”建築模型士”という職業は、住宅などの建物を建てる時に、立体的なミニチュアの模型を作ることが仕事です。
この模型があることによって、建てようとしているものの具体的なイメージが浮かびやすくなり、変更点や改善点なども分かりやすくなります。
では、この建築模型士になるには必要な資格があるのでしょうか?どのような業界に需要があり、収入はいくら得られるのかもご紹介します!
建築模型士とは?
皆さんは”建築模型士”という職業の名前を聞いたことがあるでしょうか。
あまり耳慣れない職業かもしれませんが、住宅や施設などを建てる時に、その立体的なミニチュアの模型を作ることが仕事です。
この模型があることによって、見ている人が建物の完成した姿をイメージしやすくなり、改善点や変更点がある場合も気付きやすくなるという利点があります。
建築模型士になるには、資格などは必要になるのでしょうか?
建築模型士に必要な資格は?
建築模型士になるには、持っていなくてはならない資格などはありません。
求人募集のサイトなどを見ると「未経験者でもOK」という企業が多いですが、大学や専門学校などで建築に関する技術があった方が、即戦力として認められるでしょう。
建築模型士になるには?
続いて、建築模型士になるには、具体的にどうすれば良いのかを見ていきましょう。
建築模型士になるには資格がなくても問題ありませんが、模型を作成するためには建築図面を正しく理解していなくてはなりません。
そのため、図面を読むなどの本当に基礎的な知識は持っておきましょう。
どこで働けるの?
建築模型士になるには、一般的には「ハウスメーカー」や「設計事務所」に社員として採用される場合が多いです。
そこで十分な知識を得て、経験を積み重ねていくことができます。
社員ではない人はどうするのかというと、建築模型士の仕事を副業としてスタートさせていくという未経験の人もいます。
未経験者はまず、通信講座やスクールで必要なことを学びますが、中には独学でなる人も少なからず存在します。
正社員以外の働き方だと、派遣社員や在宅ワークで内職として建築模型士の仕事を請け負うことも可能です。
需要はあるのか?
現実的な話ですが、建築模型士になるには需要はあまり多くないと考えた方が良いかもしれません。
そもそも建築模型士として人を募集している企業が少なく、職種として名乗れなくとも業務の中に模型を作るという作業がある会社はあります。
さらに、プロに頼むほどではなくとも模型を必要としている会社からは、フリーランスの人へ向けてアルバイトやパートといった形で仕事をお願いすることもあるでしょう。
本業にしたいという方は企業への就職を考え、副業や趣味の程度でも構わないという人は内職やアルバイトを探すと良いですね。
建築模型士の収入は?
建築模型士になるには、一般企業に就職する場合とフリーランスで活動する場合の2つがあるとご紹介しました。
それぞれの活躍で収入がいくらになるのかを見ていきましょう。
正社員の収入
正社員として勤務する建築模型士は、平均的に毎月およそ20万円前後の収入があります。
建築模型士としてだけではなく、CADなど他の業務も一緒に行っている人であれば年収にしておよそ300〜400万円ほどとされています。
建築模型は、一つ一つの値段がバラバラです。
一つ2〜3万円程度のものもあれば、100〜250万円以上という驚きの金額がかかるものもあるのです。そういった高額な模型は、一人だけではなく何人もの建築模型士が携わっている場合が多いです。
フリーランスの収入
内職などフリーランスで活動している建築模型士の場合、模型1つあたり数千円〜数万円くらいの受注で請け負うことになります。
安定して毎月にいくつもの模型を頼まれるなら別ですが、そうでない場合は他に収入を得られる仕事を見つけておいた方が良いですね。
腕を見込まれれば、フリーランスでも需要につながり、十分にやっていける可能性もあるでしょう。
建築模型士の休日は?
常に模型の作成を行なっている建築模型士ですが、仕事の休みはいつなのでしょうか。
社員とフリーランスを分けてご紹介します。
納期の前は多忙
一般の企業に勤務している建築模型士の場合、普通のサラリーマンと同じような時間帯で働いています。
しかし、建設業界や不動産業界は、基本的には土日が休みではありません。
そのため大体が平日休みであり、作成の締め切りが迫っている時期などは、深夜まで仕事をすることも珍しくありません。
締め切りがあることはフリーランスの建築模型士も同様であり、普段の休みは自分で調整しながらできますが、納期が迫っている時期などは忙しいようですね。
建築模型士に向いている人は?
それでは、建築模型士として活躍するのに向いている人はどんな人なのでしょうか。
建築の知識があるという以外にも、次のような人材が求められています。
細かい作業が苦にならない人
建築模型を取り扱うということは、とにかく細かいパーツをひたすら組み合わせていく作業をします。
それゆえ、建築模型士には手先の器用さに加えて、緻密な作業や細かい作業を長時間続けても苦にならない人が向いていると言えるでしょう。
他にも、建築模型が必要とされるのは、主にプレゼンテーションの場面です。
それに間に合うように作成し、作品を納品できるというスケジュール管理がしっかりできる人も建築模型士に向いています。
社会人である以上、時間や約束を守ることは当たり前です。しかし、どこか依頼主に甘える気持ちがあったり、そもそも自分に甘い人はすぐに行動に移らないことがあるため、締め切りを破ってしまうことがあるかもしれません。
信頼を失わないためにも、決められた約束はきちんと守りましょう。
約束を守るという小さな積み重ねが、後に大きな信頼へとつながっていきます。
建築模型士についてのまとめ
建築模型士になるには、必要な資格はないものの、その代わりに需要も少ないことが現状です。
ハウスメーカーや設計事務所などが求人を募集している場合もありますが、社員として採用されるのはごく僅かとなっています。
ただ、正社員にこだわらなければ、フリーランスや内職として仕事を依頼されるケースもあるので、全く需要がないわけではありません。
さらに、社会人としては当たり前のことですが、納期をしっかりと守れる人でなくては務まらない仕事なので、常に気を引き締めて作業に取り組む必要があります。
建築模型のプロになるには腕前も大事になってくるので、普段から良い作品作りを心がけていきましょう。