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測量士の平均年収はどのくらい?年齢別の比較や年収アップの方法も紹介

更新日:2025-01-17

測量士の平均年収はどのくらい?年齢別の比較や年収アップの方法も紹介

測量士は、建設工事や土木工事を行う際に、土地の測量を行う国家資格の専門職です。

設計コンサルタント事務所などで、男女問わず多くの測量士が活躍しており、都市部か地方かを問わず仕事の需要があります。

例えばダムの建設や修繕工事など、危険な現場での測量の仕事や災害の復旧工事の測量でも引っ張りだこです。

当記事では、測量士の資格概要をご紹介した後、気になる平均年収と、年齢別の年収についてご紹介するとともに、独立開業で期待できる年収についても触れていきます。

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測量士とは

測量士の年収

測量士の資格について、仕事内容の概要と取得方法を簡単にご紹介します。

測量士の資格概要

測量士とは、建設・土木工事をおこなう土地を対象に、その位置や距離及び面積を測量する専門職です。

測量士には測量士測量士補があり、測量法及び測量法施行令に基づく国家資格として、基本測量や公共測量に従事することが認められています。

建物の建設も、ダムや道路の整備も、測量士がいなければ実現できません。

測量士と測量士補はいずれも国家資格ですが、両者には次のような違いがあります。

  • 測量士は、測量計画を作成できるが、測量士補は、測量計画を作成することができない
  • 測量士補は、測量士の作成した測量計画の指示に従って測量業務を行う

測量士は業務独占資格の国家資格であり、測量業者には資格保有者の配置が義務付けられています。

測量士の資格の取得方法

測量士になるには、次の4つの方法が存在します。

  • 大学や専門学校等で測量に関する科目を修め卒業し、一定年数以上の実務経験を積むこと
  • 国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設で、高度の専門知識・技能を習得すること
  • 測量士補の有資格者が、国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設で高度の専門の知識・技能を修得すること
  • 測量士の国家試験に合格すること

資格を取得したら、国土地理院へ登録申請書を送り、登録免許税を納付すると、測量士となることができます。

参考:地理院ホーム 測量士・測量士補国家試験及び登録
測量士・測量士補の資格のページ(公益社団法人日本測量協会)

測量士の平均年収はどのくらい?年齢別にも整理してみた

測量士の年収比較

測量士の資格を取得した方は、平均でどのくらいの年収を得ているのでしょうか?一般の給与所得者よりも高いのでしょうか?

年齢別ではどのくらい違いがあるのでしょうか?

省庁が公表している公式統計から、以上、気になる3点について整理してみましょう。

測量士の平均年収

測量士の平均年収は、事業規模の大きさや、都市部か地方かによっても違ってきます。

一般的な測量企業は中小規模のところが多いので、公共工事などの仕事の請負高が安定しているかどうかもチェックする必要があります。

令和元年「賃金構造基本統計調査」による測量士(測量技術者)の平均年収について、事業規模別(従業員数別)に整理してみたところ、以下のような結果となりました。

従業員数 測量士の平均年収
【従業員10人以上】 468万7千円
【従業員10~99人】 470万5千円
【従業員100~999人】 454万5千円
【従業員1,000人以上】 552万6千円

記載のデータのうち、「測量技術者」の「きまって支給する現金給与額」×12か月に「年間賞与その他特別給与額」を加えて算出したものになっています。

参考:「賃金構造基本統計調査」(令和元年)厚生労働省

他業種と平均年収を比較

このデータを一般的な給与所得者の平均年収と比べてみると、どうでしょうか?

単純には比較できませんが、国税庁による「令和元年分民間給与実態調査」によると、すべての給与所得者の平均給与は436万円となっています。

つまり測量士の資格を持っている方は、事業所の規模に関わらず全産業の平均給与よりも比較的高い年収が期待できることになります。

測量士の年齢別平均年収

次に、同じ統計調査から、測量士の年齢別平均年収をチェックしてみましょう。

年齢別の年収を見れば、経験年数に応じてどのくらい給与が上がっていくかを知る手掛かりになります。

単純化するために、従業員10人以上の事業所全体のデータを使って平均給与を算出していますが、事業所の規模が大きくなれば、もう少し高い年収も期待できますので、あくまでもひとつの目安としてお考えください。

【測量技術者の平均給与(男女別)】
※従業員10人以上の事業所
年齢層 男性 女性
20~24歳 321万9千円 284万8千円
25~29歳 397万1千円 345万8千円
30~34歳 419万6千円 348万4千円
35~39歳 457万2千円 344万9千円
40~44歳 505万7千円 412万2千円
45~49歳 519万7千円 369万9千円
50~54歳 551万6千円 419万4千円
55~59歳 572万1千円 347万5千円
60~64歳 492万円 273万6千円

記載のデータのうち、「測量技術者」の「きまって支給する現金給与額」×12か月に「年間賞与その他特別給与額」を加えて算出したものになっています。

出典:「賃金構造基本統計調査」(令和元年)厚生労働省

男女別及び年齢別にみていくと、年齢が高くなるに連れて年収がある程度増えていくことが分かりますが、まだまだ男女では給与に差があります。

国土地理院によれば、女性の測量士は全体の3%ほどですが、こういった分野でも今後活躍する女性が増えていくかもしれません。

測量士の年収の特徴

先にも述べたように測量士の年収は450万円程度ですが、地方だと50万~100万円程度少なくなるといわれています。

差が出る理由おしては都心と地方での所得格差によるものだとされています。

そこでここでは、測量士の年収の特徴について紹介します。

40代以降は年収が停滞する

測量士の給与体系は、入社から約10年目までは勤続年数に応じて着実に昇給します。

しかし、30代半ばからは昇給のペースがしだいに停滞し、40歳前後では年収が約500万円で頭打ちになるケースが多く見受けられます。

一般的なサラリーマンは40代を超えて役職に就くことで大幅な昇給が期待されますが、測量士の場合は例外であり、管理職に昇進しても給与の変動はそれほど大きくないのが特徴です。

若い世代の昇給スピードが速い一方で、40代や50代のいわゆる「稼ぎ時」における給与水準の低さが、測量士の平均年収があまり高くならない主な要因と考えられます。

停滞する原因としては少子高齢化による人口減少が国家財政に影響を及ぼし、公共工事に充てる予算が減少していることが大きな要因とされています。

残業代の比率が高い

職場によって異なる部分はあるものの、測量士は一般的に残業が多い職業に分類されます。

測量を行う地域は広範囲にわたることが多く、作業に要する時間が長くなる上、移動にかかる時間もかかるからです。

さらに、近年では取り扱うデータの量が増加しており、デスクワークの負担も年々重くなっています。

以上の状況から測量士の勤務先では、一定の残業が常態化していることが多く、月々の給与に占める残業代の割合がかなり高くなっています。

特に年度末の繁忙期には、残業代がボーナスに匹敵する額に達することも珍しくありません。

また、職場によっては、最初から基本給にみなし残業として20時間から30時間程度の残業代が含まれている場合もありますので、測量士として働く際は職場の雇用条件をしっかり確認するようにしましょう。

専門性の高い職場だと高給になりやすい

測量はあらゆる工事の前段階において不可欠な作業であり、その需要は比較的安定しているものの、公共工事の予算削減に伴い、報酬単価は減少傾向にあるのが現状です。

特に道路測量などの単純な案件では、競争が激化しているため、単価の低下が顕著であり、下請け業者は赤字を覚悟で受注するケースも見受けられます。

一方で、航空測量や海洋測量のように、専門的な技術を必要とする測量は高い報酬を得る可能性があるとされています。

中には通常の倍近くである年収が800万円を超える企業もあるといわれています。

最近では、ドローンの普及により航空測量が一般化してきたことから、今後も測量技術の専門化が一層進むと考えられます。

測量士として年収を向上させたい場合は、専門的なスキルや資格の取得がおすすめです。

測量士の年収は独立するとどれくらい稼げる?

測量士独立

それでは独立開業した場合、どのくらいの年収が期待できるのでしょうか?

中には年収1,000万円を超える測量士も実際にいらっしゃるようですが、独立して1,000万円の年収を得られるかは自分次第です。

独立開業するのであれば、まとまった仕事をコンスタントに依頼してもらえるよう、専門性を高めつつ、新規の顧客を獲得する営業活動が必須です。

例えば建設・設計コンサルタント会社で働いているうちから、独立開業を見据えて人脈を作りつつ、測量士以外の建設・設計の専門資格や、各種手続きに関わる法律系の資格を取得しておくとよいでしょう。

おすすめは、土地家屋調査士、宅地建物取引主任者、司法書士、行政書士などです。
不動産取引に関わる仕事もとれますし、官公庁への申請業務の代行も、貴重な収益源になります。

測量の仕事で注意が必要なのは、公共事業に依存しすぎないこと。

政府や自治体の予算が減らされると、仕事量が減り、入札でも価格のたたき合いになってしまいますので、民間案件とのバランスをとり、経営を安定させることが重要です。

測量士として年収アップを実現させる方法

ここでは、測量士として年収アップを実現させる方法についてご紹介します。

資格を取得する

測量士として年収アップを実現するにはまず、資格取得が挙げられます。

資格を持つことで、資格手当を受け取ることができるだけでなく、昇進の際にも有利になります。

特に、測量関連の資格を有していると、年収が増加する企業も存在します。

例えば、土木施工管理士や土地家屋調査士の資格を取得することで、年収の向上が期待できます。

ほかにもRCCM(シビルコンサルティングマネージャ)・行政書士・地理空間情報専門ぎ重認定などもおすすめです。

測量会社に勤務しながら資格取得を目指してみてください。

専門性の高い技術を習得する

専門性の高い技術を習得することで年収アップを目指せます。

測量技術は、従来のトータルステーションによる測量に加え、3Dスキャナーやドローンなどの3D観測機器が大幅に増えています。

作図用の測量CADや、機器に対応した処理ソフトウェアも多く登場しています。

そのため、あらゆる機器に精通したオールラウンダーの測量技術者はほとんど存在しないと言えるでしょう。

特定の技術に特化した技術者は、企業にとって非常に重要な存在です。 例えば、ドローン機器の操作においては、社内で最も3D画像の編集に精通している技術者が求められます。

技術を習得することで、昇進やより高い給与を得るためのステップアップが可能となり、独立や開業、転職でも役立ちます。

航空測量・海洋測量をおこなう会社に転職する

測量士の年収は先にも述べたように、勤務先によって大きく異なります。

特に、航空測量や海洋測量を専門とする企業では、高度な専門知識が求められるため、年収は非常に高い水準に達しています。

特に、実績と信頼を兼ね備えた国際的なサービスを提供する企業では、年収800万円以上の求人も少なくありません。

さらに、そこでキャリアを順調に積むことで、年収1000万円に到達することも十分に可能となるでしょう。

独立・開業する

測量士は独立して開業しやすい資格のひとつであり、測量士が収入を増やすための最も効果的な手段は独立開業です。

実際、多くの人々が高い年収を目指して測量士として独立・開業しています。

しかし、開業したからといってすぐに仕事が得られ、高収入を得られるわけではありません。

地道に営業活動を行い、実績を積み重ね、人脈を広げる努力をしなければ、周囲からの信頼を得ることは難しいでしょう。

このように、独立開業に向けた準備は一定程度必要であるため、しっかりとした準備を行うことが重要です。

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測量士の平均年収と独立した場合の年収推移まとめ

以上、測量士の年収について様々な角度からみてきました。

測量士は現場仕事が多く、体力が求められますが、経験を重ねたベテラン人材は現場で重宝されます。

最近ではレーザー測量やドローン測量など、高度な技術を駆使した測量もおこなわれているため、若い人でもやりがいを感じながら活躍できる魅力があります。

企業に就職してもある程度安定した収入が期待できますし、専門性を生かした独立開業も夢ではないので、ぜひ多くの方に挑戦してほしいと思います。