”声優”とは、主に声のみを使った演技でアニメやラジオドラマ、海外ドラマの吹き替えなどに出演する役者のことです。
人によっては歌手活動を行ったり、舞台やバラエティ番組にも出演するなど積極的にメディアに登場する声優もいます。
俳優やタレントと同じように華やかな世界で活動する声優ですが、新人声優のうちはどのような仕事をしているのでしょうか?アニメやナレーター、ゲームに出演するにはどうするのかもご紹介します。
大注目の声優業
役者を仕事にしている人には、俳優や女優としてテレビドラマを中心に活躍している人と、演劇などの舞台を中心に活躍している舞台役者、演技のみならず歌やダンスも披露するミュージカル役者、そしてアニメやナレーションなどの声のみを使った演技が中心の”声優”など、様々な人がいます。
全員に共通していることは、お芝居や演技が好きだということです。
とくに、近年の声優ブームは凄まじいものがあり、かつては裏舞台の存在と言われていた声優ですが、歌手活動を行ったりバラエティ番組にも出演するなど、メディアに登場する機会も格段に増えてきました。
中には「演技の仕事がしたいけど、人と関わりたくないから声優になりたい」と言う人もいますが、それは違います。
確かにあまり姿を見る機会のない声優ではありますが、演技をする以上、必ず誰かと接し、人前に立つことになるのです。
声優を目指すには、それらも踏まえたうえで演技の世界に飛び込むことになります。
下積み時代は苦労をする
新人声優としてデビューを果たしたあと、次々と仕事が舞い込んでくるのなら問題はありません。
しかし、仕事が途切れないような新人声優はほとんどおらず、大体の人がアルバイトなどの下積み時代を経験することになります。
基本的に、「声優は遅咲き」だと言われています。
30代を過ぎてから売れることも多く、デビューしてから芸歴は長いのに、認知度が高まるのが遅かったために新人声優のように思われてしまう人もいます。
それでは、新人声優がどのような仕事をしているのかについてご紹介します。
新人声優の仕事
新人声優は声の仕事がなければ何らかのアルバイトをして生活費を稼いでいます。
では、声の仕事があった場合はどのようなことをしているのでしょうか?
それぞれの事務所の方針や、専門学校に在籍しているパターンでも変わってくるので、あくまでも一例としてあげていきます。
アニメに出演するとき
声優の仕事の中でとくに多いのが、アニメに出演することです。
新人声優のうちは、余程のことがない限り、主役やレギュラー級の役がもらえることはありません。
はじめは皆、「ガヤ」と呼ばれるその他大勢の一人として一言喋るだけの役や、動物の鳴き声、脇役などがほとんどです。
しかし、どんなに小さな役でも、プロとしてセリフがもらえ、仕事に携われるならこれほどの喜びはないでしょう。
ナレーションをするとき
声優は喋りのプロとして活躍しているので、演技をすること以外のお仕事もあります。
所属している事務所にもよりますが、中にはナレーションに力を入れているところも存在します。
そのため、新人声優もバラエティ番組やニュース番組でナレーターの仕事を務めるほか、CMに声の出演をすることもあります。
また、声優の中にはナレーターとしての活動の方が多い人もいます。
演技とは違って、より正確に滑舌良く話す必要があるので、安定した喋りが求められます。
ゲームに出演するとき
現在、テレビゲームのみならずスマートフォンでもプレイできる面白いゲームが次々と誕生しています。
もちろん、声優はゲームのキャラクターにも声を当てていきます。
ゲームのキャラクターの声優を決めるときは、大体がテープオーディションだと言われています。
テープオーディションとは、そこにセリフなどを吹き込んで、それを聞いた制作サイドが声優を決定するというやり方です。
時には、音響制作会社が独自に声優のキャスティングを行うこともあります。
アニメなどでも言えることですが、制作費が減少している背景もあり、無名の新人声優が次々と抜擢される傾向にあります。
次世代の声優業界を担っていく存在が生まれやすいとも言えますね。
新人声優の仕事についてご紹介しましたが、一言で言うと「オーディションに受かれば仕事はある」ということです。
新人のうちは、苦手な仕事があっても何でもこなしていかなくてはなりません。
様々な仕事をチャレンジすることにより、新人声優の仕事の幅も広がっていくことでしょう。
こだわりすぎるのも良くない
夢を追い続けることは、とても大切です。
何年も自分の好きな業界で生き、売れるまでに20年以上の月日がかかったという人もいます。
とくに芸能の世界は必要な資格などもないため、生まれながらの才能や運によっても人生が左右されることがあります。
ある声優の事務所に勤務している人(社員)は、声優の卵や新人声優に対して「声優業だけにこだわりすぎるのも良くない」と話しています。
それは一体、なぜなのでしょうか?
どこで成功するか分からない
声優になりたいと希望する人が急増する中、近年はたくさんの養成所や専門学校、プロダクション、事務所が誕生しています。
しかし、全員がデビューできるわけでも、全員が売れるわけでもありません。
声優の事務所の社員として勤務しているある人は、アニメの仕事にこだわりすぎるあまり、様々な養成所などをずっと行き渡っている人が大勢いることを知ったそうです。
この人は、「声優業だけではなく、声を使った多くの仕事に携わることが大切」だとアドバイスしています。
例えば、ラジオのパーソナリティや朗読劇、イベントの司会なども声優が行える仕事です。
他にも俳優などで活躍し、脚光を浴びてから声優に転向しても遅くはないと話す人もいます。
最終的にどうするかを決めるのは自分自身ですが、自分の声を活かした仕事は何ができるのかを考え、いろいろな仕事にチャレンジしていきたいですね。
新人声優についてのまとめ
声優という職業が人気になっている現在、歌手活動をしてコンサートを開催したり、ラジオのパーソナリティや舞台監督など、幅広い仕事をこなしている人もいます。
新人声優は基本的に声優の仕事だけで生活していくことは厳しく、売れるまではアルバイトなどをしています。
アニメやゲームのキャラクターに声を当てたり、ナレーターとしての仕事はオーディションに受かったり、抜擢されれば新人であってもできます。
声で人を惹きつけることは、とても難しいことです。
自分の声に自信があったり、声を使った職業に興味のある方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。