不動産鑑定士は20代~40代前半の男女が目指せる、受験資格がなくサラリーマンに人気資格です。
不動産鑑定士資格取得者は他にも該当なしと呼ばれております。
不動産鑑定士の資格は「国家資格」です。
この記事では、不動産鑑定士を目指す方向けに、不動産鑑定士の難易度や受験資格、合格率といった不動産鑑定士試験に関する情報を網羅して解説します。
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不動産鑑定士試験に受験資格はない
不動産鑑定士試験は、年齢や学歴、職歴に関する制限がなく、誰でも受験可能な開かれた資格試験です。
年齢制限がないため、学生から社会人、退職後のキャリアチェンジを考える方まで幅広い年齢層が受験できます。
学歴に関しても、高卒、大卒、専門学校卒など、どのような学歴の方でも挑戦可能です。
さらに、日本国籍を持たない外国人も受験できます。
なお、不動産鑑定士になるためには、合格後に日本国内での実務経験を積む必要がある場合があります。
このように不動産鑑定士試験は受験資格に制約がないため、多様なバックグラウンドを持つ人々が不動産鑑定士を目指すことができるのが大きな特徴です。
ただし、試験の内容自体は難易度が高く、計画的な学習と専門知識の習得が必要です。
不動産鑑定士試験の難易度は高い
不動産鑑定士の難易度は高いです。
不動産鑑定士試験は、短答式と論文式と分かれており、両方の試験対策が必要です。
特に論文式試験では、民法、経済学、会計学はそれぞれ専門の資格レベルの内容ですので高い理解力が要求されます。
そのことからも、不動産鑑定士は不動産関係の資格の中でも最難関資格となっております。
不動産鑑定士国家試験の難易度は?気になる年収や将来性もご紹介
不動産鑑定士資格の合格率
令和5年(2023年)の最新の不動産鑑定士の合格率は以下の通りです。
試験形式 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
短答式試験 | 1,647人 | 553人 | 約33% |
論文式試験 | 885人 | 146人 | 約16% |
参照元:国土交通省『令和5年不動産鑑定士試験短答式試験合格者の発表』、『令和5年不動産鑑定士試験の合格者が決定しました』
短答式試験は1,647人が受験し合格率は約33%、論文式試験の受験者数は885人に対し合格率は約16%となっています。
令和4年(2022年)では、短答式受験者数1,726名に対し約36%の合格率となっており、論文式では871名の受験者数に対し約16%の合格率でした。
短答式試験の合格率は35%前後、論文式試験の合格率は約16%で、どちらの試験も合格率は低めです。
短答式と論文式と分かれているため両方の試験対策をする必要があります。
不動産鑑定士試験の合格に必要な勉強時間は?1日の勉強時間の目安・科目ごとの配分を解説
不動産鑑定士試験の概要
不動産鑑定士試験に関して、以下の情報をまとめました。
- 不動産鑑定士の資格試験料
- 不動産鑑定士試験の年間試験回数
- 不動産鑑定士試験科目等の内容
- 不動産鑑定士試験の合格発表
- 不動産鑑定士の試験会場
不動産鑑定士試験の受験を検討している方は、事前に目を通しておくと良いでしょう。
不動産鑑定士の資格試験料
電子申請の場合は12,800円を電子納付、書面申請の場合は13,0004円分の収入印紙となります。
短答式免除者や論文式科目免除者でも同額となります。
不動産鑑定士試験の年間試験回数
不動産鑑定士試験の年間試験回数は、年に1回となります。
願書配布期間は2月中旬~3月中旬となっておりその期間が受付期間となります。
5月中旬に短答式試験があり7月下旬~8月上旬に論文式試験があります。
短答式試験の合格者は2年間持ち越すことが可能です。
令和6年(2024年)の最新の試験日程は以下になります。
試験形式 | 日程 |
---|---|
短答式試験 | 5月19日(日) |
論文式試験 | 8月3日(土)、4日(日)、5日(月) |
短答式試験は5月19日(日)に実施。
論文式試験は、8月3日(土)~5日(月)の3日間かけて実施されます。
事前に試験日を把握して、余裕を持って学習スケジュールを立てましょう。
不動産鑑定士試験科目等の内容
短答式試験は不動産に関する行政法規と不動産の鑑定評価に関する理論と科目が分かれ、択一式のマークシートが各40問の100点満点ずつとなります。
合格すること論文式試験を受験することができます。
民法、経済学、会計学、不動産の鑑定評価jに関する理論(論文問題が2つ、演習問題が1つ)の6科目をそれぞれ120分100点満点で3日間かけて行われます。
不動産鑑定士試験の試験の時間割の例は以下の通りです。
試験形式 | 試験時間 | 試験科目 |
---|---|---|
短答式試験 | 10:00~12:00 | 不動産に関する行政法規 |
13:30~15:30 | 不動産の鑑定評価に関する理論 | |
論文式試験1日目 | 10:00~12:00 | 民法 |
13:30~15:30 | 経済学 | |
論文式試験2日目 | 10:00~12:00 | 会計学 |
13:30~15:30 | 不動産の鑑定評価に関する理論 | |
論文式試験3日目 | 10:00~12:00 | 不動産の鑑定評価に関する理論 |
13:30~15:30 | 不動産の鑑定評価に関する理論(演習) |
不動産鑑定士試験の合格発表
短答式試験の合格発表は6月下旬~7月上旬にかけて行われます。
その後、合格者は論文式試験を受験します。
論文式試験の合格発表は10月下旬~11月上旬頃です。
国土交通省のホームページや各県庁に掲示され官報で公告もされます。
不動産鑑定士の試験会場
不動産鑑定士試験は、全都道府県で開催されているわけではありません。
以下の通り、短答式試験と論文式試験それぞれで、試験地が限定されています。
試験形式 | 試験会場 |
---|---|
短答式試験 | 北海道札幌市 宮城県仙台市 東京都特別区 新潟県新潟市 愛知県名古屋市 大阪府大阪市 広島県広島市 香川県高松市 福岡県福岡市 沖縄県那覇市 |
論文式試験 | 東京都特別区 大阪府大阪市 福岡県福岡市 |
事前に試験会場までのアクセスや、周辺の宿泊施設をチェックして、当日スムーズに試験会場に行けるように備えておくと安心です。
不動産鑑定士の資格を受験しよう!難易度と合格率はどのくらい?
不動産鑑定士試験に合格するための勉強法
試験内容が短答式と論文式とに分かれております。
短答式の場合、必要な参考書を読破することで独学で合格も可能です。
特に宅建の資格を持っておられる方は重複する行政法規などもありますのでより可能性は高くなるでしょう。
しかし、論文式は民法や会計学、経済学からも出題されるためスクールに通って対策を取らないと独学では非常に突破するには難しいこととなります。
スクールでは1年~1年半かけて受講することとなります。
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不動産鑑定士試験は難関であり、合格には計画的な学習と専門的なサポートが必要です。
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不動産鑑定士の仕事内容
そもそも、不動産鑑定士になるとどのような仕事内容があるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
不動産鑑定士とは、不動産の鑑定評価を行う資格です。
不動産の売買や賃借に関わることは宅地建物取引士が行うことができますが、不動産の売買に関わる鑑定評価は不動産鑑定士しか行うことができません。
もしも不動産鑑定士以外が鑑定評価を行えば、刑事罰の対象となります。
そのため、不動産鑑定士とは適正な地価を評価する上で公共性の高い仕事となり、不動産の有効活用を提案するコンサルティング業務も行うことが主な仕事となります。
不動産鑑定士資格取得後の就職先・年収・報酬相場
不動産鑑定士を取得した後の就職先や年収などを紹介します。
- 不動産鑑定士所持者の職業例
- 不動産鑑定士に向いている人
- 不動産鑑定士と同じ分野の他の資格
- 不動産鑑定士の年収・給料相場
- 不動産鑑定士の現状
- 不動産鑑定士の将来性
- 不動産鑑定士の独立について
- 不動産鑑定士資格を所有している主な著名人
不動産鑑定士の実態を把握して、将来のキャリアプランを立てておきましょう。
不動産鑑定士所持者の職業例
不動産鑑定士資格を取得すると、以下のような職業に就くことができます。
- 不動産鑑定士: 独立して不動産鑑定事務所を運営する、または既存の鑑定事務所に勤務する。
- 不動産業: 不動産会社での物件評価や投資判断のサポート。
- 銀行: 担保評価や不動産投資の審査業務。
- 資産運用会社: 不動産ファンドの運用や不動産投資信託(REIT)の評価。
- 経営コンサルタント: 企業の不動産戦略や資産管理のアドバイス。
不動産鑑定士に向いている人
不動産鑑定士は、事務作業とフィールドワークをバランスよくこなせる人に向いています。
評価基準を明確に伝える論理的な思考力と表現力が求められ、一定のハードワークに耐えられることが必要です。
現地調査とデスクワークを組み合わせるため、体力と知力の両方が重要です。
不動産鑑定士と同じ分野の他の資格
不動産鑑定士と同じ分野で関連する資格には以下があります。
- 宅地建物取引士: 不動産取引の専門資格
- 土地家屋調査士: 土地や建物の調査・測量を行う資格
- 司法書士: 不動産登記や権利関係の法律業務を担当
- 一級建築士: 建築設計および工事監理を行う資格
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不動産鑑定士の年収・給料相場
不動産鑑定士の平均年収は約551万円で、平均年齢は41.6歳です。
また、平均月給は26万円です。
独立開業よりも、外資系金融会社や大手企業内で鑑定士として働くことで収入が大きく上がる傾向にあります。
企業内鑑定士の年収は1,000万円以上になることも珍しくありません。
参照元:厚生労働省『job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)』
不動産鑑定士の年収は高い?現実の中央値や、独立・勤務の収入の違い
不動産鑑定士の現状
不動産鑑定士は、文系三大国家資格の一つとして安定した需要があります。
不動産バブル崩壊後の不況期でも、不動産の証券化が進む中でその評価を行うために活躍しています。
企業会計上、業績に関わらず不動産の鑑定評価が必要とされるため、需要は高まっています。
不動産鑑定士の将来性
都心では大手事務所が多数存在し、証券化や海外取引に対応する企業の後押しで今後も活躍が期待されます。
しかし、地方では大規模な事務所が少なく、個人事務所が中心です。
地方での大きな成長は難しいかもしれませんが、公共機関からの依頼が多いため、地域密着型の事務所として安定した収益を上げることができます。
不動産鑑定士の独立について
不動産鑑定士は独立開業が可能であり、開業資金も少なくて済むのが魅力です。
しかし、競争が激しい都心では大手事務所と競合するため、成長が難しいこともあります。
一方、地方では公共機関からの依頼が多く、地域に根ざしたサービスを提供することで成功する可能性があります。
複数の士業資格を取得し、業務の幅を広げることで独立開業の成功確率を高めることができます。
不動産鑑定士資格を所有している主な著名人
不動産鑑定士資格を所有している著名人には、俳優の石坂浩二氏がいます。
彼は資格取得後も不動産鑑定士として活動し、幅広い分野で活躍しています。
不動産鑑定士は受験資格の制限はないが難易度が高い
不動産鑑定士試験は、年齢や学歴、職歴に関する制限がないため、誰でも受験可能です。
この試験の開かれた受験資格は、多様な背景を持つ受験者に門戸を開いています。
しかし、その一方で試験の難易度は非常に高く、合格するためには計画的な学習と専門知識の習得が不可欠です。
試験は2段階に分かれており、それぞれが専門的かつ高度な内容を含んでいます。
合格を目指すためには、しっかりとした学習計画を立て、予備校やオンライン講座などのサポートを活用することが効果的です。
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