行政書士試験での民法は、行政法に次いで配点が高い重要科目です。
民法は出題範囲が広く、条文や判例の理解が難しい上に暗記では対応できないことから、対応に難渋する受験生は多いです。
民法を効率的に攻略するためには、出題傾向を把握して適切な勉強方法で実践することが欠かせません。
こちらの記事では、行政書士試験における民法の配点や出題傾向、おすすめの勉強方法などを詳しく解説していきます。
問題を解くためのコツなどもご紹介していくので、民法の勉強で苦労している方はぜひ参考にしてみてください。
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行政書士試験における民法の出題数や出題範囲
まずは、行政書士試験における民法の出題数や出題範囲などを確認します。
攻略するためには、問題の特徴や全貌を捉えることが大切です。
民法で50点以上の得点を目指そう
行政書士試験における民法の配点は、下記のようになっています。
出題形式 | 問題数 | 配点 |
---|---|---|
5肢択一式 | 9問 | 36点 |
記述式 | 2問 | 40点 |
合計 | 11問 | 76点 |
行政書士試験の「法令等科目」の配点は全部で244点ですから、民法は全体の約3割を占めていることになります。
民法は行政法に次ぐ重要科目なので、しっかりと対策して得点力を鍛えておかないと合格が遠のいてしまうと言えるでしょう。
行政書士試験に合格するためにも、民法は「76点中50点以上の得点」を目標に据えるのがおすすめです。
民法は重要科目といえども、出題範囲は非常に広いため完璧に理解するのは現実的ではありません。
そのため、「7割くらい得点できれば十分」くらいの気持ちで取り組み、50点以上の得点を目指すと良いでしょう。
民法の出題範囲
民法の出題範囲は、下記の5分野に大別されます。
民法の出題範囲5分野
- 総則:民法全体の事項
- 債権:契約や権利義務や契約の内容に関する事項
- 物権:土地などの物の権利に関する事項
- 親族:婚姻や親子などの親族関係に関する事項
- 相続:遺産相続や遺言などの財産の承継
出題傾向としては、親族の分野は例年出題が少ないため、他の4分野を重点的に対策することをおすすめします。
民法は、条文が1,000以上もある上に頻繁に改正が行われるため、出題範囲から頻出分野や重要ポイントなど、優先順位を立てて勉強していきましょう。
民法の出題傾向
先に挙げた民法の出題範囲の中でも、「物権」「債権」は出題数が多いです。
特に私人間の契約の履行や物権が移動するための条件、金銭貸借などに関する権利関係は頻出なので、おさえておくと良いです。
問題文が長い上に登場人物が多く複雑ですが、物権や債権を攻略できなければ民法で安定的に得点できません。
民法が難しいと言われるポイント
行政書士試験の合格を目指す人の中には「民法が難しい!」という悩みを抱えている人は多いです。
つまり試験本番で点数が取れる人が少ないため、民法は受験生の間で差が開きやすい科目と言えます。
民法の難しいポイントを把握し、対策することで合格にグッと近づけるでしょう。
以下より民法がなぜ難しいと言われているのか、その理由についてご紹介します。
民法の難しいポイント
- 条文理解
- 判例の内容理解
- 事例の登場人物が多い
民法の難しいポイント①:条文理解
民法の出題傾向として、条文の中に難解な用語が出てくるため内容の理解が難しい特徴があります。
法律の勉強で条文の理解は必須ですが、民法の条文は内容が難しく「なかなか勉強が進まない」という受験生が多いです。
知らない単語が出てきた場合は、面倒でも一つ一つを丁寧に調べ、納得できるまで読むことが重要なので「勉強の時間がかかりすぎる」と諦めないよう根気よく勉強しましょう。
民法の難しいポイント②:判例の理解
民法の勉強をする上では、条文に加えて判例の内容も理解する必要があります。
判例は裁判所が事件に関する見解を示すものですが、内容が非常に難解である上に専門用語が多く用いられているため、非常に読みにくい特徴があります。
民法の問題では、過去の判例の「結果」だけでなく、「結果に至るまでの理由」について問われることが多いため、内容の理解は問題を解く上で必須です。
判例も条文と同じく知らない単語は丁寧に調べ、時間をかけて読み理解することで効果的な対策ができるでしょう。
民法の難しいポイント③:事例の登場人物が多い
5肢択一式問題や記述問題で出題形式が異なったとしても、出題傾向として事例問題は頻出です。
事例問題では多くの人物が登場するため、各登場人物の利害関係などを把握する点が難しい特徴があります。
例えば、「詐欺・錯誤による不動産の物権変動」をテーマにした問題では、問題文中にほとんどのケースで4人以上の人物が登場します。
設問が複雑で、問題文の意図を理解するだけでもかなりの時間がかかってしまうため、「民法で消耗してしまう」という悩みを抱える受験生は多いです。
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民法のおすすめ勉強方法
民法は、難解で対策に時間と体力を必要とするため、受験者の中でも差の開きやすい科目です。
つまり、民法で得点できれば周りと差が生まれ、合格にグッと近づけると言えるでしょう。
こちらでは、行政書士試験の民法について、おすすめの勉強方法をご紹介します。
もし、民法の勉強で行き詰っているのなら、ぜひ試してみてください。
条文と判例を理解する
民法の問題を解くためには、条文と判例の理解が欠かせません。
条文と判例をしっかりと読み込み、言わんとしている内容理解に努めること、「原因と結果」を明らかにします。
「原因と結果」をテキストと照らし合わせ、できればテキストのマネをして条文や判例の図を書いてみると良いです。
図に起こして因果関係を正しく捉えた上で「どのような理由で」「どのような結果になったか」を意識した勉強方法を実践すれば、徐々に民法の内容が理解できるはずです。
法律用語の意味を理解する
条文や判例の中に知らない単語がでてくると、文章全体の意味が理解できないため、法律用語の意味を理解することも重要です。
知らない単語や法律用語があると解答に四苦八苦してしまうことも考えられるため、安定して得点するためには法律用語の暗記は必要です。
重要な法律用語は、テキストか問題集の解説に意味が記載されていることが多いため、当該箇所を確認して覚えると良いでしょう。
暗記に頼らずに理解することを心掛ける
民法の問題を解くためには、条文や判例の因果関係を捉え理解することが重要です。
分からない問題は暗記に頼る人は多いですが、民法の条文は1,000以上あるため、暗記で対応する勉強方法は現実的ではないでしょう。
また、強引に暗記しても、応用問題を出題されると対応できないことが多く、得点が伸び悩んでしまうこともあります。
民法は暗記よりも条文や判例の理解が重要なので、勉強する際は暗記よりも頭で理解できるようなトレーニングを心がけましょう。
登場人物の立場を理解する
民法の過去の出題傾向を見ると、事例問題では「当事者」の他にも「第三者」など様々な人物が登場します。
特に、物権変動の問題では問題文において3人以上の人物が登場することが多く、各人物の立場や関係性を理解しないと問題を解くことができません。
特に、不動産の権利変動に関しては「詐欺」「脅迫」「錯誤」「心裡留保」など様々なパターンがあるため、違いをしっかり整理する必要があります。
多くの問題に取り組めば、徐々に問題のパターンや登場人物の立場をスムーズに理解できるようになるでしょう。
直近に改正された内容を押さえる
2020年に民法が大きく改正されましたが、過去の試験の出題傾向を見ると改正された内容が出題されやすい特徴があります。
そのため、行政書士試験の勉強を進める際には、最新の教材を用いることが必須です。
最新の教材を使うのはもちろん、重要な改正点に関しては改正前と改正後の違いも把握し、正確に理解するための方法を意識してみてください。
過去問演習を多くこなす
多くの過去問演習をこなすことで、条文や判例の内容を深く理解できるようになるだけでなく、出題傾向も知ることができます。
テキストを読んでインプットするだけでは「イマイチよくわからない」という箇所も、問題演習を通じて理解できるケースは多いです。
また、過去問演習を重ねる中で「狙われやすい引っかけの箇所」「重要論点」も把握できるため、過去問重視の勉強方法は得点力アップにも繋がります。
多くの問題に触れることで「全く知らない論点」を減らせることから、本試験でも冷静に対応できるようになるでしょう。
民法の記述式問題のコツ
行政書士試験では、民法の記述式問題が2問出題されます。
5肢択一式とは異なり、問題文の解答を自分の言葉で「40字程度」で記述する必要があるため、対策に難渋する受験生は多いです。
それでは、民法の記述式問題を解くためのコツをいくつかご紹介していきます。
問題の要点や出題意図を抑える
民法の記述式問題は、まず問題の要点や出題意図を抑えることを意識しましょう。
- 出題のテーマは何か
- 何を聞いているのか
- どのような登場人物がいるのか
状況を整理し、出題者の意図を把握した上で、自分の考えを整理してから解答することが記述式問題のコツです。
また、実際に解答する前にキーワードをピックアップしておくと、スムーズに40字程度の分かりやすい文章を作ることができます。
登場人物の関係図を作成する
民法の記述式問題の出題傾向を見ると、多くの登場人物が登場して「どのような効果があるか」「どのような権利を行使できるか」を問うてきます。
頭の中で理解しようとすると混乱してしまうため、登場人物の関係を図式化して整理することをおすすめします。
記述式問題には余白部分が多く、登場人物や争点を図式化するには十分なスペースがあるため、内容を整理できます。
関係を図式化してから解答した方が明確で分かりやすい文章を作れるため、状況整理をすることは大切です。
完璧に理解できなくてもとにかく書く
記述式問題には、5肢択一式問題とは異なり「途中点」が付与される場合があります。
途中点とは、完璧な回答ではなくても部分的に合っている箇所があれば加点される仕組みです。
そのため、問題文を読んで完璧に解答できなくても、自分が理解している範囲でベストを尽くしてとにかく何かしら書くことが重要です。
- 問題文から解答の形をつくること
- 必要な条文や判例の知識をできる限り思い出す
- 間違えても良いから書く
行政書士の民法対策|まとめ
行政書士の民法対策|まとめ
- 条文や判例を理解する
- 過去問演習を多くこなす
行政書士の民法は、出題範囲が広い上に学ぶ内容も難しいため、対策で苦労する場面は多いです。
しかし、行政書士試験に合格するためには避けて通れないため、出題傾向を把握した上で効果的な勉強方法を実践することが重要です。
過去の出題傾向を把握し適切な対策を対策を行うことで、民法でも得点率が上がっていくでしょう。