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校閲の資格は通信講座や大学で取れる?収入や校正との違いも

更新日:2019-05-11

校閲の資格は通信講座や大学で取れる?収入や校正との違いも

”校閲”の仕事は、原稿をよく読み込んで内容を精査することです。
しかし、これまであまり聞いたことがなかったという人も多いかと思いますが、ドラマ化されたことで一気に知名度が上がった職業です。

校閲の仕事に就くには、通信講座や大学に通って資格を取らなくてはならないのでしょうか?気になる収入の面や、”校正”の仕事とどう違うのかも検証していきます!

校閲とは何か?

校閲とは

校閲の仕事は、これまであまり世間には知られていなかった仕事でした。
しかし、校閲を題材に扱ったテレビドラマがヒットしたことで、一躍その職業名が知られることになったのです。

では、”校閲”と聞いただけでどのような仕事をしているのか、すぐに思い当たる人はどのくらいいるでしょうか?
実際には、次のような業務に携わっています。

原稿を読んで、内容を精査する

校閲の仕事を一言で表すと、「原稿をよく読み込んだうえで、文章の中の事実関係や世界観にあった単語が使われているかなどを精査し、指摘すること」です。

「素読み」と言われる作業においては、文章の中に矛盾したところがないか、差別につながるような言葉がないかを入念にチェックしていきます。
また「事実確認」という作業では、精査する文章に出て来る地名や固有名詞に誤りがないか、ノンフィクションだった場合は、日付や天気に誤りがないかなど、かなり細かい部分まで徹底的に目を通していきます。

文章を客観的に読む

このように校閲は、文章を客観的に読み込んで事実確認を行ったうえで、文章の執筆者や編集者に返します。

ちなみに、この作業は一回だけで終わらず、何度も何度も繰り返し行う場合がほとんどです。
文章を書いた人が何の指摘もされないような完璧なものを提出してくれば別かもしれませんが、誤植がないように、多くの人が校正や校閲をします。そして、修正がなくなれば本として出版されるのです。

文章を書いた本人でもある程度の間違いは見つけられるのではと感じるかもしれませんが、執筆者自身が行っている「推敲」や「リライト」には限界があります。
第三者に依頼することで、盲点だった部分も発見されます。

作家などは好きに文章を書いて本を出版しているイメージがあるかもしれませんが、その裏には文章をチェックする多くの人が存在しているのですね。

”校正”と”校閲”の違いとは何か?

”校正”と”校閲”は、よくひとくくりにされる傾向があります。

どちらも文章の中に見つかった誤りを直して、正しくすることが仕事です。

しかし、このふたつは似て非なるものであり、よくよく仕事内容を見てみると異なる作業をしているのです。

校正の仕事

校正は、文章の中に誤字脱字がないかを調べることにはじまり、その文章が間違った文法を使っていないかなどを見ていきます。
さらには、文の書体や文字の大きさが統一されているかなどもチェックしているため、かなり神経を使う作業をしています。

それぞれサイトならサイト、出版社なら出版社のルールに則った表記の方法があるので、それに従っていきます。

作業には「突き合わせ」と「赤字照合」というものがあり、「突き合わせ」は原稿と製作物の文字を1字ずつ見比べて確認することを言います。
とある出版社では、通常の文章を読む方向とは逆の方向から見ていき、なおかつ最後の文字から順々にチェックしています。

「赤字照合」とは、初めて提出されたゲラ刷りの文章と修正点、初校の修正点と再校…と、修正が必要になった文章同士を見比べて、指摘された部分がしっかりと直っているかを確認していく作業です。

校閲の仕事と違う部分は、校閲は文章をよく読み込んだうえで作業をしますが、校正は文章を読み込まずに、その文章におかしな部分がないかを確認していくことが仕事です。

校閲に必要な資格は?

校閲の資格

では、校閲の仕事をするために、必要な資格などはあるのでしょうか?

また、どのような場所で校閲の勉強をすれば良いのかもご紹介します。

『校正技能検定』を取得することがおすすめ

校閲者になるために、特別な資格や経歴は必要ないとされています。
ただ、文章を入念にチェックしていく作業を延々行うため、正しい日本語や漢字の知識に加えて、出版や印刷のことも知っておいた方が良いとされています。

そのため、校閲や校正の仕事に関わりたい人は『校正技能検定』の資格を取得することがおすすめです。

この資格は日本エディタースクールが実施している民間資格であり、校正・校閲の業務に携わる人たちにはかなり知られた資格です。
試験は初級・中級・上級の3段階に分かれていて、それぞれ実技試験と学科試験があります。

校閲・校正の仕事を求めて就職する場合、企業によってはこの『校正技能検定』の資格の合格者や、同じくらいのスキルを持っていることが応募の条件となっているところもあります。

実務経験がない分、合格することで自分の力がどの程度あるのかを証明することもできますので、おすすめの資格と言えます。

校閲のことが学べる学校はあるの?

校閲や校正は、独学でスキルを身につけることが難しいと言われています。
もちろん自分で勉強したうえで力をつけたという方もいますが、できれば基礎などをしっかりと学びたいと思う方も多いでしょう。

では、校閲や校正のことを学べる学校はどのようなものがあるのでしょうか?

学校はたくさんある

校閲や校正のことが学べる学校は、大学・短期大学・専門学校・通信講座など、実に様々です。

学歴や資格を問われることがほとんどない職業ではあるものの、大手の出版社や印刷会社への就職を希望する場合は、大卒以上の学歴を持っている人が採用の条件になっていることもあります。
元々入りたいと思っている企業がある方は、あらかじめ応募の条件などを確認しておきましょう。

校閲者の収入は?

校閲の仕事は出版社や印刷会社に就職できた場合は会社員となりますが、それ以外ではフリーランスで活躍している人もいます。

校閲で得られる収入は、次のとおりです。

正社員の収入

校閲の正社員としてプロダクションや企業に就職している人は、年収にして300万円から400万円ほどの収入が平均的な額だとされています。
月給では、大手の新聞社・出版社に勤務している人で、およそ20数万円です。

これがアルバイトとしての採用だった場合、一般的には時給900円から1800円程度をもらっています。

フリーランスの収入

フリーランスの校閲者だった場合、どの仕事もそうですが出来高制であることがほとんどです。
そのため、校閲の受注が多ければ多いほど収入につながるということです。

1文字あたりの賃金は、0.5円から10円程度と開きがあり、校閲者としての経験や能力で大分変わってきます。

校閲者についてのまとめ

文章を徹底的に精査する校閲の仕事は、特別な学歴や資格を持っていなくてもなれる職業です。

文章の中にある事実関係や、出て来る単語が適切かどうかを調べることは、かなりの根気が必要になってきます。
学べる場も大学から通信講座まで幅広いので、自分のペースに合わせた学習ができるところも良いですね。

出版や編集に携わる仕事に興味がある方には、おすすめの職業です。