MBAは経営学修士のことで、Master of Bussiness Administration の略です。
日本でも取得可能な教育機関はありますが、身近で耳にする機会が少なく、具体的に何を学べるのか想像がつかない方もいることでしょう。
そこで今回はMBAとは何か、得られるものや何に活かせるのか、国内で取得する際のおすすめの経営大学院まで徹底的二解説していきます。
この記事で分かること
- MBAとは
- 国内MBAと海外MBAの違い
- MBA取得者の就職先や仕事内容
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MBAとは
MBAとは経営学修士とも言い、Master of Bussiness Administrationの略称です。
経営戦略やマーケティング、組織論やファイナンスなど企業経営に関わる知識を身に着けられます。
企業経営に関する知識を講義形式で受けられるので、ビジネスマンとしてステップアップしたいと考えている方におすすめです。
一般的な試験を受験して獲得できる資格ではなく、講義を受講して取得する「学位」です。
MBAが取得できる大学一覧
MBAは取得するために、大学に設置されている経営大学院への入学が必要です。
日本では国内の大学が開校している国内MBA経営大学院への入学が一般的です。
もし海外でのMBA取得をねらっているのであれば、海外のMBA大学院に進学する、あるいは日本で開講されている海外MBAの授業を受講する必要があります。
国公立大学では以下の大学で経営大学院が開校されています。
- 小樽商科大学
- 北海道大学
- 筑波大学
- 横浜国立大学
- 一橋大学
- 東京都立大学
- 東京工業大学
- 京都大学
- 神戸大学
- 大阪大学
- 兵庫県立大学
- 九州大学
一方で、私立大学では以下の大学で、MBAを取得できる経営大学院を開校しています。
- 慶応義塾大学
- 早稲田大学
- 青山学院大学
- 明治大学
- 立教大学
- 中央大学
- 東洋大学
- 多摩大学
- 同志社大学
- 立命館大学
- 関西学院大学
- 名古屋商科大学
- グロービス経営大学院
基本的に東京や大阪などの都市部で開校されていることが多く、地方の大学では経営大学院を置いていないところが多いです。
そのため経営大学院への進学を検討しているのであれば、都市部での勤務あるいは在住している必要があるでしょう。
MBAの取得方法
MBAの学位を取得するためにはビジネススクールに通い、所定の単位を修得しなければいけません。
国内の大学院では大学を卒業しているか、またはそれに相当する学力を持ち、さらに企業での実務経験が受験資格として必要とされるケースが多いようです。
もし企業や団体からの派遣で入学を希望する場合には、派遣元からの推薦書が必要となるため、入学を考えている方は、受験予定の学校の選考基準を確認し、自身の受験資格を確認しておくことが重要です。
もし周囲にビジネススクールを検討したことがある方や、実際に通っている方がいれば情報収集するのもひとつ。
また、欧米のビジネススクールを受験する際には、GMATと呼ばれる適性試験やTOEFLスコア、企業や大学の指導教員からの推薦書が求められることが一般的です。
海外のビジネススクールは、国内のものに比べて語学のハードルが高いと感じるかもしれませんが、グローバルに活躍したいと考える場合は、海外のビジネススクールがおすすめです。
さらに、国内外を問わず、オンラインプログラムを提供しているビジネススクールも一定数います。
勤務しながらMBAを取得することを目指す場合、通学の必要がないオンラインMBAが特におすすめです。
進学方法はビジネススクールによって異なり、入学条件や英語力（TOEIC®スコア700点以上）などが設定されるため、事前に調べるようにしましょう。
海外MBAとは？難易度や国内MBAとの違い、メリット・デメリットについて解説
MBAの難易度
MBAの難易度は入学試験の難易度と修了の難易度があります。
このうち修了の難易度に関しては、時間が取れればそこまで難易度は高くはありません。
問題は入学試験の方で、通常の大学院では試験と面接に合格後、配属された研究室の教授から研究テーマを与えられることが多くなっています。(放置系の研究室でもヒントやアドバイスがもらえる)
しかし、MBAの場合願書提出時に自分が研究する内容の計画書を提出する必要があり、テーマを自分で探すことになります。
この研究計画書は合否を大きく左右するため、その影響で入学試験の難易度が高くなっています。
また、筆記試験の難易度は入学を希望する大学院によって違いますので一概には言えませんが、決して簡単な内容ではありませんので、経営学について経験のない方はしっかりと対策をする必要があります。
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MBAの取得手順
MBAの取得方法は前述した通り、ビジネススクールで単位を取得し修了することが必要になります。
MBAの取得手順は、以下のとおりです。
- MBAが取得できる大学院を受験する
- 大学院で1〜2年講義を受ける
- 単位を取得して卒業要件を満たす
MBAを取得するための条件は、大学院によって異なります。
また、企業から派遣されている場合は推薦書が必要になるため、忘れないようにしましょう。
学位の取得以外にも必要な要素があり、それが英語力です。
海外MBAではもちろんですが、国内MBAでも英語力を鍛えながら学習を進めていくことで将来的に就職に役立ちます。
その際にただ学習を進めるだけではなく、資格や実績でアピールできるようにしておきましょう。
また、アピールするだけのための英語では意味が無いので、読む・話す・書く・聞くの4要素を満たせるように、外国人講師と話ができる英会話レッスンなどを受講するとよいかもしれません。
国内MBAと海外MBAの違い
MBAには国内と海外の2種類があります。
国内では、一橋大学や早稲田大学、慶応大学といった有名大学が多く、海外にはアメリカ、欧州に集中しています。
ここではその国内MBAと海外MBAの違いを解説していきます。
評価
国内MBAと海外MBAでは評価の違いが挙げられます。
国内企業に就職する場合はさほど問題ありませんが、グローバル企業や海外の企業に就職を考えている場合、海外MBAの方が評価が高くなっています。
これは、国内MBAはまだまだ国際基準では評価が低いためです。
特に外資系企業での就職を考えている場合は、海外MBAの取得が推奨されています。
学費・言語
国内MBAと海外MBAには多くの違いがありますが、最も大きな違いは学費と言語の違いでしょう。
まず、学費に関しては国内の国公立であれば終了までに200万円程で足りますが、海外MBAは学費のみで最低800万円はかかると言われています。
さらに海外に滞在するわけですから、生活費用なども合わせるとかなり高額の出費が必要になります。
そして、言語の違いとしては授業で扱われる言語が国内MBAでは日本語、海外MBAでは英語が使われており、英語の重要性が問われます。
これは、海外MBAを終了した場合英語力も同時に認められるということになります。
難易度
難易度の違いとしては、単純に考えれば言語が英語になり、倍率も上がる海外MBAの方が難易度が高いと言えます。
しかし、海外MBAではグループディスカッションが重要視される傾向にあり、得意な方にとっては難易度が下がる可能性もあります。
そして英語力に問題が無い方であれば、海外MBAのハードルは一気に下がるため挑戦してみるのも良いかもしれません。
費用
国内のMBAの場合だと平日の昼間に通う全日制フルタイムと、平日の夜間および週末に通うパートタイムの2つの形式があります。
パートタイムであれば、仕事を続けながらMBAプログラムに参加することができますが、フルタイムの場合は仕事との両立が難しく、生活費を全て自己負担する必要があるため、費用面での懸念が生じることがあります。
海外では、居住地が都心か郊外かによって生活費の水準が異なります。
例えば、ニューヨークやボストンなどの都市に住む場合、家賃や光熱費だけで15万から20万円程度かかるといあれています。
さらに、食費や日用品代などの生活費も同様に15万から20万円近くかかるため、年間で見ると学費と同等の生活費が必要となります。
以上のことから海外MBAよりも国内MBAの方が費用を抑えられます。
特にパートタイムのMBAプログラムであれば、収入を得ながら学ぶことができるため、安心感が得られるでしょう。
卒業後の進路
国内のMBA卒業生は経営コンサルタントやベンチャー企業のマネージャーとして国内企業に就職したり、自ら起業するケースが多く見られます。
また、卒業生同士のネットワークが強固であるため、ビジネスにおいてもそのつながりを活用しやすくなります。
一方、海外MBAを取得した場合は、海外での就職や国内に戻って外資系企業に就職することが一般的です。
日本の大学を卒業した人が海外企業で良い条件で働くのは難しいですが、海外MBAを持っていることで海外での就職が有利になります。
さらに、外資系企業では海外MBAの評価が高く、中途採用で幹部としてのポジションに抜擢されるといった方もいます。
国内MBAと海外MBAのメリット
国内MBAと海外MBAには異なる特徴がありますが、それぞれの利用にはメリットがあります。
国内MBAのメリット
国内MBAのメリットは、日本語で学べることです。
通常、MBAの授業はすべて英語で行われるため、英語が理解できなければスムーズに講義が受けられません。
英語に慣れていない人は、経営学の勉強だけでなく、英語の勉強も行わなければならず、勉強に集中できないのです。
また、日本で講義を受けていれば、日本人との交流があるため、国内での人脈づくりにも繋がります。
海外MBAのメリット
海外MBAのメリットは、英語が身につくことです。
MBAの講義はすべて英語で行われるため、英語力を必ず身につけなければなりません。
英語が苦手な人でも、MBAの勉強と共に英語力は確実に上がります。
また、国内だけでなく、グローバルな人脈が形成できます。
海外で企業を始めたい人は、海外MBAの取得がおすすめです。
MBA取得者の就職先
ここではMBA取得者の就職先や仕事内容を解説していきます。
MBA取得者になれば、それなりに企業や周りの方から一目置かれるようになりますし、経営学においてはスペシャリストと言えます。
一体彼らはどんな就職先を選ぶのでしょうか？
コンサルティング企業
MBAでは経営学を学ぶため、それを最も生かせるコンサルティング企業に就職する方が多いようです。
国内大手企業では、
- アビーム
- 野村総合研究所
- 日立コンサルティング
などが挙げられます。
これらの大手企業で経験を積み、中小企業などをサポートする個人コンサルタントとして独立する方もおり、その方面であればMBAの経験は役に立ち続けるでしょう。
金融機関
コンサルティング会社と並んで人気があるのが金融機関です。
金融機関への就職を考えるMBA取得者の多くが投資銀行を希望し、M&Aの職を担当することが多いようです。
M&Aとは合併Mergersと買収Acquisitionsのことで、金融機関に所属し企業間のM&Aを円滑に進めることが仕事になります。
外資系の投資銀行に勤めた場合は、出世次第では年収が何千万にもなることがあるようです。
世界的有名企業
MBA取得者の中には世界的有名企業を志す方もおり、特にGAFAと呼ばれる超大手IT企業や、国内であればYahooなどが人気となっています。
しかし、これらの企業はITに精通していることが多く、MBAで経営を学ぶのと同時にIT方面の学習も進めておく必要があるようです。
また、経営学はそのまま営業力にも直結する力であり、国内MBAでもコミュニケーション能力は身に付きますので、有名企業で営業からキャリアをスタートする方もいらっしゃいます。
起業する
これはMBA取得中にそう思うようになる方や、元々企業のために経営学を勉強しに来た方に当てはまりますが、MBA取得後起業する方もいらっしゃいます。
そういった場合、ビジネススクールに通っている間に経営に携わる方々と人脈を作る機会があるはずなので、チャンスを見逃さないようにしましょう。
また、優秀な方であればヘッドハンティングされることもあるようです。
それと比較して国内MBAであれば、授業は日本語で受けられますし今の生活と両立しながら単位の取得を目指すことが出来ます。
ここからはMBAの取得方法やそれに必要な力を解説していきます。
MBAでは経営学を中心に学んでいくわけですが、他にも必要な力があるようです。
MBAを取得するメリット
MBAを取得するには、ビジネススクールの入学試験を突破し、最低2年間の時間を費やす必要があるわけですが、それに見合うメリットはあるのでしょうか？
経営幹部へのキャリアアップ
MBA取得のメリットの一つ目は、経営幹部へのキャリアです。
MBA取得の時点で学歴としては申し分なく、大企業でも経営幹部への昇進が見込めますし、それが条件となっているグローバル企業もあります。
また、MBA取得後の転職では先ほどご紹介したような超有名企業を視野に入れることができるようになるのも大きな魅力ですね。
さらに、MBA取得による年収の大幅アップも期待でき、MBA取得後の最初の転職で年収が300万円以上上がった人は、95%という調査結果もあります。
40代にもなると、ほとんどのMBA取得者が年収1,000万円、3~4割の方が年収1,500万円となっています。
海外MBAでは多様性を身に着けやすい
国内MBAは大半が日本人ですが、海外MBAの場合色々な国から人が集まります。
すると、言語は英語で統一されていても様々な文化を体験することができるため、海外MBAでは多様性を身に着けやすいと言われています。
将来海外企業への就職を考えている場合は、海外MBAに入学することをお勧めします。
国内MBAの方が理解が深まりやすい
国内MBAに入学するメリットとしては、授業への理解が深まりやすいことです。
海外MBAに入学した場合は英語での授業が当たり前になりますし、生活も大きく変化します。
それと比較して国内MBAであれば、授業は日本語で受けられますし今の生活と両立しながら単位の取得を目指すことが出来ます。
他のことに気を取られることなく経営学の勉強に集中できるのは国内MBAの大きなメリットです。
MBAの大学院を選ぶときのポイント
MBAを取得するためには、所定のカリキュラムを持つ経営大学院への進学が必須です。
ただ経営大学院であるからといって選ぶのではなく、目的に応じて以下のポイントを元にどこに進学するかを選んでみましょう。
- MBAランキング
- 費用
- 受験倍率
- 大学院の所在地
- 講義時間
- 専門実践教育訓練給付金の有無
以下で詳しく解説していきます。
MBAランキング
MBA取得のために経営大学院を選ぶのであれば、MBAランキングを元にするのもおすすめです。
日本国内ではまだMBAは一般的ではありませんが、海外ではMBAの主塔はビジネスマンの中では比較的浸透しています。
実は海外ではMBAを取得していることに意味があるのではなく、学んだ経営大学院のプログラム内容のレベルやランキング内での位置づけで、優劣を判断する傾向にあります。
国内のMBAのランキングや海外のMBAのランキングが公開されていますので、より評価の高いMBAを取得したいと考えている方は、ランキング上位の経営大学院を選択することをおすすめします。
費用
MBA取得のために経営大学院を選ぶのであれば、取得するまでにどの程度費用がかかるのかも確認しておくことをおすすめします。
上述した通りMBAの取得できる経営大学院は、国公立大学付属と私立大学付属の2パターンがあります。
大学と同じように、経営大学院も国公立と私立では学費に大きな差があります。
国公立の経営大学院は、一般的に卒業するまでに100万円～150万円程度の学費で済むことが多いです。
一方で私立の経営大学院では、大学ごとに設定されている学費が異なります。
金額はまちまちですが、平均で卒業までに300万円かかることが多いです。
国公立大学も私立大学も同様に、国内ではネームバリューのある大学に併設されていますが、好みや学びたい講師なども勘案して選択してみてください。
受験倍率
MBAの取得のために経営大学院を選ぶのであれば、受験倍率も気にかけておくことをおすすめします。
大学受験と同様に経営大学院でも、所定の試験が設けられています。
経営大学院としても全員を受け入れることが出来ないため、入試の点数に応じて入学者を選別しています。
MBAランキングの上位やレベルの高い人気の講座には人が集中しますので、倍率が自ずと高く成ります。
仕事の都合上で取得しなければならない、すぐに取得したいなど都合にあわせて入学しやすさも確認しておくと良いでしょう。
大学院の所在地
MBA取得のために経営大学院を選ぶのであれば、大学の所在地もチェックしておきましょう。
基本的にMBAは働きながら取得していくことが多いですから、平日の夜間や土日を活用して授業を受けていくことになります。
そのためプライベートも考えておかないと通い続けるのが難しくなってしまうでしょう。
講義時間
MBAプログラムは、大学によって子食いの時間が異なります。
とくに国内MBAの都市部の大学では、仕事を終えた後に通学しやすいように、夜間に講義を行うところもあります。
残業が多い企業に勤めている場合、平日の夜間に講義を受けることが難しいため、土日のみで修了可能なプログラムを提供している大学もなかにはあります。
MBAプログラムは通常、少なくとも1.5年以上の期間にわたって講義を受ける必要があるため、自分のライフスタイルに合ったプログラムであるかどうかを見ておくことが大事です。
社会人が仕事を続けながら学べるように、平日の夜と土曜日に授業を行うパートタイムMBAプログラムと、全日制のフルタイムMBAプログラムを比較してみてください。
専門実践教育訓練給付金の有無
MBAプログラムの受講資金を確保するための主な手段には、奨学金・教育ローン・給付金の三つが挙げられます。
多くのMBA入学希望者が利用しているのが教育訓練給付制度です。
教育訓練給付制度とは厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度のことです。
希望する大学のMBAプログラムが厚生労働省の専門実践教育訓練給付金制度において専門実践教育訓練として認定されている場合、給付金を受け取ることができます。
MBAに関心があるものの費用面で不安を感じている方は、教育訓練給付金制度をぜひ活用してみてください。
【2025年最新版】国内MBA取得におすすめの予備校7選！比較とご紹介
MBAを取得してキャリアアップを実現しよう
今回この記事では、MBAとは一体どんな物なのかという内容を国内MBAと海外MBAの違いや、資格に分類されるのかどうかなどの観点から解説をしてきました。
まず、MBAとはビジネススクールを修了したという学位であり、資格ではありません。
そしてその目的は経営学のエキスパートを育成することでした。
MBAには国内と海外の2種類があり、それぞれ学費や言語、企業や世間から受ける評価、入試の形態や難易度に違いがあるようです。
MBA取得者の就職先としては、アビームなどのコンサルティング会社や金融機関、GAFA、Yahooといった世界的に有名な企業が挙げられています。
MBAの取得には2年をかけて単位を取得しきる方法しかありませんが、それに見合ったメリットがありますので、社会人からでも頑張ってみて下さい。
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