加速化する情報化社会において個人情報は絶対に漏洩させたくない情報です。
2017年5月30日に改正個人情報保護法が施行され、一般的にも個人情報保護について注目されています。
しかし、実際に個人情報保護法や個人情報の取り扱いを熟知している人は多くありません。
そこで今回は、個人情報のプロとも言える個人情報保護士資格の勉強法、過去問やテキストを活用した試験対策について解説します。
個人情報保護士とは?
個人情報保護士は財団法人全日本情報学習振興協会が設けている民間資格です。
「個人情報保護法の正しい理解と安全管理に関する体系的な理解」と「企業実務において個人情報の有効活用や管理・運用を行うことのできる知識や能力」の向上を目的に2005年の個人情報保護法全面施行にあわせ試験が実施されるようになりました。
この試験に合格することで個人情報保護士として認定されます。
個人情報について特化した資格ですので、受験者には各企業の個人情報やコンプライアンス担当や人事担当、部下の個人情報を扱う管理職や個人情報の重要性を認識させる為に新入社員へ受験を推奨する企業もあります。
また、個人事業主等も自身の個人情報の保護と法律の把握と対策を目的に受験する人が増えています。
民間資格ですので、この資格を所持していなければ個人情報を扱う仕事が出来ないというわけではありません。
しかし、個人情報についての取り扱いが非常にデリケートになっている現代社会において取得するべき資格と言えます。
個人情報保護法とは?
個人情報保護法は略称であり、正式には個人情報の保護に関する法律と呼ばれています。
2003年5月23日に成立し、一般企業に直接関わる罰則を含む第4〜6章以外の規定は即日施行されました。
その2年後の2005年4月1日に全面施行され、2017年5月30日に一部改正されました。
コンピュータやインターネットの普及により急速に進んだ情報化により個人情報を取り扱う事例が多くなってきた事で国や地方公共団体の責務等を明確にし、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることによって、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的に制定されました。
個人情報保護士認定試験について
個人情報保護士認定試験は財団法人全日本情報学習振興協会が主催する試験で、第1回の認定試験が2005年10月2日に行われました。
以後現在では年4回、3ヶ月ごとに行われ北海道から沖縄まで全国20ヶ所の会場で一斉公開試験が実施されています。
試験内容はマークシート形式で計100問で構成されており、個人情報保護の総論とマイナンバー分野、そして個人情報保護の対策等の分野から出題されます。
試験時間は150分です。問題数が多いので時間内で回答する素早さも求められます。
個人情報保護の総論とマイナンバー分野、個人情報保護の対策等の分野それぞれ70%以上の正答が合格基準になります。
しかし、全体での正答率の平均が低かった場合は70%以下の正答率でも合格するケースもあるそうです。
平成29年度までの試験では合格基準は正答率80%以上でしたが、平成30年度以降の試験は設問形式や問題内容の改善に伴い合格基準も変更されています。
個人情報保護士認定試験の受験は特に制限はなく、誰でも受験する事が可能です。
受験料は10,000円が必要ですが、団体割、学生割、セミナー同時申込割、連続チャレンジキャンペーン等受験料割引制度が充実しています。
個人情報保護士認定試験の難易度
個人情報保護士認定試験の難易度は高くないと言われています。
公式に発表されている累計の平均合格率は37.3%となっているので低いように思われるでしょうが、個人情報保護士の資格は「法律系」に分類されます。
法律系の資格という中で見てみればこの合格率は決して低い数字ではありませんし、むしろ法律系の資格の中では入門編の資格と言えます。
平成30年度から合格基準も見直され、より合格し易い環境になっているのが現状です。
しかし、一般的な資格試験と比較すればやはり合格率の低さから見ても難しい資格と位置づけされるでしょう
個人情報保護士の資格を取得する為には?
個人情報保護士の資格は、これからの企業においてのコンプライアンスや管理に必要になる資格です。
個人情報保護士認定試験合格者の平均年齢が37歳と言われていますので、丁度企業の中でも中堅に差し掛かる層が多く個人情報保護士の資格を取得しています。
この事からも企業側も企業で責任ある立場にある人等に積極的に受験を推奨している事が伺えます。
しかし、忙しい日々の業務の傍らどのような勉強法で勉強すれば合格する事が出来るのか?疑問に思う人も多くいると思います。
そこで個人情報保護士認定試験の試験の勉強法や対策について解説していきます。
個人情報保護士試験の勉強法
個人情報保護士認定試験の勉強法は様々な方法があります。
代表的な勉強法は独学、講習会受講、通信講座の3つです。
独学での勉強法は一番一般的な勉強法で、
自分の空いた時間で効率的に勉強することが出来ます。
しかし、独学での勉強法ではモチベーションを維持するのが非常に難しくなります。
独学での勉強法では長続きしない、面倒だと感じる人には講習や通信講座での勉強法がオススメです。
この勉強法であればテキスト等は準備されていますし、重要なポイントを教えてくれるので効率的に勉強が可能になります。
しかし、その反面講習会は日程が決められていますので日程の調整が困難な人には向きません。
通信講座は自宅で用意された教材を自分のペースで勉強する事が出来、重要なポイントも教わる事が出来ます。
独学での学習と講習会の良い所取りしたような形で非常にスムーズに勉強が出来る勉強法です。
しかし、金銭コストが他の勉強法に比べて多くなる可能性が高いですので注意しましょう。
個人情報保護士のおすすめの勉強法とテキストは?
個人情報保護士資格の勉強法は「この方法が絶対良い!」という訳ではなく、個人個人に合った勉強法を選択する事が重要です。
前述した独学での勉強法や講習に参加しての勉強法、通信講座を活用した勉強法それぞれのメリット・デメリットを理解して自分にあった勉強法を選びましょう。
おすすめの勉強方法
通信講座や講習会に参加する勉強法も確かに有効ですが、多くの合格者は独学での勉強法を採用しています。
ですので、最初は独学での勉強法を採用し、その後の学習度合いや理解度に応じて講習会の参加や通信講座の受講を検討するのがオススメです。
個人情報保護士のテキストや参考資料、過去問は豊富にありますので独学での勉強法でも十分合格する事が可能です。
おすすめのテキスト
テキストで言えば、公式のHP内にある参考書籍のページで紹介されています「合格セット」がオススメです。
このセットだけでテキストや問題集を網羅していますので他に買い足す必要がありません。
過去2回分の過去問も同封されており、オールインワンで勉強出来ますので独学での挑戦を考えている人には非常に有効です。
それ以外にもオススメのテキストが紹介されていますのでこちらのページで詳細は確認して下さい。
過去問に関しては、インターネットで検索すれば過去問が出てきますし、公式HPに参考問題が掲載されています。
公式HPで紹介されたテキストと併せてこちらを活用しても良いでしょう。
個人情報保護士認定資格まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は個人情報保護士認定資格試験の概要や難易度、勉強法について解説しました。
個人情報保護士の資格取得は資格全体で言えば難易度は高めです。
しかし、法律関係の資格でいえば入門編とも言える資格ですので、そういった関係に興味があれば是非取得したい資格です。
勉強法もテキストや過去問を駆使すれば十分に合格する事が可能ですので気軽に勉強をスタートする事が出来ます。
それ以外にも講習会や通信講座等の勉強法を併用する事でより合格率を高める事が出来ますので、先ずは独学での勉強法を試してみましょう。