日本の全国的な平均年収が一体どのくらいなのかご存知でしょうか。
自身の気になる職業や企業の年収については興味を持つことがあっても、日本全国でみた平均年収についてはあまり気にすることはありませんよね。
そこで今回は日本の全国的な平均年収について
年収額ごとの割合、分布・
男性と女性との年収の差・
東京周辺と地方との年収の差など詳しく紹介していきます。
日本の平均年収
まず日本の全国平均年収について見ていきましょう。
ここでは令和元年における国税庁の民間給与実態調査を参照しています。
日本の平均年収は約436万円
国税庁が公表しているデータによると、令和元年における日本全国の平均年収は約436万円となっています。
参考までに過去5年間の日本の平均年収の推移は以下の通りです。
令和元年 | 約436万円 |
---|---|
平成30年 | 約441万円 |
平成29年 | 約432万円 |
平成28年 | 約422万円 |
平成27年 | 約420万円 |
出典:[2021年最新版]日本人の平均年収は436万円!10年分の年収推移や割合、男女内訳など徹底調査
これを見てみると、令和元年の平均年収は前年度に比べると少し落ち込んでいるものの過去5年間で見ると比較的高い数字です。
また、令和元年を除く全ての年度において前年度と比べ平均年収は約2〜10万円アップしており、年々増加傾向にあることが分かります。
この傾向が今後も続くことを期待したいですね。
平均年収を稼いでいる人口の割合は約15%
日本の労働人口のうち平均年収の約436万円を稼いでいる人の割合は約15%です。
平均年収なのに15%というと意外と少なく思われるかもしれません。
しかし平均年収はあくまで日本全国で働く人の年収を単純合算して平均を求めたものですから、それだけの年収を稼ぐ人が割合として最も多いことを意味するのではありません。
労働人口に占める割合が最も高いのは年収約300〜400万円の層となっています。
月収に直すと約25〜30万円と一般によく聞かれる額ですので、この層の割合が高いことも納得しやすいのではないでしょうか。
また平均年収より多く稼いでいる人の割合は労働人口の約45.8%となっており、半分近くの人が約436万円以上の年収を稼いでいることになります。
年収中央値は約370万円
平均年収よりさらに実態に近いデータとして全ての年収額の合計を2で割って求めた年収中央値があります。
厚生労働省の公表しているデータによると日本全国の年収中央値は約370万円となっており、これは平均年収より
約66万円も低い額です。
平均年収でさえ高年収とは言えないにも関わらず実態により即した年収中央値はさらに低くなっていることを考えると、
日本は全体として年収水準が低い国と言っても過言ではないのかもしれません。
手取りの年収額はどのくらい?
続いて平均年収の436万円を稼いだ場合の手取り年収について見ていきます。
なおここではボーナスは考えないものとします。
平均年収436万円の場合、手取りは370万円
日本の平均年収である436万円を稼いだ場合、実際の手取りはどのくらいになるのか計算してみます。
まず税金ですが、所得税で10.5万円、住民税で21万円差し引かれ404.5万円になります。
ここからさらに社会保険・年金で53.5万円差し引かれ手取りの年収は350万円になります。
これは月収に換算すると29.2万円です。
この手取り額で生活をやりくりしていくとすると一人暮らしの場合だとそれなりに余裕のある生活ができそうですが、子供のいる家庭の場合生活費だけでなく子供の教育費や将来のための貯蓄などある程度の額が必要となってきます。
そのためこの手取り額でやりくりしていくのはかなり厳しいものと考えられます。
日本の平均年収の男女別の差についても調査
日本全体における平均年収について理解したところで、次は男女別の平均年収について見ていきます。
男性は約400万円台、女性は約100万円台が最も多い
以下は国税庁の民間給与実態調査をもとに男女別の年収分布を表したものです。
年収 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
100~200万円 | 6.6% | 23.8% |
200~300万円 | 11.0% | 21.0% |
300~400万円 | 17.3% | 17.2% |
400~500万円 | 17.8% | 10.8% |
500~600万円 | 13.5% | 5.6% |
600~700万円 | 9.2% | 2.8% |
700~800万円 | 6.4% | 1.5% |
800~900万円 | 4.4% | 0.7% |
900~1,000万円 | 2.8% | 0.4% |
1,000~1,500万円 | 5.6% | 0.8% |
1,500~2,000万円 | 1.2% | 0.2% |
出典:[最新]日本人の年収別の割合分布を徹底調査!統計データからわかる収入事情とは?
これを見てみると割合が最も高いのは男性が約400〜500万円、女性が100〜200万円となっておりその差は約300万円にも上ります。
全体としては男性の場合では年収600万円以下が約7割、女性の場合では年収300万円以下が約6割を占めており男女間の格差がかなり大きいことが分かります。
女性に関しては年収800万円以上を稼ぐ割合がたったの約2%ほどしかいないのが現状です。
女性は子育てなどの事情から男性に比べれば正社員として仕事に専念できる環境にある人は多くなく、パートや非正規雇用などとして働いている場合が多いことを考えると男性と同じくらいの年収を得るのはなかなか難しいのかもしれません。
しかし今の時代、男女平等・女性にも男性同等の社会進出の機会を与えることが積極的に求められているにも関わらず依然としてこれほどの男女格差が存在していることは大きな課題だと言えるでしょう。
地域による年収差
地方よりも都会の方が稼げるイメージがありますが、実際どうなのでしょうか。
ここでは地域ごとに平均年収を見ていきます。
やはり1位は東京で約408万円
厚生労働省の
賃金構造基本統計調査によると都道府県ごとの平均年収は以下の通りです。
1位 | 東京 | 約408万円 |
---|---|---|
2位 | 神奈川 | 約377万円 |
3位 | 大阪 | 約362万円 |
– | – | – |
45位 | 秋田 | 約264万円 |
46位 | 宮崎 | 約263万円 |
47位 | 青森 | 約259万円 |
出典:統計でわかる日本の収入事情!収入が多い都道府県&四国のリアルな年収は?
これによると日本で最も平均年収が高い都道府県は東京の約408万円となっており、それに続く形で約377万円の神奈川県が2位に位置しています。
1位、2位は関東を代表する大都市が独占していることが分かります。
3位は約362万円の大阪で、こちらも関西の言わずと知れた大都市です。
「都会の方が稼げる」というのは本当だということがこのデータからは言えそうです。
日本で最も平均年収の低い都道府県は青森県で約259万円となっています。
これは1位の東京に比べ
約150万円も低い額です。
下位の都道府県を全体的に見ても東北や九州地方の都道府県が多く見受けられ、
都会から離れた地方ほど平均年収が低くなる傾向にあると推測できます。
日本の平均年収は上昇傾向にあるものの、格差は依然として残る
ここまで日本の全国的な平均年収について
男女別・
地域別などの観点から見てきましたが、いかがだったでしょうか。
日本の平均年収は全体として増加傾向にあり、今後もこの傾向が続くことを期待したいものです。
しかし男性と女性、都会と地方の年収の格差が依然として大きいことは女性の積極的な社会進出の助長を妨げるほか、都会に出ないと高年収を得ることが難しいという、好ましくない状況を作ることに繋がってしまいます。
この格差をなくしていくことが日本の今後の課題とも言えるのかもしれません。
最後までお読み頂きありがとうございました。