検察官とは窃盗や傷害などの事件発生において、捜査を行う権利を持っています。
検察官になるには弁護士や裁判官同様に司法試験に合格し、司法修習を修了する必要があり、また検察庁内の試験に合格すれば、特任検事や副検事と呼ばれる検察官になれます。
検察官には様々な役職があり、検事総長・次長検事・検事長・副検事長と分かれていて、一般的に耳にする事の多い検事とは検察官の役職の1つとなります。
検察官は基本的に、法務省に属している行政機関ですが、司法に関わる事が多い為、準司法機関と呼ばれ、法律上で強い身分保障を与えられています。
検察官は警察からの捜査報告書類・被疑者の送致を受け、被疑者に対しての取り調べを行います。
刑事事件において検察官は捜査・提訴・刑事訴訟の遂行・刑事裁判の執行監督など様々な権限と有しており、公益での代表者とされていて、法令上権限を付与されています。
この検察権を有しているのは組織ではなく検察官個人が持っている権利で、「独任制の官庁」と呼ばれており、法律に基づいて事件について具体的に説明し立証をして、裁判官へと適正に求刑を求めるのが、検察官としての役割です。
「検察官」という仕事について
検察官の主な仕事は刑事事件を捜査、被疑者の起訴を行うかを判断して被告人の犯した罪に対して法的な見解で説明し、冒頭陳述を行い立証します。
公判に備え、検察官は様々な証拠を準備しておく必要があり、法廷での証言者を選び、過去に起きた類似の事件なども調査し証拠を揃えておきます。
公判において証拠を基に被告人の弁護士と論争を行い、刑罰を求刑します。
検察官は訴追官の役割があり、検察官は被疑者を刑事裁判にかける事が可能なのです。
他には国家賠償請求訴訟や行政訴訟など、民事事件で国の代理人としても、官僚として行政に携わる業務も行います。
検察官の仕事内容や業務内容
刑事事件の捜査や、被疑者への求刑を行い、法廷で証言する仕事
検察官の具体的な業務は刑事事件について捜査を行い、被疑者への求刑を行う為に裁判所に起訴をして、法廷で証拠を使い犯罪について説明し、立証する事が主な業務となっており、事件の捜査については検察官は殆ど現場を捜査する事はありません。
現場の捜査は警察が行い、検察官送致により事件を検察官が引き継ぐ事から検察官の業務が始まります。
検察官自らが捜査を行うのは政治家の汚職事件などの経済的な犯罪事件などで、家宅捜査などの捜査を行います。
現場での指導監督を行う場合もあり、凶悪事件や世間を騒がせる大事件などが発生した場合に、捜査チームを編成したり、公判での計画を立てる為に全体の指揮を執り、事件について活動します。
また、法務省に移籍し、法制度に関する研究や法案の作成などの業務も行います。
民事事件を稀に行う場合もあり、法に乗っ取り適切に行われなかった婚姻の取り消しの申立てや故人の認知請求事件など、故人に代わり、被告として提訴を受ける事もありますし、遺産相続についての管理人選任に関して裁判所に申し立てを行う事もあります。
被疑者の犯行が確定的な場合であっても状況によって起訴しない場合もあり、被疑者を起訴する事のできる権限を持っているのは日本では検察官のみとなっています。
検察官の仕事内容や業務内容とは?検察官と検事の違いについても解説
検察官になるにはどうすればいい?
法科大学院を修了もしくは予備試験を合格後、司法試験に合格し、法務省の試験を通過
検察官になるには、司法試験を受けて合格しなければいけなく、司法修復終了後の法務省が実施する面接試験で能力や適性が認められれば検事として採用されます。
司法試験は2006年から新司法試験として条件が必要になり「法科大学院を修了している人」または法科大学院を修了していない人を対象に行われる「予備試験に合格する事」で受験資格を得る事ができます。
一般的なルートでは、各大学の法学部を卒業し、法科大学院へと進学して司法試験に合格したのち、司法修習を1年間受け、修了試験の司法修習考試に合格すれば検察官になる資格が与えられます。
司法試験では検察官志望者のうちおよそ12人に1人の合格率だと言われていて、検察官は狭き門となっており、司法修習中1年間での姿勢や成績・適正などを判断される為、誰でも検察官へとなれる訳ではありません。
試験は短答式と論文式の総合評価によって点数が出されるので、様々な能力が必要となってきます。
検察官になる為には高度な法律の専門知識が求められる為に、大学では法学部で法律の知識を学んでおかなければなりません。
また、弁護士や裁判官などの資格を持っている場合には検察官になる為の資格があります。
検察官になるには年齢は関係なし?大学の偏差値はどれくらい必要?
検察官になるための学校や学費の詳細
専門学校や予備校だけでなく通信講座もある。学校に通う場合には~120万円程
検察官を目指す為に必要な勉強ができる学校は、様々ありますが、司法試験から始める試験対策については、専門学校や予備校が沢山あり、また独学で始められる通信講座も充実しています。
自分の環境にあった学校探しをし、経済的な理由で学校が困難な場合には通信講座での取得は受講費用が比較的安く抑えられます。
また大学では検察官になる為に特化した大学も多く存在し、検察官になる為の講座までも用意されています。
法科大学院での費用は国立大学で110万円となっていて、私立の大学では150万円~200万円程度となっています。
また、司法試験の予備校や専門学校で大学1年~4年までの司法試験開始まで通った場合には約120万円の費用がかかります。
検察官の給料や年収はどれくらい?
検事20号で月給約23万円、検事1号になると月給約121万円
検察官は公務員ですが、一般の公務員とは異なる給与形態となっており「検察官の俸給等に関する法律」という法律によって1号~20号までの等級が定められており、初任給は検事20号で22万9900円となっていて、一般的な国家公務員の行政職よりも高額になっています。
そして最も高額である検事1号の月額は121万1000円となっています。
それとは別に住居手当や扶養手当、通勤手当、ボーナス等の支給など公務員と同様の福利厚生が整っているのです。
検事が昇進した場合には検事長の123万5000円から検察の最高位である検事総長では月額151万2000円となっています。
しかし、一般的な公務員と異なる部分は検察官には残業手当は支給されないという点で勤務時間外の労働の多い検察官の給料が多いのには、給料に残業手当が含まれているという見方ができます。
検察官の1日の流れ
事件の把握や取り調べの準備を行い、被疑者に対して取り調べを行う
検察官の一日例として、朝:8:30登庁(検察官に限らず庁に出勤をする事を登庁と言います。)
午前中に仕事の準備・確認を行います。
大抵前日に仕事の準備は済ませているので、午前中は準備確認を行います。
検察官の業務の量は多く、準備を怠る訳にはいかないので、しっかりと当日慌てないよう前日から準備しておく場合が殆どです。
検察官の行う捜査の大半は取り調べとなり、取り扱う事件の記録を読み、それについて色々な考え方をし、事件記録を頭に入れておきます。
しっかりと事件を把握し、色々な見解を行い取り調べの準備をしておく事で、被疑者の疑わしい部分や嘘が明白になってくるのです。
殆どの検察官はそれについて把握している為、午前中の準備を怠らないのです。
そして被疑者が検察庁に来た時に取り調べを開始します。
そして最終的な処分を決める必要があり、処分をするには上司に了承を得なければならず、その為の資料を作成していきます。
その間にも検察庁には新しい被疑者が送致されてくるので、それに関しても調査し、勾留請求の判断をしなければなりません。
勾留請求は裁判官に勾留状の発行を求める事です。
新しい事件に関しても捜査方針を計画し、捜査を開始します。
午後0時~午後1時の間に昼食を取り、17時退社が基本的な一日ですが、業務によって変化するので、安定的な勤務時間を確保する事は難しくなっています。
検察官の1日の流れやスケジュールは忙しい?勤務時間は短い?長い?
検察官に向いている人や適性とは?
冷静な判断力と責任感のある人
検察官の業務は幅広く、様々な事件に対応できる為に多くの能力を求められます。
如何なる状況下においても検察官は冷静に物事を判断しなければならず、勤務時間も長く不規則でも責任感を持って取り組まなければなりません。
自分の信念を常に心に持ち、社会的な立場で判断する為に、自分を信じ立ち向かう情熱が必要となります。
裁判で例え不利な状況に陥ったとしても、真実の解明をする為には強い精神力が必要となる事も多く、周囲の空気に流されず私情を挟む事は許されないのです。
そして自分の発言一つ一つが、人の人生を大きく変えてしまう可能性があるという気持ちを強く持って、業務も決してミスがないように細心の注意を払う必要があります。
どんな業務であっても検察官は正義感を持って職務を遂行できる強い精神力を持っている人こそ検察官にふさわしいと言えるでしょう。
検察官に求められる能力とは?
チームワーク力と観察力、行動力や判断力など細かな点が求められる
限られた時間で状況を冷静に判断し、法に乗っ取って的確な判断を行う必要があります。
そして警察と協力する事で調査がスムーズになるのでチームワークが必要不可欠であり、また証言者選びや被疑者への調査に関しても観察力を必要とします。
何より検察官に求められるのはその行動力・判断力・観察眼となります。
そして現代では外国人の犯罪も多く、検察官には語学力や国際犯罪に関しての知識も必要となり、国際犯罪を受ける事によって大使館や研究施設などの業務の場が増えるので、長時間の労働を行わなければならず、体力や精神力も求められます。
裁判においても、裁判官の心情を考慮し、被疑者や事件関係者に対しても常に理性的で冷静な態度で接する事が必要になります。
検察官の就職先や主な活躍の場はどこ?
検察庁や裁判所、矯正局や訴訟局など様々
主に検察官が活動する場は法務省所属の検察庁という行政機関で働きますが、検察庁には最高検察庁・高等検察庁・地方検察庁・区検察庁の4種類があり、検察官の種類によって配属が決められています。
そして検察官の活動の場は幅広く、裁判所や検察庁の取調室、事件に応じて活動場所が増える事もあります。
検察官が所属している法務省では刑事局に所属する検察官が刑事司法の実現を目指し、刑法・刑事訴訟法などの見直し、検討を行っています。
矯正局では刑務所などに収容された人に対して適切な処遇であるか指導や監督を行います。
保護局では刑務所などに収容された人の仮釈放関する事や執行猶予になった人など様々な事務作業を行います。
訴訟局では国が被告とした訴訟事件に関して、国の代理人となったり、国の利害関係があると認められた訴訟の担当を行います。
法務総合研究所では総務企画部で調査研究に関する企画立案や研究部では刑事政策の研究を行い、研修部では職員の研修や検察・法務行政に関する実務の研究、国際連合研修協力部では国連アジア極東犯罪防止研修所の運営やアジアに対する法整備の支援を行うなど、それぞれの部署で法務の総合的業務を行っています。
検察官の志望動機や目指すきっかけとは?
裁判を経験した中で知識を深めたいと思い検事になること等
検事を目指すきっかけとして多いのは意外にも、その他の職業を目指していたという声が多く、司法について学んでいく途中で考えに変化があったり、目的に変化があったという方も少なくないのです。
また、自分が裁判の経験者で結果に納得がいかず、法律に知識を深め検事になったという人も多くいます。
また、修習中での模擬研修などで教官に資質を認められ検察官になる事を勧められたという人もいます。
何より法律に対しての取り組みが熱心であり、司法に関して楽しいと感じている人は追究心が強く、正義感に溢れている人が検察官には多いのです。
検察官を目指しているきっかけとなる多くは司法への興味であり、事件の始まりから法的なプロセスを歩んでいく中で事件に関して最も真実に近い存在が検察官なのだという興味や好奇心を抱き始めるのが検察官を目指す人の多くの理由となっています。
検察官の志望動機や志望理由を調査!検察官を目指すきっかけとは?
検察官のやりがいや楽しさとは?
自分の力で問題が1つにまとまり、適切な判断を下すきっかけになれる事
検察官のやりがいも人により様々ですが、多くの検察官が感じている事は、捜査をする上で直接的に当事者に聞き取りをして見える感情や意見を聴き、法律に基づいて事件に関する最善策を考え、計画を立てていく事でその努力が結果として成功した時の被害者からの感謝が大きな原動力となっています。
また、聞き取りをする対象は時に子供が相手の場合もあり、嫌な事を思い出させてしまったり、話したくない事を聞かなければならないという事も多く、できるだけ安心してもらう為に、被害者を保護するという姿勢できちんと聞き取りをして、起訴できた時に感謝してもらえる事が何より仕事のやりがいを感じる瞬間です。
検察官として自分の力で問題が1つにまとまった時に検察官をやっていて良かったと感じるという声も多く、何より正義感や使命感が多い検察においては、被疑者に対して味方意識を持って安心してもらう事を意識して業務に取り組みます。
検察官の辛いことや大変なこととは?
被疑者との会話の中で感情的にならないこと、真実を追求し続ける事
検察官も一人の人間であり、密接に被疑者と接している為、同情心や共感を生まないようにあくまで一定の距離感を持って接する事を意識しなければならないのが検察官の大変な部分で、検事として業務を行っていると捜査に没頭するあまり感情的になってしまう場面もあります。
それをふまえた上でしっかり証拠を確認し、真実を追求していく事が、検察官として仕事の難しさを感じる点と言えます。
検事として被害者に結論を求める事はできず、あくまで法律に沿った選択をしてもらう事を目的としているので、検察官は被害者に対して必要以上のアドバイスをしないよう心掛けなければなりません。
そして捜査に関しても捜査は人権に触れる行為なので、自身の検察官としての権力を行使するという事は非常に責任感のある事だと忘れないように日々意識する事が大切です。
身を守る為にも検察官である事を隠して公務員として職業を答えているという人も多く、どこで恨みを持たれたり、危害を加えられる危険性があるのも検察官の職業の大変な所です。
検察官という職業で大変なことや辛いこととは?人手不足は本当?
「検察官」の資格取得について
検察官の資格については、まず検察官を目指す為に必要となってくるのが、受験資格で法科大学院を修了しているか、司法試験予備試験に合格する必要があります。
そして司法試験に合格し、司法修習生を修了して試験に合格する事で得る事ができます。
流れとしては受験資格取得・司法試験合格・司法修習での試験(司法修習修了試験で二回試験と呼ばれている)全てをクリアしなければならず、試験は全てにおいて長期的に計画を立てて行わなければ合格は難しいとされています。
試験の通信講座を受講すれば司法試験には合格できる?
一般的に大学の法曹講座を受講しながら通信講座を受講する人が多い
検察官の資格を取得する為の講座は様々あり、各大学の法学部から課外講座として検察官になる為に学部段階で法曹講座を開設されています。
法曹を目指す為には合格率約20%の司法試験からその後の試験まで全てに合格する必要があり、早期段階での講座学習が重要となってきます。
司法制度改革によって法曹の養成制度が変更前の合格率は約3%前後となっていて、現在では合格率が約20%前後と高くなっているのは、学部段階での大学で行われる養成講座が導入された影響と言われています。
法曹として実力を育んでいくには、基礎的な知識や技能が必要となってくるので、大学在学中に法曹講座を受講し、その他にも通信教育講座で司法試験の対策など、受験のプランを強化していく事が合格する為必要となってきます。
検察官を目指すには試験合格が最低条件として沢山の勉強が必要になってきますが、幾つもの勉強を重ねこの試練を乗り越えられなければ、仮に合格したとしても検察官の厳しい業務を遂行するのは難しいとされています。
その為、自身の学習環境を整える為にも、通信講座での学習は検察官を目指す上で司法試験合格から始まる受験計画を立てていく為に必要不可欠と言えます。
司法試験予備試験ならアガルート!
司法試験予備試験合格を目指すなら、大手通信講座のアガルートアカデミーがおすすめです。
令和4年の司法試験の合格占有率は45.3%と約半分ほどを占めており、合格者1403名のうち636名がアガルートの受講生でした。
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司法試験予備試験の日程
11月の中旬~下旬ごろに5日間にわたり開催
検察官になる為に重要な試験について、司法試験は法科大学院修了者は、終了後の最初の4月1日から5年間の受験期間で5回の受験が可能となっており、司法試験予備試験合格者は合格発表後の最初の4月1日から5年間の受験期間で5回の受験が可能となっています。試験時期は5月中旬に4日間の日程で行われていて、論文試験が選択科目/公法・民事・刑事の3日間で、短答式試験が民法(75分)憲法(50分)刑法(50分)の1日で、短答式試験と新聞式試験は同時期に行われるので、受験者全員が両試験を受けます。
そしてその後の法曹資格取得の為の二回試験では例年、11月中旬~下旬に民事裁判・刑事裁判・民事裁判・刑事弁護・検察の各科目1日1科目で5日間にわたり実施されます。
検察官になれる司法試験の難易度とは?
一定の合格者数がキープされたことで合格率自体はさほど低くない
司法試験とは裁判官・弁護士・検察官になる為には必ず合格しなければならない国家試験で、司法試験は日本で最も難易度の高い試験とされています。
まず法科大学院を修了するか司法試験予備試験に合格する事が必須条件となってきます。
難易度の非常に高い試験となりますが、平静27年に法務省が法曹養成制度改革を行い、受験者数の中で一定の合格者数がキープされているようになり、それ以降の合格率が高い傾向にあります。
二回試験は合格率が高い傾向にありますが、万が一不合格となった場合には、内定を取り消しになる場合があるので、気を抜かずしっかりと試験対策をしておく必要があります。
二回試験の採点は教官が行っていて、基本的に善意解釈を心掛け採点して、合格ラインに到達できない修習生の答案について、教官同士の会議を行い、満場一致で不合格となった場合に落とされるようです。
ではなぜ二回試験は多くの受験者から恐れられているかというと、検察官・裁判官を目指している場合、次年度の二回試験に合格しても裁判官・検察官にはなれないのです。
なので、難易度は高くはない試験ですが、二回試験で裁判官・検察官を志す受験者は何としても1発合格しなければなりません。
司法試験の難易度が高い理由とは?司法試験を合格する必勝法はある?
司法試験予備試験の合格率や合格ラインとは?
司法試験予備試験の合格率は3~4%、合格ラインはとても高い
まず検察官を目指す為に必要なのは受験条件をクリアしておかなければならず、法科大学院修了以外には司法試験予備試験を合格しなければなりませんが、司法試験予備試験の最終合格率は3%前後となっています。
過去の司法試験において合格者1525人中336人が司法試験予備試験合格者で、その合格率は77%以上だったという過去もあり、司法試験合格率ランキングでは司法試験予備試験合格者が司法試験合格率1位です。
検察官を目指す人の司法試験での合格率はおよそ25%前後となっており、司法試験の最低ラインは1科目あたり満点の40%に到達しなければ不合格となります。
司法修習生考試(二回試験)では司法修習が最後の関門として、今までに培った知識の最終試験とされていて、二回試験に合格するには、論文式試験の全科目で25%以上の点数を獲得して、短答式・論文式の合計点800~900点の成績が合格ラインと言われています。
二回試験の合格率は例年90%以上が合格していて、不合格者は次年度に受験する事になりますが、不合格率は平成20年度には6%以上ですが、ここ数年は約2%となっていて、二回試験の不合格率は減少傾向にあります。
検察事務官に関しては事務となっており、国家公務員採用一般職試験に合格しなければならず、合格率は約18%となっています。
司法試験の勉強方法や勉強時間
予備試験で年間2,500~3,000時間。司法試験は自身が暗記できる裁量による
まず検察を目標とする為には受験資格が必要となり、経済的な理由などで法科大学院に進学できなかった場合には司法試験予備試験に合格する必要があります。
この試験に必要な勉強時間は最低でも年間2500~3000時間必要となり、受験のプランを立てて、効率の良い勉強方法を考えなければなりません。
勉強方法は主に専門の予備校に通うかオンラインの通信講座での勉強となります。
そして司法試験予備試験を通過したのち、司法試験の勉強が始まります。
法科大学院在学中での勉強は授業外で毎日4~5時間の勉強時間を確保し、休日には約10時間程度の勉強時間を確保できれば、合格が望めると言われています。
司法試験合格者が最も勉強で心掛けた事は、自分に合った勉強時間を確保する事にあり、詰め込みすぎても記憶ができず、反対に短すぎても勉強時間不足になるので、安定的な勉強時間を作る事で集中できる勉強スタイルを、心がける事が大切だという点です。
中には1日の勉強時間を2時間に設定し、無理なくゆとりを持って勉強する事でしっかりと記憶できるという方法で勉強している方もいるので、自分の性格や環境に合わせての勉強時間を無理なく考え計画する必要があります。
司法試験に合格する為の勉強法とは?先ずは勉強の仕方から見直そう!
検察官になる為の資格を最短で取得するには?
自分に合った適切な予備校や通信講座で受講し効率的に勉強していくこと
検察官となる為には、大学の法学部に進学し、在学中に司法試験を通過し、法科大学院へと進み、司法修習を1年行い二回試験をパスして、検察官となるのが最短の検察官になるルートとなります。
少しでも早く検察官となる為には人並み以上の努力をしなければなりませんが、大学在学中に司法試験合格をパスしている学生もいます。
しかしながら、何もかも1発合格して通過するのが極僅かとなっており、別のルートとしては司法試験や予備試験に関する対策講座や専門学校などのスクールに通って取得を目指すのも、早期取得が可能になっています。
専門学校や講座などでも、検察官になる為に必要なカリキュラムが複数組み込まれていて、試験勉強しやすい体勢が整っているのです。
現在では、どこの講座や専門学校でも様々な授業があり、検察官になるまでのより良い学習環境が整っているものが多いようです。
卒業後に相談に乗って紹介なんて場合もあるそうなので、そういう部分に強い学校を選ぶのも検察官としてキャリアを始める為には早く働き始める事もできそうです。
スムーズに検察官を目指すのであれば、自身の学習環境や経済状況、ライフスタイルを踏まえた上での受験計画が必要となります。
検察官として最短の取得を目指す上で大切なのは、人並み以上の勉強とやる気や人の人生を大きく変える可能性のある責任感が伴う職業なので、司法に関する勉強は独自のペースで学んでいくのが何より大切でしょう。
検察官になる為の資格を最短で取得するには通信講座がおすすめ?
司法試験を独学で勉強するのは難易度が高い?
通信講座を活用しての独学なら合格が見込める
検察官を目指す為に必ず合格しなければならない司法試験ですが、法科大学院を修了していなければならず、様々な理由で進学できなかった方は受験資格がありません。
受験資格を獲得するには司法試験予備試験を通過する必要があるので、まずはその為の勉強をしなければなりませんが、司法試験予備試験は合格率が約4%と難易度は高いですが、司法試験予備試験の合格には独学での合格も不可能ではないのです。
合格を目指す為の手段としては、予備校に通うか通信講座でのオンライン予備校が主なルートで、各ルートでも特化するサポート内容に違いがあります。
予備校では予備試験の対策や生徒への個別対応に特化していますが、通信講座では、予備試験対策に生徒の個別対応はもちろん自分の都合に合わせた時間に勉強ができるのが最大のメリットとなります。
通信講座では費用も抑えられるので、独学で勉強するには通信講座がおすすめです。
独学で司法試験を合格するには参考書と通信講座どっちがおすすめ?
司法試験の過去問題集をチェック
司法試験では一度出た問題が再び出る事はないが、ある程度の傾向を予測できる
試験対策の1つとして一般的なのが過去問題を繰り返す勉強方法です。
司法試験の問題は過去に出題された問題は二度と出題される事はありませんが、その過去問題の解答に注意し、解説やテキストなどでそれについて詳しく調べ知識を広げる事が大切なのです。
司法試験での失敗で最も多いとされているのが、過去問に頼りすぎた結果「思った勉強内容が試験で活かされなかった」という点で、問題が重要なのではなく、あくまでその論点が重要になり、解答に対しての見解が重要となっています。
一般的な試験での対策は試験の過去問を解いて、答案とテキストや問題の解説を復習する事を繰り返すという方も多く、過去5年間の勉強を繰り返せば理論的に効率が良く、最も効果が実感できる勉強法と言われています。
そしてそれは二回試験にも言える事で、司法の勉強で重要となるのは「分からない場合でも解答をする」という事になってくるのです。
司法試験の受験資格や検察官の実務経験について
試験受講後に実務経験は特に不要だが、時代ごとに法案も改訂されるため常に勉強
検察官になる為の司法試験の受験資格は、法科大学院在学中または修了者・司法試験予備試験合格となっています。
受験条件をクリアし、司法試験に合格すれば1年間の司法修習を学び二回試験を受験する事が可能になります。
しかしながら検察官になる為には法務省が実施する採用試験を通過しなければなりません。
二回試験合格後に検察官としての実務経験は必ず必要とはなりませんが、検察官となったとしても法律は時代と共に変化し、新しい法案も作成されるので、日常的な司法の勉強が求められます。
時代の流れと共に検察官もそれに対応できなければならず、検察官として実務経験を重ねながら向上心を持っておく事が大切です。
検察官になるまでの道のり
法科大学院修了もしくは司法試験予備試験を経て2回の試験を合格
検察官になる為の道のりで必要となってくる司法試験の受験資格では、法科大学院修了か司法試験予備試験合格となっています。
まず法科大学院から目指すルートでは、法科大学院に入る為、マークシート式の適性検査を受け、出願して合格する事が必要で、受験資格は大学卒業または大学卒業程度の知識などの資格が必要になります。
司法試験予備試験でのルートは特別な受験資格や回数などは無く、短答式試験と論文式試験を合格すれば、法科大学院修了と同程度の受験資格を獲得する事で司法試験の受験が可能になります。
法科大学院修了者または、司法試験予備試験合格者は司法試験を受験する資格があり、司法試験合格後に1年間の司法修習で実務を積み、検察官になる為の二回試験を通過しなければなりません。
検察官への道のりは非常に厳しく、難易度の高い試験をクリアしても適正や資質がなければ通過できない狭き門なのです。
そして検事として任官するには志望者の中から能力や適性、人間性など総合的な評価を出し、正式に検察官として採用されます。
別のルートとしては、検察事務官や裁判所職員など法務省の各機関職員の係長以上の職位で30歳以上であれば部内試験を通過し副検事になる事もできます。
検察官になる一般的なルートとは?大学に行かなくても検察官になれる?
「検察官」の雇用形態について
検察官は個々に検察権を行使できる独任制宮長です。
検察官の職務は一般的な業務より過酷とされていて、勤務時間など不規則な業務が多いと言われています。
なので、休日、勤務時間などが安定しないとされている業務ですが、検察官には様々な職務があり、検事総長・次長検事・検事総長・検事長・検事などで、職務によって雇用形態が異なってきます。
また待遇も多くの福利厚生があり、一般的な公務員よりも給料の多い検察官は安定的な雇用が見込まれているのです。
検察官の雇用形態や働き方の詳細
職務によって所属場所が定められているため、様々
検察官といってもその職務は様々で、職務によって所属場所が定められていて、検事総長は最高検察庁の長として庁務を務め、次長検事は最高検察庁に属し、検事総長の代理として職務を行う事があります。
検事長は高等検察庁の長として努め、裁判所の管轄区域である地方検察庁や区検察庁の職員の指揮監督を行い、検事や検事正は最高検察庁・高等検察庁・地方検察庁に配置されて、捜査や公判の裁判執行の指揮監督業務を行い、副検事は区検察庁に配置されて、捜査・公判の裁判執行の指揮監督業務を行います。
また、検察官の定年は63歳となっていて、定年前に弁護士にキャリアチェンジする方も少なくありません。
近年では女性の雇用・管理職登用も増加傾向にあり、安定した生活を意識した労働環境作りを実践しているようです。
検察官の勤務時間や休日について
土日祝日休みだが、休日返上や残業で出勤が必要になる場合が多い
検察官の勤務形態は部署や所属によって違いはありますが、基本的な労働形態は1日の勤務時間は7時間45分で基本的には祝日の他に週休二日制で、土日は休日となっていて、年次休暇は年間20日あり、その他の結婚や忌引などの特別休暇と病気休暇があります。
しかし、現実的には検察官の業務は長時間に渡って行われる事が多く、休日返上で仕事をする検察官が多く、残業や休日出勤の多い職業です。
休暇が20日取得できなかった場合には、翌年への繰り越しとなっていて、休日出勤などに関して休日給などの支給があります。
勤務時間は一般の公務員同様に基本的には9時~17時とされています。
そして検察官は転勤が非常に多い職業で有名で、2月下旬~3月上旬の内示によって、約2年~3年ペースでの転勤があり、異動先は全国で、主に高等検察庁や地方検察庁となりますが、他省庁や弁護士事務所・法科大学院などの派遣などもあります。
検察官の転職状況の詳細
裁判官や弁護士にキャリアチェンジする人も多い
法曹資格を取得していれば検察官以外にも裁判官や弁護士としての試験を受ける事が可能になります。
弁護士から検察官へ、検察官から弁護士へとキャリアチェンジされる方も少なくありません。
検察官の定年は満63歳となっており、将来的に出世が期待できない場合にも弁護士にキャリアチェンジする方が多くいますが、検察官から弁護士に転職した場合は、弁護士未経験者としての転職活動は非常に困難で、殆どの場合法律事務所では即戦力を重視している事もあり、やる気やその姿勢を基準とした採用を行っている法律事務所など、弁護士としてのキャリアを歩み始める為に事務所選びが大切となってきます。
また、検察官の経験を活かし、企業内での専門弁護士として組織への所属を行う人もいます。
検察官の転職状況とは?検察官から弁護士になる人が多いって本当?
検察官の現状や将来性・需要について
現代の法律を扱う仕事なので需要は多く、年々増加の傾向がある
検察官の業務は常に現代の法律を扱う為、仕事が無くなるという事はありません。
そして現代では新たなインターネットなどの新しい法律も多く、新しい犯罪も増えている為、検察官の需要は年々増加傾向にあるので、検察官の需要はこれからも減少する事はありません。
過酷な労働が囁かれる検察官ですが、近年では残業時間の記録を行っていて、残業が多い場合には指導が入り、女性検事にも産後・育児休暇などの制度も導入されていて、検事として活躍する女性も年々増えており、働きやすい環境を目指しています。
女性の検事が増加する事で、被害者の感情を汲み取った柔軟な対応ができ、職場でも男性の多かった検察官に女性が参入する事で場の空気が和んだという声が多くあります。
検察官の行う業務は多岐に渡り、訴訟問題や重罪事件での総指揮、裁判の執行など行わなければならない業務が多くあり、どの検察官も常に仕事を複数抱えている状態で、警察や国民にも裁判でも重要な役割を担っている検察官は業務に困る事もありません。
また、他の一般公務員と比較しても収入が高額な点でも、検察官の仕事は社会には必要不可欠な存在でやりがいがあり、将来性の高い職業と言えるでしょう。
検察官の就職状況や求人について
検察官は正式通知が来るのが遅いため、法律事務所などでも就職活動を行う
司法修習を修了生の進路に多いのは、裁判官・検察官が多く、弁護士としての進路は企業などへの所属が多くなっています。
多くの検察官志望者も弁護士事務所への就職活動を行っていて、万が一検察官になれなかった場合にデメリットが多く、正式に検察官となれるかの通知が二回試験の結果発表後となっていて、自身が検察官になれるか判明する時期が遅くなっています。
検察官として任官される事への期待が高かったにも関わらず、検察官になれないと通知される研修生も少なくないのです。
そこから就職活動を行っても大抵の法律事務所などでは採用活動が終了していて、その状況からの就職は非常に困難となっています。
という訳で、厳しい試験を通過してきた志望者はその努力を無駄にしない為にも、就職活動を行っておく事が一般的です。