誰かの心の悩みに耳を傾ける業務はたくさんありますが、相談者がより良い日常生活送るためのサポートを行っている”精神保健福祉士”という職業があります。
精神保健福祉士は勤務先なども様々なところがありますが、仕事内容はそれぞれちがうのでしょうか?
病院に勤務する場合と企業に勤務する場合での仕事内容について、詳しくご紹介します!!
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精神保健福祉士を目指そう!
医療系の仕事の中でも、病気やケガを治す方の業務に携わっている人もいれば、医師や看護師の裏方としてサポートをしている人もいます。
医療の仕事はいつの時代も需要があるため、資格を持っていれば復職や転職の際も有利になることが多いです。
現代では身体的な病気やケガの治療をする人のみならず、心の病を抱えた人の治療に従事する人も求められています。
そのうちの一つの職業が、”精神保健福祉士”です。
福祉系の4年制大学を卒業すると有利?
精神保健福祉士の試験を受けるには、受験資格が必要になってきます。
精神保健福祉士を目指すためには福祉系の4年制大学や短期大学のほか、一般の大学や専門学校を卒業していても通信講座を受講したり養成施設に通うことで受験資格が得られます。
とくに福祉系の4年制大学は、卒業と同時に受験資格が得られるので夢を叶えるために一番の近道だと言われています。
もしも現在、大学進学を検討している人で精神保健福祉士になりたい方は、選択肢としておすすめです。
精神保健福祉士の仕事とは?
続いては、精神保健福祉士の仕事内容について見ていきましょう。
精神保健福祉士は『Psychiatric Social Worker(PSW)』という名称で呼ばれることもあり、心の病を抱えた方のサポートを中心とした業務に携わっています。
それでは、具体的にはどのようなことをしているのでしょうか?
より良い生活を送るための援助を行う
精神保健福祉士の大きな仕事として、「心の病を抱えた方がより良い生活を送れるように援助をする」というものがあります。
精神上の障害に苛まれている方やその家族の相談に耳を傾け、日常生活訓練が受けられる施設の紹介や、就職に対するアドバイスなどを行います。
他にも様々な手続きや、給付金制度の案内などもすることがあります。
入院のサポート
これは主に医療機関で働く精神保健福祉士の仕事となりますが、「入院のサポートをする」ことも重要な業務の一つです。
一般的な医療機関である内科や外科などと、精神科病院は入院において全く異なる点があります。
まずは「任意入院」といって、精神科病院への入院であっても、まず患者本人のインフォームドコンセントを得ることを基本とし、同意を得る形で入院する方法があります。
「医療保護入院」という、自傷他害の恐れはないものの任意入院を行う状態にない人に対し、精神科医の判断と保護者同意を得る形で入院する方法です。
「応急入院」は、72時間以内限定であれば本人や保護者の同意も不要なく入院する方法です。
「措置入院」は入院させなければ自傷他害の恐れがあり、強制的な知事権限で入院する方法です。
以上4つの入院形態がありますが、精神保健福祉士は人権擁護にも注意しながら入院について慎重に対処していきます。
地域社会とも繋がりを持つ
これまで、精神保健福祉士は病院内でのみ仕事をしているという印象を強く持たれている職業でした。
しかし現在では、「地域社会とのつながりを大切にする」ことをモットーとしている病院も増えており、精神保健福祉士が関わる人々も増えつつあります。
地域の保健所や作業所とも連携を取り、様々な人たちとの支え合いの橋渡しとなるのが精神保健福祉士です。
勤務先で仕事内容は違う?
精神保健福祉士の勤務先は主に医療系ですが、一般企業でも就職することは可能です。
現在は企業でもメンタルケアの一環として精神保健福祉士が求められていますが、それほど多くの企業が導入しているわけではないので、求人数は少ないでしょう。
仕事内容としては、精神的に障害がある方が多く就職している企業なのかそうでないかで若干の違いはあると思われますが、基本的には学んだことを活かした業務を行います。
続いては、他の勤務先での仕事内容について見ていきましょう。
精神科などの病院関係
精神保健福祉士の就職先として、最もオーソドックスだと言えるのが病院やクリニックへの就職です。
前述の通り、心の病を抱えた方やその家族の相談に乗り、様々なことをサポートしていくのが仕事です。
また、病院に勤務している場合は必要に応じて入院の措置を取ることもあります。
公共職業安定所(ハローワーク)
意外に思えるかもしれませんが、公共職業安定所(ハローワーク)でも精神保健福祉士は活躍できます。
仕事としては、相談者の障害の状態に応じて就職についての相談や、仕事先の紹介、職場への安定支援を行うことが業務です。
児童相談所
児童相談所の相談員である児童福祉司の資格は国家資格化が望まれており、資格取得のために精神保健福祉士のが必須条件となる可能性が出てきています。
聞くに耐えない虐待事件などが頻発している日本において、大人だけではなく子供たちの心のケアも重視されています。
慢性的な人不足に悩まされている業界でもあるので、今後のニーズはさらに高まりを見せるといって良いでしょう。
他にも精神保健福祉士は、介護施設や就労支援事業所、相談支援事業所、保健所や精神保健福祉センターなど多種多様な場所で活躍できる職業となっています。
常に求人がたくさんあるわけではないですが、多くの人が生きづらさを感じている今の世の中において、なくてはならない職業の一つです。
精神保健福祉士の仕事についてのまとめ
”精神保健福祉士”は『Psychiatric Social Worker(PSW)』という名称でも知られており、精神的な障害を抱えている方のみならず、その家族の相談にも耳を傾けています。
活躍の場としては医療関係が多いですが、とくに入院のサポートは内科や外科などの一般病院とは違った形態があり、人権擁護の観点からも慎重に取り組まなくてはならない仕事です。
多くの人が深刻な悩みを抱えている現代において、就職先も広がりを見せています。
精神科の病院やクリニックだけでなく、介護施設や保健センター、児童相談所でも精神保健福祉士の資格を活かして働くことができます。
取り入れている企業はまだまだ少ないですが、一般企業でもメンタルケアのために精神保健福祉士を配置しているところもあるので、今後は需要に応じて求人も出てくるかもしれませんね。
多くの人の心の支えとなって働きたいという方は、ぜひ精神保健福祉士の資格を取得してみてはいかがでしょうか。