数学者になるには、その道のりは険しく数学研究者として成功できる人物はほんの一握りだという話を耳にしたことはありませんか?
数学者を志している方にとっては、狭き門だからこそ数学を極めて研究し続けたいと思える数学者という職業は魅力的に映るのでしょう。
それでは、肝心な数学者になるには一体どうしたらいいのでしょうか?資格の有無や有名な日本人、数学者が変人と言われてしまうエピソードについて紹介していきます。
数学者になるには?
数学者とは、数学に関しての未解決問題を解き明かす研究者のこと。
数学者として成功している有名な人間は数少ない、と言われていますが、そんな数学者になるには何が必要で、どんな資格がいるのでしょうか?
ここでは、数学者としての道や資格・仕事内容について紹介していきます。
数学者になるには資格が必要?
数学者になるにはまず、数学が好きではないと始まりません。
研究者としてだけであれば必ずしも資格が必要なわけではありませんが、教職者として大学で数学を教えるためには、数理学科の大学・大学院で数学を研究した後博士の学位【博士号】の資格を取得する必要があります。
博士号の資格を取得後に大学で勤務となると、助手や講師枠で採用されることが一般的であるようです。また、採用には研究結果の業績などにも左右されます。
数学の教員免許の資格を持っていることで数学者になれる可能性もありますが、コネや当てがないと転職はかなり厳しいと言われています。
さらに、数学者は他業界や企業への応用が利きづらい仕事であるため、数学者からの進路変更も難しく、数学者になるにはそれ相応の覚悟が必要です。
数学者の仕事内容は?
数学者は数学研究者とも呼ばれており、名前の通り数学を研究する学者のことを指します。数学者の仕事内容としては数学を中心とする数字・空間・次元などに関する未解決の問題を解くことです。
例えば企業などからのオファーで問題解決に携わることもありますが、基本的に研究するだけでは生計を立てられないため、教育者として大学や短大・高専で数学を教える傍ら研究活動も並行して行います。
教育機関で勤務しながら数学者として研究を続け、研究成果を論文にまとめたり学会で発表するのが一般的な数学者としての仕事内容と言えるでしょう。
さらにほかの仕事内容としては、有名になれば書籍の執筆活動や講演会を行うこともあります。自身の数学で導き出した理論をまとめたり教科書の発行に携わることもあります。
数学者の年収や給料は?
数学者の年収や給料は勤務先や働き方により大きく異なります。
研究活動により直接収入を得られるわけではないので、講演や取材・受賞によって印税や報酬金が発生すると捉えておいた方が良いでしょう。
ここでは数学者の主な就職先の年収や給料を紹介していきます。
大学教員の場合
博士号の資格があり大学教員になった場合、ポストによって年収に違いがあります。
平均ではありますが、教授の場合は1,000~1,100万円、准教授は700~800万円、数学講師は650~750万円、助教・助手は550~600万円程度と言われており、月々の給料は30万円程度です。
また、国公立大学よりも私立大学の方が年収が高い傾向があります。
高等学校の数学教員の場合
高校の数学教員の場合の年収は平均年収650万円、月々の給料は30万円程度でしょう。
大学と同様、公立の高校よりも私立高校の方が年収が高い傾向にあります。
研究員の場合
珍しいケースになりますが、研究所や研究機関で数学者の研究員として雇ってもらえた場合の主な年収は250~600万円程度。
勤務先の規定によって年収の幅が大小あるようです。
数学者への転職・将来性は?
一般企業から転職、数学者になるには超難関と言われており、教員免許を取得していたとしても数学の教員になることすら容易ではありません。
そもそも数学者になるには大学在学中にある程度の学会活動や業績・成果を上げる必要があり、博士課程を取得したあとそのまま大学のポストを獲得しなければなりません。
日本人では独立して数学者として働くことは一般的ではなく、海外をみても優秀な一握りの数学者のみ成功しているのが現状。そのため、数学の研究だけで生活するのは狭き門と言えるでしょう。
日本人で有名な数学者は誰?
世界が認める「数学強国」の日本。数学者として名をとどろかせた歴史的人物から、今もなお第一線で活躍している数学者はたくさん存在します。
それでは実際に、数学者として活躍した有名な日本人を紹介していきます。
日本を代表する数学者は「岡潔」
世界を驚かせた、日本人を代表する有名な数学者といえば「岡潔」でしょう。
多変数解析函数論で世界的業績をあげた大数学者であり、多変数解析関数の分野における三大問題を全て独自で解いたことで世界中の数学者を驚かた日本人数学者の1人です。
日本で最も有名な数学者は「関孝和」
「算聖」と呼ばれ、日本人の数学史上最大の英雄だともいわれている「関孝和」は、江戸時代の有名な日本人数学者。
江戸中期頃、日本では中国の真似をした「和算」という独自の数学が存在していましたが、その和算を日本人として高等数学へ発展させるため独学で方程式や行列式の理論を発明しました。
日本を担う天才数学者は「望月新一」
整数論の超難関とされる「ABC予想」をなんと1人で証明したと言われ、一躍有名になった京都大学数理解析研究所の「望月新一」教授も日本人を代表する天才数学者です。
望月新一教授は、これまでのマスコミの取材に一切応じていません。これは日本人の学者の中でも珍しいタイプの人間だと言われています。
数学者は変人が多い?真相は?
数学者と聞くと「変人」「変わり者」というイメージがあるのはなぜでしょうか?
ここでは数学に憑りつかれて変人だと思われてしまっている数学者の変人エピソードを紹介します。
古代ギリシアの数学者「ピタゴラス」
ピタゴラスの定理で知られる数学者「ピタゴラス」の変人エピソードを紹介したいと思います。
数学者としてだけではなく「ピタゴラス教団」の教祖でもあったピタゴラスは、掟や調和を乱すものは海に沈めるなど死刑にしていたそうです。
また、無理数を認めていなかったピタゴラスは、弟子が無理数を発見した際、数学者として無理数を認める代償にその弟子である発見者を死刑にしたそう。
変人というよりは過激派だったことが伺えますね。
数学者のキング「オイラー」
オイラーの残した数式で、有名なのが「オイラーの等式」ですよね。この等式は、数学界で最も美しい数式であると言われています。
そんなオイラーは天才中の天才、数学界史上最も多く論文を残しています。
オイラーの論文は5万ページを超えており、現在までその論文をまとめる作業が続いているそう。オイラーは、ある種数学に憑りつかれた変人なのかもしれませんね。
数学者になるには覚悟が必要?
数学者になるにはそれ相応の覚悟が必要だと言われています。有名な数学者は1日中・24時間数学について考え、そしてそれを楽しいと思えるような、まさに天才・変人でないといけません。
また数学の道に進む時点で世俗的なものを諦めなければならない、とまで考えている方がいるのも事実。
だからこそ、世間からは「変人」「変わり者」というイメージが定着してしまったのかもしれませんね。
数学者になるには?変人が多いという噂や有名な日本人まとめ
数学者になるには、まず第一に数学が好きであること、数学にのめり込めるタイプの人間でないといけません。
資格としては「博士号」が必要になってきますが、この博士号の資格を取ること自体が難関と言われています。となると、数学者になるには狭き門を突破しなければいけませんね。
数学者になれるのはほんの一握り。数学を極めているからこそ、数学者に変人が多いと言われているのも頷けます。
ですがそんな険しい道乗りだからこそ、数学者に憧れる方も少なくないはず。世界に恥じない日本人として有名な数学者を目指すのも悪くないかもしれませんね。