今回は、海上保安大学校の入試試験の難易度や、合格するために必要なことを紹介していきます。
海上保安大学校学生は年齢制限ありの男女が目指せる、やりがいが感じられる資格です。
海上保安大学校学生資格取得者は他にも海上保安大学校学生と呼ばれております。
海上保安大学校の入試試験の難易度
海上保安大学校の採用試験の一次試験は高校卒業程度の学力や知識が問われます。
これはどれだけ頑張ったか結果として表れます。
二次試験は体力勝負の部分もあります。基準に満たなければ不合格となります。
男女問わず受験可能な海上保安大学校の採用試験ですが、女性の合格率が低いのはやはり体力の面で不利な点が多く、その分難易度に影響します。
海上保安大学校の合格率
海上保安大学校採用試験の受験者数は近年減少傾向にあります。
令和5年度試験の受験者数は前年度よりも若干減少し、276人となりました。
海上保安大学校採用試験採用倍率は約3倍程度の間で推移しています。
令和5年度試験の採用倍率は2.73倍でした。
合格者数は101人、うち男性69人、女性32人で男女比は男性68.3%、女性31.6%でした。
海上保安大学校の合格に必要な勉強時間は1,000時間
海上保安大学校に入学するため、勉強時間は1,000時間程度の確保を目指しましょう。
海上保安大学校の入試は、国立大学のものと同レベルの難易度と予想できます。
1,000時間程度勉強は最低ノルマと考えてください。
ほかの受験者と差をつけたい人は、さらに勉強時間を増やしてもいいですね。
海上保安大学校の入学試験概要
海上保安大学校の入学試験の概要をまとめました。
海上保安大学校に入学を希望する前に、試験の要項をチェックしましょう。
入学試験日から逆算し、学習計画を進めてください。
入学試験の費用
海上保安大学校では、受験料はありません。
入学試験日
一次試験は10月26日(土)および10月27日(日)、二次試験は12月13日(金)となります。
願書受付期間は8月22日(木)9:00から9月4日(水)までの間です。受験地は全国主要都市で開催されます。
合格発表のタイミング
1次試験は12月6日(金)9:00、2次試験は翌年1月16日(木)9:00からです。
海上保安大学校の入試が難しいと言われる理由
海上保安大学校の入試が難しいと言われる理由を確認しましょう。
- 学力・知識が求められる
- 勉強の仕方に工夫が必要
- 解答時間不足になりやすい
以上について、それぞれの原因を詳しく紹介します。
理由①面接と身体検査・身体測定・体力検査がある
海上保安大学校の採用試験は、個別の面接と身体検査・身体測定・体力検査も行われます。
人柄や体力もチェックされるので、合格には適性があるでしょう。
筆記試験では高校卒業程度の学力・知識が求められます。
筆記試験自体の難易度は非常に高いものではありません。
しかし、その他の面接や検査にも注意しなければ、合格が遠のいてしまいます。
理由②勉強の仕方に工夫が必要
海上保安大学校の試験は公務員試験でもあります。
他の大学の試験とは被らない内容なので、勉強の仕方に工夫が必要といえます。
入学試験では、警察官や市役所職員などの採用試験と同じような内容が出題されます。
理由③解答時間不足になりやすい
海上保安大学校の入学試験は、油断すると解答時間不足になります。
基礎的な学力・能力が問われるので難易度はそこまで高くはありません。
しかし、試験問題の優先度や時間配分に気をつけましょう。
海上保安大学校の入試の難易度を他試験とランキングで比較
海上保安大学校の入試の難易度を他の公務員と比べてみましょう。
区分 | 倍率 |
---|---|
海上保安大学校の入試 | 2.73倍 |
消防士 | 7.1倍 |
警察官 | 6.1倍 |
都道府県職員 | 4.2倍 |
海上保安大学校の入試の倍率は、年々低下傾向にあります。
ほかの区分の公務員と比べても、高い倍率とはいえません。
ただし、倍率と試験難易度は別物です。
倍率が低いからと言って、試験が簡単なわけでは無いことに注意しましょう。
海上保安大学校の入試科目
海上保安大学校の入試科目を紹介します。
高校を卒業していれば基本だれでも受験可能です。
海上保安大学校学生の資格は「海上保安庁」が運営管理を行っております。
海上保安庁とは:
国家行政組織法および海上保安庁設置法により国土交通省の外局として設置されている国の行政機関。海難救助、海洋汚染の防止、海上における犯罪の予防・捜査・鎮圧、船舶交通の規則、水路・航路標識その他海上の安全の確保に関する行政事務を司る。
一次試験(筆記試験)
一次試験は筆記試験です。内容は基礎能力・学科・作文の3種目です。
海上保安大学校の基礎能力試験は公務員としての基礎的な能力の有無についての筆記試験です。
解答時間は1時間30分となっています。
知能分野(20問)は文章理解(7題)・課題処理(7題)・数的処理(4題)・資料解釈(2題)などが主な出題内容です。
知識分野(20題)は自然科学(5題)・人文科学(9題)・社会科学(6題)について出題されます。学科試験は数学、英語、物理または化学についての筆記試験です。全39題を3時間で解答します。学科試験は多肢選択式と記述式があり、解答題数・時間が異なります。
必須問題として数学(13題)・英語(13題)、選択問題で物理(13題)か化学(13題)のいずれかを選択します。
二次試験(個別面接)
二次試験は、個別の面接と身体検査・身体測定・体力検査が必要になります。
人物試験(面接)では、主に人柄や、コミュニケーション能力をチェックされます。
身体測定は、身長・体重・視力・色覚・聴力を測定する一般的なものとなります。
次に体力検査ですが、こちらは反復横跳びと上体起こし、鉄棒両手ぶら下がりの3科目が実施されます。
検査科目 | 内容 |
---|---|
反復横跳び | 20秒間のうちにサイドステップをすることが何回できるかを検査 基準は男子44回以上、女子37回以上 |
上体起こし | 30秒間のうちに上体を起こすことが何回できるかを検査 基準は男子21回以上、女子13回以上 |
鉄棒両手ぶら下がり | 鉄棒を両手で握り両足を床から離してぶら下がり、10秒以上耐えることができるかを検査 |
難易度の高い海上保安大学校の入試に合格するポイント
海上保安大学校の入試に合格するポイントをつかみましょう。
以下の点に気を付けて、試験対策を進めてください。
- 高校卒業程度の学力・知識を身につける
- 公務員試験対策をしている塾や予備校に通う
- 法律・行政についても学習する
ポイント①高校卒業程度の学力・知識を身につける
海上保安大学校の試験は高校卒業程度の学力・知識が求められます。
高校を卒業していれば基本だれでも受験可能です。
ポイント②公務員試験対策をしている塾や予備校に通う
公務員試験対策をしている塾や予備校に通うこともおすすめです。
成績上位に入らないと「内定者」に選出されないため、基礎の学力をしっかりさせておく必要があります。
ポイント③法律・行政についても学習する
法律に関わることや行政についても出題されます。
海上保安官として活躍するためには、どちらも必要な知識です。
受験者数は毎年かなりの数になり、その分難易度も上がります。
海上保安大学校卒業生の平均年収・給与
入学と同時に国家公務員(海上保安庁職員)に採用されます。
月額約14万円の給与が支給されるほか、ボーナス(年2回)が支給されます。
国家公務員共済組合員として医療費の一部給付や各種貸付制度の利用ができます。
入学金、授業料、学生寮費等は不要で、(教科書代、食費などは自己負担)制服、寝具等は貸与されます。
学生寮(全寮制)には医務室などの施設を完備しています。
医務室には医師、看護師が配置され、十分保健指導を行っています。その他に、売店、理容店を完備しています。
海上保安大学校学生の現状と将来性
海上保安庁は幅広い機能を担っており、海上保安官の役割も多岐にわたります。
役割としては、海上交通の安全確保、海難事故における救助、海上の治安維持、密航船・密輸の取り締まり、海洋情報の収集、海洋環境保全、国内外機関との連携・協力などです。
海上保安官には海上勤務のみならず陸上勤務、航空要員など多種多様の職種があり、業務範囲が非常に広いのは、このような海上保安庁の役割の多様性によるものといえるでしょう。
そして、国際化が進むと同時に諸外国と緊張感が高まっている現在、海上保安官の存在がますます重要視されており、今後も期待されることは大きいといえます。
海上保安大学校学生に向いている人
海上保安大学校とは国家公務員である海上保安庁の幹部候補として4年間学生として勉強するための学校です。
卒業するとすぐに巡視船などに初級幹部として乗り組むことが決まっており、海上保安官のエリートコースです。
海難救助や密輸といった危険な仕事もしなくてはなりません。熱い想いと正義感、そして勇気がある人に向いている職業です。
毎年10倍程度の倍率で非常に人気があり、試験には体力検査もあるため、体力に自信がある人に向いています。
海上保安大学校の独学合格が難しい理由
海上保安大学校の独学合格は、少々難しいと考えられます。
- モチベーションの維持が難しい
- 効率のいい学習はコツがいる
- 教材が探しにくい
独学の場合、合格までの計画も自分で立てなくてはなりません。
理由①モチベーションの維持が難しい
独学となると、入試へのモチベーションの維持が難しいでしょう。
海上保安大学校の独学合格のためには、同じモチベーションを保つことが重要です。
勉強中にスマートフォンやテレビに目がいかないよう、気を付けてください。
独学でモチベーションを維持するためには、スケジュール管理のスキルも求められます。
理由②面接のアドバイスが受けられない
独学では、面接の受け答えや身だしなみなどのアドバイスが受けられません。
海上保安大学校の入試は、面接も含まれます。
面接は人物重視の判断になるため、十分な対策が必須です。
理由③教材が探しにくい
海上保安大学校の入学試験教材やテキストは、選定が難しいです。
教材によって問題の文章やレイアウトが違うので、合う合わないがあるでしょう。
自分にとってベストなテキストを見つけるまでにも、時間がかかることに注意してください。
教材が探しにくいと感じたら、講座や塾への通学を検討してもいいですね。
海上保安大学校入試対策におすすめの予備校・通信講座
海上保安大学校の入試対策には、アガルートアカデミーがおすすめです。
公務員試験対策が効率よくできるため、学習しやすい講座といえます。。
難関資格試験向けの通信講座として実績が豊富なことも、アガルートアカデミーのメリットです。
海上保安大学校出身者は海上保安官の中でもエリート
海上保安官は、映画「海猿」でも注目されたように、海難救助の花形職業と言えるでしょう。
ただし、現場で活躍し続けるには厳しい訓練をし続ける必要があります。
現実的な厳しさもありますが、海上保安大学校を卒業することは、海上保安官のキャリアとしては大きなアドバンテージになることも間違いありません。