不動産取引がなくならない限り宅建士の需要はなくならず、将来性抜群などといわれ続けてきてしばらく、現在受験者数も合格者数も年々伸び続けている人気爆発中の宅建士資格ですが、今の宅建士には将来性や需要はあるのでしょうか?
宅建士と言えば不動産取引を行う際には絶対に居なければならない存在ですが、どうやら宅建士の資格を持っていながら不動産営業マンをやっているという宅建士も居ながら、事務所で書類を作ってハンコを押すだけのお仕事の宅建士も居る模様です。
今後の宅建士は資格を持っているだけではなく実力が重要になってきている…?
宅建士の将来性はある?
壁で仕切られ、屋根のある建物に住まずに昼夜過ごしているという人はごく少ないでしょう。さらに、このような生活拠点に限った話ではなく、仕事の場や、販売店の店舗なども全て不動産です。
ということを考えてみると、不動産取引はなくなることはないものだと考えることができます。この点に注目すると、宅建士の需要もなくなることはなく、将来性はバッチリな気がしてきますよね?
しかし、宅建士資格を持っているだけで将来性までバッチリの保証がされると言い切れるものでしょうか…?
宅建士の資格は人気爆発中
現在、宅建士の資格は将来性が高く需要もバッチリあるとして人気が広がり、受験者数も極めて多い状態でここ数年推移してきています。
合格率のそこまで高くない試験ながら合格者は、毎年3万人程度出ているのです。
そのため、宅建士有資格者の数が増えてきていることも事実です。今後は不動産会社や宅建業に勤めるなら持っていて当たり前という程に溢れ気味な資格となることも予想されます。
宅建業では持ってて当たり前になりつつある
宅建士資格とは、不動産取引の契約を結ぶ際に行う説明と、契約書へのサインや捺印を行うことができる資格で、宅建士資格を持っていない人がこれらの業務をすることは法律で許されていません。
つまりは、主に不動産業の営業マンなどにとって必要となる資格です。
宅建士資格がない人はたとえ売り込みが上手で営業の実力が高かったとしても、1人だけでは契約を完了させることは出来ません。
なので、不動産関連で営業をするなら是非とも持っていたい資格だと言われてきましたが、最近では上記のように徐々に宅建資格は持っていて当たり前になりつつもあります。
営業の競争相手が皆宅建士資格を持っている状況だとすれば、やはり営業能力の実力が重要となる訳です。
宅建士の需要は上がる?
現在、宅建業務を行う事務所の従業員は5人に1人以上の割合で宅建士ではなければならないとされており、この法規があるために宅建士の需要があると言われ続けています。
しかし、裏を返せば資格持ちでない人が営業を行い、契約の時だけ宅建士が居ればOKというやり方をしている所もあるかもしれません。
一部の不動産業で働く営業マンの、生々しい声では、『宅建士はハンコだけ押すのが仕事』だなんてボヤきも見られます。
5人に1人が3人に1人?
この5人に1人という決まりは、実は民主党政権下だった頃に、一度3人に1人にするように法改正しようという動きもあったんです。
タイミング的に、東日本大震災が発生した頃だったため、この法改正はなくなり、自民党政権に戻った今、法改正されることはありませんでした。
ですが今後また宅建士の数を増やさなければならなくなるように変わってくる可能性はゼロではありません。
具体例を見てみる
実際、現在の制度では、従業員20人中4人だけ宅建士であれば宅建業が成り立つわけですが、この宅建士割合で、宅建士の需要を高いと見るか、低いと見るか…?
また、この宅建士割合の不動産屋を、利用する客の立場から見て信頼できるかどうか?で見るとどうでしょうか…?
20人中4人の宅建士で業務を回していれば確かに営業は資格のない人に任せてハンコだけ押すのが仕事となっていても無理はありませんが、営業マンのほとんどが宅建士資格保持者ならば詳しい話を聞いたりできますし信頼度も増しますよね。
宅建士の需要や将来性をも決める今後の制度の変動には注目しておかなければなりません。ちなみに、アメリカ式の不動産取引では、必ず全員が不動産資格を持っていなければならないという決まりになっています。
過去にはアメリカ式の不動産取引を日本も見習って導入しようという議論がなされていたこともありますが、将来アメリカ式になったら宅建士の需要はものすごいことになりそうですね。
宅建士の実力が重要になってきている
ここで宅建士の将来性や、この先の需要について考えると、宅建士本人の実力が重要になってくる時代が来ると予想することもできます。
これまでは宅建士の資格を持っていることが一つの実力として優遇されてきましたし、資格を持っている人の需要はもうしばらくは絶えないでしょう。
ですが、将来性を今のうちから考えておくならば、資格を持っているだけでなく、宅建士本人の実力そのものを引き上げておくに越したことはありません。
役立つダブルライセンスを保有
例えば宅建士資格に加えて、マンション管理士の資格や不動産鑑定士などさらにハイレベルな同系列資格を持っている等、ダブルライセンスによって幅を広げる事も良い方法でしょう。
幸いにも宅建士資格の勉強で積んできた知識は、とても幅広い資格試験と親和性のあるものとなっており、宅建から始まる資格の可能性は無限大ともいえるほどなんです。
具体的に挙げれば法律に関わるものと、建物や土地に関わるものの2分野がありますが、
★法律系
- 行政書士
- 司法書士
- ファイナンシャルプランナー
★宅建系
- マンション管理人
- 管理業務主任者
- 不動産鑑定士
- 土地家屋調査士
- 競売不動産取扱主任者
などなど、本当に色々な資格の取得が視野に入るのです。
どの資格を取るかによってその先の道は大きく変わってくるでしょうが、いずれも将来性をグッと高めるものであることは間違いありません。
宅建業以外の分野の事ができる
宅建士自身の実力が大切というのは、何も宅建業務の中だけの話ではありません。少し方向性を変えて考えてみましょう。
不動産会社の事務所では全員がずっと宅建業務をやっている訳ではありませんよね。
例えば、自身の会社の扱う不動産をPRできる見栄えのカッコイイホームページを作成できる技能を持っていたりすれば非常に役立つでしょう。
チラシやポスターの作成・印刷に関する知識なども役に立ちますし、写真を綺麗に撮る技術を持っていたりするのも良いですよね。
データ入力や書類作成が人の数倍速いなどのパソコンスキルに特化しているのも強みと言えます。
このように、タダの宅建士に留まることなくプラスアルファの何かを持っている人なら「宅建士は資格があるだけではダメ、実力勝負だ」といつ言われても、将来性バッチリです。幅を利かせて活躍できるはずです。
宅建士の将来性や需要はある?まとめ
宅建士の将来性についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
制度が変わって需要がアップするのが先か、合格者が増えすぎて実力ある宅建士だけが生き残る時代が来るのが先かは正直なところ分かりません。
ですが、どんな能力でも良いので実力と言える何かをモノにしておくことで自分自身の将来性を保証してくれるものとなることは間違いありません。
WEBデザイナーやチラシ作成・印刷などの能力も不動産企業の事務所で働くのに役立ちます。
別の士業の勉強をして行政書士などの法律系のプロの道を切り開いておくのもアリです。今のうちに、単なる宅建士資格持ちから、実力のある宅建士を目指しておきましょう。