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保育士の受験資格は?学歴ごとの受験資格・実務経験の有無・免除科目制度を紹介

更新日:2024-07-12

保育士の受験資格は?学歴ごとの受験資格・実務経験の有無・免除科目制度を紹介

保育士は、子どもの成長をサポートするために必要な知識とスキルを持つ専門職です。

保育士を目指すためには、まず受験資格を満たす必要があります。

これから保育士を目指そうとしている方や、試験内容について詳しく知りたい方も多いでしょう。

そこで今回は、保育士の受験資格から試験内容などについて、徹底的に解説していきます。

初めて保育士試験を検討する方は必見です。

保育士の受験資格は最終学歴によって異なる

保育士試験の受験資格は、基本的に最終学歴によって異なります。

最終学歴ごとに、保育士試験の受験資格を詳しく解説します。

  • 大学・短大卒業
  • 大学在学中/大学中退・短大在学中
  • 専門学校卒業
  • 高校卒業
  • 中学卒業
  • 海外の学校を卒業

大学・短大卒業

保育士とは関係ない学科であっても、学校教育法に基づいた大学や短大を卒業した方は、保育士試験の受験資格があります。

実務経験を問われないので、気軽に挑戦できる点が魅力です。

ダブルライセンスで保育士の資格を取得したい方や、保育士へのキャリアチェンジを検討している方も、大学または短大卒であれば問題なく受験できます。

大学在学中/大学中退・短大在学中

大学在学中に保育士資格を取得したい方や、大学中退後に保育士資格を目指す方もいるでしょう。

保育士に関係ない学科であっても、以下いずれかの要件満たしている方は、受験資格があります。

  • 2年以上在学しており、62単位以上を習得済みである

在学中または大学中退後であっても、保育士試験に挑戦するチャンスはあります。

ただし、年度中に単位を規定数取得できなかったり、在学期間が2年に満たない場合は、受験できますが合格(一部科目)とはならない点に注意してください。

また、短大在学中でも、受験資格を得られます。

ただし、年度中の卒業が認められなかった場合、受験できても合格(一部科目)とはなりません。

専門学校卒業

  • 学校教育法に基づいた専修学校である
  • 卒業した課程が修業年限2年以上の専門課程である

上記2点を満たしている場合、保育士とは関係ない学科であっても受験資格があります。

最短、高校卒業から最短2年で保育士試験に挑戦できるわけです。

なお、上記の要件いずれかを満たしていない場合でも、高校の卒業年月日が以下のいずれかを満たしていれば受験できます。

  • 平成3年3月31日以前に高校を卒業
  • 保育課の場合、平成8年3月31日以前に高校を卒業

当てはまらない場合や、不明な場合、保育士試験事務センターに問い合わせてみましょう。

高校卒業

高校卒業が最終学歴の場合、以下いずれかのタイミングで卒業している方は受験資格があります。

  • 平成3年3月31日以前に高校を卒業
  • 保育課の場合、平成8年3月31日以前に高校を卒業

いずれにも当てはまらない場合でも、以下いずれかの施設で2年以上かつ2,880時間以上の勤務経験があれば受験資格があると認められます。

  • 保育所(利用定員20名以上)
  • 保育所型認定こども園
  •  幼保連携型認定こども園
  •  児童厚生施設(児童館)
  •  児童養護施設
  •  助産施設
  •  乳児院
  •  母子生活支援施設
  •  障害児入所施設
  •  児童発達支援センター
  •  児童心理治療施設
  •  児童自立支援施設
  •  児童家庭支援センター

なお、2年以上かつ2,880時間以上の勤務経験がある施設が以下のいずれかの方は、受験資格認定(知事認定)の申請が必要です。

  • 認可外保育施設 (認証保育園、認定保育園 等を含む)
  •  小規模保育事業(小規模認可保育所 等)
  •  幼稚園型認定こども園
  •  地域裁量型認定こども園
  •  幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)
  •  家庭的保育事業(保育ママ 等)
  •  居宅訪問型保育事業
  •  事業所内保育事業
  •  放課後児童健全育成事業 (学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育 等)
  •  一時預かり事業
  •  へき地保育(特例保育)
  •  小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
  •  障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く)
  •  一時保護施設
  •  放課後等デイサービス(児童デイサービス)
  •  院内保育
  • 企業主導型保育事業 等

中学卒業

中卒の方であっても、5年以上かつ7,200時間以上、以下いずれからの施設での勤務経験があれば、受験資格があります。

  • 保育所(利用定員20名以上)
  • 保育所型認定こども園
  •  幼保連携型認定こども園
  •  児童厚生施設(児童館)
  •  児童養護施設
  •  助産施設
  •  乳児院
  •  母子生活支援施設
  •  障害児入所施設
  •  児童発達支援センター
  •  児童心理治療施設
  •  児童自立支援施設
  •  児童家庭支援センター

以下の施設で勤務していた方の場合、別途、受験資格認定(知事認定)の申請する必要があります。

  • 認可外保育施設 (認証保育園、認定保育園 等を含む)
  •  小規模保育事業(小規模認可保育所 等)
  •  幼稚園型認定こども園
  •  地域裁量型認定こども園
  •  幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)
  •  家庭的保育事業(保育ママ 等)
  •  居宅訪問型保育事業
  •  事業所内保育事業
  •  放課後児童健全育成事業 (学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育 等)
  •  一時預かり事業
  •  へき地保育(特例保育)
  •  小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
  •  障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く)
  •  一時保護施設
  •  放課後等デイサービス(児童デイサービス)
  •  院内保育
  • 企業主導型保育事業 等

海外の学校を卒業

海外の学校を卒業している方は、事前に受験資格の有無を事前確認する必要があります。

海外と日本では、教育制度と異なるためです。

事前確認のためには、必要書類の提出などが必要になります。

保育士試験の公式サイトで詳細を確認しておきましょう。

なお、以下のいずれかを満たしている方は受験資格を有しているため、事前確認をする必要はありません。

① 平成 3 年 3 月以前の日本の高等学校卒業者
② 日本の短期大学、大学、専修(専門)学校※1 卒業者
※1 下記 2 点を満たしている専修(専門)学校
(1)学校教育法に基づいた専修学校
(2)卒業した課程が修業年限 2 年以上の「専門課程」
③ 日本の高等学校卒業+児童福祉施設において 2 年以上かつ 2,880 時間以上児童または幼児の保護
全般に従事している者
④ 児童福祉施設において 5 年以上かつ 7,200 時間以上児童または幼児の保護全般に従事している者

引用元:一般社団法人 全国保育士養成協議会『海外の学校を卒業した方の受験資格について』

保育士試験の受験資格に必要な実務経験

以下に、保育士試験の受験資格に必要な実務経験の有無を、最終学歴ごとにまとめました。

最終学歴 実務経験の有無
大学・短大・専門学校 不要
高校 必要
※2年以上かつ2,880時間以上
中学 必要
※5年以上かつ7,200時間以上

なお、実務経験によって受験資格が得られる施設は、以下いずれかの児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設になります。

  • 保育所(利用定員20名以上)
  • 保育所型認定こども園
  •  幼保連携型認定こども園
  •  児童厚生施設(児童館)
  •  児童養護施設
  •  助産施設
  •  乳児院
  •  母子生活支援施設
  •  障害児入所施設
  •  児童発達支援センター
  •  児童心理治療施設
  •  児童自立支援施設
  •  児童家庭支援センター

それ以外の施設の場合、受験資格認定(知事認定)を申請してください。

以下は、受験資格認定が必要な施設です。

  • 認可外保育施設 (認証保育園、認定保育園 等を含む)
  •  小規模保育事業(小規模認可保育所 等)
  •  幼稚園型認定こども園
  •  地域裁量型認定こども園
  •  幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)
  •  家庭的保育事業(保育ママ 等)
  •  居宅訪問型保育事業
  •  事業所内保育事業
  •  放課後児童健全育成事業 (学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育 等)
  •  一時預かり事業
  •  へき地保育(特例保育)
  •  小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
  •  障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く)
  •  一時保護施設
  •  放課後等デイサービス(児童デイサービス)
  •  院内保育
  • 企業主導型保育事業 等

保育士の試験出題内容は?

保育士試験は、筆記試験と実技試験の2つに分けられます。

ここでは、具体的な試験内容について詳しく解説します。

  • 保育士試験の筆記試験内容
  • 保育士試験の実技試験内容
  • 保育士試験の勉強方法と対策

保育士試験の筆記試験内容

筆記試験では多岐にわたる分野から出題されます。

出題科目は以下になります。

  • 保育原理
  • 教育原理
  • 教育原理及び社会的養護
  • 子ども家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論

具体的には、子どもの発達や保育の基本的な理論、法律や制度について問われます。

試験はマークシート形式で実施されます。

以下の表は、筆記試験の主要な出題内容を示しています。

全国保育士養成協議会の公式サイトでは、過去の試験問題が公開されているので、ぜひチェックしてみてください。

筆記試験に合格すると、次に実技試験を受験します。

保育士試験の実技試験内容

保育士試験の筆記試験に合格したら、次に実技試験を受験する流れになります。

実技試験では、保育の現場で必要とされる実技能力が問われます。

具体的には、以下の分野の中から2つを選択して受験します。

分野 概要
音楽に関する技術 幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いする。
造形に関する技術 保育の一場面を絵画で表現する。
言語に関する技術 3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、
子どもが集中して聴けるようなお話を行う。

実技試験では、実際の保育現場を想定したシチュエーションで行われ、受験者の実務能力が試されます。

受験申請後は、分野を変更できません。

どの分野で実技試験を受験するか、よく考えてから申請しましょう。

保育士試験の免除科目制度とは

すでに保有している資格によっては、保育士試験の科目が一部免除される場合があります。

資格 免除科目
幼稚園教諭免許 保育の心理学
教育原理
実技試験
社会福祉士 社会的養護
子ども家庭福祉
社会福祉
介護福祉士 社会的養護
子ども家庭福祉
社会福祉
精神保健福祉士 社会的養護
子ども家庭福祉
社会福祉

なお、小学校教諭免許や看護師資格を持っていても、試験が免除される科目はありません。

自分が免除科目制度の対象になるか確認したい方は、保育士試験の事務センターに問い合わせてみましょう。

保育士試験の難易度は高い

国家資格である保育士試験の難易度は高いです。

厚生労働省の最新調査によると、保育士試験の合格率は29.9%です。

およそ3人に一人が保育士試験に合格しています。

直近5年の保育士試験の合格率を以下にまとめました。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2022年 79,378 23,758 29.9%
2021年 83,175 16,660 20.0%
2020年 44,914 10,890 24.3%
2019年 77,076 18,330 23.8%
2018年 68,388 13,500 19.7%

参照元:こども家庭庁『保育士試験の実施状況況(令和4年度)

合格率は、基本的に20%前後を推移しています。

5人に一人の合格率なので、難易度は高いと言えるでしょう。

ただし、2022年度の合格率は比較的高くなっています。

年度によって、難易度が変動する可能性があります。

保育士とのダブルライセンスにおすすめの資格

保育士としてのキャリアを充実させるためには、他の関連資格を取得することが有効です。

ここでは、保育士とのダブルライセンスにおすすめの資格について詳しく解説します。

  • 幼稚園教諭免許状
  • 特別支援教育士資格
  • チャイルドカウンセラー資格
  • ベビーシッター資格
取り扱い講座数が豊富!アガルートの公式サイトはコチラ

幼稚園教諭免許状

幼稚園教諭免許状は、保育士と非常に相性の良い資格です。

幼稚園と保育園の両方で働くことができ、就職の幅が広がります。

また、幼稚園教諭としての経験を積むことで、保育のスキルや知識が一層深まります。

特別支援教育士資格

特別支援教育士資格は、障害を持つ子どもや特別な支援を必要とする子どもに対して専門的な教育を提供するための資格です。

保育士がこの資格を取得することで、特別支援教育の分野で活躍する機会が増えます。

また、特別支援教育士資格を持つことで、給与の面でも有利になることもあります

チャイルドカウンセラー資格

チャイルドカウンセラー資格は、子どもの心理的な問題や相談に応じるための専門資格です。

保育士としての経験を生かしながら、子どもの心のケアを行うことができます。

この資格を取得することで、保育の現場での対応力が向上し、より質の高い保育を提供できるでしょう。

ベビーシッター資格

ベビーシッター資格は、家庭での保育サービスを提供するための資格です。

保育士資格とベビーシッター資格を併せ持つことで、個別の家庭における保育サービスを提供することができ、働き方の幅が広がります。

特に、個別対応が求められる場合や、家庭ごとのニーズに応じた保育を行う際に有利です。

保育士の受験資格に応じたおすすめ通信講座3選

保育士試験に挑戦するためには、効率的かつ効果的な学習が欠かせません。

忙しい社会人や家庭のある方でも、通信講座を利用することで自分のペースで学習を進めることができます。

ここでは、受験資格に応じたおすすめの通信講座を以下の通り紹介します。

  • アガルート
  • ユーキャン
  • たのまな

アガルート

アガルートは、高品質な教育に定評がある通信講座です。

保育士試験に特化したカリキュラムは、試験合格に必要な知識を体系的に学べるよう構成されています。

経験豊富な講師陣が丁寧に指導し、オンラインでの受講が可能なため、仕事や家庭の都合に合わせて学習を進められるので、家事や仕事に忙しい方にピッタリです。

また、スマートフォンやタブレットでの受講も可能で、隙間時間を有効活用できます。

模擬試験や過去問の演習も充実しており、試験本番に向けて万全の対策が取れます。

ユーキャン

ユーキャンは、多岐にわたる通信講座を提供しており、保育士試験対策講座も人気です。

初学者89.6%のユーキャンの教材は初心者でも理解しやすいように工夫されており、分かりやすい解説が特徴です。

また、定期的な添削指導や質問対応サービスが充実しているため、疑問点をそのままにせずに解消しながら学習を進めることができます。

筆記試験だけでなく実技試験対策もサポートしてくれるので、合格に向けて講師と一丸となって学習できます。

たのまな

たのまなは、ヒューマンアカデミーが運営する通信講座で、保育士試験に対応したコースが充実しています。

たのまなの保育士講座は、実務経験豊富な講師陣による実践的な指導が魅力です。

オンライン講座だけでなく、実際の保育現場で役立つスキルを学べる実習も含まれており、実践力を身につけることができます。

標準学習期間は6カ月ですが、最長18カ月まで長期間サポートしてもらえるのがポイントです。

柔軟なカリキュラムで、自分のライフスタイルに合わせて学習を進められるため、忙しい社会人や家庭のある方におすすめです。

最終学歴に応じて保育士の受験資格を確認しよう

保育士試験の受験資格は、最終学歴によって異なります。

大学・短大・専門学校を卒業している場合は、基本的に実務経験がなくても受験資格があります。

高校や中学卒業の場合、卒業後に児童福祉施設で一定の実務経験が必要です。

また実務経験に該当する施設かの確認もしておきましょう。

なお、すでに保有している資格の種類によって、保育士試験の科目が一部免除される場合があるため、該当するかの確認もしてみてください。

事前準備を整えて、万全の体制で保育士試験に臨みましょう。