技術士(補)は幅広い年齢層の男女が目指せる、科学技術分野での最高位の国家資格資格です。
これから技術士を目指そうとしている方や、既に技術者として働きながらさらなるキャリアアップを目指す方もいることでしょう。
しかし、技術士試験はその難易度の高さや広範な試験範囲から、多くの受験生が挑戦をためらうことも少なくありません。
そこで今回は、技術士試験の全体的な難易度や最近の合格率、効果的な勉強法、必要な勉強時間、そして具体的な合格基準まで、初めて技術士試験の受験を検討する方向けに徹底的に解説します。
技術士の試験難易度は高い
技術士の試験難易度他の資格と比較しても高いといえます。
受験するためには実務経験が4~7年必要になるため、学歴要件を満たしているだけでは受験ができません。
一次試験と二次試験の二部構成で試験が開催され、特に二次試験の難易度が高いです。
一次試験の場合は筆記試験のみで過去問からの出題も見られるため、合格率が4~5割と比較的難易度が低いです。
一方で二次試験では筆記試験だけではなく、口頭試験も用意されているため、しっかり知識が身についていないと合格できない仕様になっています。
そのため二次試験でふるいにかけられることが多く、試験全体での合格率は10%程度で推移しています。
技術士試験に合格するための勉強法
技術士の試験に合格するためには、自分に合った勉強法を取ることが大切です。
以下で各種勉強法について、解説していきます。
技術士試験に独学で対策する
技術士試験に挑戦する場合、どの勉強法よりも比較的安価に学習を進められます。
まずはある程度のベースの知識を身に着けるところから始めていきましょう。
テキストを参考に、試験で問われる必須の知識をつめこんでみてください。
ある程度の知識がついてきたら、過去問を解きながら知識が定着しているかを確かめていきましょう。
苦手な分野が目に見えてくるはずですので、重点的に対策して苦手を無くしていくことが大切です。
二次試験の対策は論文試験と口頭試験があります。
論文試験の場合は、分野の近年の課題や取り組みを細かく把握しておくことが大切です。
口頭試験も過去問を参考に出題傾向をしっかりとチェックしておきましょう。
予備校に通う
技術士試験の対策を効率よく進めていきたい際には、予備校に通うことをおすすめします。
予備校はカリキュラムが設定されていることも多く、働きながらでも学習を進められることが多いです。
教材や教室は予備校側が用意してくれるので、一から自分で学習環境を整える必要がありません。
ただし予備校の場合、授業料が高額になる可能性が高いので注意が必要です。
技術士試験の通信講座を受講する
予備校に通う金銭的な余裕がない場合には、技術士試験の通信講座を受講するのもおすすめです。
通信講座は通信環境があればどこでも受講可能なスタイルをとっており、移動時間でも気軽に専門講師の授業が受講できるのがポイント。
テキストも専門のものが配布されますので、自分で一から用意する必要がありません。
また予備校よりも受講料が比較的安く設定されているほか、スキマ時間を活用した学習を想定しているので、忙しい方でも安心して受講できるでしょう。
技術士試験の試験科目とは
技術士試験の試験科目は、基礎科目、専門科目、そして口述試験で構成されています。
それぞれの科目について、その概要を詳しく見ていきましょう。
- 基礎科目の概要
- 専門科目の概要
- 口述試験の内容
基礎科目の概要
基礎科目は、技術士試験の最初の段階であり、科学技術全般に関する基本的な知識を問われます。
この科目では、数学、物理学、化学、生物学などの基本的な科学知識が試験されます。
基礎科目は、全ての技術士部門で共通して求められる知識であり、広範囲にわたる内容をカバーしています。
専門科目の概要
専門科目は、各技術士部門ごとに異なる内容が出題されます。
例えば、機械部門では材料力学や機械設計、情報部門ではプログラミングやデータベースなどが試験範囲となります。
専門科目は、各分野の専門知識と応用力が問われるため、深い理解と実務経験が必要です。
試験内容は非常に高度であり、各専門分野での詳細な知識が求められます。
口述試験の内容
口述試験は、筆記試験合格者を対象に行われる試験で、実際の業務経験や専門知識の応用力が評価されます。
口述試験では、受験者の論理的思考力やコミュニケーション能力も問われます。
具体的な業務経験に基づいた質問が多く出されるため、日頃の業務内容をしっかりと振り返り、準備することが重要です。
口述試験は、筆記試験とは異なる形式で行われるため、緊張感もありますが、しっかりと準備することで乗り越えることができます。
技術士試験の合格基準とは
技術士試験の合格基準は、筆記試験と口述試験の両方で設定されています。
それぞれの試験の合格基準と、総合評価のポイントについて詳しく見ていきましょう。
- 筆記試験の合格基準
- 口述試験の合格基準
- 総合評価のポイント
技術士の筆記試験の合格基準
筆記試験では、基礎科目と専門科目の両方で一定の点数をクリアする必要があります。
具体的には、各科目で60%以上の得点が求められます。
また、試験全体の総得点が合格ラインを超えることも重要です。
筆記試験は、知識の深さと広さが問われるため、バランスの良い学習が必要です。
技術士の口述試験の合格基準
口述試験では、受験者の実務経験や専門知識の応用力が評価されます。
合格基準は、論理的な回答や適切なコミュニケーション能力を含め、総合的な評価となります。
具体的な数値基準は公開されていませんが、試験官からの質問に対して的確に答えることが重要です。
日頃の業務内容をしっかりと振り返り、準備することで合格に近づけます。
技術士の総合評価のポイント
技術士試験の合格には、筆記試験と口述試験の総合評価が重要です。
各試験の得点だけでなく、受験者の総合的な能力が評価されます。
具体的には、知識の深さ、応用力、実務経験、そしてコミュニケーション能力など、多角的な視点から評価が行われます。
これにより、試験の難易度がさらに高まる要因となっていますが、しっかりと準備を進めることで合格を目指すことができます。
技術士試験の受験資格とは
技術士試験を受験するためには、一定の受験資格を満たす必要があります。
学歴や実務経験に関する要件、特例措置について詳しく解説します。
- 学歴要件
- 実務経験要件
- 特例措置について
技術士の学歴要件
技術士試験の受験には、一定の学歴が求められます。
通常、大学卒業以上の学歴が必要ですが、専門学校や高等専門学校卒業の場合でも、一定の実務経験があれば受験可能です。
具体的には、技術士補資格を有していることや、技術士試験に関する所定の講座を修了していることが要件となります。
技術士試験の実務経験の条件
受験には、学歴だけでなく実務経験も重要です。
技術士試験では、実際の業務での経験が試験の合否に大きく影響します。
例えば、大学卒業後に5年以上の実務経験が必要とされる場合が多いです。
実務経験は、単に年数を満たすだけでなく、具体的なプロジェクトや業務内容に基づいた経験が求められます。
特定の技術士補資格があれば特例措置がある
特例措置として、特定の条件を満たす場合には受験資格が緩和されることがあります。
例えば、特定の技術士補資格を有する場合や、関連する分野での高度な実務経験を持つ場合などが該当します。
これにより、より多くの技術者が技術士試験に挑戦する機会が提供されています。
特例措置の詳細については、技術士試験の公式サイトで確認することが推奨されます。
技術士試験の合格に必要な勉強時間
技術士試験に合格するためには、十分な勉強時間を確保することが不可欠です。
試験内容ごとの勉強時間の目安や、合格までに必要な総勉強時間、そして勉強時間の管理方法について詳しく説明します。
- 試験内容ごとの勉強時間の目安
- 合格までに必要な総勉強時間
- 勉強時間の管理方法
技術士の試験内容ごとの勉強時間の目安
技術士試験の勉強時間は、試験内容ごとに異なります。
以下は、各内容ごとの勉強時間の目安です。
試験内容 | 勉強時間の目安 |
---|---|
基礎科目 | 200時間 |
専門科目 | 300時間 |
口述試験 | 100時間 |
このように、基礎科目、専門科目、口述試験それぞれに対して、一定の勉強時間を確保することが重要です。
技術士試験合格までに必要な総勉強時間
技術士試験に合格するためには、合計で600時間程度の勉強時間が必要とされています。
これは、毎日2時間の勉強を継続した場合、約10か月間の勉強が必要となる計算です。
以下の表に、総勉強時間の目安を示します。
勉強時間/日 | 必要な日数 | 必要な期間 |
---|---|---|
1時間 | 600日 | 約20か月 |
2時間 | 300日 | 約10か月 |
3時間 | 200日 | 約7か月 |
勉強時間の管理方法
勉強時間を管理するためには、計画的なスケジュールを立てることが重要です。
例えば、週単位での勉強目標を設定し、達成度をチェックすることで、自分の進捗を確認することができます。
また、スマートフォンのアプリを利用して勉強時間を記録する方法も効果的です。
計画的に勉強を進めることで、効率的に勉強時間を管理し、合格への道を確実に歩むことができます。
技術士試験の受験でよくある疑問
技術士試験を受験するにあたり、多くの方が疑問を抱くことがあります。
試験の難易度やおすすめの勉強方法、受験手続きについての疑問について詳しく解説します。
- 技術士試験の難易度はどれくらい?
- おすすめの勉強方法はある?
- 受験手続きはどうやるの?
技術士試験の難易度はどれくらい?
技術士試験の難易度は非常に高く、多くの受験生が苦戦しています。
試験範囲が広く、専門知識の深さも求められるため、しっかりとした準備が必要です。
また、実務経験も重要な要素となるため、実際の業務での経験を基にした学習も必要です。
難易度の高さから、合格率は10〜13%程度と低く設定されています。
おすすめの勉強方法はある?
技術士試験に合格するためには、効率的な勉強方法が重要です。
計画的に勉強を進めるためのスケジュールを立てることや、過去問を活用して出題傾向を把握することが効果的です。
また、専門書や論文を通じて深い知識を習得することも重要です。
さらに、グループ学習を取り入れることで、他の受験生と意見交換しながら学ぶことができます。
受験手続きはどうやるの?
技術士試験の受験手続きは、まずは試験の公式サイトで詳細を確認することから始めます。
受験申込書の提出や受験料の支払いなど、必要な手続きを順番に進めていきます。
受験料は、各年度や部門によって異なる場合がありますが、以下に参考例を示します。
年度 | 受験料 |
---|---|
2021年 | 20,000円 |
2022年 | 21,000円 |
2023年 | 22,000円 |
受験手続きを円滑に進めるためには、公式サイトで最新情報を確認し、必要な書類や手続きを事前に準備することが重要です。
技術士の難易度は高いので事前対策が重要!
技術士試験は非常に難易度が高いため、事前対策が不可欠です。
試験内容は幅広く、専門知識の深さや実務経験も問われるため、しっかりとした準備が求められます。
まず、試験範囲を把握し、効率的な勉強スケジュールを立てることが重要です。
過去問を活用して出題傾向を掴み、重点的に学習すべき分野を明確にしましょう。
また、実務経験を活かして、具体的な業務内容を振り返りながら勉強を進めることも効果的です。
これらの対策を講じることで、技術士試験に合格するための道を確実に切り開くことができます。