皆さんは臨床検査技師という職業を知っていますか。
医療業界の中でも比較的認知度の低い職業ですが、臨床検査技師は医師が診察や治療を行う上で非常に重要な役割を担っています。
そこで、臨床検査技師の大学病院などでの仕事や気になる平均年収、将来性について詳しく紹介します。
将来臨床検査技師を目指している方は必見です。
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臨床検査技師とは?
臨床検査技師とは、大学病院や保健所などの医療機関において医師が治療や診察を効率的に行うために必要な様々な検査を専門として行う職業です。
臨床検査技師は医師の補助的な役割となっていますが、検査業務には当然医療従事者として必要な専門知識が問われるため、他の医療系職業と同じように医療の現場において非常に重要な責任を担っています。
医療知識に加えて検査結果を正しく判断し医師に伝えるためのデータ分析能力も臨床検査技師として働く上で必要なスキルとなります。
臨床検査技師の主な仕事内容
臨床検査技師のメイン業務は、医師が診察や治療を行うために必要な検査を行うことです。
臨床検査技士は一般的に大学病院や保健所など医師がいるところで働きます。
検査と言っても患者の病状やケガの具合によって必要とされる検査はいくつか種類があります。
例えば、患者の生理的反応や機能を心電図や脳波などを用いて測定する「生理学的検査」、血液や尿などを採取しそれらに含まれる細菌や成分を調べるための「検体検査」などが挙げられます。
また、内視鏡を使って体内の腫瘍などを調べる検査や専用の機械を使ってガンなど特定の病気を調べるための検査など医療の現場において数多くの検査が存在するため、病気やケガに関する医療的な知識が必要不可欠となります。
臨床検査技師の気になる年収事情は?
医師や看護師など、医療従事者の年収は比較的高いと言われていますが臨床検査技師の場合はどうなのでしょうか。
それでは臨床検査技師の気になる年収事情について一緒に見ていきましょう。
臨床検査技師の平均年収
臨床検査技師の収入はもちろん勤続年数やスキルによって一概には言えませんが、平均年収はおよそ470万円となっています。
同じ医療従事者である医師の平均年収が800万円〜、看護師で500万円前後となっているため、臨床検査技師の平均年収は比較的やや低水準となっています。
性別による平均年収は、40代男性が600万円程度、女性の場合やや低水準の500万円前半となっており性別によって格差があるのが実情となっています。
新卒の場合、初任給は20万円前後となっていますが、医療現場での実務経験がある者は転職した場合でも高水準の収入を見込むことができます。
勤務先の規模による平均年収の差
臨床検査技師の年収は勤務先の規模によっても大きく異なり、大学病院など大規模な職場の場合は比較的小規模な保健所などの施設よりも当然年収が高水準となります。
100人未満の職場の場合、平均年収は425万円程度になるのに対し、1000人以上の大規模な職場の場合は500万円程度となっています。
職場の規模によって平均年収の差が生まれる理由としては、大規模な職場であればそれだけ数多くの検査機器などの設備が充実しているため、マルチに検査業務に携わることになるからです。
臨床検査技師になるには?やりがいや将来性は?
臨床検査技師の仕事や平均年収について理解して頂けたでしょうか。
皆さんの中には将来臨床検査技師を目指している方もいると思うので、臨床検査技師になるための具体的な方法や仕事のやりがい、将来性について一緒に考えていきましょう。
臨床検査技師になるには国家資格が必要
臨床検査技師になるには、臨床検査技師国家資格の取得が絶対となっています。
検査業務といっても間接的に患者の治療に携わるわけですから、当然専門的なスキルと知識が必要とされます。
臨床検査技師の国家試験には受験資格が設けられています。
受験資格を満たすためには、3年制の短大もしくは専門学校、もしくは4年制の大学において臨床検査の養成課程を修了し卒業する必要があります。
国家試験に合格後、免許申請を行い各医療機関に採用されれば臨床検査技師として働き始めることができます。
臨床検査技師の苦労ややりがい
臨床検査技師は医療従事者の一員であることから、業務が多忙になり苦労を感じることが多々あります。
検査業務は単純作業のように思われがちですが、各患者の病状やケガに適した検査を行いつつ、検査結果やデータを分析しそれらをしっかりと管理、報告する必要があるため常に神経をすり減らしながら業務を行うことになります。
そのため、体力面はもちろんのこと精神面でも疲労を感じ苦労することもたくさんあることでしょう。
しかし、がん検査など時には直接的に患者の生死が問われる状況もあることから、検査によって腫瘍の早期発見などができれば患者の命を救うことができ、それが仕事のやりがいにつながります。
臨床検査技師の現状や将来性
医療の世界には診察や治療は医師が行い、検査業務は検査の専門家である臨床検査技師が行うというそれぞれの専門業務の役割分担をし医療ミスを減らす「医療分業」という概念があります。
つまり、臨床検査技師も医療の現場においてなくてはならない存在であることは確かです。
しかし、近年では検査設備や医療機器の発展とともに検査業務の機械化や自動化の波があるため臨床検査技師の需要が徐々に減ってきているのが現状となっています。
そのため、非正規社員や派遣などといった雇用形態も増えてきていることから、決して将来性のある職業とは言い難いです。
とは言っても需要がゼロになるとういことは決してな無く、どれだけ機械化や自動化が進んでも臨床検査技師の人手は必要となります。
臨床検査技師の気になる年収事情は?まとめ
今回は臨床検査技師の年収事情や将来性について紹介しました。
臨床検査技師は医療従事者の一員ということもあり、業務が多忙化し苦労を感じることも少なくないと思います。
また、職場によっては十分な収入を見込めないこともあります。
しかし、検査業務は患者の健康や命そのものに関係することもあるため、検査によって早期治療を始めることができれば命を救うことができ、それが仕事のやりがいにつながります。