マンション管理士は令和3年から国家資格になりました。
その合格率は10%を切り、不動産関係の資格の中でも難易度が比較的高い方だと言われています。
この記事では、そんなマンション管理士の試験について、合格点・ラインや、合格予想はどこで見られるのかなどについて解説していきます。
国家資格になったのが昨年からということで、国家資格としてのデータが少ないため、過去のデータからの予測などが多くなりますが、興味のある方は是非最後までご覧ください。
マンション管理士の合格点はどのくらい?
マンション管理士の合格点は決まっておらず、毎年合格者の発表がされた後の合格者データで発表されます。
令和3年度のマンション管理士の合格点は38/50点となっており、合格率は9.9%となっています。
得点率で表すと76%となっており、合格率も含めて非常に難解な国家資格であることが分かります。
マンション管理士の合格点・合格率推移
ここでは、マンション管理士の過去5年間の合格点や合格率推移、受験者数推移をご紹介します。
さらに、合格率や受験者数の推移に関して、なぜそのような推移になっているのかなども合わせて解説していきます。
過去5年間の合格点、合格率推移
年度 | 合格点 | 合格率 |
---|---|---|
令和3年度 | 38点 | 9.9% |
令和2年度 | 36点 | 8.6% |
令和元年度 | 37点 | 8.2% |
平成30年度 | 38点 | 7.9% |
平成29年度 | 36点 | 9.0% |
過去5年間の合格率は7.9%~9.9%と2%以内に収まっており、合格率に関しては特に増加、減少といった推移は見られませんでした。
また、合格点は36点~38点の間を推移しており、例年そこまで大きな変化はないため、確実に合格を目指すのであれば38点を基準に勉強することが推奨されています。
どうして合格率がこんなに低いの?
マンション管理士の合格率が低いことには主な理由が2つあります。
1つ目は、単純に試験が難しいということです。
試験方式が50問択一式で論述試験などが無いため、一見簡単そうに感じるかもしれませんが、選択肢の内容が非常に似ているため正確かつ詳細な知識が無いと、絞り込んで後は勘になってしまうことも多い試験になっています。
同じ不動産関係の資格である管理業務主任者と比較しても、試験が難しいという声も多く上がっています。
2つ目は、「とりあえず受験してみよう」という方が多数いらっしゃるからです。
不動産関係の会社に勤めた場合、会社がある程度の規模であれば、受験に必要な費用を肩代わりしてくれることもあります。
さらに、周りの先輩なども進めてくることが多く、中途半端に勉強した状態で試験に臨んでくる方が出てきてしまいます。
仮に、そういった方が3割程混ざっているとすると、令和3年度では合格率は14.1%となり、一般的な国家資格と大差ない合格率と言えます。
本気で合格を狙って勉強している方は、合格率の低さに惑わされず、気負いすぎないようにしましょう。
受験者数の推移は?
年度 | 受験者数 |
---|---|
令和3年度 | 12,520 |
令和2年度 | 12,198 |
令和元年度 | 12,021 |
平成30年度 | 12,389 |
平成29年度 | 13,037 |
過去5年間の受験者数を見て行くと、段々と減少していることが分かります。
令和3年度に国家資格になってからは、受験者数が少し増えていますが、10年前は15,000人以上の受験者がいたため、現在でも少なくなったと言わざる負えません。
国家資格になったことで、これから少し受験者数が増える可能性もありますが、下記に示す受験者数減少の原因を解決しない限り、減少傾向を抑えることはできないかもしれません。
受験者数はなぜ減少しているの?
マンション管理士試験の受験者数が減少している理由はいくつかありますが、最も大きな要因は他の不動産関係国家資格と比較して、メリットが少ないことだと言われています。
マンション管理士や管理業務主任者、行政書士などの国家資格を取得して、仕事にしようと考えている方の多くが、独立開業を視野に入れています。
そんな中で、マンション管理士は国家資格になったものの独占業務が無く、独立開業しても立ち行かなくなる可能性が十分にあります。
さらに、不動産業界で働く場合でも管理業務主任者には設置義務がありますが、マンション管理士にはありません。
つまり、就職や転職においても管理業務主任者の方が有利に働く可能性が高くなっているのです。
就職や転職する場合でも、独立開業する場合でも、マンション管理士より優先したい資格が多いため、受験者数は減少する一方ということですね。
マンション管理士の合格点・合格ラインの決まり方とは?
次にマンション管理士試験の合格点や合格ラインの決まり方を解説していきます。
これは、公益財団法人マンション管理センターが公表しているわけではありませんので、過去の合格者データなどから予測している内容になります。
マンション管理士の合格点の決まり方
マンション管理士試験の合格点は、合格率や合格者数を一定に保てるように決められます。
これは、その年の試験問題やどの分野から多めに問題を出すかなどによって試験の難易度が変わってしまうと、年度によって公平性を保てない可能性があるからです。
よって、受験者がどれだけ増えても、問題が変わってもある程度の試験の公平性を保つために合格率や合格者数を基準にしているんですね。
つまり、絶対評価ではなく周りの受験者との相対評価で合否が決まるため、試験の出来が悪かったからと言って必ず不合格になるわけではないということになります。
自己採点をしよう
マンション管理士試験終了後に、誰でも自分の結果は気になるでしょう。
試験終了後すぐに、合格点予想と共に解答速報を出しているサイトもあります。
例年の合格得点率は大体75%と言われていますので、それだけ点が取れていればおそらく合格しているでしょう。
ずっと気にするよりも、自信が無くても自己採点をすることをお勧めします。
マンション管理士の合格ライン予想はどこで見れる?
ここからは、マンション管理士試験の合格ライン予想がどこで見られるのかをご紹介していきます。
合格ライン予想を出しているサイトやスクールはいくつかあり、それぞれの考え方があるため予想点数に多少のずれがあることをご了承ください。
解答速報や講評まで行っているスクール
予想点数を出すのみではなく、解答速報や試験の講評まで行っている、試験後すぐに訪れたいサイトには以下のようなスクールがあります。
- アガルート
- フォーサイト
- ユーキャン
これらのサイトでは、ベテランマンション管理士の解説が聞けたりするので、今回の試験に関して詳細に知りたい方、一刻も早く知りたい方にお勧めです。
後で確認しておきたいサイト
大手のスクールのサイトなどで、講評などを確認した後に、念のため他の人やサイトの意見が知りたいという方、合格予想ラインだけを知りたい方には以下のサイトがお勧めです。
- 平柳塾
- LEC友次講師
- 資格スクール大栄
これらのサイトは、少し情報が遅いですが合格予想ラインを知るだけなら十分な内容となっており、中にはPDFで簡単な総評や解説を載せているサイトもあります。
合格予想ラインは大体どのサイトも同じ?
毎年、これらのサイトでは合格ライン予想が出されているわけですが、大体どのサイトも誤差1,2点以内に収まっています。
また、実際の合格ラインとも誤差1,2点以内に収まっており、かなり正確な予想を出してくれています。
しかし注意点もあり、解答速報が間違っていたりする場合には告知なく変更が加えられることもあるので、あくまで予想として捉えるようにしましょう。
昨年2021年度の解答速報の実施状況
最後に令和3年度の解答速報の実施状況を見ていきましょう。
いくつかのサイトが合格ライン予想を出したり、解答速報を出しています。
スクールに通っている方は自分のスクールの情報を欠かさずチェックしておきましょう。
最速で解答速報を出しているアガルート
アガルートは様々な資格の勉強ができるオンラインスクールで、マンション管理士の講座もあります。
そのアガルートの解答速報は、他のスクールよりかなり早く、試験日当日の15:25から公開され始めます。
ですので、皆さんが試験を終えて家に帰ってPCに向かう頃には、自己採点を始められそうですね。
その後19:00からYoutubeの動画で、詳しい解説や今回の試験の総評、解答速報の訂正や注意点がある場合にはそういった解説もされています。
そして21:00からは、別のYoutubeの動画で今回の試験の合格ライン、合格点予想が理由と共にされています。
解説をしてくださっているのは、アガルートでマンション管理士講座を担当している方で、非常に分かりやすく、適切な解説を聞くことができます。
他のスクールやサイトとも見比べよう
アガルートの解答速報を利用すれば、大体の自己採点を終えることができますが、それでも心配な方は他のサイトやスクールも見比べてみましょう。
他のお勧めのスクールとしては、フォーサイトやユーキャンが挙げられます。
これらのサイトはアガルートと比較して、若干解答速報が出されるのが遅くなっていますが、会員ではなくても利用できる自己採点機能がついていたりするので、非常に見やすくなっています。
また、フォーサイトは19:00から、Youtubeライブで試験の講評、合格ライン予想などを行っているため、コメントを利用して質問ができる可能性もあります。
公式発表はいつされているの?
解答速報は試験日の当日発表され、すぐに見ることができますが、公益財団法人マンション管理センターから発表される公式の合格発表はかなり遅めになっています。
令和3年度ですと、試験日が令和3年11月28日で、合格発表は令和4年1月14日でした。
その公式発表では、合格ラインの他に受験者数や合格者数、合格率、合格者の平均年齢など様々な情報を得ることができます。
マンション管理士の合格予想:まとめ
今回この記事では、マンション管理士試験について、合格率や受験者数の推移、合格予想ラインはどう決まっているのか、どこで見られるのかなどをご紹介してきました。
マンション管理士試験の合格点は36点~38点となっていることが多く、得点率にすると約75%、合格率は7.9%~9.9%となっています。
合格率の推移としては、2%以内に収まっているのではっきりとした増減は確認できませんが、受験者数は年々減少しています。
試験の合格ライン予想は、アガルートなどのマンション管理士講座を持ったスクールであったり、マンション管理士としてブログをやっている方のサイトで見ることができます。
公式からの発表は年をまたいで1月中旬あたりになりますので、合否が気になる方は合格ライン予想や解答速報を参考に自己採点をしてみて下さい。