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税理士の平均年収はいくらくらい?年齢別・働き方別の給与を紹介

更新日:2024-04-23

税理士の平均年収はいくらくらい?年齢別・働き方別の給与を紹介

税理士は、企業や個人からの依頼を受けて、税に関する相談や税務書類の作成、税務署への申告・申請を行います。

税理士といえば、難易度の高い国家資格であり、安定していて高収入というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?

今回は税理士の平均年収や、税理士資格を取ることのメリットなどについてご紹介します。

税理士事務所で働く場合と独立開業する場合の年収の比較についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

    この記事で分かること

  • 税理士の平均年収
  • 税理士になる年収・給与以外のメリット
  • 税理士が年収を上げるためには

税理士

税理士の平均年収は684万円

税理士の平均年収は、684万円です。

厚生労働省が発表している統計データによると、毎月決まって支給される現金給与額が47,2万円で、年間賞与その他特別給与額が117万円です。

単純計算すると、47,2万円×12か月+117万円=684万円が税理士の平均年収となっています。

(このデータは「2019賃金構造基本統計調査」から算出しております。また集計されたデータは、税理士・公認会計士が統合されています。)

国税庁の民間給与実態調査によると、令和元年における日本人の平均年収は436万円なので、一般的な平均年収よりもかなり高い数字となっています。

では、他の国家資格保有者との平均年収を比較したときに、税理士はどこに位置するでしょうか?

税理士と他の国家資格者との年収差

職種 平均年収
医師 1169万円
弁護士 728万円
税理士・公認会計士 684万円
社会保険労務士 486万円

(「令和元年賃金基本統計」より算出)

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算しております

他の国家資格と比べると、医師の平均年収が1169万円、弁護士の平均年収が728万円となっており、この2つの職種と比べると少し下がって見えます。

しかし、社会保険労務士をみると200万円程度高くなっており、国家資格における平均年収ランキングでは3番目に高い数字です。

「賃金構造基本統計」では、税理士・公認会計士の年収は区別されずに集計されているため、正確な年収は分かりませんが、一般的には税理士よりも公認会計士の方が平均年収が高い傾向にあります。

point

つまり、税理士の平均収入は、国家資格を取得した専門職の中で4番目に高いということになります。

税理士の平均月収は47万2000円

厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査」によると、月収は47万2000円、年間賞与等117万1500円です。

独身の場合の手取りは、所得税や住民税、社会保険料などを差し引き、33万円~35万円前後になるでしょう。

年収 月収 ボーナス
男性 767万円 53万円 136万円
女性 509万円 36万円 77万円
平均 684万円 47万円 117万円

(「令和元年賃金基本統計」より作成)

また、男女別に年収/月収/ボーナスを比較してみると、月収においては男性と女性で約20万円の差があり、年収だと250万円ほどの差があります。

男女間でこのような収入差があるのは、税理士が男社会だからというわけではありません。

女性にとって税理士の仕事は、ライフスタイルに合わせて休んだり、復帰したりしやすい職業であり、それを理由に資格取得をする方も多いからです。

産休や育休で仕事にブランクがあった場合でも、ブランク明けは給料が以前より大きく下がるといったこともほぼありませんが、役職につく人が少なかったり、時短で働くケースも多いことからこのような年収差になっていると言えます。

point

・税理士の月収は47万2000円で手取りは33万~35万
・男女間での収入差は格差ではなく、働き方の違い

【年齢別】税理士の平均年収

税理士の月収や、男女別の収入について見てきました。続いては、年齢別の平均年収について見ていきましょう。

年代 年収(男性) 年収(女性)
20~24歳 420万円 362万円
25~29歳 613万円 444万円
30~34歳 823万円 610万円
34~39歳 912万円 662万円
40~44歳 928万円 687万円
45~49歳 749万円 756万円
50~54歳 834万円 570万円
55~59歳 835万円 350万円
60~64歳 1287万円 453万円
65~69歳 494万円 630万円
70歳~ 295万円 693万円

(「令和元年賃金基本統計」より作成)

20代の税理士の平均年収

年代 税理士(男性) 男性平均 税理士(女性) 女性平均
20~24歳 420万円 213万円 362万円 208万円
25~29歳 613万円 251万円 444万円 232万円

同世代の年収と比較してみると、25~29歳の女性税理士の年収は444万円で平均年収より100万円以上、男性税理士の年収は平均年収より350万円ほど高くなっております。

このように平均よりかなり収入が多い理由は、税理士が難関かつ20代で合格できる人は一握りであり、20代の税理士には需要があるからです。

20代の税理士の数は全体の0.6%ともいわれており、ほとんどの場合は税理士事務所で働きながら、資格取得を目指します。

税理士試験では、簿記、財務諸表論、法人税、所得税、消費税、資産税、国税徴収法などの中から合計5科目に合格する必要がありますが、1度に全科目合格しなければいけないということはありません。

1科目ごとに合否が出る科目合格制度があるため、受かった科目があれば翌年の受験は免除になります。

会計業界で最も需要が高いのは20代の税理士合格者でありますが、大学在学中の5科目合格者は勿論のこと、科目合格者での税理士法人・会計事務所への就職活動も極めて有利に進めることができます。

30代の税理士の平均年収

年代 税理士(男性) 男性 税理士(女性) 女性
30~34歳 823万円 290万円 610万円 247万円
35~39歳 912万円 328万円 662万円 256万円

30代になると、税理士の平均年収は600万~900万くらいになります。

税理士は難関資格で、社会人が税理士資格を取得するのには約4~10年かかるといわれております。

そのため、正式な税理士として仕事をし始めるのは30代が最も多くなっています。

20代で資格を取得している人の中には、顧客と関係を築きながらキャリアを積み、30代で独立する人もいますが、大部分は30代から税理士としてのキャリアをスタートさせます。

40代の税理士の平均年収

年代 税理士(男性) 男性 税理士(女性) 女性
40~44歳 928万円 329万円 687万円 268万円
45~49歳 749万円 350万円 756万円 271万円

40代の税理士の平均年収はおよそ700~900万円となります。

40代になると今までの知識と経験を活かしてマネージャーや役職付になっていたり、独立する人も増えてきます。

役職者や独立した場合は、年収1,000万円を超えることも珍しくはありません。

【勤務先・勤務形態別】税理士の平均年収

このように、税理士は全体として見て非常に年収が高いと言えます。

しかし、独立開業している税理士と企業に所属する税理士では当然、年収は異なってきます。

さらに、大手税理士事務所で働く税理士と中小税理士事務所で働く税理士でも差があるので、以下で詳しく見ていきましょう。

独立開業している税理士の平均年収

独立した税理士の平均年収は、一般的に3,000万円前後と言われています。

これは、独立開業した税理士の年収において中央値・最頻値ではないため、数字を鵜呑みすると危険です。

小規模な事務所を開設し300万円程度の税理士もいれば、数十人規模の税理士事務所を運営する1億円超えの税理士もいます。

独立開業はハイリスクではありますがリターンも大きく、新規顧客を獲得しながら定着させる経営力が差別化を図る鍵となります。

BIG4税理士法人の平均年収

BIG4とは、PwC税理士法人、デトロイトトーマツ税理士法人、KPMG税理士法人、EY税理士法人の4つの会計事務所グループのことを指しています。

これらは世界的な会計事務所であり、世界4大会計事務所と呼ばれ会計事務所ランキングでも上位に位置しています。

BIG4税理士法人の給与は月給で換算されず、年棒制となっております。

入社時や年に1回行われる給与更改で「年〇〇万円」という形で設定され、毎月の給与は規定額を分割して支払われます。

BIG4における年収は、役職により異なってきます。

BIG4では、スタッフ(20代前半)で450万~650万円
シニアスタッフ(20代後半~30代前半)で550万~800万円
マネージャー・シニアマネージャー(30代後半~40代前半)で800万~1,000万円以上
ディレクター、パートナー(40代後半~50代前半)では1,500万円以上といわれています。

第6回税理士実態調査報告書」(日本税理士会連合会)より

大手・準大手税理士法人の平均年収

スタッフが100名を超える会計事務所・税理士法人は大手会計事務所であり、スタッフが40~100名程度の会計事務所・税理士法人は準大手会計事務所と言えます。

明確な大手、準大手に明確な決まりはありませんが、代表的な企業をピックアップしてみました。

国際準大手税理士法人

・BDO税理士法人 ・太陽グラントソントン税理士法人

国内大手税理士法人

・辻・本郷税理士法人 ・税理士法人山田&パートナーズ

中小税理士法人や個人事務所の平均年収

スタッフが15~40名程度の会計事務所は、中堅会計事務所といえます。

中堅税理士法人

・AGS税理士法人 ・税理士法人みらいコンサルティング ・税理士法人高野総合会計事務所

point

BIG4税理士法人・大手会計事務所の年収を見ると、平均年収は776万円であり、

準大手会計事務所・中堅会計事務所の平均年収は675万円です。

企業内税理士の平均年収

税理士は税理士法人で働くイメージが強いですが、実は特定の企業に所属し、業務を行う「企業内税理士」という働き方もあります。

税理士の仕事は専門職であるため、一般企業の会計部門でも非常に重宝されます。

企業内税理士の待遇は良いことが多く、大手企業の経理管理職候補であれば、年収500万円以上からスタートというケースも多いです。

安定した給料を得ながらライフ・ワークバランスが保ちやすいのが企業内税理士の良さでありますが、あくまでもサラリーマンなので、独立開業した場合と比べると年収や生涯賃金は低くなります。

税理士になる年収・給与以外のメリット

税理士には独占業務が3つ(税務代理、税務書類の作成、税務相談)あるため、社会の景気や企業業績によって仕事を失うリスクが少なく、税理士の資格を取得すれば、安定的に仕事を確保することが出来ます。

また、高収入であるだけでなく、税理士試験に合格することでキャリアの選択肢や知見が広がるのも大きな魅力です。

税理士を目指すメリット
  • 独立開業した場合、年収3000万円も狙える
  • 結婚、出産などライフスタイルが変化する女性でも働きやすい
  • 定年がない
  • 学歴に関係なく、高収入が期待できる

税理士

税理士試験をパスするためには「通信講座を受講する」「予備校に通う」「専門学校に通う」という方法があります

税理士試験に独学で挑むことは、不可能ではありませんが非常に厳しいと言えます。

資格取得までに長い人だと10年間もかかるといわれている国家資格であり、数年間モチベーションを保ちながら取得を目指すと途中で挫折してしまう可能性もあります。

また社会人の方でキャリアアップや転職などのために税理士資格を取りたいと考えているのであれば、なるべく時間をかけずに効率よく勉強したいと思います。

仕事をしながら自分で学習計画を立て勉強するというのは、大変骨の折れる作業であり、効率的ではありません。

したがって、通信講座を受講したり、予備校・専門学校に通うのが、なるべく早く資格を取りたいと考えている人には最適です。


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税理士の年収を上げるための方法

税理士が年収を上げるためには、どのような方法があるのでしょう。

税理士の年収は、働き方や働く場所によって大きく異なります。

ここでは、税理士が年収を上げる方法について解説します。

他の企業へ転職する

税理士が年収を上げるためには、今いる企業よりも年収が高い企業に転職する必要があります。

特に、Big4税理士法人と呼ばれる法人や企業内税理士に転職できると年収は大幅にアップします。

とくにBig4税理士の年収は1〜4年目でも600万円程度はあるため、同じ20代の平均年収よりも高収入です。

ディレクターまで上りつめると、年収2,000万円も十分可能なため、大幅に年収を挙げたい人にはやりがいのある法人でしょう。

一方で、転職に失敗すると今よりも年収が下がる可能性もあるため、転職の際は対策をきちんと行う必要があります。

独立する

年収を上げるために、企業から独立するのも1つの方法です。

独立では、税理士自身が事務所を構えて仕事を行います。

独立すれば、仕事をこなせばこなすほど利益が得られ、すべて自分の収入となります。

しかし、仕事を獲得できるかも自分次第になるため、すべての責任を負わなければなりません。

会社勤めよりも収入が減る場合もあるため、あらゆる困難に対応できる能力が必要です。

税理士は高収入ということ以外にもメリット多数

税理士になるためには、非常に難易度の高い試験を突破して国家資格を取得しなければならず、その道のりは平坦ではないでしょう。

しかし、その分収入においては、一般的なサラリーマンを超える額を手にすることが出来ます。

働き方も自分のライフスタイルに合わせて選ぶことが出来、企業内税理士として、企業内の税金に関する業務を執り行ったり、会計事務所に勤務したり、やる気次第で独立することも可能です。

今よりも年収を上げたい場合は、自分の働き方に合う方法を選択することでより安定した収入を得られるようになります。