不動産鑑定士は独学で目指せる？気になる勉強法もご紹介

不動産に関する資格の中でも人気の資格であり、関連業種への就職の際にも役立つ資格に不動産鑑定士が挙げられます。

受験資格は不要ですが、試験の難易度は高く、容易には合格できません。

実際に資格取得を考えている方は既に勉強を始めている方もいると思いますが、不動産鑑定士はそもそも独学で目指せる資格なのでしょうか。

ここでは、試験の合格率や試験難易度について解説します。

また、独学での勉強に向いている人の特徴についても紹介しているため、独学での勉強を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

この記事で分かること
• 不動産鑑定士に独学合格するのが難しい理由
• 不動産鑑定士試験のおすすめな独学勉強法
• 不動産鑑定士の試験を独学で勉強するのに向いている人の特徴・向いていない人の特徴

不動産鑑定士になるには？難易度・仕事内容・合格率・給料相場

不動鑑定士の資格

そもそも不動産鑑定士とは、その名の通り土地や建物などの不動産の価値を鑑定する専門家で国家資格の一つとなっております。

不動産鑑定は経済状況や社会情勢によって変動する不動産の価値を見極めるために土地の調査から実際の査定を行うことが主な業務です。

また、国土全体における均衡の取れた地価形成を保つという重要な責任も担っています。

不動産鑑定士に独学で合格するのが難しい理由

不動産鑑定士試験に合格するためには、担答式試験と論文式試験の両方に合格しなければなりません。

気になる不動産鑑定士国家試験の合格率ですが、一次の短答式試験の合格率は毎年30%前後、二次の論文式試験が15%程度となっております。

不動産鑑定士は司法試験、公認会計士、に並ぶ三大国家資格の一つでもあることから、社会的な信用がありますがそれだけ試験の難易度も高めとなっているため合格するのは至難の技です。

短答式試験の概要や合格の基準

これから実際に不動産鑑定士の資格を目指される方もいると思いますが、一次試験の短答式試験は独学で目指すことが可能です。

不動産鑑定士の短答式試験は、主に「鑑定評価理論」と「行政法規」の2分野から出題され、いずれも5つの選択肢から選ぶマークシート方式となっています。

「鑑定評価理論」と「行政法規」いずれもそれぞれ120分で40問、合計240分、80問の試験となっているため問題を解くスピードも重要になります。

「鑑定評価理論」では、不動産鑑定士として働く際に必要不可欠である不動産に関する基本的な知識から地価の鑑定や査定に関する評価基準、その他の留意事項が問われます。

「行政法規」では、不動産を扱う際に必ず知っておかなければならない都市計画法、建築基準法、不動産登記法など不動産そのものに関する法律に加えて、道路法や公園法など行政の条例や法律など不動産の全般的な法律についての知識が問われます。

論文式試験の概要や合格の基準

一次の短答式試験は独学で十分合格を目指すことができますが、二次の論文式試験は独学ではほとんど合格は不可能です。

二次試験の論文式試験は3日間の日程で行われます。

一日目には民法、経済の分野に関する論述問題が出題され、二日目は会計学、不動産鑑定評価理論1、そして三日目には不動産鑑定評価理論2・3という非常に長い試験日程となっているため忍耐力や集中力も必要となります。

不動産鑑定評価理論3の試験は120分で大問が1つ、それ以外の分野はそれぞれ120分で大問が2つ出題されます。

論述問題はいずれも問題ごとにB4用紙の半面に記述していくことになり、それぞれ1000文字程度以上記述する必要があります。

論文式試験の合格の基準としては、全体で6割の正答率を基準に土地鑑定委員会が相当と認めた得点以上で合格となり、一次試験同様分野ごとに一定の得点が必要となります。

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不動産鑑定士試験のおすすめ独学勉強法

不動産鑑定士試験のおすすめの独学勉強方法は、以下の3点です。

短答式試験は、しっかり勉強すれば合格できる可能性は高いでしょう。

論文式試験の対策をしっかり行うことが、合格の必須条件となるため、対策方法を把握しておく必要があります。

短答式試験の対策をする

短答式試験に合格するための勉強としては、公式の過去問集を最低でも5〜10年分解き、95%以上の正答率を出せることができれば不動産に関する知識が全く無い初心者の方でも合格をめざすことができます。

試験はマークシート方式で行われ、ある程度不動産に関する知識を暗記する必要があります。

「行政法規」は学習すべき内容は多くありますが、出題される範囲は少ない傾向です。

一方で「鑑定評価理論」の分野においては細かい部分まで出題されるため、内容をしっかりと解釈する必要があります。

論文式試験の対策をする

不動産鑑定士に関する知識や単語を全て暗記できたとしても、二次試験は一次試験以上に理解や解釈が重視される問題が出題されます。

そのため、理論の組み立て方や専門用語を使った語句の言い回し方法などは独学だけでは十分に賄うことができず、合格するためには論文式試験の解答の仕方を身につける必要があるのです。

論文試験は難易度も高く、論文式の試験を受けたことがない人は対策が困難でしょう。

つまり、一次試験までを独学で勉強し二次試験のために予備校や資格学校で合格を目指すといった方法が不動産鑑定士の資格を取得するための一般的な方法となります。

頻出問題を網羅する

不動産鑑定士の試験範囲は広いため、すべての範囲を勉強するのではなく、頻出問題に絞って学習するのもおすすめです。

模試を実際に受け今年の問題の出題傾向を把握したり、過去問からよく出題される問題の傾向を分析したりして重点的に学習するとよいでしょう。

不動産鑑定士の資格を取得するまでの勉強時間

不動産鑑定士は国家資格の中でも超難関レベルに分類されるため一次・二次試験を合格し資格を得るためには相当な時間を要します。

目安としては、まったく知識の無い状態から勉強を始めた場合、合格点を取るためは2000〜2500時間が必要で、1日に3時間勉強したとしても2年前後はかかる計算になります。

不動産鑑定士を目指すためのオススメの過去問・テキスト

不動産鑑定士一次試験の合格を目指すための過去問・テキストとしては、アマゾンや市販で手に入る公式の問題集がオススメです。

また、超大手資格学校であるTACの公式ホームページでも不動産鑑定士の過去問と解答が無料で公開されているため計5〜10年分を目安に解きしっかりと知識を身に着けましょう。

不動産鑑定士の試験を独学で勉強するのに向いている人の特徴

不動産鑑定士の試験を独学で勉強するのに向いている人の特徴は、以下の3つです。

不動産鑑定士の試験は、難易度が高いだけでなく、1〜2年程度の学習時間が必要です。

長期戦になることから、独学で合格を目指す場合は忍耐力も必要になるでしょう。

ここでは、独学での勉強が向いている人の特徴について詳しく解説します。

スケジュール管理ができる

不動産鑑定士の試験は、出題範囲が広く、暗記すべき内容も多くあります。

そのため、綿密なスケジュール管理の元、学習を進めていかなければなりません。

効率よく学習を進めるためには、自身で目標を決め、いつまでに学習を終えるか明確な計画を立てることが重要です。

自身で学習スケジュールの管理ができる人は、独学での学習も苦にはならないでしょう。

試験の内容や法改正などの情報を収集できる

不動産鑑定士の試験に出題される内容には、不動産に関するものの他に民法・会計学・経済学が出題されます。

大小問わず法律は更新されるため、新しい情報の収集が不可欠です。

専門学校や通信講座を利用している場合は情報を提示してくれますが、独学での勉強の場合、法改正に関する情報は自身で収集しなければなりません。

日頃から、情報収集を行っている人であれば問題ないでしょう。

不動産に関する知識がある

不動産鑑定士になるためには、不動産に関する幅広い知識が必要です。

そのため、不動産会社に勤務している人や宅地建物取引士の資格を持っている人は独学での学習も可能でしょう。

また、不動産鑑定士の試験には科目免除制度があり、資格を持った人が受験するといくつかの科目が免除されます。

例えば、公認会計士なら、論文式試験で出題される会計学と選択科目のいずれかが免除されるため勉強時間の短縮が可能です。

不動産鑑定士の試験を独学で勉強するのに向いていない人の特徴

不動産鑑定士の試験を独学で勉強するのに向いていない人の特徴は、以下の通りです。

独学で学習を進める場合、専門学校や通信講座を利用する場合よりもまとまった勉強時間の確保が必須です。

ここでは、独学での勉強が向いていない人の特徴について解説します。

まとまった勉強時間が確保できない

不動産鑑定士の試験勉強では、勉強時間の確保は2,000時間以上と長く、試験範囲も広いことが特徴です。

そのため、多くのテキストや過去問の対策を行う必要があり、まとまった勉強時間の確保は必須となります。

スキマ時間のみ勉強した人や働きながら勉強を行いたい人は、合格できる可能性は低いでしょう。

効率よく学習が進められれば合格できる可能性もありますが、不動産鑑定士試験を初めて受ける人や不動産に関する知識がない人が独学で行う場合はスムーズに進めるのは困難です。

不動産鑑定士の試験に合格するためには、時間に余裕を持って試験勉強に挑むようにしましょう。

講師に質問や論文の添削をしてほしい

独学での勉強は、わからない問題があったとしても気軽に質問できる環境が整っていません。

専門学校や通信講座では、気軽に質問できる場が設けられているためわからない箇所を放置することなく、学習が進められます。

また、論文対策は独学では限界があり、添削してもらうことで実力がつきます。

論文対策に自信がない人は、独学での勉強は不向きでしょう。

独学で不動産鑑定士試験の合格を目指すメリット

独学で不動産鑑定士試験の合格を目指すメリットは、以下の2点です。

独学での合格は容易ではありませんが、専門学校や通信講座を利用する場合にはないメリットがあります。

費用が抑えられる点は最大のメリットであり、独学での勉強を行うきっかけともなるでしょう。

ここでは、独学での合格を目指すメリットについて詳しく解説していきます。

費用を抑えられる

独学での合格を目指すメリットとして、勉強にかかる費用を抑えられる点が挙げられます。

専門学校や通信講座の利用には、数十万円の費用が必要です。

一方で、独学にかかる費用は参考書のみなため、大幅に節約できます。

費用を抑えて合格を目指す人にとっては、独学での学習は最適な勉強法といえます。

自分のペースで学習が進められる

自分のペースで学習が進められることも、独学で合格を目指すメリットでしょう。

独学では、自分で学習スケジュールを立てて勉強を進めていかなければなりませんが、好きな時間にまとまって勉強時間を確保できるのも独学の魅力です。

特に働きながらや学校に行きながら勉強を行う場合は、自分でスケジュール管理ができる方がスムーズでしょう。

自分のペースで学習を進めたい人は独学での勉強をおすすめします。

独学で不動産鑑定士試験の合格を目指すデメリット

独学で不動産鑑定士試験の合格を目指すデメリットは、以下の通りです。

独学での合格は、費用を抑えられる反面、自分に厳しく学習を進めなければなりません。

デメリットも踏まえた上で独学での合格を目指しましょう。

気軽に質問ができない

独学での勉強では、気軽に質問できないデメリットがあります。

不動産鑑定士の試験勉強は難易度も高く、専門用語も多く出題されるため、勉強を進めていく上でわからない問題は必ずでてくるでしょう。

専門学校や通信講座を利用していると講師にすぐに質問できますが、独学の場合は質問できる相手がいません。

そのため、疑問点が解決しないまま学習を進めなければならず、つまずく可能性があります。

モチベーション維持が難しい

独学での学習では、モチベーションを維持させることも重要です。

独学での勉強は、自分との戦いになるため比較する相手や同じ目標を持った仲間がいません。

自分がどのくらい内容を把握しているのか、合格できる可能性がどのくらいあるのかが分からないため、モチベーションの維持が困難になるのです。

模試を受けるなどして、モチベーションを維持し続けることが合格への課題となるでしょう。

不動産鑑定士試験対策におすすめな通信講座

ここでは、不動産鑑定士の試験対策ができる通信講座を紹介します。

アガルートアカデミー

引用：アガルートアカデミー

アガルートアカデミーの不動産鑑定士試験対策は、2次試験対策のみです。

出題範囲を反映したテキストと小問形式に対応した論証集で対策を行います。

1次試験は独学で学習を進め、論文対策を行いたい人には最適な勉強方法でしょう。

費用も他の通信講座よりも抑えられるため、費用を抑えつつ、通信講座の講義を受けたい人にもおすすめです。

TAC

引用：TAC

TACの不動産鑑定士の講座は、試験的中率の高い教材で学習を行います。

インプット教材だけでなく、担答用教材も用いて基礎を固め、本試験で実力が発揮できるようにサポートします。

また、論文対策教材である「こう書け！」は合格ノウハウが凝縮されているため、試験対策にも最適な教材です。

不動産鑑定士試験を効率よく対策するなら通信講座の利用がおすすめ

不動産鑑定士の資格は、国家資格の中で超難関レベルに分類されるため、取得は簡単ではありません。

一次試験・二次試験いずれも問題数が多く試験時間も長いため、正答率に加えて問題を解くスピードも重要になってきます。

実際に不動産鑑定士の資格取得を目指している人は、十分な対策をして試験に臨みましょう。

独学での学習に限界を感じている人は、通信講座の利用も検討すると効率よく学習が進められます。

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