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税理士とは?仕事内容・平均年収・取得方法や進路を解説

更新日:2024-07-19

税理士とは?仕事内容・平均年収・取得方法や進路を解説

税理士は、その名の通り、税務に関する専門的な知識を持ち、企業や個人の税務をサポートする重要な職業です。

これから税理士を目指そうとしている方や、税理士の資格を取得してキャリアアップを図りたいと考えている方も多いでしょう。

しかし、税理士の具体的な仕事内容や、資格を取得するためのプロセス、さらには税理士の平均年収や資格取得後の進路について、詳しく知りたいと思っている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、税理士の基本的な役割や仕事内容から、資格取得の方法、さらには税理士の平均年収や将来的なキャリアパスまで、税理士を目指す方に必要な情報を徹底的に解説していきます。

これから税理士の資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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税理士とは?

税理士は、税務に関する専門知識を持ち、企業や個人の税務申告や税務相談、税務書類の作成を行う専門職です。

日本の税制に精通し、クライアントが法令に沿った税務処理を行えるようサポートします。

税理士法でも、税理士の使命を以下のように定義されています。

(税理士の使命)
第一条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

引用元:e-gov『税理士法

また、経営コンサルティングや財務アドバイスも提供し、クライアントの経営をサポートすることもあります。

税理士は、税務署に代わって税務申告を代理することが認められており、信頼性の高い専門職です。

ここで、税理士と公認会計士の違いを解説します。

  • 税理士と公認会計士の違い

税理士と公認会計士の違い

税理士と公認会計士は、どちらも会計や税務に関する専門家ですが、業務範囲や役割に違いがあります。

違い 税理士 公認会計士
主な業務 税務申告の代理、税務相談、税務書類の作成 財務諸表の監査、アドバイザリーサービス
特徴 税務署への申告書提出、税務調査の立会いなど、税務に特化 監査業務を通じて企業の財務状況の正確性を保証
なり方 税理士試験に合格し、2年以上の実務経験をする 公認会計士試験に合格し、一定の実務経験をする
主なクライアント 企業や個人 企業

このように、税理士は税務業務に特化し、公認会計士は財務監査やコンサルティングを主な業務としています。

両者の役割は補完的であり、企業の健全な経営と法令遵守を支える重要な職業です。

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税理士の主な仕事内容

税理士の主な仕事内容は多岐にわたり、クライアントの税務に関するさまざまなニーズに応えることです。

税理士の業務は多岐にわたりますが、特に以下3つは税理士だけが行える独占業務になります。

  • 税務代理
  • 税務書類の作成
  • 税務相談

税理士の主な仕事内容である、3つの独占業務について詳しく見ていきましょう。

税務代理

税務代理は、税理士の最も重要な業務の一つです。

これは、納税者に代わって税務署への申告書の提出や、税務調査の立会いを行うことです。

税理士だけに認められている独占業務であり、クライアントの負担を軽減し、税務手続きをスムーズに進めるために不可欠です。

税務書類の作成

税務書類の作成も税理士の独占業務です。

これは、確定申告書、決算書、相続税申告書など、様々な税務書類を正確に作成することを指します。

専門知識を持つ税理士が書類を作成することで、法令遵守を確保し、クライアントの税務リスクを軽減します。

税務相談

税務相談は、クライアントが抱える税務に関する疑問や問題を解決するためのアドバイスを提供する業務です。

税務に関する最新の知識と経験を活かし、最適な税務戦略を提案します。

税務対応で困っている場合、気軽に税理士に相談できます。

税理士の税務業務以外の主な仕事内容

税理士は税務業務だけでなく、幅広い分野で専門知識を活かしてクライアントをサポートしています。

以下に税務業務以外の主な仕事内容を紹介します。

  • e-Taxの代理送信
  • 会計業務
  • 補佐人
  • 会計参与
  • 社会貢献
  • 経営コンサルティング
  • 行政・司法の監査等

e-Taxの代理送信

税理士は、電子申告システムであるe-Taxを利用してクライアントの税務申告を代理送信します。

これにより、申告手続きの効率化と正確性が向上し、クライアントの負担を軽減します。

電子申告は迅速でミスが少なく、税理士によるサポートが特に有効です。

会計業務

税理士は、企業の会計業務をサポートします。

具体的には、日々の経理処理、帳簿の整理、決算書の作成、財務分析などを行い、企業の財務状況を正確に把握する手助けをします。

これにより、企業は経営判断をより的確に行うことができます。

補佐人

税理士は、税務訴訟において納税者を補佐する役割を担います。

裁判所での税務に関する争訟において、専門的な知識を持つ補佐人として納税者をサポートし、適切な主張を行えるよう助言します。

会計参与

税理士は、企業の会計参与として活動することもあります。

会計参与とは、企業の会計業務を監督・指導し、適正な会計処理を確保する役割を担います。

これにより、企業の財務報告の信頼性が向上します。

社会貢献

税理士は、地域社会や経済界に対しても貢献しています。

無料の税務相談会を開催したり、一般の人々が税務に関する疑問を解消できるよう支援します。

また、税務知識を普及させるためのセミナーや講演も行っています。

経営コンサルティング

税理士は、経営コンサルタントとしての役割も果たします。

企業の経営戦略や財務戦略の策定、リスク管理の助言などを行い、企業の成長を支援します。

税務と経営の両面からアプローチすることで、企業に対する総合的なサポートが可能です。

行政・司法の監査等

税理士は、行政や司法の監査業務にも関わります。

自治体や公共団体の会計監査、裁判所からの依頼による特定業務の監査など、幅広い監査業務を担当します。

これにより、公的機関の会計の透明性と信頼性を確保する役割を担います。

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税理士の平均年収

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は約834万円です。

参照元:厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査

他の専門職と比較しても高い水準にありますが、具体的な年収は経験年数など様々な要因によって異なります。

独立開業している税理士や大手税理士法人に勤務する税理士はさらに高収入を得ることが多いです。

経験豊富な税理士や特定の分野に精通している税理士の場合、年収1,000万円を超えることもあるでしょう

税理士の年収に関して詳しく知りたい方は、以下の記事でチェックしましょう。

税理士の平均年収はいくら?年収を上げるポイント・業務ごとの報酬を解説

税理士の働き方4パターン

税理士になった後、どのようなキャリアの選択肢があるか気になる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、税理士としての一般的な働き方を、4パターン紹介します。

  • 税理士の働き方①税理士法人で働く
  • 税理士の働き方②会計事務所で働く
  • 税理士の働き方③独立開業する
  • 税理士の働き方④一般企業や金融機関で働く

税理士の働き方①税理士法人で働く

税理士法人とは、複数の税理士が集まって設立された組織です。

ここで働く税理士は、様々なクライアントの税務相談や申告業務を行います。

大規模な法人では専門分野ごとにチームが編成され、税務以外にも会計監査や経営コンサルティングを担当することがあります。

安定した収入とキャリアパスが期待できるため、多くの税理士がこの形態で働いています。

税理士の働き方②会計事務所で働く

会計事務所は、中小企業や個人事業主を主なクライアントとすることが多いです。

税理士は、日常の経理業務から決算書作成、税務申告まで幅広い業務を担当します。

特に中小企業の経営者との距離が近く、直接的なサポートを行う機会が多いのが特徴です。

小規模な事務所では、柔軟な働き方やアットホームな職場環境が魅力です。

税理士の働き方③独立開業する

独立開業は、税理士としてのキャリアの中でも自由度が高い選択肢です。

自分のペースで仕事ができ、クライアントとの直接的な信頼関係を築くことができます。

初期は集客に苦労することもありますが、成功すれば高い収入を得ることが可能です。

また、自分の専門分野に特化したサービスを提供することで、差別化を図ることができます。

税理士の働き方④一般企業や金融機関で働く

一般企業や金融機関で税理士として働く場合、社内の税務部門や経理部門で専門的な知識を活かすことができます。

大企業では、グループ全体の税務戦略を策定し、節税対策を行うことが求められます。

金融機関では、企業の財務分析や税務リスクの評価を行い、投資判断や融資判断に役立てることができます。

安定した収入と福利厚生が魅力です。

税理士になるメリット

税理士になるメリットとして、以下が挙げられます。

  • メリット①高収入を安定して得られる
  • メリット②世情に左右されない
  • メリット③キャリアパスが多様にある
  • メリット④独立開業できる
  • メリット⑤受験資格を得やすい

メリット①高収入を安定して得られる

税理士は専門知識と技能を駆使して、多様なクライアントの税務問題を解決します。

そのため、非常に高い報酬を得ることができ、安定した収入を期待できます。

特に独立開業することで、自分のスキルに応じた報酬を設定できる点も魅力です。

メリット②世情に左右されない

税務は経済状況に関係なく必要とされる業務です。

景気の影響を受けにくく、安定した需要があります。

税理士は、法令に基づいた税務処理を行うため、常に専門性が求められ、その価値が減少することはありません。

メリット③キャリアパスが多様にある

税理士は、税務だけでなく、経理、会計、経営コンサルティングなど多岐にわたる業務を担当できます。

また、税理士法人、会計事務所、一般企業、金融機関など、働く場所も選択肢が多く、キャリアパスが非常に多様です。

メリット④独立開業できる

税理士資格を持つことで、独立開業が可能です。

自分のペースで働くことができ、働く時間や場所を自由に選ぶことができます。

また、専門性を活かして特定の分野に特化したサービスを提供することも可能です。

メリット⑤受験資格を得やすい

税理士試験の受験資格は比較的得やすく、多くの人に門戸が開かれています。

大学で法律学や経済学を学んだ者や、一定の実務経験を持つ者、特定の資格を取得した者など、多様な背景を持つ人々が受験資格を得ることができます。

これにより、幅広い層が税理士を目指すことができます。

税理士になるデメリット

一方で、税理士になるデメリットも押さえておきましょう。

  • デメリット①税理士試験は難易度が高い
  • デメリット②常に最新知識を学ぶ必要がある

メリットとデメリットの両方を確認したうえで、資格取得を検討してください。

デメリット①税理士試験は難易度が高い

税理士試験は非常に難易度が高いことで知られています。

全科目に合格するには膨大な勉強時間と努力が必要です。

試験は多岐にわたる知識を問うため、合格率は低く、多くの受験生が数年間にわたり挑戦し続けることが求められます。

また、試験の内容が非常に専門的であるため、独学での合格は難しく、予備校や専門講座の受講が必要となる場合も多いです。

デメリット②常に最新知識を学ぶ必要がある

税理士は常に最新の税法や関連法規を学び続ける必要があります。

税制は毎年改正されるため、法律や規則の変更に対応するための継続的な勉強が求められます。

これには、新しい税制の勉強会やセミナーに参加し、最新の情報をキャッチアップすることが含まれます。

常に知識を更新し続ける必要があるため、自己学習や情報収集に対する意識が高くなければなりません。

税理士に向いている人の特徴

税理士として成功するためには、いくつかの重要な特徴があります。

以下に、税理士に向いている人の特徴を具体的に解説します。

  • 数字や計算が得意な人
  • 細かい作業が苦にならない人
  • コミュニケーション能力が高い人

数字や計算が得意な人

税理士は、日常的に多くの数字や計算を扱う仕事です。

税務申告書の作成や財務諸表の分析など、正確な計算が求められる業務が多いため、数字や計算が得意な人は税理士に向いています。

以下の表に、税理士が日常的に行う計算業務の例を示します。

業務内容 計算例
所得税申告 所得控除額の計算
法人税申告 法人税額の計算
財務分析 収益性分析やキャッシュフロー計算

数字や計算が得意な人は、これらの業務を効率的かつ正確に行うことができ、クライアントに対して信頼性の高いサービスを提供できます。

細かい作業が苦にならない人

税理士の業務は、細かい作業が多く含まれます。

帳簿の記入や税務書類の作成、細かな税法の適用など、細部にまで注意を払う必要があります。

細かい作業が苦にならない人は、税理士としての業務を丁寧かつ正確に遂行することができるでしょう。

以下の表に、税理士が行う細かい作業の例を示します。

業務内容 細かい作業例
帳簿作成 取引の詳細な記録
税務申告書作成 各種控除の適用
財務分析 細かなデータの分析と報告

細かい作業に対して集中力を持って取り組むことができる人は、税理士としての業務を成功裏に遂行できます。

コミュニケーション能力が高い人

税理士はクライアントとのコミュニケーションが重要な仕事です。

クライアントのニーズを理解し、適切なアドバイスを提供するためには、高いコミュニケーション能力が求められます。

以下の表に、税理士が必要とするコミュニケーション能力の具体例を示します。

状況 必要なスキル
初回相談 クライアントのニーズを聞き取る力
報告書説明 専門用語をわかりやすく説明する力
フォローアップ 定期的な連絡と関係維持の力

コミュニケーション能力が高い人は、クライアントとの信頼関係を築き、長期的なビジネスパートナーとして成功することができます。

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税理士の資格取得~合格後までの流れ

税理士の資格を取得するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

ここでは税理士資格取得~合格後までの一般的な流れを紹介します。

  • STEP1:受験資格を満たす
  • STEP2:受験する
  • STEP3:実務経験を2年以上する
  • STEP4:税理士登録をする

STEP1:受験資格を満たす

税理士試験を受験するためには、まず受験資格を満たす必要があります。

具体的には、大学や短期大学、高等専門学校で法律学や経済学の科目を履修することや、一定の実務経験を積むこと、または日商簿記検定1級や全経簿記検定上級の資格を取得することなどが求められます。

詳しくは以下の記事で確認しましょう。

税理士の受験資格は?緩和された?受験資格がない・高卒の方の最短ルートを解説

STEP2:受験する

受験資格を満たしたら、税理士試験を受験します。

税理士試験は多岐にわたる知識を問う難関試験で、全11科目のうち5科目に合格する必要があります。

各科目の合格率は低く、合格するためにはしっかりとした準備と勉強が必要です。

STEP3:実務経験を2年以上する

税理士試験に合格した後は、2年以上の実務経験を積むことが必要です。

実務経験は、税理士事務所や会計事務所での業務を通じて得られます。

この期間中に実際の税務業務を経験し、実務能力を高めることが重要です。

STEP4:税理士登録をする

2年以上の実務経験を積んだ後、税理士会に登録申請を行います。

申請には、実務経験証明書や合格証書などの書類が必要です。

登録が完了すると、正式に税理士としての活動が可能になります。

税理士として登録されることで、税務代理、税務書類の作成、税務相談などの業務を行うことができます。

税理士試験の難易度は高い?易しい?

税理士試験は難易度が高い、難関の国家資格です。

試験は多岐にわたる専門知識を問われます。

税理士試験の合格率は、10%~15%程度です。

合格率は低く、各科目で深い理解が求められるため、徹底した準備が不可欠です。

なお、税理士は科目合格制になっており、一度に全科目を受験する必要がなく、数年間にわたり段階的に合格を目指すことが可能です。

過去5年の税理士試験の合格者数の推移をまとめましたので、参考にしてください。

税理士試験 受験者数 延受験者数 合格者数 5科目の
合格者数
令和5年度(2023年) 32,893人 46,956人 7,125人 600人
令和4年度(2022年) 28,853人 40,430人 5,139人 620人
令和3年度(2021年) 27,299人 37,673人 5,402人 585人
令和2年度(2020年) 26,673人 36,845人 5,388人 648人
令和元年度(2019年) 29,779人 41,158人 5,388人

参照元:国税庁『税理士試験

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税理士資格取得の難易度は高い?受検資格や合格率・必要な勉強時間を徹底解説

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税理士は将来性が高いので資格取得がおすすめ!

税理士の資格は、将来性が高く安定したキャリアを築けるため、おすすめの資格です。

税理士は税務の専門知識を活かし、企業や個人の税務相談、税務申告、経理業務をサポートする重要な役割を担っています。

税法の複雑化や企業のグローバル化に伴い、税理士の需要はますます高まっており、安定した収入と社会的な信頼を得ることができます。

さらに、IT技術の進展により業務の効率化が進む一方で、新しい業務分野への拡大も期待されています。

税理士資格を取得することで、多様なキャリアパスを選択でき、長期的な成長と安定を享受することができるでしょう。