人手不足が深刻になっている昨今、引っ越しや結婚、出産などの人生の節目や転換を経ても日本全国で引く手あまたな職業である看護師。
ここでは看護師になるために必要な看護師国家資格について、試験日程や試験会場、国家試験の受験資格などとともに、看護師になるためのルートや看護師資格を所持することで就ける職業やスキルアップについて紹介しています。
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看護師になるための国家資格とは?
看護師は社会的意義の大きい職業の一つです。
また看護師として働くうえで欠かすことのできない「看護師国家資格」を持つため、全国各地で働くことが可能であることも魅力の一つだと言えます。
看護師の仕事は非常に忙しいものですが、患者さんの回復していく様子等から強いやりがいを感じることが可能です。
「看護師」と「准看護師」の違いとはなにか
実は”看護師”とひと言に言っても種類があります。
基本的な仕事自体は変わりませんが、国家資格を持つ「看護師」と都道府県知事の認定する「准看護師」があり、そこには業務の内容を自分自身の判断で行うことが可能か否かという大きな違いがあります。
看護師になるには?
看護師になるにはいくつかのルートがありますが、いずれにせよ最終的には国家試験を突破し厚生労働省の看護師登録を行うことで看護師となれます。
国家資格の取得まで最短で2・3年と長い時間が必要です。これは、人の命を預かる看護師という職業の重みを感じさせるのではないでしょうか。
高校卒業後に看護師を目指す
一番メジャーな看護師を目指すルートとしては、高校卒業後に3年から4年間ほど学習をし国家試験に挑むというものです。
このルートにおいては、高校卒業後に4年制の看護大学や3年制の看護専門学校、看護短期大学に通うことになります。
看護大学に進学すると医療現場に立つのは他の学校に進学した場合よりも1年程度遅くなりますが、看護師国家資格以外の助産師等の資格も取得することが可能であるため、さらなるスキルアップも見込めます。
最短ルートで看護師を目指す
かなり早期から看護師になることを決意している場合のみ選ぶことのできるルートでは、看護高校に進学することで早くても20歳で国家試験を受験し看護師になることが可能です。
このルートにおいては、中学校卒業後に5年一貫制看護高校へと進学することとなります。
因みに3年間の課程修了時点で高校卒業程度の資格が与えられるため、5年間通い続けることなく途中で大学に進んだり、専門学校に進んだりと進路変更することも可能です。
准看護師・働きながら看護師を目指す
准看護師資格を既に有している場合には、専門学校や短期大学の2年課程を修了することで国家試験の受験資格を得ることが可能となります。
また、准看護師として7年以上の実務経験があれば通信課程等を利用して看護師を目指すことも可能です。
働きながら看護師を目指すのであれば、准看護師資格を取得し2年間の学習を経て国家試験の受験資格を得る、もしくは3年制の専門学校に通う、という2種類の方法があります。
日中は仕事で忙しくとも、看護専門学校等には夜間学校もあるため働きながら看護師を目指すことが可能です。
2020年の受験資格や試験日程・会場、試験科目は?
2020年度(令和2年)の試験は既に終了しています。
看護師国家試験の受験資格
看護師国家試験の受験資格は下記の通りです。提示された内容のいずれかに該当している場合のみ受験資格が与えられます。
(1)文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づく大学(短期大学を除く。以下「指定大学」という。)において看護師になるのに必要な学科を修めて卒業した者(令和2年3月11日(水曜日)までに卒業する見込みの者を含む。)
(2)文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校(以下「指定学校」という。)において3年以上看護師になるのに必要な学科を修めた者(令和2年3月11日(水曜日)までに卒業する見込みの者を含む。)
(3)文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、都道府県知事の指定した看護師養成所(以下「指定養成所」という。)を卒業した者(令和2年3月11日(水曜日)までに卒業する見込みの者を含む。)
(4)免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師又は学校教育法に基づく高等学校若しくは中等教育学校を卒業している准看護師で、指定大学、指定学校又は指定養成所において2年以上修業したもの(令和2年3月11日(水曜日)までに修業又は卒業する見込みの者を含む。)
(5)保健師助産師看護師法第5条に規定する業務に関する外国の学校若しくは養成所を卒業し、又は外国において看護師免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が(1)から(3)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者
(6)経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定に基づき、日本語の語学研修及び看護導入研修を受け、かつ、研修の修了後、病院において看護師の監督の下で国家資格取得を目的として就労している外国人看護師候補者で、厚生労働大臣が(1)から(3)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの(令和2年3月4日(水曜日)までに厚生労働大臣が(1)から(3)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認める見込みの者を含む。)
(7)経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定に基づき、日本語の語学研修及び看護導入研修を受け、かつ、研修の修了後、病院において看護師の監督の下で国家資格取得を目的として就労している外国人看護師候補者で、厚生労働大臣が(1)から(3)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの(令和2年3月4日(水曜日)までに厚生労働大臣が(1)から(3)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認める見込みの者を含む。)
(8)経済上の連携に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の協定及び看護師及び介護福祉士の入国及び一時的な滞在に関する日本国政府とベトナム社会主義共和国政府との間の交換公文に基づき、日本語の語学研修及び看護導入研修を受け、かつ、研修の修了後、病院において看護師の監督の下で国家資格取得を目的として就労している外国人看護師候補者で、厚生労働大臣が(1)から(3)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めたもの(令和2年3月4日(水曜日)までに厚生労働大臣が(1)から(3)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認める見込みの者を含む。)
(9)過去に(6)、(7)又は(8)により受験資格を認められた者
(10)保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律(昭和26年法律第147号)附則第8項に規定する者
2020年試験科目
看護師国家試験で出題される科目は下の通りです。
数の多さだけでなくどの科目も難易度が高く、科目数も多いので万全な対策を行わなければ突破することは困難を極めます。
・体の構造と機能
・疾病の成り立ちと回復の促進
・健康支援と社会保障制度
・基礎看護学
・成人看護学
・老年看護学
・小児看護学
・母性看護学
・精神看護学
・在宅看護論及び看護の統合と実践
厚生労働省:令和2年看護師国家試験の施行
2020年試験スケジュール・試験会場
2020年の看護師国家試験は、2月16日(日曜日)に北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の12の都道府県で開催されました。
看護師のスキルアップや職業選択
看護師資格を保有している場合、看護師の道以外にも多くの職業選択の可能性があります。
例えば高齢者向け施設や保育園などといった、感染症のリスクが比較的高い集団生活の場において健康管理などの面で活躍することができます。
さらに病院勤務と言ってもその仕事は幅広く、大きな総合病院であれば診療科によって仕事の内容は全く違うものとなりますし、総合病院ではなくても地域医療に携わったり、診療所で勤務したりとその働き方は一つに限られることは決してありません。
「自分にあった仕事」が選択できる
看護師という職業の特殊性故に、多岐にわたる働き口から自身の性格に合わせ仕事の内容をある程度選ぶことも可能です。
子供の相手をすることが好きである、お年寄りにとてもよく好かれる、などの向き不向きや得意なことだけでなく、自身の出産経験などを生かすことができる等あらゆる場において活躍の機会があります。
また専門性の高い助産師や保健師の資格を取得したり、5年を超える実務経験と専門知識を持つことで認定看護師資格の取得や、さらに大学院で修士課程を修了している場合には専門看護師資格を取得することも可能であるため、働きながらスキルアップの機会を得ることができます。
【2020】看護師国家試験の日程・会場・受験資格まとめ
看護師国家試験についての基本的な情報と、看護師資格保有者の職業選択やスキルアップについて紹介しました。
看護師という職業は資格としては国家資格であり、また全国的に人手不足の状況にあるため引っ越しなどで住む環境が変わったとしても職に就くことが可能であり、更に長期的なスパンで見てもほぼ確実に働くことができる「非常に安定した」職業だと言えます。