社労士を目指したいと思っているものの、「もう社会人だし遅すぎるのではないか?」「自分の年齢では無理なのではないか?」という疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
結論から述べると、社労士を目指すことは何歳からでも可能で何歳からでも社労士として働くことができます。
こちらの記事ではそんな社労士の平均年齢や収入、また年代別の転職事情などを解説していきます。
社労士の平均年齢や転職事情に興味がある方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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社労士登録者の年齢構成
2023年3月31日時点で44,870人が社労士として登録されています。
社労士の年齢別構成は次のとおりです。
20歳代 | 0.4% |
---|---|
30歳代 | 6.7% |
40歳代 | 26% |
50歳代 | 29.7% |
60歳代 | 21.8% |
70歳代 | 11.8% |
80歳代 | 3.2% |
90歳代以上 | 0.4% |
登録社労士の数を20歳代から見ていくと、50歳代をピークに多くなっておりその後は減少していることがわかります。
これらのことから、社労士はシニアの年代になっても働くことが望める職業と言えます。
また男女別の構成をみると男性が67.3%・女性が32.7%となっており、「女性より男性の方がやや多い職業」です。
社労士試験合格者の年齢層など
2023年に行われた第55回社労士試験合格者の構成を以下にまとめました。
20歳代以下 | 11.8% |
---|---|
30歳代 | 32.6% |
40歳代 | 29.2% |
50歳代 | 18.9% |
60歳代以上 | 7.5% |
会社員 | 58.8% |
---|---|
無職 | 12.3% |
公務員 | 8.8% |
団体職員 | 4.6% |
自営業 | 4.3% |
役員 | 2.9% |
学生 | 0.8% |
その他 | 7.5% |
男女別の構成では男性が61.2%・女性が38.8%となり、近年は女性合格者の割合が増加しています。
また合格者は30歳・40歳代の会社員が多く、転職や定年後のために社労士資格を取る方が多いと予想できます。
社労士の平均年齢
2023年3月31日時点において、社労士の平均年齢は56.04歳となっています。
また社労士合格者の平均年齢は具体的な数値が示された資料がないものの、年齢別構成を見ると「おおむね40歳代」になることが伺えます。
社労士として働く人は、他の資格を持つ専門職と比べて比較的年齢層が高めです。
これは、社労士試験自体が高難易度なや社会人になってから転職するための資格として取得を目指す人が多いことが要因として考えられます。
最年長・最年少の社労士はどのくらい?
2023年3月31日時点で社労士登録されている最年少は23歳、最年長は101歳となっています。
また2023年の社労士試験合格者については最年少が21歳・最高齢者が76歳という結果でした。
社労士試験の受験基準や合格後に社労士として登録されるための条件はありますが、年齢を問わずに挑戦することができる資格であることがわかります。
つまり、年齢を理由に社労士試験を諦めるのはもったいないと言えるでしょう。
何歳からでも社労士は目指せる
前述の通り、社労士試験受験者の約9割は30歳代以上で社労士試験に合格しています。
また、高い年齢層といえる50歳代以上の合格者数も全体の約3割を占めています。
社労士は実際に働いている年齢層は40歳代から60歳代が約7割であることからも、何歳になっても活躍できる業種であることが分かります。
そのため、社労士を目指すのに年齢は関係ないと言えるでしょう。
社労士の平均年収
厚生労働省の調査によると、社労士の平均年収は500万円程度となっています。
勤務形態や仕事内容により収入が変わるため一概には言えないものの、日本の平均年収が400万円程度であることを考えると社労士は平均以上の年収を期待できる国家資格であると言えます。
勤務形態には、自分で事務所を開業する開業社労士・社労士事務所/社労士法人/企業の社員として働く勤務社労士という種類があります。
働き方は一長一短があるため、自身が希望している働き方や価値観に応じて決めると良いでしょう。
社労士へ転職するのは何歳がベストか
何歳からでも目指せる社労士ではありますが、社労士として転職を希望する場合、若ければ若いほど有利になります。
なお、社労士としての勤務経験や福利厚生関係の実務経験があれば即戦力の社労士として転職しやすいでしょう。
しかし社労士事務所の中には未経験者歓迎の求人もあるため、事前に転職先については確認しておくことが必要です。
また、独立開業するという道を選べば年齢は一切関係ありません。
そのため、社労士へ転職するベストな年齢はどのような働き方を選択するかによって変わってきます。
企業に就職した場合
社労士の試験に合格した後、民間企業で働く人は2割程度です。
社労士としての転職を考えた場合、未経験であれば40歳代までに転職を済ませておくのがベストでしょう。
社労士資格自体が難関資格のため、ある程度年齢を重ねていても採用されやすい傾向にあります。
また企業に就職する場合経験者が優遇される場合が多いですが、前述したように未経験者歓迎や勉強中の方歓迎などの求人もあります。
そして民間企業で働く場合は企業内社労士として働くことが多く、社労士の業務を兼任しながら社内で幅広く活躍できます。
営業職や事務職といった仕事を兼業することもあるため、社労士以外の業務についての実務経験を積めるメリットがあります。
特に営業職で培うであろう交渉術や人脈は後々社労士として独立したときに必要となるスキルのため、企業での経験は社労士としてのその後の人生に大きく関わってきます。
社労士資格はなくなるものではないため、定年後でも再任用されて社労士業務に引き続き従事することが多いです。
また企業に就職した場合の年収の平均は600万円以上700万円以下と言われ、安定した給与を得ることができます。
社労士事務所・法人で勤務する場合
社労士事務所・法人は社労士の仕事に特化して勤務することができます。
社労士の業務は事務所が獲得してくるため、安定して社労士業務のキャリアを積むことができます。
また企業の役員と知り合いになることでコネクションができ、独立した際にそこから仕事を得られる可能性があります。
ただし年収の平均は約400万円から500万円程度と言われているため、ここでキャリアとコネクションを積んで開業や大企業へ転職を狙っていくための職場と考える方も多いです。
独立開業する場合
試験に合格した後、最終的に独立開業をする社労士は8割程度です。
実務未経験での独立は難しいものの未経験から独立し活躍している社労士もいるため、社労士として独立開業する場合年齢は関係ありません。
しかし未経験の社労士は仕事を受注する上で不利なため、1度企業や事務所の勤務社労士を経験して人脈や経験を広げると良いでしょう。
独立した場合の収入の平均は400万円から500万円ですが、300万円以下が26.3%、1000万円以上が13.5%とかなりの差があります。
今まで培ってきた人脈をフル活用し、さらにSNSなどのツールを活用して営業をかければ高年収が期待できます。
社労士への転職方法を年齢別に解説
続いて、年代に合った社労士への転職方法をご紹介します。
前述のとおり社労士自体の平均年齢は高く、試験に合格する年齢層も高めです。
年齢が高くなればなるほど経験が求められるため、自身の年齢・スキルに応じて最適な転職方法を実践することが大切です。
30代の場合
30代は20代よりも転職の難易度が上がりますが、今までの社会人経験を活かした自身のアピールをすることで実務未経験でも内定が得られるケースがあります。
社労士に関することだけでなく、自らが持つ経験や能力を活かして「どのように企業に貢献できるか」を考え転職活動に臨みましょう。
40代の場合
40代は30代の転職と比較すると難しくなる傾向にありますが、社労士として就職することは十分に可能です。
例えば社労士として働く人は営業を不得手とする方が多く、営業職の経験者は有利になります。
社労士が持つ知識は営業職として必要な知識と結びつくことが多いため、企業としても社労士としての能力プラスアルファが欲しい事情があるためです。
また外国の方とコミュニケーションが取れる英語力のある人も重宝されるため、社労士以外の分野での即戦力となれる人が転職に成功しやすいでしょう。
50代の場合
社労士に限った話ではありませんが、50代になると40代以上に企業への転職が難しくなります。
年齢不問かつ未経験でも採用している求人はありますが、企業への転職ではなく独立開業し社労士として活躍することも可能です。
どんな社労士になりたいかを明確にし自身で仕事を獲得するフットワークの軽さが重要となるため、培って来た人脈を活かすと良いでしょう。
なお独立開業ではなく就職を目指す場合、自身の経験で培ったスキルをフル活用して他との差別化を図れば就職できる可能性は高くなるでしょう。
60代以上の場合
60代以上の場合、独立開業を目指すか副業として働くことを視野に入れると良いでしょう。
60代になると企業への転職は相当な経験がなければ難しいのが現実です。
また募集は多くありませんが、都道府県社労士会で募集する行政協力の仕事もあります。
自身の年齢や経験に応じて最適な転職先や働き方を選ぶことが重要と言えるでしょう。
社労士の平均年齢まとめ
調査の結果、社労士の平均年齢としては45歳~55歳である事が分かりました。
また、社労士試験の合格者としては35歳~45歳程度が多く、第二のキャリアとして受験に挑む方が多いことが分かります。
社労士試験に合格した有資格者は貴重な人材であり、社労士にしかできない業務の存在から様々な業界で重宝される存在となります。
さらに社労士自体の年齢層が高めである上に社労士の需要は常にあるため、社労士を目指すのに年齢は関係ありません。
年齢に不安を抱えている方は、過度に気にすることなく社労士の勉強を進めていきましょう。