音楽家や画家、彫刻家など芸術家、もしくはアーティストと呼ばれる職業の人は実に多彩な活動を行っています。
中には日本国内に留まらず海外で活躍している芸術家もたくさんいます。
そこで、芸術家の主な仕事内容や活動内容について紹介します。
将来芸術家を目指している方、芸術家の仕事に興味のある方はぜひ参考にしてください。
芸術家とは?
芸術家というと主に画家や彫刻家、陶芸家などをまずイメージするかと思います。
しかし、その他にも建築家、文筆家、書道家など創作活動を行ったり、芸術品を売ることによって生計を立ててる人全般を芸術家、もしくはアーティンストと呼ぶため、明確な定義はありません。
いずれにしても各専門分野において秀でたスキルや技術を持っていることは前提として、創作活動や芸術作品が社会的に評価されて初めて芸術家としての価値が見出されるため、安定した生活をおくるために生計を立てていくことが非常に難しい業界です。
芸術家としての働き方や生活
芸術家にもいろいろな分野があるため、それぞれ働き方や生活の仕方も異なります。
ある程度芸術家として地位が確立できている方は自分の工房やアトリエを作り、そこで絵画や陶芸など創作活動に励みます。
一方で、駆け出しの芸術家や芸術家の卵と言われる方たちは部屋の一室で生活をしながら創作活動を行ったり、路上や海外に出向きパフォーマンス等を行いながら生活している芸術家もいます。
そのため、創作活動にかける時間や収入、生活スタイルというのもそれぞれ異なり、一日の時間の大半を創作活動に当てている芸術家、副業として空いた時間に創作活動を行う芸術家など様々です。
いずれにせよ安定した収入がないうちは自分の芸術作品を自ら画廊やサロンなどに売り込むという営業活動をメインに行いながら、同時に創作活動を行う必要があります。
芸術家の主な仕事内容や活動
それでは、実際に芸術家と呼ばれる人たちがどのような仕事や活動を行っているのか一緒に見ていきましょう。
ここでは画家、彫刻家、映像作家の3種類の芸術家、アーティストを例に挙げて紹介します。
画家の仕事
芸術家と聞いてまず皆さんがイメージするのは「画家」かと思います。
画家とは、その名の通り絵を描きその作品を売ったり展示することによって収入を得ている職業です。
画家と言っても描く絵のジャンルによって様々な種類があり、抽象画や風景画、水彩画や西洋画など、描く対象や描き方、テーマによってジャンルが異なります。
近年ではデジタル端末を使って絵画を描くデジタルアーティストという分野で活躍する画家も増えてきています。
いずれにしてもただ作品を作っただけでは収入にはならないため、自分の作品を買ってくる画廊や美術館などを探したり、個人や団体から依頼を受けて仕事をする場合もあります。
彫刻家の仕事
彫刻家も芸術家としてイメージしやすい分野で、主に粘土や石材、木材、金属などあらゆる素材を専用の道具で彫り刻み、像やなど立体的な芸術作品を創り上げます。
彫刻家は空間を自在に使い立体的な作品を作り上げることから、「空間造形作家」や「立体アーティスト」と呼ばれることもあります。
実は彫刻家への道は画家よりも非常に過酷で、彫刻家として生計を立てながら現在活躍している人はほんの僅かな数しかいません。
そのため、ほとんどの彫刻家は美術館や博物館の学芸員や美術学校での講師などを兼業しながら創作活動に励んでいます。
しかし、決して需要が無いというわけではなく、実力と作品の社会的評価が認められれば各企業や団体のモニュメントやシンボル、銅像などの仕事を依頼されます。
映像作家
映像作家も芸術家としてしばしば分類されることがあります。
そもそも映像作家とは、映画やテレビドラマの監督や演出家、アニメーション作家などあらゆるエンターテイメント分野の映像作品を作り上げる職業です。
日本にも世界的に有名な映像作家が数多くいます。
画家や彫刻家と比べて表現の仕方はだいぶ違いますが、映像によって多くの人を楽しませたり、感動させたりするという点においては立派なアーティストです。
映像作家として活躍できる場もたくさんあり、たとえば各テレビ局や映像制作会社、アニメーション事務所など特別な資格や学歴がなくても比較的安定した収入を得ながら働くことができます。
芸術家として働く上での苦労ややりがい
以上で挙げた3つの分野以外にも実に様々な芸術家がいます。
それでは、将来芸術家を実際に目指している方もいると思うので、芸術家として働く上での苦労ややりがいについて一緒に考えていきましょう。
作品が評価されなければ収入ゼロの可能性も
芸術家として働く上で最も苦労することは安定した収入を得ながら生活することが非常に難しいということです。
他の業種の場合は、仕事をすることによって収入が入ってくることが保証されていますが、芸術家はたとえ長期間かけて創り上げた創作物でも社会的評価を得ることができなければ収入がゼロになってしまう可能性もあるのです。
また、基本的に作品を作り上げるための道具や材料などは自腹となるため、バイトなどをしながら資金調達をしている芸術家も珍しくはありません。
自分の作品が社会的に評価されるためには芸術性や技術はもちろんのこと、ある程度の「運」も必要となるため、芸術家としてやっていくにはそれなりの覚悟が必要となります。
アートを通して様々な活動ができる
もちろん生計を立てるために活動する芸術家もいますが、すべての芸術家が収入のために活動しているというわけではありません。
たとえば、社会問題をアートという手段を使って訴える活動をしている芸術家や恵まれない人たちのために芸術作品で支援を募る芸術家など、それぞれ目的やゴールは異なります。
そのため、自分のやりたいことができる、社会貢献ができるという点において芸術家は非常にやりがいのある職業と言えます。
芸術家の仕事とは?まとめ
今回は芸術家のそれぞれの分野における仕事や活動内容について紹介しました。
芸術家には画家や彫刻家、映像作家など非常に様々な分野やジャンルがあります。
そのため、日本国内、海外問わず仕事や活動内容もそれぞれ異なり、また生活スタイルも異なります。
いずれにおいても芸術家の世界は非常に過酷なものとなっており、安定した収入を得ながら活動している芸術家はほんの一握りです。
しかし、自分の作品が評価されればそれだけ多くの収入を見込むことができます。
また、社会貢献など自分のやりたいことをとことん追求できる、大変やりがいのある職業です。