社会保険・労務管理・職場環境改善などのエキスパートとして活躍する社労士ですが、社労士ならではのきつさ・辛さも存在します。
人によっては「仕事との相性が悪くてきつい」と感じることもあるため、社労士の仕事内容と自分との相性が良いかどうかを知っておくことは非常に重要です。
こちらの記事では、社労士の仕事をきついと感じる理由や事業所社労士と勤務社労士の仕事のきつさの違いなどを解説していきます。
社労士の仕事を長くやっていけるのか疑問・不安を持っている方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
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社労士の仕事がきついと感じる理由
まずは社労士の仕事をきついと感じる理由などを解説します。
社会保険や労務管理のエキスパートとして活躍していると、社労士ならではのきつい面があります。
これから社労士として働く予定の人や現在社労士として働いている人は、自身に適性があるかを判断するためにも参考にしてみてください。
細かい作業が多くミスが許されない
社労士の仕事は、社員や顧問先社員の給与計算・社会保険料の標準報酬月額報告の作成など細かい作業が多いです。
細かい作業である事に加え社員の給料や社会保険給付などお金に直接的に影響する仕事なので、間違えることは許されません。
正確な知識を有したうえで正確な作業も求められるため、かなり神経を使う仕事と言えるでしょう。
万が一顧問先から請け負っている仕事にミスがあると信頼を失ってしまいその後の仕事にも悪影響が出てしまいます。
年末や年度末は繁忙期で業務量も膨大になりがちですが、過酷な状況の中でも正確な仕事が求められる点は社労士ならではの「きつい面」と言えます。
仕事が単調で退屈に感じることも
社労士として頼られるのは非常に喜ばしいことですが、肝心の仕事内容は給与計算や書類作成・提出代行など単調なものが多いです。
人とコミュニケーションを取ることなく1人で黙々と進める作業も少なくないため、相性が悪いと「退屈できつい」と感じて仕事のモチベーションを維持出来なくなるといったケースもあります。
もちろん社労士の仕事は顧問先の事業運営や社員の生活にかかわる重要なものですが、淡々と仕事をこなすだけでは仕事のモチベーションが維持しづらくやりがいを失ってしまいます。
単調な仕事が苦手な人や人とのコミュニケーションを取りたいと考えている人はきついと感じてしまう可能性が高いでしょう。
常に知識と情報のアップデートが必要
社労士は社会保険や労務管理のエキスパートのため、関連法令の知識や社会情勢の変化は常にアップデートする必要があります。
特に、近年は少子高齢化が進む中で社会保険制度を維持する目的から年金制度や健康保険に関する法律が頻繁に改正されています。
また労働問題などのトラブルに対応するためには労務関係のニュースや最新判例を把握することも重要になるため、常に知識と情報のアップデートが必要と言えるでしょう。
最新の法令の知識がないと、他の社労士と差を付けられてしまう上に人材価値も落ちてしまうため、常に勉強することに抵抗がある人はきついと感じてしまうでしょう。
顧客の都合に振り回される
社労士事務所で勤務している場合、事務所が契約している顧問先の労務管理や給与計算などを行うことになります。
社会保険制度に疎い事業主やあまり協力的ではない顧問先の場合、思うように仕事が進まずイライラしてしまうこともあるでしょう。
また社会保険関係の書類には提出期限が設けられていますが、提出期限が近づいても必要書類を用意してくれない顧問先なども存在します。
さらには「相談したいことがあるので、今から会えないか」など突発的なリクエストを受けることもあるため、柔軟に動けるフットワークの軽さが求められることもあります。
このように、顧客や顧問先の都合に振り回されてしまい「疲れた」「きつい」と感じることもあるようです。
事務所社労士と勤務社労士の違いは?
独立開業せずに働く場合、社労士事務所に勤務する「事務所社労士」と一般企業に勤務して社会保険関係の手続きを行う「勤務社労士」に大別されます。
いずれの働き方にも一長一短があるため、きついと感じやすいポイントも異なります。
そこでここでは事務所社労士と勤務社労士の違いについて見てきますので、就職先選びの参考にしてみてください。
事務所社労士と勤務社労士のきつさの違い
事務所社労士の場合、顧問先の都合に振り回されることが多く収入が低めであるという特徴があります。
つまり仕事がきつい割に待遇が悪いことから、肉体的にも精神的にもきついと感じやすいのでしょう。
一方勤務社労士の場合は社労士としての知識やスキルが生かせない部署に配属される可能性があります。
労務管理や人事であれば社労士の知識を生かせますが、もしジョブローテーションで「営業部」などに配属されると社労士資格は生かせません。
このように、事務所社労士と勤務社労士のそれぞれできついと感じるポイントは異なります。
高収入を狙うなら勤務社労士がおすすめ
給与水準で見ると事務所社労士よりも勤務社労士の方が恵まれています。
通常、社労士事務所は規模が一般企業よりも小さく財務基盤も弱いため得られる収入には限界があります。
しかし、上場しているような企業に勤める勤務社労士であれば安定して高収入が得られる可能性が高いです。
社労士の収入の多寡はこなした仕事量ではなく「勤務先の規模」「年齢」によってほとんど決まります。
そのため「同じ仕事をするのであればできるだけ収入が多い方がいい!」と考えている人は、規模の大きな勤務先を選ぶのがおすすめです。
仕事の柔軟性・裁量の大きさは事務所社労士に分がある
収入面では勤務社労士に分がありますが、仕事の柔軟性・裁量の大きさで見ると「事務所社労士」に分があるケースが多いです。
勤務社労士は規模が大きければルールやしがらみが増えますが、規模の小さい社労士事務所であれば比較的柔軟に仕事を進めることができ裁量も与えられます。
大きな裁量が与えられれば「仕事のやりやすさ」を感じられるため、事務所社労士の方が心地よく働ける可能性が高いです。
「どちらが良いか」は働く人の価値観によりますが、仕事の柔軟性・裁量の大きさを求めている人の場合規模の大きい企業に勤務していると「自由がなくてきつい」と感じてしまう可能性を否定できません。
人間関係のつらさは職場による
事務所社労士・勤務社労士に共通して人間関係の辛さは職場によりけりです。
現在の職場を辞めたいと考えている大きな理由として「人間関係のつらさ」を挙げる人は多いです。
事務所社労士は少人数で運営していることが多く勤務社労士は大人数の環境で働くことが多いため、自分の働きやすいと感じる環境を選びましょう。
社労士の仕事が好きでも人間関係が悪いと「きつい」と感じてしまうため、職場環境や人間関係を軽視すべきではありません。
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社労士の仕事をきついと感じたら?
社労士の仕事をきついと感じたら、具体的にどのようなアクションを取れば良いのでしょうか?
ここからは、社労士の仕事をきついと感じた時の対策や起こすべきアクションをご紹介します。
実際に社労士の仕事できつさを感じている人はぜひ参考にしてみてください。
仕事が嫌なのか職場が嫌なのか考える
仕事がきついと感じる理由は人それぞれで、様々な要因が考えられます。
解決法を模索するためにも、まずは「仕事そのものが嫌なのか」「職場環境が嫌なのか」を見極めましょう。
仕事そのものが嫌なのであれば社労士の仕事から別のフィールドに身を移すことを検討し、職場環境が嫌な場合は転職活動に着手することをおすすめします。
また一口に職場環境と言っても下記のように様々な要因があるため、細かく分析することが大切です。
- 待遇面の悪さ
- 勤務時間の長さ
- 人間関係
- 任される仕事内容
自分が感じている不満を把握することで適切な対処法が見えてくるため、じっくりと考える時間を設けることをおすすめします。
転職して環境を変える
もし現在の職場環境に不満がある場合は、転職して環境を変えることで解決する可能性があります。
また、社労士の知識や経験を活かせる職場に転職することで引き続き社労士としてのスキルアップに励むことができるというメリットもあります。
近年は転職市場も拡大しており「転職は当たり前」という時代にもなっているため、転職に対してネガティブな感情を持つ人はほとんどいません。
違う職場に身を移すことで不満やきつさを解消できる可能性があるため、転職サイトに登録するなど適切なアクションを取っていきましょう。
転職サイトに登録するとエージェントとの面談を通じて「現在の転職市場」「自身の市場価値」を認識できるため、有意義な情報を得られるメリットもあります。
独立開業も検討する
独立開業することで、仕事の裁量・勤務時間・勤務場所など全てを自分で決めることができます。
そのため「社労士としての仕事は好きだが自由度の高い働き方をしたい」と考えている人は独立開業も有力な選択肢となります。
独立開業すれば職場内の人間関係に悩まされることはなくなり受ける仕事や仕事量を自分ですべて決定できるため、心地よく働くことが可能です。
もちろん安定した収入を失うなどのデメリットも伴いますが、「雇用される働き方がきつい」と感じている場合得られるメリットの方が大きいと言えるでしょう。
社労士の仕事できついことまとめ
社労士の仕事は単調に感じてしまうことが多いことに加えて顧客の都合に振り回されてしまうなど、きついと感じる場面は多くあります。
また常に法令に関する知識のアップデートが必要になるため、勉強を負担に感じる人も少なくありません。
社労士として長く働くことを検討している人は、社労士の仕事内容を把握した上で自身との相性の良し悪しをチェックすることが欠かせません。
こちらの記事で社労士の大変な側面を参考にしつつ、適切な対処法も押さえておくと良いでしょう。