検察官の転勤や就職先の詳細や活躍の場・勤務地についてまとめています。
検察官として就職先となるのは、検察庁となりますが、検察官は転勤が多い職業の為に一体どこが活躍の場となり、どういった業務を行っているのか気になりますよね。
検察官として行うべき活動はどういったものがあるのか?転勤や勤務地など検察官の就職先など、検察官の活躍の場について、ご紹介していきます。
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検察官の勤務地
検察官としての就職先は、日本全国の検察庁となっていて、転勤の多い検察官は勤務地も変化し、活躍の場も様々となります。
業務内容も色々な分野での幅広く、基本的な検察官としての一連の業務やその他に海外への留学研修や外務省・財務省などに異動する事もあり、検察官は定期的な異動先での勤務地により、経験や知識が培われているのです。
検察庁とは
検察庁とは法務省に属している組織で、検察官の業務を統括していて、裁判所に対応して全国各地に設置されています。
検察官が検察庁で行う業務は、警察の行った捜査記録と証拠品、被疑者を検察庁に送り、取り調べや証拠品の捜査を行い、裁判所へ起訴するかしないかの判断を決定します。
検事の就職先について
検察官は弁護士の個人事務所などと違い、就職先としては各検察庁の組織に所属します。
また、検察官と裁判官は司法修習の最後に行われる二回試験では検察官と裁判官共に結果発表後の内定通知となっていて、万が一不採用の場合に、そこから就職活動を行っても採用期間が終了している事が多く、検察官希望者の多くも募集期間には就職先として法律事務所などへの就職活動を行っている検事も多くなっています。
その他の就職先
検察官の就職先としては基本的に検察庁となりますが、検察庁以外にも活躍の場があり、国連機関・在外公館、民間企業や外部派遣などもあります。
任官検事は異動先が経験に応じて変化するので、検察庁から異動を命じられ海外での留学や、地方検察庁での公判など経験を積んでいきます。
検察官の外部派遣については、現代社会で発生するインターネットの不正アクセスやサイバーテロに関する犯罪を学ぶため、サイバー機関などに派遣され、インターネットにおける組織的犯罪やその法律、裁判について学び、検察官として今後の活動に活かされていきます。
検察官の主な勤務地
検察官は検察庁を勤務地としていて、検察庁は刑事事件の捜査や裁判に関する適切な請求・執行を監督しています。
司法試験に合格し、検察庁に採用されれば検事として任官されます。
任官直後の新任検事は転勤の期間が短いスパンで行われ、勤務地として全国各地の検察庁に異動があります。
検察官が務める検察庁は大きく4種類あり、それぞれ裁判所に対応して設置されています。
最高検察庁
最高検察庁は検事総長がトップを務め、最高裁判所に対応して東京に1ヶ所設置されています。
日本では唯一の検察庁で、全国の検察庁職員を指揮しています。
最高検察庁では高等裁判所で行われた刑事事件に対して上告された事件を担当します。
高等検察庁
高等検察庁は検事長がトップを務め、高等裁判所に対応して全国で8ヶ所設置されています。
高等検察庁では地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所で行われた刑事事件に関して控訴された事件を担当します。
地方検察庁
地方検察庁は検事正がトップを務め、地方裁判所、家庭裁判所に対応して各県庁所在地50ヶ所に設置されています。
地方検察庁は地方裁判所・家庭裁判所が管轄している刑事事件を担当します。
区検察庁
区検察庁は上席検察官がトップを務め、簡易裁判所に対応して全国438ヶ所設置されています。
区検察庁は比較的に軽い刑事事件を担当しています。
検察庁について
検察庁は法務省の特別機関で、法務大臣直属の組織です。
検察庁での検察官の業務は大きく分けると捜査を担当する刑事部と公判を担当する部署の2つに分かれています。
捜査公判部門
捜査公判部門では、刑事部が起訴した時間などの裁判の立ち会いや、刑事事件に関する検察官の公訴・提訴に関する裁判の立ち会い補佐を行います。
検察官からの指令があれば、事件に関する捜査も行います。
捜査公判部門の検察官の業務
裁判所では被告人に適切な処分がなされるように、証拠などを提出して、証人尋問・被告人質問などの業務を行って、刑について意見をしたりして、裁判に必要となる手続きに従い業務を行います。
公判までに証拠を準備し、証人との話し合いや書面作成をしておきます。
裁判内容によって現場に出向し、現場での写真撮影や実験、参考人への事情聴取など、捜査担当の検事と同じ業務を行う事もあります。
特別刑事部
特別刑事部は地方検察庁に設置されていて、特別捜査部と公安部の両方を兼ねています。
重大事件を担当し、捜査するのが特別刑事部です。
自ら捜査や情報収集を行い、告訴や告発の情報などで捜査をして、検挙摘発を行います。
特別捜査部
特別捜査部では銀行や人物などの捜査や聞き込み捜査などの内偵捜査を行ったり、捜査差し押さえなどを行います。
特別捜査部は特殊な組織となり、検察官の通常の業務は公訴を取り扱っていますが、第二次の捜査機関として独自捜査を行ったりします。
検察官には捜査をする権限がありますが、何らかの事情で警察が捜査しない場合もあり、その時に設置されている部署が特別捜査部と特別刑事部となり、大規模な捜査を行います。
ただし、警察が捜査しない犯罪については省庁による告発に限られています。
公安部(最高検察庁)
公安部は最高検察庁にのみ設置された部署で、テロなどの犯罪や労働災害、外国人などの犯罪や組織的な犯罪などの重大事件を担当し、全国各地で発生する事件の捜査、公判などの指導を行います。
検察官の転勤
検察官という職業は転勤族でその行先は日本全国や海外への留学など活躍の場も様々です。
検察官の仕事は常に法律に関しての幅広い知識が必要となる為にも、転勤は任官直後から始まります。
転勤についてご紹介していきます。
転勤について
検察官の転勤は任官から10年程度、2~3年おきにあり、様々な出向先へと異動があり、全国一斉に「意向打診」が行われています。
意向打診とは転勤が決定した検事に対して異動先を告知するものです。
任官直後は1~2年おきの転勤があり、様々な経験を積んでいき、その後業務を一通り経験すれば、2~3年おきへと変化していきます。
転勤が多い事に関しては、経験を重ねていく事と、特定の地に長期間いる事によって地域に馴染み、公平性が損なわれる可能性や、検察官という特殊な職業での逆恨みなどの可能性から、検察官の身を守る為にも考慮していると言われています。
告知について
検察庁では例年1月中旬~4月に定期異動があります。
春になると検察庁では異動に関する希望調査を行い、法務省の人事課に提出しなければなりません。
1月中旬頃に異動先を告知する「意向打診」が行われ、異動先を個々に告げられます。
2月下旬~3月上旬に「内示」があり、4月に異動事例を受け取り転勤していきます。
異動先の勤務地
意向打診が行われた時点では行先が決まっていても、どこの部署に所属するかはまだわかりません。
意向打診が告知され、内示が行われてから、各地方検察庁で幹部が構成などを考え決定していくのです。
引継ぎなどの業務を3月までに行い、4月に入り着任前に自身の所属先を知らされます。
転勤での勤務地
まず任官直後の新任検事と呼ばれる検事は東京や横浜・名古屋などの主要都市以外の地方検察庁への異動となる事が多く、そこを勤務地とし地方での公判で基礎知識を身に付け、検事としての仕事の流れを掴み、応用力をつけていきます。
2年経過して次の異動時期になると、次は主要都市での検察庁が勤務地となり、都会の様々な事件・捜査・公判を経験し、検察官として知識を広げるために実践して学んでいきます。
中堅検事になると日本全国の地方検察本庁や支部などが勤務地になり、これまでの経験を活かして様々な事件を担当します。
中堅検事として後輩の若手検事にも指導を行います。
そうして段階に応じて、活躍の場も変化していくのです。
海外への異動
新任明け期間に行政官長期在外研究のために留学となる検事もいます。
行政官長期在外研究とは、日本国内だけでなく検事として国際的な視野を広げ、様々な人種間での問題や多様化した国際環境において検事として対応できるよう育成する事を目的としています。
各都道府県の行政官を海外の大学院に派遣し、研究させる為の研修制度です。
各行政によって推薦者を提示し、人事院が審査を行い決定します。
海外での業務は
海外への研修生として異動を命じられた新任検事は、留学の準備として語学学習を始め、語学力を身に付けておきます。
大学院での研究は主に法律や行政・社会に関する物が多く、海外の社会問題や各国での刑務所の動向など研究課題は様々な物となります。
その他に、各国の法廷見学や現地検察官との話し合いや現地の法制度について学び、論文を提出を行います。
検察官の勤務地や転勤事情!就職先や活躍の場は?まとめ
検察官の勤務地・転勤についての詳細と就職先、活躍の場をまとめてご紹介しました。
検察官の仕事には様々な活躍の場があり、多職種と違い組織を活躍の場とする検察官は異動という形で別の検察庁へ所属して、様々な経験を積んで一人前の検察官の育成を目指しています。
転勤の多い仕事となりますが、検察官の仕事は国を代表する法律の専門家として活躍する為に、多種多様な業務を実際に実務として行って成長していくので、検察官としても人としても成長できる環境にあります。
全国の各検察庁に所属する事で色々な人に出会い、所属部署の上司の考え方や教育を直に指導してもらうなど、とてもやりがいのある仕事なのではないでしょうか?