近年日本国内でも少しずつ注目を集め始めているMBAですが、国内MBAと海外MBAでは世間からの評価が大きく分かれ、国内MBAの評価上昇が課題になっています。
そんな国内MBAではどんな授業科目が取り入れられ、どのような体系で授業が進められているのでしょうか?
また海外MBAと比較して授業科目や勉強方法に違いはあるのでしょうか?
この記事ではMBA科目について、国内MBAに焦点を当てて一覧と共に解説していきます。
またアメリカなどの海外MBAとの違いについてもご紹介していきます。
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国内MBAの授業科目
まず最初に国内MBAの授業科目一覧を詳しくご紹介していきます。
国内MBAといってもビジネスクールによって多少の違いはあるため、今回は慶応義塾ビジネススクールを例に解説していきます。
会計管理
会計管理とは企業が自社の戦略を立てるために内部向けに算出した会計のことで、計算自体はソフトが行うこともありますが、経理担当者もしっかりと理解しなければならない仕事です。
この会計管理がしっかり出来ていると、経営状況を明確に把握できたり部門ごとの業績改善に役立てることができます。
会計管理の科目では会計管理の手法基礎知識・簿記に関する内容を学び、経営状況からどうお金を動かせば良いのかを判断する力を養っていきます。
マーケティング
マーケティングはよく聞く言葉ですが、学問として学んだ人とそうでない人とでは理解に大きな差が生まれます。
ビジネススクールではマーケティングについて「誰にどんな価値をどうやって提供するのか」という仕組みを勉強できるため、卒業後経営に携わった時に物やお金の流れをすぐに把握することができるはずです。
また起業しようと考えている人も、マーケティングを理解できていないと良いものを作っても上手く売れないため、必マーケティングを学ぶことは須事項と言えるでしょう。
経営科学
経営科学とは、ビジネスにおいて発生した問題の解決や方向性の意思決定に統計学や数学的手法を用いることを指します。
この科目では課題解決や意思決定のための定量分析手法や、合理的に判断するやり方について学んでいきます。
組織マネジメント
組織マネジメントとは、組織が最大限の力を発揮できるように運営・管理をすることです。
経営学では人・物・金の流れを把握することが重要だと言われていますが、近年ではそれらに「情報」を加えた4つの要素を学ぶことが必須とされています。
この科目では、組織内の人の行動と組織自体の行動の2つの観点からマネジメントを学んでいきます。
経済・社会・企業
これは企業に影響を与える経済的・社会的な外的要因について学んでいく科目です。
この科目を学ぶことで、外の環境の変化に対してどのような経営戦略をとり、どのように環境に適応・耐え忍ぶのかなどを判断する力を身に着けることが出来ます。
財務管理
財務管理とは企業の経営を資金的に管理することで、資産の運用・資金調達・M&Aなどを指します。
中でも財務会計は会計管理とは違った銀行や株主など外部に向けた会計のことで、財務状況を客観的に評価するために使います。
この科目では、経営財務の基礎から企業再生についてまで財務管理を学びます。
生産政策
製品やサービスを生産する際に課題が生まれることがよくありますが、生産政策ではこの課題の分析・改善を行う手法を学ぶことができます。
中小企業にアドバイスをするコンサル企業などに勤める場合、生産政策をよく学んでおくと的確な助言をすることが出来るでしょう。
総合経営
この科目では、企業の経営上の戦略を経営TOPの視点から学んでいきます。
これには誰かに指示する実行戦略も含まれており、起業を考えている人は特に総合経営を学ぶ必要があります。
座学以外には演習・合宿・ゼミがある
前項で紹介したような経営学について学ぶ座学の授業の他に、総合演習や合宿が組まれることがあります。
演習や合宿では、経営学において重要とされるコミュニケーション能力も同時に鍛えることが出来ます。
また座学以外での合宿や演習では実践を意識して経営学を学べるというメリットもあります。
演習科目
演習科目では実際に数人でチームを組んで仮想企業を設立します。
そして各企業でサービスを話し合い、同じ市場内で業績を競い合います。
講師からルールや状況の変更が伝えられる中、これまでに学んだ知識を生かし自社の業績をいかに上げるかを実践的に学ぶことが出来ます。
また、他のチームとの競い合いの他に自分のチーム内での役割を考えることで、自分はどんな立ち回りが得意なのかを把握することができます。
ディスカッション・オリエンテーション合宿
普段からディスカッションを通して経営学を学ぶこともあるビジネススクールですが、合宿を通してより学びを深めることもあります。
この合宿では同じ意識を持つ人たちで共に勉強を進めることで、忙しいビジネススクールでの生活に慣れたりモチベーションを保つことが出来ます。
国内MBAの後半はゼミで修士論文作成を行う
基礎講義を一通り学んだあとは、少人数のゼミに所属し修士論文の作成を始めます。
この際、経営学の最先端で活躍する人たちとの人脈を築くことができたり、座学だけでは得られない知識を得ることが出来ます。
しかし修士論文の作成と同時に高度な応用専門科目を取得する必要があるため、MBA後半はかなり忙しくなります。
国内MBAの取得に必要な単位数や勉強時間の目安
ここからは、国内MBAの取得に必要な単位数や勉強時間の目安をご紹介していきます。
ビジネススクールによって必要な単位数や勉強時間は異なりますが、参考としてご覧ください。
国内MBAの修了に必要な単位数
有名国内MBAの必要単位数は以下のようになります。
学校名 | 必要単位数 |
---|---|
慶応義塾大学 | 基礎科目・専門科目・演習科目の合計で54単位以上 |
早稲田大学 | 科目区分に沿って50単位以上 |
京都大学 | 基礎・専門・実務・発展科目の合計で42単位以上 |
神戸大学 | 科目区分に沿って22単位以上 |
名古屋商科大学 | 科目区分に沿って40単位以上 |
グローバルに評価されている慶応義塾大学と早稲田大学の2つは、必要な単位が50単位以上に設定されています。
一方ほとんどの国内MBAは必要単位が30~40単位に設定されており、必須科目は10~20単位分となっています。
大学に比べると必要単位数が少ないように感じますが、1つ1つの単位取得にかかる難易度が非常に高く勉強時間も必要になるため、大学よりはるかに忙しくなります。
国内MBAの授業開講時間と勉強時間
国内MBAの授業開講時間を早稲田大学を例にご紹介します。
昼間部平日 | 夜間部平日 | 夜間部休日(土曜日) |
---|---|---|
9:00~19:45 | 18:50~22:00 | 9:00~19:45 |
MBAに通う人のほとんどが社会人であるため授業は昼間部・夜間部に分けられていますが、必要な勉強時間は平等になっています。
授業開講時間は上記のようになっていますが、空きコマも存在します。
生徒たちはそういった空きコマの時間に予習をしたり課題を終わらせたりしているようです。
これらのことを踏まえると勉強時間としては昼休憩と長期休暇を考えて
【1日8時間×一か月の平日22日×長期休暇抜きで9.5ヶ月×2年=3,344時間】
実際はもう少し勉強時間が少ないと考えられるため、約3,000時間と考えておきましょう。
アメリカなどの海外MBAと科目に違いはあるの?
国内MBAと海外MBAでは海外MBAの方が評価が高いと言われていますが、授業科目に違いはあるのでしょうか?
ここでは、海外MBAとの違いについて解説していきます。
授業科目の違いはほとんどない
実は、国内MBAと海外MBAの授業科目に違いはほとんどありません。
どちらも上記で紹介したような会計やマーケティングなどの経営戦略を学びます。
また座学には科目ごとにテストがありますが、これは大学と同じように友達と協力して乗り越えることが多いようです。
評価は大きく異なりますが、国内MBAと海外MBAではこのように類似点も多くなっています。
しかし重視する要素の傾向に違いがあり、海外MBAでは数学や統計分析が重要視されています。
理系大学生が習うような確立・微分積分・方程式の応用は出来て当たり前だと考えておきましょう。
勉強の仕方には大きな違いがある
国内MBAと海外MBAの修学中の違いは科目よりも勉強の仕方にあります。
海外MBAではグループワークが非常に重要視されており、ほとんど全ての授業でグループワークが取り入れられていることも珍しくありません。
グループワークの内容としては、各授業に関係のある企業や国の経済状況についてチームでまとめ発表するということが多くなっているようで、議論が白熱することもよくあります。
海外MBAには修士論文が無いこともある
日本のビジネススクールでは修士論文を書いて修了することがほとんどですが、海外MBAでは修士論文が無い学校もあります。
その代わり、修了条件として企業と共同のコンサルティングプロジェクトに参加し修了することなどが設定されています。
実際に現場で経営学を実践し体験することで、卒業後をイメージすることが可能になっています。
国内MBAの科目一覧!アメリカなどの海外MBAとの違いも比較|まとめ
今回この記事ではMBA科目について、国内MBAに焦点を当てて一覧と共に解説してきました。
またアメリカなど海外MBAとの違いについてもご紹介しました。
国内MBAの授業科目は、会計管理や財務管理など会計に関することからマーケティング・総合経営といった経営に関わることまでの全てを学ぶことが出来ます。
国内MBAの勉強手法としては、座学とグループワークを混ぜながら合宿・総合演習なども挙げられます。
卒業に必要な単位数はほとんどの国内MBAで30~40単位となっており、慶応早稲田では50単位以上が必要になります。
またアメリカなど海外MBAとの違いとしては、勉強方法がほとんどグループワークであること、修了条件が論文ではないことなどがあるようです。
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