何かと行事があると訪ずれる神社。そこで見かける神職の方々、パリッと袴姿で素敵ですよね。誰しも一度は憧れる神主さん、これって資格制なの?資格広場が気になる『神主になるには?』を調査して来ました。転職を考えるチャンスかもしれません。
神職になるための資格って必要なの?
神社を中心とした日本の神々を信仰する神道は、古代日本に発祥した宗教です。
信仰は各人の心をよりどころとするため、極端にいえば、自分で神社を建てて装束を着て神職を名乗れば、誰でも神職になることができるともいえます。
しかし、そのようなケースはほとんどないと考えていいでしょう。
全国各地にある神社の大半は神社本庁に所属しています。およそ8万社の総本山ともいえる神社本庁は独自の規定により神職資格を定めています。
神社本庁傘下の神社に奉職するためにはこの資格が必要となります。
これを「階位」といい、上から浄階(じょうかい)、明階(めいかい)、正階(せいかい)、権正階(ごんせいかい)、直階(ちょっかい)という5つに区分されています。
全国の神社のおよそ90%が神社本庁によって包括されていますが、中には神社本教などの他団体に所属していたり単一で宗教法人化している神社もあります。
それぞれの神職には独自の呼称や形態もありますが、神社で神職に就く場合は神社本庁が定める階位に準ずる場合がほとんどです。<引用元:“>神職・神主の仕事>
神職になるためには『段位』が必要!
神職資格課程を有する大学を卒業する
國學院大學と皇學館大学の2ヶ所に階位取得を目指すことができる専門学科があります。4年間で所定の単位を取得すると正階、さらに実習を受けることで明階が得られます。
通常の入試を突破すれば誰でも入学が可能です。
神社運営の神職養成所を修了する
日本全国に6ヶ所ある神職養成所の課程を修了した上で階位検定試験に合格すると階位が得られます。
ただし、入所には神社本庁からの推薦状が必要です。推薦状は現職の宮司を通して発行されるため、社家以外の人には難しい方法かもしれません。
神職養成通信教育を修了する
大阪國學院が実施している通信教育を修了し、試験に合格すると階位取得となります。
ただし、この課程は跡取りの問題などで緊急に神職に就かなければならない場合などにしか受講が認められません。
階位検定講習会を受講、試験に合格する
國學院大學、皇學館大学の2大学や各神社庁において毎年、正階、権正階、直階という3つの階位についての検定講習会が実施されています。これを受講し、検定に合格すると階位が取得できます。
これも神社本庁からの推薦状が必要であるため、社家以外で受講を考えている人は奉職先を先に見つけておき、そこの宮司から神社本庁に申請してもらうことになります。<引用元:“>神職・神主の仕事>
神主って資格って誰でも取れるの?
神主さんの仕事に憧れがあるけど、実家は神社とは無関係。ほとんどの人がこの立場だと思います。大学に入れば、誰でも取れますが、想像と違っていた!ってことにならないように、神社で働いてみましょう。
神社で働いてみたい!と思っているなら、ボランティア活動やアルバイトからスタートしましょう。神社の場所柄、「神主」アルバイトやボランティア「神主」を募集していることはありません。
そこで注目したいのが、町内会の行事です。子ども神輿、夏祭り、七五三などの時期は、神社と交流が持てます。自分が神主に興味があることを伝えて、お手伝いしたいことを積極的に伝えましょう。忙しい時期の神社では、人手が足りないので、アルバイトやボランティアのチャンスがあります。そこで、身近に「神主」さんの仕事を見ることができるので、そこから大学(國學院大學と皇學館大学)に入ることを考えると良いでしょう。
宮司と神主の違いは?
神主は職業名
宮司(ぐうじ)と神主の違いは何かという疑問を持っている方が多くいます。確かに私たちが神社に行った時に「宮司の○○です」と名乗られるのと「神主の○○です」と名乗られるのとでは意味の違いがわかりません。
そのため、どちらも同じだと思っている人がとても多いのですが、実はここには大きな違いがあります。
まず、神主という言葉から解説すると、神社神道の世界に「神主」という職業名は存在しません。神主さんと呼ばれている人たちは、神社神道では神職と呼ばれています。
お寺のお坊さんという職業名がなく、実際には「住職」「僧侶」と呼ばれているのとよく似ています。
まずここで押さえておきたいのは、神主というのは神社における役職の名前ではなく、職業としての名前だということです。
宮司は神社の代表者
では、宮司は何を意味する名称なのでしょうか。
宮司とは、その神社の責任者を務めている神職のことを指します。神社を会社にたとえるなら、神職は社員でその中の代表者が宮司という具合です。
つまり、宮司は代表者なので各神社に一人しかいません。逆にいえば、どんな神社にも代表者がいるはずなので必ず一人の宮司がいます。
その神社が行う祭祀の責任者を担う人なので、単に神社という宗教法人の代表としてだけではなく、神社が行う宗教儀式にも責任を持つ立場にあります。
ほとんどの神職は宮司という現状
ところで、日本全国には8万社ほどの神社があります。しかしその一方で、宮司は1万人ほどしかいないといわれています。つまり、7万社もの神社は常駐している宮司がいない神社ということになります。
そのため、こうした神社では他の神社で宮司を務めている神職が兼務する形で宮司を務めています。
日本全国に7万社もの無人神社があるということは、実は大半の宮司が一ヶ所だけでなく複数の神社で宮司を兼務していることになります。
仮にそうではなくても、日本全国にある神社のほとんどは中小規模なので、神職が一人というのが実際のところです。そのため、そこにいる唯一の神職は自動的に宮司となります。
ほとんどの人が「宮司さん」と「神主さん」を混同しているのは、こうした大半の神社の現状が関係しているものと考えられます。<引用元:“>宮司と神主の違い>
神主の仕事って将来性は大丈夫なの?
本気で『神主』を目指したい!でも、将来性は大丈夫なの?最近、話題になっているAIの導入で資格を取って転職しても、10年後にはその仕事がない!?なんて心配もありますよね。
詳しくはこちら
“>アナタの「資格」大丈夫?AI(人工知能)に盗られる仕事はコレ!
神社の仕事はなくなることも不景気に左右されることもありません。現在の日本の『神社』は、世界遺産に登録されるのが続いたので、外国人観光客からの注目も集まっています。これから、神職を目指すなら、英語ができる神主さんを目指せば間違いありません。
神主さんを目指そう!
Aida Minamoto
【参照】