将来大学講師として各大学で教鞭を取ることを目指している方もいると思いますが、その際に気になるのは年収事情ですよね。
大学には大きく分けて国立、私立がありますが、勤務先によって年収は異なるのでしょうか。
また、非常勤として働く場合には年収はどれくらいなのでしょうか。
大学講師の苦労ややりがいも含めて紹介します。
大学講師とは?
大学講師とは、その名の通り大学において教鞭を取る職業です。
大学の教職員には実に様々な肩書きがありますが、大学講師の位置づけとしては教授や准教授の下、助手や助教の上となっています。
講師の雇用形態としては大きく分けて2種類あり、各大学の専属講師として働く常勤講師、必要時のみ、もしくは複数の大学での講義を掛け持ちして働く非常勤講師です。
大学講師の主な仕事内容
大学講師の主な仕事は各大学において講義を行うことです。
自分の専門分野、専門科目の講義を大学で行い、定期テストがある際にはテストの問題作成や採点、またレポートの添削などを基本的に行います。
また、場合によっては学部内会議などに参加することもあり、専門科目に関する各大学でのカリキュラムの作成や教育方針の設定などの業務にも携わります。
常勤講師と非常勤講師
大学講師には常勤講師と非常勤講師の2つの働き方があり、双方は働く目的や内容が異なります。
非常勤講師は基本的には大学において講義を行うことのみを目的としており、複数の大学の講義を掛け持ちして働くことがほとんどです。
一方で常勤講師として働く目的は将来教授になることです。
とはいっても各大学に採用されてもすぐに教授にはなれません。
大学院を卒業後博士号を取得しまずは助手や助教として教授や准教授のサポートを行いながら徐々に経験を積んでいきます。
そして自分の専門分野に関する講義を任される様になるとようやく常勤(専任)講師として働くことができ、研究や論文の執筆をしながら更に経験を積みそれらが総合的に評価されれば准教授、そして教授に昇格していきます。
大学講師の年収事情は?
大学講師として働く上で気になるのは年収事情ですよね。
もちろん准教授、教授と昇格していけばそれだけ十分な収入を得ることできますが、それまでには非常に長い期間講師としてキャリアを積む必要があります。
それでは、大学の種類や雇用形態による違いに注目しながら大学講師の年収事情について一緒に見ていきましょう。
国立大学、私立大学の大学講師の年収
まず、大学の収入源は基本的に学費や授業料であることから、生徒人数、大学の規模、そして国立や私立など大学の種類や有名度によって大学講師の年収も異なります。
国立と私立を比べた場合、平均的に私立の方が大学講師の年収は高水準と言われています。
まず国立の場合、有名大学である東大・京大の大学講師の平均年収は東大で平均年収852万円、京大で平均年収758万円(平成23年度文部科学省の調査による)となっています。
私立大学の場合は全体の平均として600〜800万円が年収の相場となっております。
非常勤講師の年収
非常勤講師は一般企業における非正規社員的な立場にあるため、常勤講師よりも低水準の年収となります。
非常勤講師の収入は基本的に受け持つことになる授業のコマ数で決まり、大学によって異なりますが、基本的には90分の一コマ当たり25000〜30000円となり、平均年収としては200〜300万円が相場となっています。
このように非常勤の大学講師は一般的なサラリーマンの平均年収よりも低水準であるという傾向があるため、収入面や生活面で苦労を強いられることが実情となっています。
そのため、非常勤講師として安定して働くためには高収入が見込める大学に勤めるか、より多くのコマ数を取ることが重要になります。
昇給やその他手当について
常勤の大学講師の場合、准教授、そして教授に昇格すればそれだけ大幅に昇給を見込むことができます。
准教授になれば平均年収にしておよそ800万円〜、教授は1000万円〜と医師や弁護士に継ぐ高水準な年収になります。
大学講師の手当ですが、常勤の場合は一般的なサラリーマン同様に残業手当や休業手当、退職金などが支給され、特に国立大学の場合大学講師は公務員的な立場にいるためより高待遇な手当や福利厚生を受けることができることもあります。
一方、非常大学講師の手当は各勤務先の大学によっても異なりますが、基本的に交通費や出張費などは自腹となり、常勤講師ほどの手当を受け取ることは難しいとされています。
大学講師の苦労ややりがいとは?
大学講師としての仕事は多忙を極めます。
というのも、メイン業務である講義だけでなく、授業準備やテスト、レポートの採点、ゼミと言った教職員としての仕事に加え、研究者として専門科目の研究業務や論文の執筆、学会の出席など非常に様々な業務をこなさなければなりません。
また、各大学における学部別の会議などにも参加することになるため大学講師として働くのは苦労を感じることがたくさんあります。
そんな多忙を極める大学講師ですが、同時に大変やりがいを感じることのできる職業でもあります。
というのも、自分の専攻科目に関する研究業務に専念することができ、学会などで論文や研究結果などが評価されればそれが仕事へのモチベーションに繋がるからです。
准教授、そして教授になるまでの道のりは非常に長く険しいですが、自分の研究内容が社会的に評価されれば講演会への依頼や各メディアへの出演依頼も増えるため、それだけ高水準な収入を見込むことができ、やりがいを感じることができます。
大学講師の年収事情は?まとめ
今回は大学講師の年収事情について詳しく紹介しました。
大学講師の年収は大学の規模や生徒数、また国立・私立、雇用形態によって大きく変動します。
勤務先の大学が社会的にも認知されており、比較的規模の大きな大学であるならばそれだけ高水準の年収を見込むことができます。
大学講師は講義や研究、学会への出席など非常に様々な業務をこなすことになるため多忙になり苦労を感じることもありますが、自分の研究が評価されれば社会貢献にもつながり、非常にやりがいを感じることもできます。
将来大学講師を目指している方は以上で紹介した内容をぜひ参考にしてください。