航空管制官は、空港などでパイロットを誘導指示するのが主な仕事です。
パイロットが飛行機を発着陸させる際に誘導や指示を行ったり、飛行経路の指示を行ったりします。
将来的に、空のスペシャリストとして活躍したい、パイロットを支える仕事がしたいといった方におすすめの職業です。
しかし、航空管制官は国家公務員であり、難易度が非常に高いです。
この記事では、航空管制官の主な業務内容だけでなく、航空管制官になるための具体的な難易度や試験の詳細、おすすめの勉強法についても詳しく解説します。
航空管制官になって活躍したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 航空管制官の仕事内容
- 航空管制官になるための難易度
- 航空管制官の試験内容
- 航空管制官の試験対策の方法
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航空管制官採用試験の難易度
航空管制官の合格率が5%であることから考えてみると、非常に難易度は高いと言わざるを得ません。
航空管制官採用試験の合格率は4.44%
航空管制官の試験を受けた人418人の中で、見事合格した人は94人というのが令和5年度に実施された航空管制官試験の結果でした。
これは合格率が4.44%というなんとも少ない数字です。
直近3年間で見ても毎年合格率は平均約7%ほどとなります。他の資格と比べてみても、合格できるのはわずかな人のみです。
航空管制官採用試験は大学課程修了レベル
航空管制官の試験は、大学での課程を修了したレベルが求められ、1次2次3次の試験をくぐらなければなりません。
1次では基礎的な力や適性試験、そして英語とヒ英語のリスニングが試験の内容となります。
そして2次試験では、英語を使っての面接、日本語での面接が内容となります。
そして最終の3次試験では、適性試験、身体検査があります。
だいたいの傾向から申し上げますと、80パーセント以上を平均で獲得することができているのであれば合格できるでしょう。
航空管制官採用試験の概要
航空管制官の試験概要を確認しましょう。
試験料、検定の年間試験回数などをまとめました。
航空管制官採用試験の受験料
航空管制官の試験は無料で受験することができます。
航空管制官試験・検定の年間試験回数
航空管制官の年間の試験回数は、一次試験が5月、二次試験が7月、三次試験が9月の年に1回だけとなります。
航空管制官試験の合格発表時期
航空管制官の試験に合格した人には文書で通知が行きます。
それと同時にインターネットの専用サイトにも合格者の掲載をしています。
航空管制官採用試験に必要な知識・受験資格
航空管制官は、レーダーを見て空を飛ぶ飛行機の位置関係を正確に把握し、的確な指示を出さなければなりません。
そのため、平面的にではなく、立体的に頭でつっかえることなく想像できることが必要とされます。
また一人で何台もの航空機を誘導しなくてはいけません。場合によっては、10台を上回る航空機を一度に完成せざるを得ない時もあります。なので、物覚えの良さも求められることになってきます。
航空管制官の資格は「国土交通省」が運営管理を行っております。
国土交通省とは:
国の土地を計画的に使うことや開拓すること、そのためのインフラの整備、また海での安全などを担当している国の省庁のひとつです。
それまでの北海道開発庁と国土庁そして運輸及び建設省の4つの省庁が統廃合を行い、2001年6月に設立されました。さらに良いサービスを国民に提供することを目指しています。
航空管制官採用試験の勉強法
航空管制官の試験対策としては、短期間で終わるようなものでは決してありません。
じっくりと時間を使って英語の勉強をしなければならいません。試験の内容が英語に重点を置かれたものになるので、各種の英語資格のテキストを使用して英語の対して備えましょう。
実際に英検などを受験すれば、この先の航空管制官の試験対策についての、プランが練りやすいと思います。対策に使えるお金がたっぷりあるのなら海外の学校へ行くのも十分な英語の勉強となります。
その他の勉強方法としては、航空管制官の試験で過去に出題された問題や参考書を用い自分で勉強をするか、あるいはスクールに通う方法があります。
航空管制官採用試験に合格するポイント
航空管制官採用試験に合格するポイントをまとめました。
- ビジネス実用レベルの英語力を育てる
- 身体的な適性も重要
- 面接対策を練る
以上の点に注意して採用試験に挑みましょう
ポイント①ビジネス実用レベルの英語力を育てる
航空管制官は、応用的な英語力が求められます。
英語能力がビジネス実用レベルであることを示してください。
採用試験ではヒアリング、リーディング、英会話が試されます。
日常的な英会話だけでは、採用試験合格は難しいでしょう。
航空管制官として活躍し続けるためには、国連専門機関である国際民間航空機関(ICAO)が定める英語能力証明試験の保持が必須です。
ポイント②身体的な適性も重要
身体的な適性も航空管制官に求められる能力です。
視力や聴力を使って飛行機を誘導するため、健康面で問題のない身体が求められます。
合格点を取っても適性検査をクリアしなければ、採用されません。
航空管制官は片目で0.7以上、両目で1.0以上の視力が必須です。
聴覚の検査では音の周波数ごとに決められた聴力が求められます。
ポイント③面接対策を練る
航空管制官採用試験では、面接対策も必須です。
二次試験では、受験者の人物像や適性を見られます。
航空管制官として仕事を任せても問題がないか、厳しくチェックされるので注意してください。
面接は公務員試験でとくに重視される試験です。
航空管制官採用試験の科目
航空管制官採用試験の科目は一~三次試験に分かれています。
業務を滞りなくできるように、英語力や適性が試される試験です。
三次試験では空間把握力を測る検査もあります。
一次試験
公務員として必要な能力を測る基礎能力試験が主に行われます。
航空管制官として必要な記憶力、空間把握力についての適性試験Ⅰ部も一次試験の対象です。
英語のヒアリングと英文解釈、和文英訳、英文法といった外国語試験もクリアしましょう。
二次試験
二次試験は、英会話の能力を試す面接試験と人柄や対人能力を試す個別面接です。
英語力が試されるので、充分な対策をしましょう。
適性や人物が重視されることは航空管制官採用試験の特徴です。
三次試験
三次試験は、適性試験Ⅰ部で測った記憶力が再検査されます。
航空管制業務シミュレーションによって空間把握力を試す適性試験Ⅱ部も対象です。
身体検査や、視力・色覚・聴力の身体測定もあります。
三次試験では、レントゲン撮影など内科系の検査も受けなくてはいけません。
航空管制官になるためのステップ
航空管制官は国家公務員なので難易度が高く、適切な手順を踏みながら目指す必要があります。
航空管制官になるための具体的な手順について解説するので参考にしてください。
高等専門学校や短大・大学を卒業する
航空管制官のような国家公務員になるためには、高い学力レベルが求められます。
厳密に言えば、大卒などでなくても受験資格を満たしていれば、試験の申し込みは可能です。
しかし、試験の合格率が5%前後という難易度の高さから、大卒レベルでの学力はあった方がよいでしょう。
航空管制官試験に合格する
航空管制官になるためには、年に1回行われる航空管制官試験に合格する必要があります。
航空管制官試験は、全部で3次試験まであり、1次試験が5月、2次試験が7月、3次試験が9月に行われています。
具体的な試験内容としては、英語のヒアリング・リスニング能力のテストや英語を使った面接、適性検査などです。
詳しくは航空管制官試験科目等の内容の章でも解説しています。
航空保安大学校で研修の後配属される
航空管制官試験に合格して採用されたあとは、航空保安大学校で約1年間の研修を受ける必要があります。
シュミレーションでの基礎研修や、座学などを行い、航空管制官として働く上での必要な知識やスキルを習得します。
研修が終われば全国の空港などの勤務地に配属となります。
航空管制官の仕事内容
空港に設置してある管制塔からレーダーなどを使用して、飛行を行っている飛行士にルートをどのように取れば良いのかを教える仕事となります。
飛行機は目的地までただ単に何も考えず飛んでいるのでは無くて、他の飛行機とぶつかったりすることを避けたり、天気の良い場所を通るために、航空管制官が常時どういった空の状態なのをちゃんと確認して飛行機が快適に飛べるように導いています。
飛行機は、航空管制官の誘導がないと飛行自体が不可能です。
航空管制官ひとりで数台の飛行機を誘導しなくてはいけないので、勤務の際にはいつも気を張って仕事をすることが求められています。
航空管制官として勤務するには、何種類の資格が必須です。
一人前になるまでに相当な訓練をこなさなければならなに困難な業務ではああります。しかしながらたくさん経験をしてうまく誘導ができるようになれば、飛行士からの信頼は大きくなります。
飛行機がなくなることはこの先にわたって考えにくいので、航空管制官かけがえの無い仕事だと言えるでしょう。
航空管制官に向いている人
予定通りの時間に飛行機が飛ぶことができ、快適な空の旅ができるかどうかは、パイロットやフライトアテンダントもそうですが、航空管制官次第とも言うことができるでしょう。
自分が航空機で空の旅を行っているたくさんのお客さんを守っているという、しっかりと責任を感じることのできる人が、航空管制官向きであると言えるでしょう。
航空管制官の年収・給料相場
航空管制官は、国土交通省に勤務する国家公務員となります。なので給与も国家公務員法に則ったものが支給されています。
専門行政職となるので事務職に比べてやや高い給与が与えられています。
平均的な年収では、年齢にもよるのですが500-800万となります。世間一般の水準から見ても高額であることは間違いありません。
航空管制官の将来性
現在世界においてもそうですが、日本でも格安航空会社がどんどん増えていることから、それと比例して航空管制官への需要もうなぎのぼりで増え続けています。
空の安全を見守る航空管制官の仕事は、飛行機がなくなることはこの先にわたって考えにくいのでずっと需要は見込めます。
航空管制官採用試験の独学合格が難しい理由
航空管制官採用試験の独学合格が難しい理由をまとめました。
- 英会話力が求められる
- テキストや教材選びが難しい
- 独学は面接対策が困難
- 学習時間の確保が難しい
航空管制官は、公務員の中でも独学で合格することが難しい採用試験です。
元から英語力が高く勉強に多くの時間をかけられる人など、独学にも適性があります。
独学が難しい理由①高い英会話力が求められる
航空管制官採用試験は英会話力が試されます。
英語や英会話の学習は、独学が難しいのではないでしょうか。
一般的な公務員試験と比べると、英文の問題に関する出題範囲も読みにくいでしょう。
筆記試験だけでなく英会話のスキルをアップさせなければ、採用試験には合格できません。
独学が難しい理由②テキストや教材選びが難しい
独学の場合、テキストや教材選びが難しいことも、航空管制官採用試験の特徴です。
航空管制官採用試験対策のテキストは、他の試験と比べると豊富とは言えません。
試験対策テキストの種類や、発行している出版社が限られているので注意してください。
教材やテキストは、デザインや問題文の言い回しなどが少しずつ異なります。
自分に合ったテキストや教材を探す段階で、時間がかかってしまう可能性もあります。
独学が難しい理由③独学は面接対策が困難
独学の場合は、航空管制官採用試験のうち面接の対策も難しい傾向です。
ベストな態度や模範解答などを把握しにくいでしょう。
ひとりで試験対策する環境では、面接や身だしなみのアドバイスも受けられません。
航空管制官採用試験では第二次試験から、人物試験(面接試験)が行われます。
面接対策はなるべく早めにしておきたいですが、独学では対応できることに限界があります。
独学が難しい理由④学習時間の確保が難しい
学習時間の確保は、独学で特に気をつけたいことです。
1日あたりの学習時間を決めても、思うように行動できないこともあるでしょう。
勉強ができない日は、翌日の学習時間を増やしてカバーをするといった工夫が必要です。
毎日決まった学習時間の確保が難しい場合は、通信講座などを活用してみましょう。
インターネット環境があれば、自分のペースで好きな場所で勉強できる通信講座がおすすめです。
航空管制官は需要が高い職種
羽田空港や成田空港が業務を拡げていることが影響して、日本全体の航空機の離発着の数は増え続けています。
業務自体が一部はIT化されてきてはいますが、まだまだ航空管制官の需要が途絶えることは無く、大きな役割を担っています。
航空管制官の試験に合格したからといって、速攻飛行場で航空管制官として仕事ができるものではありません。
泉佐野市の関西国際空港の近隣に設置されている、航空保安大学校において1年間勉強をする必要があります。
無事に1年間の勉強を修了することができれば、国土交通省から割り振りをされて、全国にある様々な飛行場や航空交通管制部において仕事を行うこととなります。