全員が全員、おとなしく言うことを聞く受刑者ならば良いですが、そもそもそういうタイプならば犯罪に走る可能性は低いでしょう。
受刑者が脱走しようとするのを全力で阻止したり、暴れているならば鎮圧することもあります。
ただでさえ激務なことに加えて、満足な休憩が取りづらいことも度々あるでしょう。
さらには武道の稽古や護身術の訓練などもあることから、体力がないとやっていけません。
精神的にも適性、肉体的にも適性でなければならない刑務官。本当の意味で”強い人”が求められる仕事となっていますね。
規律を守り正義感があること
刑務官は、自身が受刑者の模範になるような意思があることや、設定されている規律をしっかりと守ることが求められます。
刑務官が勤務している刑事施設とは、刑務所や少年刑務所、被告人や死刑囚を収容する拘置所、未成年の少年少女を収容する鑑別所(正式名称は少年鑑別所)などのことを指します。
刑務官はこれらの施設に勤務し、警備や運営を行なうほか、受刑者が心の底から更生し、社会復帰できるようにサポートや指導をする立場にあります。
受刑者は日々、刑務作業として様々な作業に取り組んでいきます。これは受刑者に責任感や規則正しい生活などを身につけさせるために行なうものですが、作業の現場で受刑者同士がトラブルを起こしたり規則違反などをすれば、刑務官が制止に入ったり指導をします。
受刑者に寄り添い更生させる覚悟があること
刑務官と言うと、犯罪者を一日中監視し、罪を罰する厳しい職務という印象が強いかもしれません。
確かに凶悪な犯罪に手を染め、なかなか反省の気持ちを起こせない受刑者もいるでしょう。そういった受刑者にも、犯罪に走ってしまった経緯があります。
罪を犯して人を傷つけてしまった以上、過去にどんな辛い背景があったとしても、全てが同情され、許されるわけではありません。
しかし、犯罪者であっても自分が変わるきっかけを求めていたり、自分が犯した罪について話を聞いてほしいと思っている受刑者もいます。
そんな受刑者のため、抱えている悩みや相談事を聞いたり、再犯しないように講義を行ったりするのも刑務官の仕事です。
事務作業が得意・没頭できること
刑務官は、全員が受刑者と一日中向き合っているというわけではありません。
中には事務を専門とする部署も存在し、郵便物を管理したり、証明書に関する手続きをしたり、報告書を作成したりするなど、会計や庶務もこなしています。
事務仕事を扱う部署では、現場にいる刑務官よりも受刑者と顔を合わせることは少ないです。しかし、トラブルなどが起きた時は全員が対応できるように訓練を受けています。
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刑務官のやりがい
刑務官は、受刑者が社会復帰できるように様々な手助けをしています。
受刑者が更生するまで、一筋縄ではいきません。なぜならば、簡単に反省できるなら苦労はしないからです。
そんな受刑者が社会に戻り、今後は真面目に働くと決意した姿を見送れるのなら、それは大きな”やりがい”なのではないでしょうか。
刑務官は厳しさだけではなく、時にはソーシャルワーカーのように接することも適性として必要となってきます。
さらに、大勢の日本国民の治安や安全を守っているという面も、やりがいの一つだと考えられます。
刑務官の苦労・抱えがちなストレス
刑務官は、一般の企業に勤める人とはまた違った苦労があります。
国家公務員であることや収入の面だけを見ず、現実的にこういう苦労もあるのだと予め知っておくと良いでしょう。
人間関係の問題
もちろん、安定している刑務官の仕事でも人間関係は存在します。
上下関係が厳しいことに加え、激務なので満足に休みを取ることも難しいので気分がリフレッシュしづらいかもしれません。
仕事の不満を口に出来る場も限られているので、耐え続ける精神力も必要ですね。
いくら仕事として適性だったとしても、人間関係が原因で退職の道を選ぶ人も多いようです。
死刑の執行に携わることもある
受刑者の中には、死刑となる者もいます。
刑務官として拘置所に勤務している場合、ごく稀だとされていますが死刑の執行の手続きに携わらなければならないこともあるようです。
また、自分は心の中で嫌だと感じていても、受刑者に懲罰を与えたり、時には威圧的な態度で接しなければならないこともあります。
適性という言葉で片付けられず、こういったことが精神的なストレスとなる場合もあります。
刑務官は規律だけでなく受刑者に寄り添う心も必要
刑務官の仕事は、精神的にのみ適性でもダメで、肉体的にのみ適性でもよくありません。双方で平等に適性でなければ、自分の心が壊れてしまう原因ともなります。
人と関わることほど、自分の想い通りにならないことはないですね。
とりわけ罪を犯した人物の更生を手助けする刑務官は、真の優しさと強さが求められます。
笑顔溢れる職場というわけにはいかず、常に張りつめた空気の中で仕事をこなすことになります。
それでも、刑務官は世界中でなくてはならない仕事です。
自分こそはと熱い決意が漲っている人は、ぜひとも日本の治安を守るために一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。