社会保険労務士は専門性が高く価値のある資格として知られています。
非常に価値の高い資格のため、将来的に社労士として働きたいと考えている学生の方は多いのではないでしょうか。
そのような方々の疑問として、在学中に資格取得を目指せるのか・目指すメリットはあるのかといったことが挙げられるかと思います。
この記事ではそのような方々に向けて、そもそも大学生が社労士資格を取得することは可能なのか、また社会人になってからではなく大学生のうちに社労士資格を取得するメリットはあるのかについて解説していきます。
限られた学生生活を有意義に過ごすための参考として、ぜひ最後までご覧ください!
司法試験・予備試験の通信講座・予備校おすすめランキング9選!料金費用の安さ・人気・評判を徹底比較【最新】
社会保険労務士試験におすすめの通信講座
大学生でも社労士資格は取れる?
そもそも、大学生で社労士の資格を取ることは可能なのでしょうか?
結論から述べると、受験資格を満たしていれば大学生でも社労士の資格を取得することは出来ます。
必要な受験資格などを、以下に詳しく記載していきます。
社労士試験を受けるために必要な受験資格
社労士の受験資格は『学歴』『実務経験』『厚生労働大臣の認めた国家試験合格』の3つに分けられています。
この中のいずれか1つを満たしていれば受験が可能です。
大学在学中の場合、以下のような条件が当てはまるでしょう。
「上記の大学(短期大学を除く)において62単位以上の卒業要件単位を修得した者」
「上記の大学(短期大学を除く)において一般教養科目と専門教育科目等との区分けをしているものにおいて一般教養科目36単位以上を修得し、かつ、専門教育科目等の単位を加えて合計48単位以上の卒業要件単位を修得した者」
なお受験申込みの際には受験資格があることを明らかにすることができる書面『受験資格証明書』を提出しなければなりません。
大学在学中の場合は、大学の成績証明書を提出することになります。
短大生でも受験できるのか
大学在学中でも社労士の資格が取れることは分かりました。
それでは、短大生の場合も同じように在学中に社労士資格が取れるのでしょうか。
確認したところ、短大生の場合は在学している大学を卒業する必要があることが分かりました。
そのため短大生の場合は、在学中に資格の勉強をし卒業と同時に試験を受験することで最短で社労士の資格が取れるということになります。
在学中にこつこつと学習し、積み重ねをしておくのが大切ですね。
社労士試験に合格するだけでは社労士は名乗れない!
晴れて社労士試験に合格したとしても、その日から社労士を名乗れるわけではありません。
社労士として働くためにはいくつか段階を踏む必要があります。
まず合格後に全国社会保険労務士連合会(全社連)から登録のお知らせが送付されます。
その後全社連に登録する必要があるのですが、大学生の場合は事務指定講習を受ける必要があります。
というのも、社労士として働くためには2年以上の実務経験もしくは講習を修了する必要があるからです。
そのため実務経験のない大学生の場合はこの講習を受けることが必須となります。
そして講習修了後、ようやく全社連に登録ができます。
登録なしに報酬を得て仕事をすると法律違反となるため、社労士として仕事をするには全社連への登録が必須です。
大学生で社労士合格の難易度はどれくらい?
社労士資格は大学生でも取れるということが分かりました。
では、大学生で社労士に合格するのはどれくらい難しいのでしょうか。
社労士試験の合格率は約5〜7%と低く、難易度が高いと言われています。
試験内容は労働基準法・雇用保険法など10の分野に分かれており、そこから科目ごとに出題されます。
合格点が細かく決められているのも特徴です。
実務経験のある方も数多く受験するため、実務経験のない大学生の場合はよりしっかりと学習を進めなければ合格するのは厳しいでしょう。
大学生のうちに独学で社労士合格は目指せる?
前述したように社労士試験は難易度が高いため、様々な予備校や通信教育講座が対策講座を開講しています。
しかし当然ながら一定の費用がかかってくるため、金銭的な余裕のない大学生の中には独学で学習して社労士資格を取りたいと思っている方もいるでしょう。
大学生の間は社会人に比べて時間の確保がしやすく、早い段階からしっかりと学習を進めることが出来ます。
一方先程ご紹介した通り社労士試験の合格難易度が非常に高いため、独学だけで合格するのは非常に難しいと言えます。
また社労士試験は年に1回しか開催されないため、在学中の合格を目指すのであればチャンスは1回ないし2回程度と考えられます。
1発合格を目指すつもりで学習・受験せねばならないことも、合格難易度をさらに上げてくるでしょう。
大学生のうちに社労士資格を取得するメリット
社労士資格は大学生でも取得できる一方、難易度は非常に高いことがお分かり頂けたかと思います
では、大学生のうちに社労士資格を取得するメリットはあるのでしょうか。
ここからは、大学生が在学中に社労士資格を取得するメリットについて見ていきましょう。
勉強時間が確保しやすい
メリットの1つ目として、社会人になってから資格試験の勉強をするより勉強時間の確保がしやすいことが挙げられます。
いざ資格を取得したいとなっても、社会人になってからでは勉強できる時間が就業後や休日に限定されます。
その点大学生のうちであれば一定のまとまった時間を確保しやすいため、日々勉強を続けやすくなります。
早いうちからこつこつと学習する癖をつけておくのが良いかもしれません。
希少価値が付く
メリットの2つ目として、希少価値がつくということが挙げられます。
社労士資格を取得しようと考える方の大半は既に社会人になっている方です。
転職や自身のスキルアップにつなげるために資格を取得しようと考える人の方が多いのでしょう。
そのため大学生のうちに社労士資格を取得する割合は非常に低いため、希少価値がつくというわけです。
資格だけでなく勉強してきた努力なども評価される
繰り返しになりますが、社労士試験は合格難易度が大変高い試験です。
その試験に合格し社労士資格が取れるということは、相当の努力をした証になります。
このように「目標達成に向けて着実に努力を重ねられる」と評価してもらえるというのも大きなメリットの1つといえます。
また万が一試験に落ちてしまったとしても、難易度の高い試験に果敢に挑戦したという事実や努力を評価してもらえる可能性は十分あります。
大学生なら未経験でも就職しやすい
社会人採用や転職といった場合にはこれまでの経験やスキルが特に重視されますが、大学生の就活となると全員が未経験です。
そんな中で難易度の高い社労士の資格を持って就活すれば、他の就活生よりも評価される大きなポイントになります。
社労士資格を取れるくらいのポテンシャルがあると判断される可能性も高いでしょう。
未経験でも資格を活かして就活ができるのは非常に大きなメリットですよね。
大学生の社労士の就職先
大学生で社労士資格を取得するメリットが多くあることが分かりました。
その中で未経験からでも就職しやすいというメリットもありましたが、実際に大学生で社労士資格を持っている人はどういったところへ就職できるのでしょうか。
考えられる就職先についてご紹介します。
社労士事務所
社労士資格を持っているわけですから、当然社労士事務所に就職できる確率は格段に高くなります。
社労士事務所では、顧客である企業に代わって労働保険/社会保険の手続き・書類の提出代行などを行うのが主な業務内容になります。
資格を取得していることに加えて高い事務処理能力が必要になるため、大学生のうちからアルバイトなどで鍛えておくと良いでしょう。
弁護士事務所や会計事務所など他士業の事務所
社労士事務所以外にも、弁護士事務所や会計事務所といった他士業の事務所にも就職しやすくなるでしょう。
こういった事務所は社労士事務所を併設している場合があります。
様々な法律の中でも、労務や年金問題に特化した社労士は他士業の事務所でも求められる可能性が高いのです。
そのため社労士資格を持っている大学生が就活する際有利になりやすいと言えます。
社労士事務所だけでなく、他士業の事務所にも目を向けて就活してみると良いかもしれません。
一般企業
もちろん一般企業においても社労士資格を有していれば就活に有利になるでしょう。
どんな企業にも人事・労務などを管轄する部署があります。
一般企業の人事・労務では、所属企業の従業員の給与計算・社員が入退社した時の手続き・就業規則や社内規定の制定などを行います。
社員の人事考課に深く関わることができるのも大きな特徴です。
業務内容は幅広いため、資格取得のために得た知識をすぐ実践に活かすのにはぴったりと言えますね。
コンサル会社
社労士が担える仕事の1つとして、労務コンサルティングというものがあります。
労務コンサルティングは、企業の経営課題を解決するために人事領域の改善・助言・提案・実行を行うのが主な業務内容となっています。
企業が抱えている課題に合わせて人事制度・労務監査・キャリアコンサルティングなど様々な分野において調査・提案・サポートを行います。
これらは社労士資格を有している専門家ならではの業務のため、社労士資格を持っている大学生が就活する上で有利になるのは間違いないでしょう。
社労士資格は大学生でも取れる?就活で有利になるなどのメリットも?まとめ
今回は、社労士資格は大学生でも取れるのか・有資格者は就活で有利になるのかといった点を取り上げました。
社労士資格は大学生でも取得が可能ですが、難易度が非常に高いことがお分かり頂けたかと思います。
大学生の間に取得するにはほぼ1発合格を狙う必要があり、合格までのハードルは決して低くありません。
しかしその分就活する上では大きなメリットがあり、万が一資格が取れなくても努力を認めてもらえるきっかけになりえることも分かりました。
また資格取得後は様々な就職先が考えられ、今後のキャリアを考える上で選択肢が広がることも期待できます。
これから就活を控えている大学生の方や少しでも就活が有利に運ぶように頑張りたい!といった大学生の方は、ぜひ社労士試験への挑戦を検討してみてください!