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歯科医の平均年収、中央値 開業医と勤務医の収入の違い

更新日:2024-10-25

歯科医の平均年収、中央値 開業医と勤務医の収入の違い

歯科医として働けるようになるまでには、最短でも7年という時間が必要です。

その理由として、6年制の大学の歯学部を卒業して国家資格を取得した上で、さらに1年の臨床研修が必要であることが挙げられます。

それだけの年数をかけて資格を取得しなければならない歯科医ですが、年収は高いのでしょうか。また、勤務医と開業医では、年収にどの程度の差があるのでしょうか。

今回は、歯科医の平均年収や中央値、また開業医 ・勤務医の年収の差を比較紹介します。

歯科医として将来的に独立すべきか迷っている方や、医療系大学への進学を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

    この記事でわかること

  • 歯科医の平均年収(性別・年齢・地域別)
  • 歯科医の勤務医と開業医における年収の差
  • 歯科医の将来性

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歯科医の平均年収は570万円!これって高い?

厚生労働省が所管している賃金構造基本統計調査の結果によると、歯科医の年収は5,701,000円だそうです。

日本人の平均年収は436万円ですからやはり比較的高収入である事が分かります。

ちなみに医師の平均年収は1,200万円となっており、医師と比べると歯科医の収入は低いという結果になりました。

しかし調査によれば、歯科医でも年収1,000万円以上の方が約25%もいるというデータもありますので、いくつかの観点に切り分けてより詳しくみていきたいと思います。

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性別で比較

まず性別で比較すると男性652万3300円、女性472万9200円というデータがあります。
女性の方が179万4100円も低いことが分かりますね。

これは歯科医が経験を積んで年齢を重ねるごとに収入が大幅に上がるためだと考えられます。

収入が上がる30代から40代にかけて、女性は結婚や出産を機に仕事から離れる方が多いため低く留まっているのでしょう。

次の年齢別比較でも男女の違いについて触れていますのでご参照ください。

年齢別で比較

年齢別に比較する為に以下の表にまとめました。

年齢 男性 女性
20代前半 189.4万円 189.7万円
20代後半 300.8万円 251.3万円
30代前半 691万円 416万円
30代後半 656.8万円 923万円
40代前半 974.8万円 778.6万円
40代後半 1090.9万円 889.1万円
50代前半 1368.6万円 593.6万円
50代後半 857.1万円 1232.5万円
60代前半 923.6万円
60代後半~ 1080万円 582.2万円

参照:賃金構造基本統計調査

表を見てわかる通り20代までの歯科医は年収が300万円程度とそれほど高くありませんが、30代から一気に高くなっています。

男性の場合は40代中盤から後半にかけて1,000万円を突破しています。
経験年数があがるにつれて年収も高くなっていくようです。

そして50代には男女ともに年収のピークを迎えています。

若手の中でも20代前半は給料が低いですが、これは臨床研修中であることが一因です。

このように経験を積むまではあまり高い給料は期待できません

年齢が上がるにつれて収入も上がるもうひとつ原因として推察できるのは、経験を積むと開業をする方がいることです。

これについては後ほど詳しく解説します。

地域別で比較

都道府県別の給料にも差がある事がわかりました。

以下のデータをご覧ください。

都道府県 年収
全国 570.1万円
青森県 253.2万円
秋田県 454.8万円
福島県 525.3万円
茨城県 740万円
栃木県 1226.5万円
群馬県 1800万円
埼玉県 1008万円
千葉県 991.8万円
東京都 424.9万円
神奈川県 817.5万円
新潟県 848.9万円
富山県 804.6万円
石川県 437.6万円
福井県 478.3万円
岐阜県 1159.1万円
静岡県 1000万円
愛知県 1023.3万円
滋賀県 876.8万円
大阪府 249.3万円
兵庫県 882.3万円
奈良県 1136万円
和歌山県 799.8万円
鳥取県 1260万円
岡山県 764.7万円
広島県 922万円
山口県 701.3万円
徳島県 480万円
香川県 874万円
愛媛県 799.9万円
福岡県 697万円
長崎県 654.8万円
熊本県 1200.3万円
沖縄県 480万円

参照:年収ガイド 歯科医師の年収

この表を見て都心だからといって給料が高いとは限らないと分かり、少し意外に感じました。

1,000万円を超えているのは栃木、群馬、埼玉、岐阜、静岡、愛知、奈良、鳥取、熊本という結果になりました。

また北海道、岩手、宮城、山形、山梨、長野、三重、京都、島根、高知、佐賀、大分、宮崎、鹿児島はデータがありませんでしたのでご了承ください。

さらに人口10万人あたりに歯科医が何人いるかという医師・歯科医師・薬剤師統計のデータがありますので先ほどの表に加えてみます。

都道府県 年収 人口10万人あたりの人数
全国 570.1万円 71.64人
青森県 253.2万円 56.87人
秋田県 454.8万円 58.2人
福島県 525.3万円 70.62人
茨城県 740万円 62.46人
栃木県 1226.5万円 65.75人
群馬県 1800万円 67.83人
埼玉県 1008万円 70.26人
千葉県 991.8万円 79.65人
東京都 424.9万円 122人
神奈川県 817.5万円 77.99人
新潟県 848.9万円 90.29人
富山県 804.6万円 59.55人
石川県 437.6万円 57.02人
福井県 478.3万円 51.47人
岐阜県 1159.1万円 76.7人
静岡県 1000万円 60.4人
愛知県 1023.3万円 72.37人
滋賀県 876.8万円 57.2人
大阪府 249.3万円 88.69人
兵庫県 882.3万円 69.18人
奈良県 1136万円 64.97人
和歌山県 799.8万円 72.54人
鳥取県 1260万円 64.04人
岡山県 764.7万円 86.67人
広島県 922万円 83.72人
山口県 701.3万円 65.73人
徳島県 480万円 103.5人
香川県 874万円 69.09人
愛媛県 799.9万円 64.62円
福岡県 697万円 103.21人
長崎県 654.8万円 85.16人
熊本県 1200.3万円 69.77人
沖縄県 480万円 62.03人

参照1:年収ガイド 歯科医師の年収

参照2:都道府県格付研究所

この表から、歯科医の人数が不足している地域では給料が高い傾向がある事がわかります。

高収入を目指すなら歯科医過疎地での仕事もいいかもしれませんね。

開業医と勤務医で年収はどれくらい差がある?

歯科医として働く方法として、開業医となるか勤務医となるかの2つの選択肢が挙げられます。

ここからは働き方の違いによって年収に違いがあるのか検証していきます。

歯科医の勤務先別分布

厚生労働省が発表した「医師・歯科医師・薬剤師調査」では日本の歯科医は約57%が開業医であり、半数以上が自ら開業している事が分かります。

残る43%の勤務医の内訳は28%が診療所勤め、15%がその他の大学病院などに勤めているようです。

勤務先別年収の違い

令和元年の医療経済実態調査によると勤務医の平均年収は570万円、開業医の平均年収は1,225.3万円です。

開業医は年収の中から建物の改修や設備投資を行うため1,225万全額が直接の収入とならない場合もあるようですが、それでも2倍近くの差があるのは驚きですね。

開業時期と年収

歯科医師については統計で公表されていないものの一般的な開業平均年齢は30代半ばと言われています。

これは他の医科よりも開業のタイミングが早い傾向にあります。

また先ほどの年齢別年収で参照した通り、年収は30代後半から40代にかけて大幅に上昇しています。

開業するタイミングと同時期であることからもやはり開業することが年収をあげる大きなポイントとなっている事が分かりますね。

開業医の年収の中央値は?

開業医は勤務医と比べて年収に差が開きやすいという特徴があります。

平均1,200万円の年収ですが中にはかなり高額な年収をもらっている場合もあるので、実際どれくらいの稼ぎになるのか分かりづらい部分があります。

ここで開業歯科医を月収別に5つのブロックに分けた時の平均月収を調査した結果をご紹介します。

平均月収 年収換算(ボーナス除く)
グループ1 15.7万円 188.4万円
グループ2 76.3万円 915.6万円
グループ3 109.9万円 1318.8万円
グループ4 153万円 1836万円
グループ5 260.9万円 3130.8万円

参照:第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告

平均値は月額123万円でしたが中央値は103万円でした。
年収で1,200万円になります。

中央値も見てもやはり開業した歯科医は特に高収入ということが分かりますね。

歯科医の将来性は?

近年歯科医師数が飽和しているという話を聞いた事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

1950年頃の日本は虫歯の時代と言われていて、虫歯を抱えている人が多くいたので国をあげて歯科医育成に力を入れていました。

その成果があって歯科医が増加し今では飽和状態にあると言われています。

また近年は予防歯科の浸透を受けて虫歯の患者数が減ってきています。

これを見ると歯科医師のニーズは低くなり年収にも影響してくるのではないかと思うかもしれません。

しかし一方で歯科医師の年齢分布をみると高齢の歯科医師が最も多い事が分かり、この世代は2025年から2030年頃に引退を迎えることも予想されます。

特に地方では歯科医不足の問題が顕著化してくることでしょう。

また虫歯診療のニーズが減退したとしても、インプラントやホワイトニングなど審美歯科への新たなニーズの高まりから、今後も歯科医のニーズは高いと考えられます。

歯医者の年収や地域別収入差まとめ

歯科医の年収を細かく分類してご紹介しました。

歯科医の平均年収は医師と比べるとそれほど高くありませんでしたが、それでも通常のサラリーマンよりは高い年収でした。

また経験を積んで年齢を重ねるごとに収入が大きくなる傾向があることも分かりました。

さらに開業すれば年収1,000万円を超える高い年収を目指す事ができます。

歯科医の魅力は、国家資格を生かして開業医としても勤務医としても幅広く活躍出来ることだという印象を受けました。

今後は審美歯科など活躍の幅も広がり、美容の観点からも人気のある職業になっていくことが期待できます。