「高卒でも土地家屋調査士になれるのか?」
「土地家屋調査士の就職に学歴は関係あるのか?」
国家資格でもある土地家屋調査士の資格を高卒でも取れるのか、また資格試験や転職の際に、学歴が重要視されるのでしょうか?
結論から言って、土地家屋調査士には学歴関係なく、高卒でもなれます!
高卒や学歴関係なく、土地家屋調査士として高収入を得ることは可能です!
こちらの記事では、「高卒だから…」と土地家屋調査士の受験を躊躇っている方や「今から目指したら遅いのかな…」とお考えの方の背中を押せるような内容の記事になっており、
土地家屋調査士の学歴との関係性や資格取得後のメリットについて解説しています。
また高卒等の学歴は土地家屋調査士の求人に影響するのかについても解説しているので、よろしければご覧ください。
土地家屋調査士試験におすすめの通信講座
高卒でも土地家屋調査士になれる理由
土地家屋調査士になるには、学歴や偏差値の高さは関係ありません。
一般的に高学歴の人が国家資格合格を目指すイメージですが、土地家屋調査士には受験資格がありません。
高卒や大卒のような区分は全く関係なく、誰でも受験することが可能なので幅広い方に門出が開かれている資格と言えるでしょう。
実際に高卒で土地家屋調査士に合格して現在も活躍されている方も一定数いらっしゃいます。
受験資格がないからこそ、現在の仕事に不満がある方や学歴で稼ぐことができないとお考えの方に土地家屋調査士はオススメできるのです。
土地家屋調査士の試験に受験制限はない
土地家屋調査士試験に受験資格はなく、年齢、性別及び学歴に関係なく誰でも自由に受験できます。
社会保険労務士や税理士は原則大卒や履修内容が受験資格として定められていることを考えると、土地家屋調査士は平等にチャンスがある資格だといえるでしょう。
測量士または測量補士の資格があれば、測量試験が免除される制度があるので、受験されるほとんどの方は免除を受けて試験に臨んでいます。
試験の合格率は10%以下
直近10年分の土地家屋調査士の合格率について以下にまとめました。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成23年度 | 5,056人 | 390人 | 7.7% |
平成24年度 | 4,986人 | 418人 | 8.4% |
平成25年度 | 4,700人 | 412人 | 8.8% |
平成26年度 | 4,617人 | 407人 | 8.8% |
平成27年度 | 4,568人 | 403人 | 8.8% |
平成28年度 | 4,506人 | 402人 | 8.9% |
平成29年度 | 4,600人 | 400人 | 8.7% |
平成30年度 | 4,380人 | 418人 | 9.5% |
令和1年度 | 4,198人 | 406人 | 9.7% |
令和2年度 | 3,785人 | 392人 | 10.4% |
上記の表からわかるように直近10年分の合格率は平均して10%を下回ります。
土地家屋調査士は100人受験して合格者は10人以下という厳しい試験です。
高卒の方や自分の学歴に自信がない方が土地家屋調査士の試験を躊躇う大きな理由は合格率が低いことでしょう。
確かに優秀な大学を出ている方も受けていますが、土地家屋調査士の試験は「学歴が良ければ受かる」というものではありません。
土地家屋調査士試験は合格率の低い難関資格であるため、多くの受験者が2回.3回と回数を重ね、ようやく合格できるような試験です。
土地家屋調査士試験の対策が不十分なら高学歴の方でも平気で落ちますし、反対に対策をしっかりしていれば高卒だとしても合格できます。
土地家屋調査士試験に関する記事は下記をご参照ください。
偏差値や学歴が関係ない理由
一般的に土地家屋調査士試験に合格するまでに必要とされる勉強時間は約1,000時間~1,500時間と言われています。
毎日2時間~3時間の勉強でも1,000時間に達するのに1年~1年半かかります。
同じ不動産系資格の宅建士試験が合格まで約300~500時間かかることを踏まえると、土地家屋調査士は試験範囲が広く、難易度が高い試験であるといえるでしょう。
土地家屋調査士試験は難関大卒のような頭がいい人が資格取得できるわけではなく、長期間効率良く勉強できた方が合格する傾向にあるようです。
高卒や学歴に自信がない方でも勉強を根気強く続けることで、十分他の受験生と戦うことができます。
勉強期間の目安
1日に確保できる勉強時間によって1,000時間に達するまでの勉強期間も変わってきます。
社会人の方や学生の方で1日に使える勉強時間は異なりますよね。
土地家屋調査士試験合格に必要な勉強時間といわれる1,000時間に対し、必要な1日の勉強時間とそれに伴う期間について表にまとめました。
1日の勉強時間 | 要する勉強期間 |
---|---|
2時間 | 1年半 |
3時間 | 1年 |
4時間 | 8ヶ月 |
5~6時間 | 半年 |
このように、大体1年半~早くて半年で1,000時間は達成可能です。
学生の方は1日6時間以上取れる方もいらっしゃいますし、社会人の方でも土日に8時間程勉強をするといった時間を上手く使う勉強法もあります。
学習スケジュールを組む際のある程度の目安にして頂ければと思います。
高卒でも土地家屋調査士の求人はあるのか
土地家屋調査士の資格を取得した後は、大抵の場合どこかの調査士事務所で働くことになります。
「土地家屋調査士試験に合格したけど、高卒だから雇ってもらえない…」なんてことはあるのでしょうか。
また土地家屋調査士の求人ではどの程度学歴が必要とされているのでしょうか?
こちらでは求人状況と学歴の関係についてご紹介します。
・経験者採用の場合の年収は400万円スタート
求人のほとんどが学歴不問
土地家屋調査士の求人は学歴不問にしているところがほとんどで、資格保有者を募集条件としています。
「高卒だからが雇ってもらえない…」「学歴が原因で面接してもらえない…」ということはほとんど考えられないでしょう。
ただし、業界未経験者の場合は40歳までの年齢制限を設けられている求人が多いです。
これから土地家屋調査士を目指す方は40歳以降は土地家屋調査士として働くことが厳しくなるということは覚えておきましょう。
逆に捉えると、若くして土地家屋調査士資格を持って入ればかなり重宝される人材ということになります。
高卒や学歴は問われないので、若い年齢から土地家屋調査士資格を持つことは業界の中で大きなアドバンテージになるでしょう。
経験者募集の求人であっても、50代・60代になると転職の難易度は難しくなると言われています。
未経験・経験問わず、土地家屋調査士試験には30代のうちに合格しておいた方が良いスタートを切れます。
年齢層が上がるにつれて実務経験や即戦力が求められるのはどの業界も同じです。
補助者としての経験があれば有利
土地家屋調査士を目指されている方の多くは、補助者として調査士事務所で働きながら試験勉強をしています。
調査士業界で実務経験を積みながらであれば、資格取得後の転職活動でも実務実績が評価され有利に進められる事が多いです。
試験では実際に働いている業務内容が問題になったりするので、未経験の受験生より勉強面でも有利に働きます。
仕事の需要がなくなることはない
土地家屋調査士の主な仕事は不動産の登記業務になります。
不動産登記は司法書士と土地家屋調査士によって行われ、中でも「表示に関する登記」は土地家屋調査士にしか行えない独占業務です。
建物を新築・増築工事をする際は、必ず不動産登記を届け出る義務があるため、今後需要がなくなることは考えにくいでしょう。
建物をリフォームしたり、新たに建てるということがなくならない限り、土地家屋調査士が仕事に困ることはないと言えます。
土地家屋調査士の需要についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、是非確認してみてください。
土地家屋調査士の年齢層は? 高卒等の学歴は関係している?
土地家屋調査士は高卒等の学歴は不問で目指せる資格ということがわかりましたが、実際に土地家屋調査士として働かれている方の割合はどのようになっているのでしょうか?
今回は土地家屋調査士の年齢層と試験合格後に土地家屋調査士として新規登録した方の年齢層を表にまとめてみました。
高卒等の学歴が年齢層と関連しているのかについても考察しています。
土地家屋調査士の年齢層割合
土地家屋調査士の年齢層は以下のようになっています。
年齢層 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
20代 | 54人 | 0.3% |
30代 | 1,011人 | 6.1% |
40代 | 3,852人 | 23.4% |
50代 | 3,351人 | 20.3% |
60代 | 4,662人 | 28.3% |
70代 | 2,938人 | 17.8% |
80代 | 625人 | 3.8% |
表を見てみると、土地家屋調査士の多くは40歳以上ということが読み取れます。
土地家屋調査士は独立開業する方が多い仕事なので、30代で試験に合格してから実務経験を経て独立している方が多いです。
独立開業すると、定年がないので自分が働きたい年齢まで働けるというメリットがあります。
土地家屋調査士は60代が1番年齢層としては多いので、独立開業をして長く働いている方が多いということでしょう。
土地家屋調査士の新規登録者割合
土地家屋調査士の新規登録者割合は以下のようになっています。
年齢層 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
20代 | 21人 | 7.3% |
30代 | 83人 | 28.9% |
40代 | 124人 | 43.2% |
50代 | 40人 | 13.9% |
60代 | 15人 | 5.2% |
新規登録者の表で最も目に付くのが30代・40代の登録者数が全体の7割を占めているところでしょう。
土地家屋調査士は30代・40代の方がメインの受験者層ということもわかりますね。
土地家屋調査士の高卒者割合等の情報は開示されていませんでしたが、土地家屋調査士試験にはできるだけ若い年齢から挑戦した方が良いです。
平成30年には19歳という年齢で試験に合格された方もいます。
土地家屋調査士が経験や学歴がものを言う試験ならば、10代の受験生が合格することはありえないわけですから、早めに試験に挑戦して30代までには新規登録できるようになると、土地家屋調査士として順調なキャリアプランを歩めるでしょう。
土地家屋調査士の年収
土地家屋調査士の業務は専門性が高く、独占業務があるので、比較的高収入になります。
努力次第では年収1,000万円を超えることも可能です。
高卒等の学歴に関係なく土地家屋調査士としてキャリアを積むことで収入も上がる実力主義な業種です。
土地家屋調査士の平均年収
土地家屋調査士の平均年収は500万~600万円であり、日本人の平均年収420万円と比べると比較的高い水準にあります。
上記で説明した通り、土地家屋調査士は高卒等の学歴は関係ない職業です。
日本の高卒の平均年収が約250万円(令和2年賃金構造基本統計調査)なので、土地家屋調査士は2倍以上年収が高いということになります。
以下に土地家屋調査士の年齢別の平均年収をまとめましたので、参考にしてください。
年齢層 | 平均年収 |
---|---|
20~24歳 | 428万円 |
25~29歳 | 533万円 |
30~34歳 | 585万円 |
35~39歳 | 668万円 |
40~44歳 | 750万円 |
45~49歳 | 840万円 |
50~54歳 | 900万円 |
55~59歳 | 893万円 |
60~65歳 | 608万円 |
このように20代~50代かけて年収が上がっていき、50代では平均年収900万になります。
土地家屋調査士として独立開業すれば60歳以降も高い年収を維持出来るので、高収入が長期間続く仕事であると言えるでしょう。
これは業務実績や顧客が増えることで、その分仕事も多く入るようになるからでしょう。
高収入に比例して仕事の忙しさも増えていくことが予想されます。
土地家屋調査士はキャリアや経験を重ねる度に収入も大きく増えていく魅力的な職業です。
自分で調査士事務所を独立開業すれば、経営次第では年収1,000万円を目指すことも可能でしょう。
土地家屋調査士のメリット
・独立・開業しやすい資格
・キャリアを積むことで収入が大きく上がる
・仕事の需要がなくなることはない
前述した通り、土地家屋調査士には不動産登記の独占業務があります。
そのため需要が安定しており、将来性のある独立しやすい業種です。
またキャリアを積むほど収入も上がるので、高卒等の学歴に関係なく高収入を目指せることも魅力的です。
以下では土地家屋調査士になるメリットについてそれぞれ深堀して解説していきます。
土地家屋調査士は高収入を目指せる
前述したように土地家屋調査士の平均年収は500~600万円と高く、経験に応じて収入は上がっていきます。
以下では他の士業系の職種と土地家屋調査士の年収を比較してまとめました。同じ国家資格でもどのくらい年収に差があるのか確認しましょう。
資格名 | 平均年収 | 合格率 |
---|---|---|
土地家屋調査士 | 500~600万円 | 8~9% |
社会保険労務士 | 450~550万円 | 5~7% |
司法書士 | 400~500万円 | 4~5% |
中小企業診断士 | 400~500万円 | 5~8% |
行政書士 | 350~450万円 | 9~10% |
こちらの表のとおり、土地家屋調査士の平均年収は他の国家資格と比べても比較的高いことがわかりました。
平均年収が高いにもかかわらず、合格率は他の国家資格より高いので、高収入な仕事を探している方にはベストな資格でしょう。
このように安定して高収入を目指せる点は土地家屋調査士の大きなメリットの1つと言えます!
独立開業すれば更に収入が上がることも
土地家屋調査士は独立・開業が前提である資格のため、資格取得後2~3年は他の事務所で実績を積みながら独立開業の準備をされている方が多いです。
独立開業した土地家屋調査士の平均年収は700~800万はあるといわれています。
他の事務所で働くより独立開業した方が収入は上がりやすく、また自分の裁量で働けるため、いつか自分で仕事をやっていきたいと考えられている方にはぴったりな資格といえるでしょう。
土地家屋調査士が独立開業して成功するためには営業力と技術力が重要であるため、まずは実績と経験を着実に積んでいくことが大切です。
土地家屋調査士になるためのおすすめの勉強方法
土地家屋調査士の試験は合格率10%以下の難関資格です。
そのため独学で合格できた方はごく少数で、ほとんどの方は資格の予備校で試験対策をされて合格しています。
土地家屋調査士の受験者は30~40代の社会人の方が多いです。
多くの方は働きながら試験合格を目指していますので、効率良く学習を進めたいですよね。
最近では、合格時に受講料金を全額返金している予備校もあり、昔よりもお金の心配をせずに資格講座を受講できるようになっています。
最短で合格を目指すなら予備校がおすすめ
予備校で勉強するには受験料金が発生してしまいますが、その分メリットも多いです。
独学ではできないようなメリットも多く、土地家屋調査士試験でもやはり予備校から多くの合格者が輩出されています。
以下に筆者が予備校をおすすめする理由を簡単にまとめましたのでご紹介します。
・疑問点は講師に聞ける
・独学より短期間で合格できる
・通信講座ならスマートフォンかPCがあれば学べる
一番大きなメリットは「効率良く学習できる」ことでしょう。
未経験の方は初めて知るようなことばかりなので、闇雲に勉強をしても結果に結ぶつくのには時間がかかります。
早く合格できれば、土地家屋調査士としてのキャリアのスタートも早くなりますし、その分お給料がアップするのも早くなります。
高卒等の学歴に不安がある方や今の収入に不満がある方に予備校の利用は現状から抜け出すチャンスにもなります。
独学で何年もかけて合格を目指すより、予備校で効率良く勉強して最短で合格した方がメリットは大きいです。
そうなれば、予備校に支払ったお金以上の価値があったと言えるのではないでしょうか。
土地家屋調査士は平均年収が高い仕事なので、予備校の受講料は合格後すぐに回収できます。
土地家屋調査士のおすすめの予備校・通信講座についてこちらの記事で詳しく解説していますので、是非確認してみてください!
⇒『アガルートの『土地家屋調査士試験』講座の評判は?特徴や合格率、料金まで』
⇒『東京法経学院とアガルートの土地家屋調査士講座の比較!内容や料金について徹底解説!』
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【まとめ】高卒でも土地家屋調査士になれるのか
記事から分かるように土地家屋調査士は高卒等の学歴は不問で、年齢にかかわらず受験できる資格です。
もう一度重要な点をおさらいしていきます。
- 土地家屋調査士は高卒でもなれる!
- 土地家屋調査士の資格試験に学歴は関係ない
- 土地家屋調査士の求人のほとんどが学歴不問
- 頑張り次第で年収1,000万円を目指せる!
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