ファンタジーや純文学、ライトノベルに推理、恋愛モノなど数多くの物語を創作して生み出すのが”小説家”という職業です。
ベストセラーとなった作品は、テレビドラマやアニメ化され、さらに注目を集めることになります。
その小説家になるには、どのような方法があるのでしょうか?
デビューまでの道のりや文学賞の種類、小説家として働く収入についてもご紹介します!
小説家とは?
小説家とは、自分が思いついた創作の物語を小説という形で発表する人のことです。
小説には様々なジャンルがあり、恋愛や推理モノからライトノベルなど、それぞれが得意な分野の小説を書きます。
ひとつのジャンルのみで勝負している小説家もいれば、幅広いジャンルの作品を発表する小説家もいます。
中には自分が原作者でなくとも、人気のコミックが小説になる時にその執筆を担当する作家もいます。
その小説家になるには、どうすればよいのでしょうか?
学歴は関係なく、誰でもなれる
小説家になるには、必要な学歴や資格などはありません。
物語を書くことが好きな人であれば、誰でもなることができます。
ですが、小説家やシナリオライターを養成する専門学校も数多くあるので、興味のある方は進学を検討してみるのも良いでしょう。
また、”小説を書く”と考えると本が大好きな文系の人ばかり、というイメージがあるかもしれません。
しかし、理系の人であってもその知識を小説に活かしている人も多く、文系が有利ということはありません。
小説家になるには?
小説家になるには、”デビュー”を目指すことが何より大切です。
デビューに至る道のりは様々ですが、どんな方法があるのでしょうか?
文学賞に応募する
小説家になるために最もポピュラーな道は、出版社などが主催している文学賞に応募して賞を受賞することです。
そこから作品が書籍化されたり、雑誌に掲載されたりします。
文学賞は名のある作家が選考委員を務めていることも多く、金の卵として注目される可能性も大です。
他に小説家としてデビューするために、次のような方法があります。
自費出版やWebに小説を公開する
小説家になるには文学賞を受賞してデビューする以外にも、出版社から自費出版で本を出すことも方法の1つです。
他にも文芸倶楽部に所属したり、インターネット上で自分が書いた小説を発表して人気を博し、出版社から声をかけられるパターンもあります。
小説サイトに小説を公開して注目を集めるということは並大抵のことではありませんが、それでも小説家デビューを果たしてアニメ化にまでつながったという人もいます。
同人誌を発行する
また、小説を同人誌として自分で出版までを行うこともできます。
販売は主に自分の持っているサイト内か、コミックマーケットなどの同人誌即売会になります。
元々人気のある作品の二次創作ならともかく、完全なオリジナル小説が注目されることは稀です。
こうした地道な活動も決して無駄とは言えませんが、本当に狭き門と言えます。
出版社に小説を持ち込んだ場合は?
では、漫画家によく聞く「出版社に持ち込みをする」というケースは、小説家の場合はどうなのでしょうか?
結論から言うと、現在はそれも廃れてしまい、本当に出版社に持ち込んでも門前払いされることが多いようです。
その理由は、近年の読書離れによる出版不況で、本の売れ行きがあまり良くないことが関係しています。
そのため出版社も、販売する小説や小説家を厳選するのです。
本を出版するということは、数百万円ものお金がかかります。
さらには本をPRしたり、広告費もかかるので本が重版されなければ赤字となってしまいます。
しかし、運よく持ち込んだ小説を出版社の人に見てもらえる場合、落選していたとしても「文学賞やコンテストの最終予選まで残った」という経歴がある方は、目を付けてもらえる可能性も少なからずあるようです。
小説家になるための方法で、この道が正解と言い切れるものはありません。
自分の才能を見出してくれる編集者に出会えるか、という運も必要となってきます。
おすすめの文学賞は?
さて、小説家になるには、最もポピュラーな方法として出版社が主催する文学賞を受賞することだと記しました。
そこで、ジャンル別の文学賞についてご紹介していきます。
純文学
純文学の作品を書く小説家になるには、『五大文芸誌』と呼ばれている雑誌の新人賞に応募することをおすすめします。
その雑誌とは「すばる」「文學界」「文藝」「新潮」「群像」のことです。
純文学は面白いストーリーと言うよりも、登場人物の心情などに重点を置く傾向にあり、文章もやや硬めかもしれません。
過去に受賞した作家の作品を読むと、求められている作品の傾向が見えてくることでしょう。
大衆文学
大衆文学は、「読者の心を動かすストーリー」であることが求められています。
エンターテインメント性が重視されており、俗に「エンタメ作品」と呼ばれることもあります。
大衆文学のジャンルも豊富にあり、「時代小説」「ミステリー」「SF」など実に様々です。
賞は『ポプラ社小説新人賞』や『小学館文庫小説賞』など、後に映像化されて話題になるケースが多々あります。
ライトノベル
ライトノベルは主にファンタジー作品で、個性的な主人公や魅力溢れるヒロインが登場する傾向にあります。
純文学や大衆文学などと比較すると、文章が現代的で口語的だったりします。
本の表紙もいわゆる「萌え系」と呼ばれる可愛らしいものが多く使用されており、読者を惹き付けるポイントとなっています。
有名な文学賞は『このライトノベルがすごい!大賞』や『MF文庫Jライトノベル新人賞』、集英社の人気雑誌である「週刊少年ジャンプ」の小説版とも言える『jNGP ジャンプ小説新人賞』などがあります。
小説家の収入は?
小説家になるには、サラリーマンのように一般企業に就職するわけではないので収入は不安定です。
小説家の収入源は、”原稿料”と”印税”の2パターンがあります。
原稿料は、単発の執筆(雑誌のコラムなど)を行ったり、月刊誌や新聞で連載している時に入ります。
400字詰の原稿用紙1枚当たりの値段で決まりますが、作家によって数千円から数万円の差があります。
印税は、出版された本が一冊売れるごとに規定の額が入ります。
出版社ごとに印税のパーセンテージは違ってきますが、大体10%ほどとなっているようです。
ちなみに1冊の本を出版したあと、数年後に文庫本として再び出版する際はその印税も入ってきます。
小説家になり本が出版できたからといって、いきなり夢の印税生活が送れるとは限りません。
小説家になったとはいえ、作家一本で生活できるという保証がないため他の仕事も掛け持ちしているという人もいます。
小説家についてのまとめ
小説家になるには、文学賞を受賞してデビューする以外にも、自分で同人誌を発行したりインターネット上で小説を公開するなど様々な方法があります。
どんなに小説家になりたかったとしても、出版社から注目されない場合もあります。
それでも、小説が好きだという気持ちが続いていくならば、一生好きな物語を書き続けることはできます。
収入面から見ても不安定な世界ではありますが、夢を諦めず小説家になることにトライしてみましょう!