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国連職員になる難易度は高い?他資格とのランキング比較や合格率・偏差値・勉強時間の目安について解説

更新日:2024-05-10

国連職員になる難易度は高い?他資格とのランキング比較や合格率・偏差値・勉強時間の目安について解説

国連職員は応募者には経験と実務能力が必要とされます。

英語、フランス語で職務ができることの他に、修士号以上の学位も必要です。

今回は、国連職員になるにはどんな知識が必要か、採用試験に応募する場合はどんな条件を満たしている必要があるかを解説していきます。

国連職員になる難易度

国連職員になる難易度はどれくらいでしょうか。

希望者は世界各国から集まるため、非常に高い競争率が予想されます。

空席公告の倍率・競争率は高い

国連職員の採用試験は、各機関において、空席ポストが発生した時に募集されます。

採用試験は、民間企業の面接などと同様に、適性や能力を見抜くために各機関で様々な方法でおこなわれます。

国連職員採用試験の概要

国連職員の資格は「国際連合及びその専門機関」が運営管理を行っております。

国際連合及びその専門機関とは:
国際連合は、第二次世界大戦を防げなかった国際連盟の反省を踏まえ、1945年10月、51ヵ国の加盟国で設立されました。主たる活動目的は、国際平和と安全の維持(安全保障)、経済・社会・文化などに関する国際協力の実現です。専門機関は、経済・社会・文化・教育・保健等の分野における専門の国際機関です。

国連職員採用試験の受験資格

国連職員ヤング・プロフェッショナル・プログラム採用試験の受験資格は以下の通りです。

  • 参加国の国籍を有していること
  • 応募対象の試験分野で、少なくとも学士号に相当する大学の学位を取得していること
  • 試験年度において32歳以下であること
  • 英語またはフランス語に堪能であること

TOEICやTOFLEで○点以上など、特に点数で定められていません。

国連職員採用試験は年1回実施

国連職員ヤング・プロフェッショナル・プログラム採用試験は、年1回実施されます。

加盟国の判断によって、国連職員採用試験の実施が決定します。

国連職員採用試験が難しいと言われる理由

国連職員採用試験が難しいと言われる理由をまとめました。

  • 世界的に見ても優秀な人材が応募する
  • 国連職員として働くには語学力が必須
  • 学んだ分野についての高い専門性が必須
  • 多国籍に活躍できるチームワークも必要

理由①世界的に見ても優秀な人材が応募する

国連職員は世界的に見ても優秀な人材が集うため、非常にレベルの高い競争が行われています。

オックスフォード大学やハーバード大学、日本であれば東京大学など、有名大学の出身者も多いです。

そのため、語学力と専門性をしっかりと身に付けておかなければなりません。

理由②国連職員として働くには語学力が必須

国連職員として働くには、語学力が必須です。

特にほとんどの国連や国際組織への応募条件は、英語もしくはフランス語で職務遂行が可能なことと定められています。

加えて、一部学士で応募できる若年層向採用プログラムもありますが、実際に採用されるのは、海外での大学院卒業者(修士以上)が殆どです。

学生の間に身につけておくべき知識は次の通りです。

  • 1.語学: 英語またはフランス語に堪能であること、職務遂行が可能であること。
  • 2.学位:修士号以上の学位 ※一部例外あり。
  • 3.専門性:経済・会計・法律・政治・行政・農業・広報・開発・ロジステクス・調達・ITなど得意分野。
  • 4.その他:国際的なインターンやボランティアなどで現実に触れること、またそれらの経験を通じてネットワークをつくること。

また、日本人が苦手とするプレゼン力も磨いておくことも重要でしょう。

理由③学んだ分野についての高い専門性が必須

国連職員になるためには、学んだ分野についての高い専門性が必須です。

募集分野に関連する学士号(大学卒業)以上の学位は、応募の条件です。

実務能力が十分でなければ、国連職員として活躍できません。

キャリアを積むためにも専門スキルをアピールしましょう。

理由④多国籍に活躍できるチームワークも必要

多国籍に活躍できるチームワークも国連職員に求められるスキルです。

世界諸地域での業務にあたることもあるでしょう。

国際問題を解決するためには、国内外の情勢を常にチェックしなくてはなりません。

国連職員は、協調性や異文化への理解も必須です。

国連職員採用試験の難易度を他試験とランキングで比較

国連職員採用試験の難易度は以下の通りです。

区分 採用倍率
国連職員 約5~7倍
国際公務員 100〜250倍
外交官 4.2倍
JETRO職員 28倍

採用倍率は約5~7倍と、決して低いと言えません。

全世界の国連加盟国から優秀な人材が集まる、競争率の高い試験です。

国連職員採用試験の科目

国連職員採用試験の科目・内容をまとめました。

採用試験は、筆記試験の他に口頭試問があります。

口頭試問は、一般企業の採用試験で言う面接と考えてください。

筆記試験をクリアした人だけ口頭試問に進みます

筆記試験

国連職員採用の筆記試験は以下の2部制です。

  • 選択式問題
  • 記述式問題

以上のように分かれているので注意しましょう。

応募分野に関わる50問の選択式問題は、マークシート方式です。

記述式問題は13問以下で出題され、4ページ以内の比較的長文の回答が求められます。

試験の内容は受験分野によって異なるので十分に対策しましょう。

国連公用語6か国語のいずれかで回答可能です。

口頭試問

筆記試験に合格した受験者にのみ、口頭試問の案内が届きます。

テレビ面接の形で行われる口頭試問は、200点満点の試験です。

能力審査面接試験とも言われ、スキルがチェックされます。

語学力やコミュニケーションの能力など、人物を注視されることにも注意しましょう。

難易度の高い国連職員試験に合格するポイント

国連職員試験に合格するポイントをまとめました。

  • 専門分野に関わる資格を取る
  • Junior Professional Officerを目指す
  • 国連ボランティアに参加する

以上のポイントをふまえて、国連職員試験に挑戦してみましょう。

①専門分野に関わる資格を取る

会計の職を目指す場合にはCPA(米国公認会計士)が、監査の職を目指すならばCIA(内部公認監査人)など、職務に繋がる資格を保有し経験を積むことも一つの手段としても考えられます。

とにかく、専門性を持つための勉強を地道に行うことが一番大切です。

やだし、日本の資格で特に採用時に有利となるものはありません。

②Junior Professional Officerを目指す

Junior Professional Officerは国連派遣制度です。

日本の外務省が実施し、日本人のみを対象としたポジションです。

Young Professional Programよりも、低い倍率が予想できます。

ただし、競争倍率そのものは低いとはいえません。

派遣制度だからといって油断することのないように対策しましょう。

③国連ボランティアに参加する

国連ボランティアに参加すれば、国連の正規職員応募に役立ちます。

国連全体の様子や流れも理解しやすくなるでしょう。

国連ボランティアは、最低でも2年の職歴が求められます。

言語は英語、フランス語、スペイン語のうちどれか1つの言語の習得が必須です。

業務が遂行できるレベルの言語能力を育てましょう。

国連職員の仕事内容

国連職員(国際公務員)とは、国際連合及びその専門機関等の国際機関の事務局に勤める職員のことです。

国際公務員には、出身国等の特定の国家の利益のためではなく、所属する国際機関及び国際社会の共通の利益のために中立の立場で働くことが求められます。

国際機関においては、ポストに空席ができた際に、空席公告によって後任者を公募することが一般的です。

そのため、応募者には経験と実務能力が必要とされています。

国連事務局をはじめ、世界銀行や、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)、国際労働機関(ILO)、国連ボランティア連絡事務所(UNV)など世界各地で勤務することになります。

国連職員の平均年収・給与

国際機関の職員の処遇については、各機関ごとに規則で定められています。

国連と専門機関、下部機関では、基本的な勤務条件・処遇はほぼ同様のものとなっています。

国際機関の職員給与は、【基本給+地域調整給+各種手当】です。

基本給は、扶養者の有無により異なり、職員のレベル(グレード)によって異なります。

また、世界中どこに勤務していても、同じ生活水準になるよう、勤務地の物価水準に応じて定められ支給されるのが地域調整給です。

物価の高い都市になるほど高額が支給されます。

また、教育補助金や住宅費補助、異動奨励・困難手当の他、扶養手当や赴任手当、帰国休暇・手当、家族訪問休暇など、離れて暮らす家族にも配慮した制度もあります。

国連職員に向いている人

国連職員には、世界のさまざまな問題を解決するための即戦力が求められており、専門的かつ最高水準の能力が必要とされます。

問題意識を持ち、問題解決への意欲が高く、そして高い志があること。

国連職員になって何を専門とし、何で貢献したいのかという目的が明確な人が求められます。

また当然ながら、開発途上国でのフィールド(現地)や世界各地への転勤もありますので、語学力はもちろんのこと、厳しい環境に適応できることや、異なる文化への理解が出来る人に向いているでしょう。

またいわゆる「人間力」も重要です。誠実であること、国連職員として常に中立・公平であること、そしてコミュニケーション能力が豊かな人に向いていると言えるでしょう。

国連職員の現状と将来性

国連職員とは、国連本体や下部機関、専門機関で働く人々のことであり、職員の約6割は本部以外の世界各地に派遣される即応型フィールド主体体制をとっています。

これら国際機関で働くのは、専門職員約44,000人で、国連に加盟する193の加盟国すべてに広がっています。

国連職員全体の男女構成としては、女性が33%、男性は67%となっており、国連は空席ポストへの女性の応募を推奨しています。

また国連関係機関の職員の中で、日本人は961名、幹部以上は91人です。(2022年外務省発表)
雇用形態は多種多様です。

短期契約をはじめ、終身雇用であるパーマネント契約、数年契約をし、その後更新するフィックスターム、数ヶ月の契約などのさまざまな形態があります。

近年は国際的に経済状況が悪化していることで、先進国からの国連拠出額も減少しています。

その影響もあり、限られた活動費の費用効果を高めるために効率的な運営が考えられています。

そのため、長期雇用契約は減少しています。短期契約で民間出身者の採用の機会が広がると予想されます。

国連職員採用試験の独学合格が難しい理由

国連職員採用試験の独学合格は、以下の理由から難しいと予想されます。

  • 英会話を含めた語学力が求められる
  • 専門分野のスキル育成は個人では難しい
  • 面接試験対策が難しい

採用試験では、海外での留学経験なども確認されるでしょう。

独学が難しい理由①英会話を含めた語学力が求められる

国連職員は英会話を含めた語学力が求められます。

海外で通用する語学力がなければ業務の遂行は不可能でしょう。

語学力を育てるためには、日本国内だけでの学習や対策では難しいです。

留学などを通して、語学力を身につける人がほとんどです。

国連の公用語は6種類あるので注意しましょう。

独学が難しい理由②専門分野のスキル育成は個人では難しい

国連の専門職は、並み以上のスキルが求められます

実際に国連職員の応募には、「対象の試験分野で学士号に相当する大学の学位を取得していること」という最低条件があるので気をつけてください。

国際紛争の調停、社会経済など、各分野での経験が必須です。

国連で働くためには、一定以上の実績やキャリアも積まなくてはいけません。

独学が難しい理由③面接試験対策が難しい

面接試験の対策が難しいことは、独学のデメリットです。

自分1人での面接対策では、言葉遣いや対応などのフィードバックがもらえません

国連スタッフ採用試験には、面談でのチェックもあります。

語学力や人物像を重視されるので、十分な対策が必要でしょう。

面接試験では、希望職種で活かせる能力のアピールも必須です。

国連職員になるには狭き門を突破する必要がある

国連は国際平和および安全を維持することを目的とした団体であり、非常に高い公共性や実務能力が求められます

世界中から優秀な人材が集まっており、採用試験を通過するのは非常に困難と言えるでしょう。

単純な語学力だけではなく、学習能力やコミュニケーション能力などが、非常に高い次元で求められると思って良いでしょう。