教師になるには、資格が必須です。
昨今、全国の小中高の学校で「先生が足りない」という異常事態が起きています。
こうした中で、国や自治体は教員の不足を補っていますが、それでも教員のポストは空席の状態が続いているようです。
そんな今だからこそ、これから「先生になりたい!目指したい!」という人にとってはチャンスです。
この記事では、免許を取るための進路や大学ではどのような勉強をすればいいのか、調査しました!
教師になるには?
「学校の先生になりたい」という時に、必ず必要になる資格が「教員免許」の取得です。
小学校教諭・中学校教諭・高等学校教諭など、目指す教師によって免許状が必要になります。
また教師になるには、教員免許を取得するための科目や単位が修得できる教職課程のある短期大学や大学に進学する必要があります。
そして教職課程を修得した後、公立学校の教師を目指すなら、各都道府県にある教育委員会が実施する教員採用試験に合格し採用されて、教師になることができます。
また私立学校の教師を目指すなら、各学校法人などが行う教員採用試験に合格し採用されることで、教師として働くことができます。
小学校・中学校・高校の教師になるには、下記の2つにクリアしなければいけません。
1.教員免許を取得すること
2.教員として採用されること
教師になるための資格・免許とは?
教師になるには、受験資格となる教員免許を取ることが必須となり、採用試験を受ける必要があります。
教員免許を取得するために、履修しなければいけない授業や単位を得ることができるのは短期大学や大学ですが、教員免許状を発行し授与するのは各都道府県の教育委員会です。
教員免許状にはいくつか種類があり、教員免許状がなければ、教師として学校で授業を行うことはできません。
ここでは、教師に必要となる資格の「教員免許状の種類」について解説していきます。
教員免許の種類
教師になるには「教員免許状」が必要になります。
教員免許状には「普通免許」「特別免許」「臨時免許」の3つに分かれます。
一般的な免許として、教職課程のある短期大学や大学を卒業後に取得する「普通免許状」で、普通免許状の中でも下記のような種類に分かれています。
・一種免許状・・・大学学士の学位を取得することが必要
・二種免許状・・・短期大学士の学位を取得することが必要
・専修免許状・・・大学院修士の学位を取得することが必要
いずれも全国の都道府県で取得後、10年間の有効期限となります。
その他にも、教員免許を持っていなくても、専門的な知識や経験を持つ教員として迎えるときは「特別免許状」や助教論や養護助経教論の免許状として授与される「臨時免許状」があります。
特別免許状と臨時免許状は、都道府県の教育員会が行う教育職員検定に合格することで授与され、特別免許状は10年、臨時免許状は3年の有効期限となります。
小学校・中学校・高校の教師になるための資格
日本で学校の教師になるには、小学校・中学校・高校に応じた免許を取得する必要があります。
しかし、中学校と高校の場合は、さらに免許が分かれていて、自分が専攻して教えていく教科の免許を取得する必要があります。
大学によって取得できる科目が異なるため、特定の科目の教師を目指す場合は、大学の進路選びが大切になるでしょう。
ここでは、小学校・中学校・高校の教師になるには、それぞれどのような進路や方法があるのか説明していきます。
小学校教師を目指す場合
小学校の教師になるには、小学校教員免許の取得が必須になります。
小学校の教員免許の資格を取るには、教職課程のある短期大学・専門学校・大学・大学院に進学する必要があります。
そして、小学校の教員免許のみ文部科省が行う「教員資格認定試験」合格すれば、教職課程を取っていない大学生も教員免許の取得が可能です。
こちらに、「小学校教諭」に関する記事があるので、参考にしてみてください。
中学校教師を目指す場合
中学校の教師になるには、中学校教員免許の取得が必須になります。
中学校の教員免許の資格を取るには、小学校と同じく、教職課程のある短期大学・専門学校・大学・大学院に進学する必要があります。
こちらに、「中学校教諭」に関する記事があるので、参考にしてみてください。
高校教師を目指す場合
高校の教師になるには、高校教員免許の取得が必須になります。
高校の教員免許の資格を取るには、小学校・中学校の教師とは少し異なり、短期大学では教職課程を取ることができません。
そのため、教職課程のある大学・大学院に進学する必要があります。
こちらに、「高等学校教諭」に関する記事があるので、参考にしてみてください。
教師になるための進路・大学
教師になるには、小学校教諭・中学校教諭・高等学校教諭などそれぞれの進路があって、多くの大学で教師になるための勉強や実習ができます。
また、教職課程がある大学では、授業内容やカリキュラムなど大学ごとに特色があります。
そこで、小学校・中学校・高校の教師になる人が多い大学をそれぞれ解説していきます!
小学校教師を目指せる大学
教師を目指すときに、おすすめな大学はどこになるのでしょうか?
小学校の教師になる人が多い大学を紹介します。
愛知教育大学
愛知教育大学は、全国の中でも有数の教育分野に熱心な国立学校です。
教育学部では、模擬授業など実践的な授業が多く行われ、同じ夢を持った学生が多くいるので、目標に向かって互いに高め合う雰囲気があります。
指導をしてくれる教授も熱心で、教育分野で有名な教授の授業を学ぶことができたり、本気で教員を目指す人には向いている環境といえます。
愛知教育大学で、教員免許の取得可能な学部学科は、以下になります。
□初等教育教員養成課程・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□中等教育教員養成課程・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□特別支援学校教員養成課程・・・小学校、中学校 教員免許
□養護教論養成課程・・・中学校、高校 教員免許
文教大学
文教大学は、小学校や中学校の教員採用数で全国1位の実績を持つ私立大学です。
教師を目指す人など公務員志望の学生が多く、地方から色んな人が集まるので、さまざまな価値観に触れることができます。
授業では、少人数のグループを作って、授業する人、指導案を作る人、教材を準備する人など1人1人が分担して質の高い模擬授業を行うことができます。
また、教員になるためのサポートが厚く、教員としての即戦力を身に付けられる環境があります。
教師を目指すサポートはもちろんのこと、その他についても親切に教えてくれる人間愛を大切にしている大学といえます。
文教大学で、教員免許の取得可能な学部学科は、以下になります。
□教育学部学校教育課程・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□人間科学部人間学科・臨床心理学科・・・中学校、高校 教員免許
□文学部日本語日本文学科・英米語英米文学科・中国語中国文学科・・・中学校、高校 教員免許
□情報学部情報システム学科・・・中学校、高校 教員免許
□情報学部情報社会学科・メディア表現学科・・・高校 教員免許
□国際学部国際理解学科・・・中学校、高校 教員免許
□経営学部経営学科・・・高校 教員免許
□教育学研究科学校教育専攻・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□言語文化研究科・・・中学校、高校 教員免許
□専攻科教育専攻科教育学専攻・・・小学校 教員免許
岐阜聖徳学園大学
岐阜聖徳学園大学は、40年以上の教員養成の伝統をもとに独自のシステムを構築している私立大学です。
専門教科を極めることに重きを置いてる一方で、小・中・高の教諭免許状を同時に取得できるカリキュラムがあります。
教授の丁寧な指導と採用試験に向けたサポートも徹底していて、採用試験は高い合格率を誇っています。
小・中・高の教員免許を同時に取得できるので、どの教員を目指すか決め切れていない人にとって最適な環境といえます。
岐阜聖徳学園大学で、教員免許の取得可能な学部学科は、以下になります。
□学校教育課程国語専修・社会専修・数学専修・理科専修
・音楽専修・体育専修・英語専修・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□学校教育課程保育専修・・・小学校、中学校 教員免許
□学校教育課特別支援教育専修・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□学校教育課程学校心理専修・・・小学校、中学校、高校 教員免許
中学校・高校教師を目指せる大学
中学校・高校の教員免許に関しては、教職課程を同時に学べて教員免許を取得できる大学が多いです。
ここでは、中学校・高校の教師になる人が多い大学を紹介します。
大阪教育大学
大阪教育大学は、近畿圏の教職課程のある大学の中でも教育に特化した国立大学です。
教育学部では、専攻科目が10科目あり、教育に関する教養や、幅広い専門知識を高められるカリキュラムがあります。
教授の熱量も高く、文系から理系まで幅広く、基礎的な教養から実践的な授業までサポートが充実しています。
教員になるための実習内容、教授、施設ともに、即戦力として教壇に立てる教養や実践力を身に付けられる環境があるといえます。
大阪教育大学で、教員免許の取得可能な学部学科は、以下になります。
□教育学部学校教育教員養成課程教育科専攻・国語教育専攻・英語教育専攻
・社会科教育専攻・数学教育専攻・理科教育専攻・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□教育学部学校教育教員養成課程保健体育専攻・技術教育専攻・家政教育専攻
・音楽教育専攻・美術・書道教育専攻・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□教育学部特別支援教育教員養成課程・・・小学校 教員免許
□教育学部養護教諭養成課程・・・中学校、高校 教員免許
□教育学部教養学科文化研究専攻・数理科学専攻・自然研究専攻
・情報科学専攻・健康生活科学専攻・スポーツ専攻・芸術専攻・・・中学校、高校 教員免許
□教育学部小学校教員養成5年生課程・・・小学校、中学校 教員免許
北海道教育大学
北海道教育大学は、教員養成に力を入れているアットホームな国立大学です。
地元の人よりも地方から来ている人が多く、教員になるには、必要能力や知識など勉強できる教員志望の学生のための大学になります。
特に小学校の教員養成に力を入れていて、模擬授業や実践的なことを学べて、子どもに関わる仕事に興味
専門知識を身に付けた教授の指導を受けたり、自然豊かな北海道の大地で実習したり、教員になるにおいて最高の環境といえます。
北海道教育大学で、教員免許の取得可能な学部学科は、以下になります。
□教員養成課程・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□国際地域学科・・・小学校、中学校、高校 教員免許
□芸術・スポーツ学科・・・中学校、高校 教員免許
日本大学
日本大学は、教師を目指す人やその他の仕事の選択も広げられる幅広い選択肢がある私立大学です。
文理学部と国際関係学部では、玉川大学通信教育学部と連携していて「小学校教員養成プログラム」というものがあります。
これは、小学校の教員免許が取得可能になるプログラムで、同時に小・中・高の教員免許を目指すことができます。
教員として、幅広い分野の教養と選択肢、実践力を身に付けたい人には、最適な環境といえます。
日本大学で、教員免許の取得可能な学部学科は、以下になります。
□法学部・・・中学校、高校 教員免許
□文理大学・・・中学校、高校 教員免許
□経済学部・・・中学校、高校 教員免許
□商学学部・・・中学校、高校 教員免許
□芸術学部・・・中学校、高校 教員免許
□国際関係学部・・・中学校、高校 教員免許
□理工学部・・・中学校、高校 教員免許
□生産工学部・・・中学校、高校 教員免許
□工学部・・・中学校、高校 教員免許
□生物資源科学部・・・中学校、高校 教員免許
□通信教育部・・・中学校、高校 教員免許
教職課程で勉強すること
ここからは、教職課程のある大学に入学してから、小学校・中学校・高校の教師になるための勉強について詳しく見ていきましょう!
小学校・中学校・高校とそれぞれの教師を目指すとき、どのような勉強をすればいいのか、説明します。
小学校教師になるには?
小学校教師になるための教職課程を勉強については、幅広く多くの種類があります。
なぜなら、小学校の教師は、児童に全教科を教える必要があるからです。
勉強することは大きく2つあり、1つは法律・心理学・歴史などの教養ともう1つが小学校で教える専門科目になります。
教養
教養ですが、ここからまた2つにわけることができます。
・教育言論・・・学校経営、学習指導要領、教育の歴史、情報教育、日本国憲法、教育基本法、学校教育法など
・教育心理学・・・カウンセリング、心理テストなど
教育言論は、教育に関する法律やその歴史などを学びます。
教育心理は、悩みや不安がある児童に対して、寄り添う方法や児童の親との関係作りを学びます。
専門科目
専門科目は、主に小学校で教える各科目の指導方法を勉強します。
小学校は、国語、算数、社会、理科、体育、音楽、家庭、図工、生活、英語の授業の進め方や授業の計画を学び、実技のある教科は、実技の指導法も学びます。
専門科目の醍醐味として、教育実習という授業があります。
母校やその他の小学校に1ヵ月間行って、授業のやり方や児童への指導、学級経営などについて学びます。
実際に、授業計画を立てて研究授業をしたり、自分が教師として授業や指導ができているかなど、評価されます。
中学校教師になるには?
中学校教師になるための教職課程を勉強するときに、大きく3つの科目に分けられます。
その科目は、「教職に関する科目」「教科に関する科目」「教科又は教職に関する科目」の3つになります。
「教科又は教職に関する科目」については、「教職に関する科目」と「教科に関する科目」の最低修得単位を超えて履修した科目になります。
教職に関する科目
教職に関する科目にあてはまる代表的な授業をいくつか紹介します。
・教育言論・・・教育の理念、教育の歴史、教育に関する思想などについて学ぶ
・教育心理学・・・生徒の精神的な発達、学校生活での心の在り方について学ぶ
・生徒指導論・・・生徒指導、進路指導の理論や方法について学ぶ
このよう科目は、教員になるうえで、どれも基礎的で重要な授業になります。
また教育実習は、「教職に関する科目」に含まれ、2~3週間の間、母校やその他の中学校に行って、模擬授業などを行い授業の組み立て方などを学びます。
教科に関する科目
教科に関する科目は、実際に教師となって授業する科目を教職課程で学びます。
例えば、国語に関する教師を目指す場合は、「国語学」、「国文学」、「書道」、「漢文学」などの科目を学びます。
数学に関するの教師を目指す場合は、「統計学」、「確率論」、「解剖学」、「幾何学」、「代数学」といった科目に加えて、パソコンを使った演算なども学びます。
このように、専攻する教科のより専門的な内容について勉強します。
高校教師になるには?
高校教師を目指す教職課程というのは、中学校の教職課程を同時に学べるようになっていることが多いです。
ただし、「教職に関する科目」で取らなければいけない単位が中学校教員の方が、5単位多いです。
先ほど述べた中学教師の場合と同じく、「教職に関する科目」「教科に関する科目」「教科又は教職に関する科目」を履修します。
また、教育実習に関しても、2~3週間の間、母校やその他の高校に行って、教育実習を行い、教師として実践的な内容を学びます。
実際に高校の教師は、小学校や中学校に比べて、担当する授業時間が少ないことが多いので、自分の専攻する教科の勉強に打ち込める時間が取りやすいです。
小学校・中学校・高校の教師に向いている人
小学校・中学校・高校の教師とありますが、どの学校の教師になりたいのか、決めていたり、迷っている人がいると思います。
実際、なりたい気持ちと向いている人というのは異なりますので、それぞれの教師に向いている人を説明していきます。
小学校の教師に向いている人
小学校は、学問の指導以外にも、児童たちの人間形成や社会勉強の場所でもあります。
それにともない、子どものたちの成長や発達についての理解力や教育する立場としての責任感、そして子どもたちへの教育面での愛情などが求められます。
そのため小学校の教師に向いている人は、児童に分かりやすく教えることが好きな人、児童や児童の親との関係をつくる会話が好きな人は向いていると言えます。
中学校の教師に向いている人
中学校では、生徒が最も精神的に成長するため、しばし情緒が不安定になる時期をむかえます。
そうした時期をむかえる生徒に対して、授業力というよりも生徒を理解し寄り添う力が大切になります。
生徒を理解し大切にできる教師は、生徒から慕われるので、結果的に授業の雰囲気が良くなるでしょう。
そのため中学校の教師に向いている人は、生徒からの反発があったとしても我慢強く、生徒の気持ちになって考えられる人は向いていると言えます。
高校の教師に向いている人
高校では、生徒が多感な思春期のど真ん中にあたる時期となり、また生徒がそれぞれの進路を考える時期でもあります。
そうした時期は、1人1人の生徒の微妙な感情や心境を理解しながら、良き相談相手になることが求められます。
高校の教師は、生徒の未来を切り開くための道を示してあげることが大切になるでしょう。
そのため高校の教師に向いている人は、生徒たちの個性や適性を引き出すための観察力がある人、近い距離で生徒の立場からアドバイスできる人は向いていると言えます。
教師になるには?教師になるための進路・大学・勉強|まとめ
いかがでしたでしょうか?
教師になるには、職課程のある専門学校や短期大学、大学などに進学して教員免許を取得する必要があります。
またその受験資格となる教員免許を取得した後、教員採用試験に合格することで晴れて教師として採用されるのです。
決して簡単な道のりではありませんが、目標を持ってコツコツと勉強を重ねれば十分に教師になれると言えます。
将来、教師として教えたい科目によって、大学の進路や専攻する学科が異なるので、進路指導の先生に聞いたり、HPで調べるなど確認することをおすすめします!