ワインに関連する資格は世界中に多く存在し、ワイン愛好家が趣味として取得することはもちろん、仕事としてソムリエを目指していたりキャリアアップのために取得を目指す方も多くいます。
しかし仕事に役立てるとなるとある程度知名度があり、社会で通用する資格を取得する必要があるでしょう。
そこでこちらの記事では日本の団体が運営するワインについての資格で最もおすすめの「ワインアドバイザー」という資格についてご紹介します。
ソムリエ資格取得の難易度は?試験情報・年収・給料・報酬相場を分析
ワインの資格とは?
ワインは、産地や原料のブドウの品種、製法などによって味わいが異なり、温度やグラス、食事との相性でも楽しみ方が変わる様々な要素を含んだ飲み物です。
ワインは世界中の人々から愛されるアルコール飲料なので、ワインに関する知識や製造の技術などを証明する資格が世界的に存在します。
日本で最も有名なワイン系資格は、日本ソムリエ協会が運営する「ワインアドバイザー」という民間資格で、ワインソムリエを目指す方の多くが取得を目指します。
ワイン資格取得のメリットは?
ワイン資格取得のメリット
- 信頼性を得られる
- キャリアアップできる
ワインの資格を取得していることで、ワインに関する専門的な知識が身に付いている証明となるため、ワインを扱うビジネスシーンなどで信頼性を得られるメリットがあります。
また、信頼性を得ると例えばワインソムリエとしてキャリアアップできるメリットもあります。
自分自身がよりワインを楽しめるようになるのはもちろん、他人にワインを提供する際にもワイン資格は役立ちます。
ワインアドバイザーとは
運営団体 | 一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A) |
---|---|
受験条件 | ・満20歳以上 ・国籍不問 ・受験する呼称資格を持っていない事 ・ソムリエの職務で全収入の60%以上を得ている事 |
取得難易度 | 難しい |
試験日 | 1次試験:2023年7月20日(木)~8月31日 2次試験:2023年10月16日(月) 3次試験:2023年11月27日 |
合格発表日 | 試験日当日 |
ワインアドバイザーは、一般社団法人日本ソムリエ協会が運営する、ワインに関する専門知識・技術を証明する民間資格です。
毎年約5,000人の受験者に対して合格者は約1,500人、合格率はだいたい30%前後と難易度の高い試験と言えるでしょう。
試験に合格すると、ワインアドバイザーとしての「資格認定バッチ」が発行され、ワインのソムリエとしての専門知識やサービス技術が認められるため、飲食業での就活やキャリアアップに役立ちます。
日本ソムリエ協会とは?
一般社団法人日本ソムリエ協会は、わが国における食文化に携わる人々の資質の向上と飲料に関する知識の普及、サービス技術の向上、飲食を提供する環境の衛生的確保などに関する事業を行い、これらの事業を通じて、人々に食文化の向上および豊かな食生活を提供し、食文化に携わる人々の社会的な向上をはかり広く社会へ貢献することを目的として設立されました。
日本ソムリエ協会は、ワインアドバイザーの資格交付や試験の実施、運営も執り行っており、世界的に活躍する優秀なソムリエを輩出している民間団体です。
ワインアドバイザー資格だけでなく、「ワイン検定」や「ワインエキスパート」などの試験も実施しており、ワインに関する教育に力を入れています。
受験資格に注意が必要
ワインアドバイザーの資格試験は、誰にでも受験できるわけではありません。
お酒についての内容を問う問題が含まれるため、満20歳以上という年齢制限や、ソムリエの職務で全収入の60%以上を得ている事が主な条件です。
普段会社で勤めている方や、家事で忙しい主婦の方にとって、ワインアドバイザー資格は受験することも難しいでしょう。
現在は「ワインソムリエ」に名称変更されている
2016年、資格認定を行っている日本ソムリエ協会により、ワインアドバイザーの名称が「ワインソムリエ」に変更されました。
資格試験の内容や難易度の大きな変更はありませんが、以降ワインアドバイザーの認定は行っていません。
ワインアドバイザーの試験内容
1次試験 | 筆記試験 |
---|---|
2次試験 | テイスティング試験 |
3次試験 | 実技試験 |
ワインアドバイザーの試験は一~3次試験まであるため、抜け目なくワインに関する知識を身に付けていなければ合格することは難しいでしょう。
毎年7月の中旬に1次試験があり、3次試験は11月の下旬と、夏から冬の頭までの長期試験期間です。
こちらでは、そんな長丁場のワインアドバイザー試験内容について詳しくご紹介します。
1次試験:筆記
1次試験の内容
- 択一方式の筆記試験
- 制限時間70分で120問出題
- ワインの専門知識が幅広く出題
ワインアドバイザーの1次試験は筆記試験で、日本ソムリエ協会の教本に記載されている範囲から出題されます。
試験は800ページを超える教本から出題されるため、1次試験が最も難易度の高い試験とも言われています。
試験に申し込むことで協会より最新年度の教本が1冊送付されてくるため、受験を検討されている方はわざわざ購入する必要はないでしょう。
2次試験:テイスティング
2次試験の内容
- ワインなどのアルコール飲料のテイスティング
- 解答用紙にコメントを残す解答方式
- 香りや色合いなどの観点から解答する
ワインアドバイザーの2次試験は、ソムリエとして身に付けておくべきスキルであるテイスティング試験です。
テイスティングは、自身の味覚と嗅覚を駆使してお酒の劣化や腐敗を確かめる作業のことを指します。
試験では、3種類のワインとワイン以外のお酒2種類の合計5種類が出題され、40分の時間内に適切なコメントを残す必要があります。
毎年出題されるお酒の種類が異なるため、幅広い種類のお酒のテイスティングを練習しましょう。
3次試験:実技試験
3次試験の内容
- 審査員に模擬サービスをする
- ボトルの抜栓からデキャンタにワインを注ぐ実技試験
- 実務経験が役立つ
ワインアドバイザーの3次試験は、ワインの開栓やデキャンタへワインを注ぐデカンタージュについて出題されます。
普段からこのようなサービス実務を経験している方にとって、そこまで難易度の高い試験ではありませんが、対策と準備は怠らずに試験に臨みましょう。
3次試験を突破した方は協会の書類審査を通過することで、晴れてワインアドバイザーの資格を取得できます。
ワインアドバイザーの試験の難易度は?
ワインアドバイザーは、1次試験・2次試験・3次試験全ての試験を突破し、書類選考を通過することでやっと取得できる資格です。
もはやこれだけでも難易度が高いように感じるワインアドバイザーですが、実際どれくらいの難易度の資格試験なのか気になりますよね。
こちらでは、ワインアドバイザーの資格試験の難易度について、合格率などを含めてご紹介します。
ワインアドバイザーの合格率は?
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|
26.5% | 29.8% | 37.9% | 42.1% | 30.1% |
日本ソムリエ協会が公開している資格保有者一覧表より、ワインアドバイザーの試験合格率が公表されています。
試験年度によって合格率はバラつきがあり、30%を下回る年もあれば40%を超える年もあるようです。
合格率が50%を下回るという事は、受験生の2人に1人以上が合格できないという事なので、ワインアドバイザーの資格試験の難易度は高いといえるでしょう。
最も難易度が高いのは1次試験
ワインアドバイザーの資格試験で、最も難易度が高いとされるのは、1次試験(筆記試験)です。
1次試験は、日本ソムリエ協会の800ページを超える教本が試験範囲なので、非常にボリュームがあると言われています。
ワインに関する基本知識はもちろん、試験の傾向などを把握しておく必要があるため、「暗記メイン」で対策に時間がかかる事を心しておきましょう。
ワインアドバイザーの勉強方法は?
ワインアドバイザーの資格試験は、1次試験・2次試験・3次試験のいずれも内容が異なるため、それぞれ試験の内容に合った対策が必要です。
そのため、こちらでは試験内容に適した勉強方法や対策方法をご紹介します。
1次試験の勉強方法
ワインアドバイザーの1次試験は筆記試験なので、テキストや参考書を使った座学での対策が必要です。
教材に関しては、受験申込をすると協会より送付されてくる「日本ソムリエ協会教本」を使う方が多いです。
しかしこの教本は、800ページ以上のボリュームかつ白黒の活字で作成されており、読み進めるのが大変なので市販の参考書で対策することをおすすめします。
1次試験対策でおすすめの参考書
参考価格 | 4,400円 |
購入はこちら |
こちらの記事でおすすめしたい参考書は、杉山明日香さんの「受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座 」です。
この参考書は、試験で重要なポイントが要約されており、副教材でワインの産地が一目でわかるカラーの「ワイン地図」が付属しています。
メモをとる余白が十分あり勉強しやすいため、興味がある方はぜひこちらの参考書で試験対策してみてください。
2次試験の勉強方法
ワインアドバイザーの2次試験は、テイスティング試験なので、自身の味覚や嗅覚を訓練する必要があります。
また、試験の解答用紙など本番で初見要素が多いとコンディションが悪化し、本来の力を発揮できないことも考えられるため、ワインスクールの単発講座の受講をおすすめします。
テイスティングを身に付けていくにあたって重要なポイントは、協会と自身の考えるワインのテイスティングの認識をすり合わせておくと良いでしょう。
テイスティングの練習方法
テイスティングの練習方法として最も有効なのが「ブラインドテイスティング」という訓練です。
ブラインドテイスティングとは、類似のワインを何本か購入し、目隠しをした状態でそれぞれの違いをはっきり区別できるようにする訓練です。
テイスティングはスポーツと同じで、やればやるほど身体が覚えていくので、毎日コツコツ取り組むと良いでしょう。
3次試験の対策方法
3次試験は、ソムリエとしてのサービス技術が問われる実技試験です。
実技の内容は抜栓とでキャンティングですが、これは有識者から指導をしてもらいながら練習することが対策方法として挙げられます。
もし、指導してくれる人が周りにいなければYouTubeの動画などを活かし、10~20本程度のワインを開けて練習すれば十分合格を目指せるでしょう。
初学者におすすめ!ワインプロフェッショナル資格
通信講座名 | ラーキャリ |
---|---|
講座名 | ワインプロフェッショナル資格取得講座 |
受講料(税込) | 49,500円 |
学習期間 | 無期限(最短3週間で資格取得可能) |
教材 | ・テキスト ・問題集 ・添削課題 ・資格試験認定試験 |
サポート体制 | ・LINE,メール質問対応 ・添削指導 ・再受験料無料(※2回) ・受講期限なし |
特徴 | ・24時間365日質問できる ・資格取得できるまでサポートを受けられる ・最短3週間で資格取得できる ・ワインの専門知識が身に付く |
ワイン系資格は、ワインアドバイザーだけでなく、初学者向けのものもあることをご存知でしょうか。
こちらで紹介するワイン系資格は、一般社団法人日本能力開発協会(JSADA)が認定する「ワインプロフェッショナル」という資格です。
こちらの資格は、ワインアドバイザーのようにソムリエとして働いていなくても取得を目指せる初学者向けのワイン系資格で、試験対策の通信講座も開講しています。
JSADAより認定を受けるラーキャリの資格取得講座を受講すれば、受講修了後そのまま在宅で試験を受験できるため、生活が忙しい方でもムリなく資格取得を目指せるでしょう。
また、添削指導や質問対応などのサポートが充実しており、独学のように不明点や勘違いが生まれにくいメリットもあるので、興味のある方はぜひ受講を検討してみてください。
ワイン初学者はラーキャリがおすすめ
ワインアドバイザーは受験するために必要な条件が厳しく、趣味や自身の教養を深めるために資格取得したいという方には取得が難しいです。
しかし、JSADAのワインプロフェッショナルには受験条件がなく、誰にでも取得を目指すことができます。
またワインは専門性の高い分野ですが、ラーキャリの講座は易しい内容になっているので、初学者の方に特におすすめです。
ワインアドバイザー資格取得の難易度は?|まとめ
ワインアドバイザー資格取得の難易度は?|まとめ
- ワインアドバイザー資格試験の難易度は高い
- 1次~3次試験で合格する必要がある
- 特に1次試験の難易度が高い
- しっかりとした対策が必要
こちらの記事では、ワインアドバイザーの試験情報や難易度、勉強方法についてご紹介しました。
ワインアドバイザーの資格試験は、合格率が30%前後と低く2人に1人以上が不合格となっているため、難易度が高いとされています。
資格取得には1次試験~3次試験全てに合格する必要があるため、それぞれの試験で十分な対策をして臨みましょう。
また、1次試験(筆記)は暗記要素が強くボリュームも多いため、自分に合った学習教材でコツコツ対策すると良いです。
ワインアドバイザーの資格試験の受験資格を満たしていない方は、他のワイン系資格の取得を目指すのも良いでしょう。