宅建士は不動産業で欠かせない重要な国家資格として知られています。
また2021年には新しく賃貸不動産経営管理士という国家資格が登場し、スキルアップを目的に宅建士とのダブルライセンスを目指す人が増えてきています。
賃貸不動産経営管理士とは賃貸住宅管理に関する深い知識をもった専門家で、賃貸借契約後のトラブル対応や設備の維持・点検を行う仕事です。
不動産業界で働く方にとって非常に注目度の高い資格となっており、特に賃貸業務を行っている宅建業者で働いている人にとっては宅建に次いで取得すべき資格として注目されています。
そこで今回は賃貸不動産経営管理士と宅建士の資格や仕事内容の違い、ダブルライセンスのメリットについて紹介します。
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賃貸不動産経営管理士と宅建士の違いとは?
賃貸不動産経営管理士も宅建士もともに不動産業に関する国家資格です。
しかし、それぞれできる業務などが異なります。
ここでは、賃貸不動産経営管理士と宅建士との違いについて紹介します。
独占業務の違い
宅建士は宅地建物の売買などの仲介をするプロとして有資格者しかできない以下の独占業務というものがあります。
- 重要事項の説明(宅地建物取引業法第35条)
- 重要事項説明書への記名(宅地建物取引業法第35条)
- 契約書への記名(宅地建物取引業法第37条)
宅建士は不動産の売買や賃貸物件のあっせんを行う際に土地や建物に関する専門知識を持たない顧客に対して「登記」「不動産の広さ」「飲用水・電気・ガスの供給施設」「キャンセル時の取り決め」など、契約の重要な要素に関する「重要事項の説明」を担当できます。
基本的には入居前に行う業務が中心となりますが、不動産売買を含めた不動産取引なども宅建士の仕事です。
また宅建士は宅建業法にて事務所の従業員5人に1人以上置かなければならないと定められており、不動産業界の宅建士の需要は非常に高いです。
一方、賃貸不動産経営管理士には独占業務はありません。
賃貸不動産経営管理士は入居後に必要となる設備の維持管理や住民間のトラブル解決を担当します。
入居者が賃貸住宅を安心して利用できるよう支援することはもちろん、賃貸物件のオーナーが資産を効果的に活用できるようにサポートするなどがおもな業務となります。
試験難易度の違い
試験年度 | 賃貸不動産経営管理士 | 宅建士 |
---|---|---|
令和6年 | 24,1% | 18.6% |
令和5年 | 28,2% | 17.2% |
令和4年 | 27,7% | 17.0% |
令和3年 | 31.5% | 17.9% |
令和2年 | 29.8% | (12月)13.1% (10月)17.6% |
令和元年 | 36.8% | 17.0% |
平成30年 | 50.7% | 15.6% |
平成29年 | 48.3% | 15.6% |
平成28年 | 55.9% | 15.4% |
参考:賃貸不動産経営管理士、一般財団法人 不動産適正取引推進機構
年度ごとに異なるものの例年、賃貸不動産経営管理士の合格率は約30%~37%、宅建士の合格率は15%~18%で推移しています。
つまり合格率で見ると賃貸不動産経営管理士のほうが難易度が低いことが分かります。
しかし賃貸不動産経営管理士は国家資格化に伴い合格率が減っていっています。
今後の試験も難しくなっていく可能性はあるため、万全の対策が求められます。
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業務範囲の違い
賃貸不動産経営管理士と宅建士は担当する業務範囲にも違いがあります。
賃貸不動産経営管理士の業務は主に賃貸住宅の管理受託契約に関わる以下の業務を担当します。
- 管理受託契約の締結
- 賃貸住宅の維持保全
- 家賃・敷金・共益費の管理
- オーナーへの定期報告
- 入居者からの苦情の処理 など
一方、土地・建物の売買・賃貸借契約に関する業務をメインとしており、先にも述べたように有資格者しかできない独占業務を
- 土地・建物に関する重要事項の説明
- 重要事項説明書への記名
- 契約書への記名
賃貸不動産経営管理士は業務管理者の業務に加えて、賃貸住宅の管理に関する幅広い業務を行う一方、宅建士は賃貸借契約や売買契約に関する契約業務を中心としているといった違いがあります。
試験の違い
賃貸不動産経営管理士も宅建士の試験も年1回行われますが、開催される試験日や試験内容などが異なります。
賃貸不動産経営管理士と宅建士の試験の違いについてまとめると以下の通りとなります。
宅建士 | 賃貸不動産経営管理士 | |
試験日 | 10月の第3日曜日 | 11月の第3日曜日 |
受験料 | 8,200円 | 13,200円 |
試験形式 | 4肢択一、全50問 | 4肢択一、全50問 |
試験時間 | 2時間 | 2時間 |
試験科目 | 「民法等」「宅建業法」「法令上の制限」「その他関連知識」の4科目 |
|
賃貸不動産経営管理士に必要な勉強時間は100時間~250時間程度、宅建士は300時間~500時間程度といわれています。
必要な勉強時間から見ても宅建士の方が賃貸不動産経営管理士よりも難易度が高いといえるでしょう。
設置義務の違い
不動産会社は土地や物件の売買、賃貸住宅の手続きなどを行う必要があります。
契約書の作成や重要事項の説明は宅地建物取引士の専任業務であるため、従業員が少ない場合でも必ず1名以上の設置が求められることになります。
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賃貸不動産経営管理士と宅建士のダブルライセンスのメリットとは?
さて、賃貸不動産経営管理士と宅建士はダブルライセンスがおすすめかつ先に宅建士の取得をするべきと解説しましたが、それは業務上と試験の両方においてメリットが大きいからです。
ダブルライセンスにおける業務上・資格試験でのメリットを紹介します。
業務上のメリット
多くの会社は賃貸管理業務と宅地建物取引業務を兼務していますので、両方の資格を取得していれば業務範囲は単純に2倍となり活躍の場が増えます。
宅建士と賃貸不動産経営管理士の仕事は繋がっているため業務も行いやすく、今後賃貸不動産経営管理士に独占業務ができればさらに活躍することができます。
宅建士の方が市場規模が大きいですがその分有資格者も多く、賃貸不動産経営管理士は業界の需要がかなり高い資格と言えます。
両方の資格を持っていることで独立開業や転職の際も有利になるでしょう。
試験でのメリット
賃貸不動産経営管理士の資格より先に宅建士の資格を取得することをおすすめしましたが、そのメリットは試験範囲の重複です。
賃貸不動産経営管理士と宅建士は「賃貸借契約に関する事項」などが重複しているため、学習を効率良く進めることができます。
宅建士は不動産について幅広く学ぶため賃貸不動産経営管理士にも応用が利きますが、賃貸不動産経営管理士で専門的に学んだことは宅建士の試験ではあまり活かせません。
そのためダブルライセンスを狙う際は先に宅建士の資格を取得し、学習内容を賃貸不動産経営管理士試験に活かす順番がおすすめです。
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宅建と賃貸不動産経営管理士のダブル受験・合格は可能?
結論から言うと、宅地建物取引士と賃貸不動産経営管理士の両方を受験し、合格することは十分に実現できます。
実際同時に両方を目指す方や先に宅地建物取引士の資格を取得してから賃貸不動産経営管理士を目指す方などいます。
不動産業界で今後も長く活躍し続けたい方やキャリアアップを目指す方にとっては、宅建と賃貸不動産経営管理士の両方の資格を持つことは大きなアドバンテージとなるでしょう。
先にも述べたように宅地建物取引士の試験は10月、賃貸不動産経営管理士の試験は11月に行われるため対策はできます。
また、両試験には民法など共通する内容が含まれているため、宅地建物取引士の勉強を続けている方は記憶が新しいうちに賃貸不動産経営管理士の試験を受けることをおすすめします。
ダブル受験を目指す際の学習スケジュール
賃貸不動産経営管理士と宅建のダブル受験を目指す学習スケジュールとしては、まず宅建の勉強に専念し、試験終了後の1か月間で賃貸不動産経営管理士の学習を集中的に行うのが理想的です。
先にも述べたように、宅建の難易度は賃貸不動産経営管理士よりも高いため、宅建に合格するための実力を身につけておけばスムーズに賃貸不動産経営管理士の学習も進められます。
また宅建の試験が10月、賃貸不動産経営管理士の試験が11月に行われるため、学習の切り替えもしやすいでしょう。
さらに2つの試験内容には権利関係などの共通部分があるため 賃貸不動産経営管理士の過去問題集を繰り返し解き、間違えた箇所を重点的に復習すると効率的です。
どちらも満点を目指す試験ではないため、確実に合格ラインを超えるための学習を心がけてみてください。
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最後にアガルートの賃貸不動産経営管理士試験講座と宅建試験講座について紹介します。
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賃貸不動産経営管理士と宅建士のダブルライセンスを目指そう
今回は賃貸不動産経営管理士と宅建士の資格や仕事内容の違い、ダブルライセンスのメリットについて紹介
賃貸不動産経営管理士と宅建士は、どちらも不動産関係の仕事です。
宅建士は賃貸契約前まで、賃貸不動産経営管理士は契約後が業務という違いはありますが、ダブルライセンスすることでさらに仕事の幅が広がります。
また2つの試験は重複する部分も多く学習しやすいのもうれしいポイントです。
宅建の試験を受けてから賃貸不動産経営管理士の試験を受けることをおすすめします。
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